半席(新潮文庫)

半席(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

御家人から旗本に出世すべく、仕事に励む若き徒目付の片岡直人。だが上役から振られたのは、不可解な事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用だった。職務に精勤してきた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の侍が堪えきれなかった思いとは。人生を支えていた名前とは。意外な真相が浮上するとき、人知れずもがきながら生きる男たちの姿が照らし出される。珠玉の武家小説。(解説・川出正樹)

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半席(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2024年02月11日

    ☆4.5

    御家人から旗本への出世を目指し、徒目付の仕事に真面目に取り組んでいる片岡直人は、徒目付組頭の内藤雅之に外部からの頼まれ御用を度々任されてしまう。
    出世に関わりない仕事であるのに、その面白さとやりがいに、自らの狭い視界を広げさせてゆく。
    六編収録の連作短編集。
    事件が起きても、犯人の自白と...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年07月28日

    主人公の青年、徒目付の片岡直人、上役の内藤雅之をはじめとする登場人物設定、描写が素晴らしい。
    科人すら「真の動機」が明らかにあると、「仕方なかったのか? 気の毒な、、」と思わせる。ある意味、潔さまで伝わるかと感じました。

    一話完結の謎解きと思い、途中で読み止めてはいけません(^^) 6話で一冊、...続きを読む

    1

    Posted by ブクログ 2024年01月04日

    江戸の御家人、片岡直人が様々な事件の裏にある真の動機を探り当てる6つのミステリー。青山文平の時代小説は丁寧な書き方ながら、江戸のセリフや舞台の回し方などが小気味良い。上司の組頭、内藤雅之の江戸の旨いもの紹介の語り口も優れたグルメ噺の程を出していて味わい深くて良い。少し古い小説だが正月に酒でも飲みなが...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年10月08日

    初めましての作家さん。
    主人公の片岡直人は、徒目付(かちめつけ)という、
    職員の監察係をしている。
    旗本、永々(えいえい)御目見への出世を目指し
    仕事に励んでいたが上司である内藤雅之に、外から
    持ち込まれる頼まれ御用を言いつかり
    これがまた、犯罪を犯して計が決まっている犯罪者から
    「なぜ」そのような...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月13日

    ホワイダニットを時代物でコーティングしたお話。もちろん本筋も面白いんだけど、出世に焦がれつつも思い悩む主人公に、雅之、源内という魅力的なまわりの人物のさりげないサポートがよかったです。あと、このお話の食事の場面は飯テロといっていいほど秀逸です。

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月07日

    どこかの文庫紹介で、歴史ミステリとして紹介されていた本。とても良かったです。
    ミステリのジャンルとしては、ホワイダニット系になるかと思うのですが、その動機はどれもこれも「そうせざるを得なかった」やるせなさや、諦め、悟り、いろいろなものを感じられ、感情豊かで素晴らしい。
    時代背景や歴史もの特有の用語な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月10日

    おもしれえ。江戸時代の探偵物ってのが斬新だし、ちゃんとミステリとして成立してるのが凄い。連作短編集なんだけど、どの話も味わい深くて良い。このシリーズ続いてくれてもいいと思うな(調べたら続編あるらしい)。

    0

    Posted by ブクログ 2021年10月03日

    仮説を立てて検証をする。対象が違えど、心持ちは似たところがあるなと思いつつ、職場や上司との関わりを自身と比較しながら読んだ。我が身の行く末も考える「役替え」の読後感、面白かった。

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月06日

     10代の頃、大人になるということは、思い悩むことが減っていくことだと信じていて、いわゆる「中年」と呼ばれる年齢に差し掛かってきたここ数年、よくそのことを思い出し、考えてしまうことがあります。
     いくつになっても、あるいはどれほどキャリアや大きな功を成しているとされるような第一線の人たちであっても、...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年06月30日

    父は、御目見以上の役に就いて旗本になったが、その後役を解かれて御家人に戻った。一代御目見以上だった。片岡直人は、今の半席の状態からもう一度御目見以上になり、子も生まれた時から旗本である永々御目見以上になるのをを目指している。今の徒目付は、そのための腰掛のつもりであったのだが、次第に徒目付の表の仕事は...続きを読む

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