新潮社作品一覧

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  • 華麗なる一族(上中下) 合本版
    5.0
    1巻2,596円 (税込)
    業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。 ※当電子版は『華麗なる一族』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • おとこの秘図(上中下) 合本版
    2.0
    時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。 ※当電子版は『おとこの秘図』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 鶴見俊輔伝
    4.5
    後藤新平を祖父に、鶴見祐輔を父に生まれた鶴見俊輔。不良化の末、渡米してハーヴァードに入学。日米交換船で帰国して敗戦を迎える。その後の50年にわたる「思想の科学」の発行、「ベ平連」の活動、「もうろく」を生きる方法まで。あらゆる文献を繙き、著者自身の体験にも照らしつつ、稀代の哲学者の歩みと思想に迫る。
  • 遠い声、遠い部屋
    4.2
    新鮮な言語感覚と幻想に満ちた華麗な文体で構成された本作は、1948年に刊行されるやいなや、アメリカ中で大きな波紋を呼び起こした。父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエル少年の、近づきつつある大人の世界に怯え屈折する心理と、脆くもうつろいやすい感情とを描いた半自伝的なデビュー長編。
  • 厳島
    3.9
    兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。「これまで誰も書きえなかった厳島合戦の全貌を描き、我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛! 謀略で勝利した元就と義を貫いて敗れた晴賢。対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!
  • 邯鄲の島遥かなり 上
    4.1
    1~3巻2,530~2,695円 (税込)
    神生島にイチマツが帰ってきた。神か仏のような人間離れした美貌の一ノ屋松造は、島の女たちと次々に契る。そして生まれた子供には、唇のような形の赤痣が身体のどこかにあった。またその子供たちにも同じ痣が――。明治維新から「あの日」の先までを、多彩な十七の物語がプリズムのように映し出す。
  • キュー
    3.2
    1巻2,530円 (税込)
    平凡な医師の僕が突然拉致された先では、世界の趨勢を巡る暗闘が繰り広げられていた。その中心には、長年寝たきりのはずの祖父がいるという。そして明かされる祖父の秘密、それは人類を一つに溶かすという使命なのだが――超越系文学の旗手がその全才能を注ぎ、Yahoo!JAPANでの同時連載も話題となった、芥川賞受賞第一作。
  • 戦争前夜―魯迅、蒋介石の愛した日本―
    3.0
    明治から大正昭和。時代は再び混沌に。陰謀、裏切り、暗殺、中傷、純愛、恋の逃避行、政略結婚、死。そして日中の結び目は、ぷつんと切れた――。舞台は東京から、北京、上海へ。中国革命に炎を燃やす男達と支えた日本人の希望と挫折の物語。現代史で避けられていた時代に鋭く光を当て《日中百年の群像》を描く!
  • 宇宙の覇者 ベゾスvsマスク
    3.6
    テクノロジーの力で世界を変革してきた二人の傑物、アマゾンのジェフ・ベゾスとテスラのイーロン・マスク。彼らが人生を賭けた挑戦の舞台に選んだのは、冷戦終結後に目標を見失い停滞する宇宙産業だった。人類最後のフロンティアに挑む二人の熾烈な競争と、彼らの参入で新たな黄金時代を迎える宇宙開発の最先端を描き出す。
  • 昏い水
    3.5
    知的で辛辣、自由を重んじ、七十代のいまも仕事のため遠方まで車を走らせるフランチェスカ、病床にあるどこか憎めない元夫、高級老人ホームで悠々自適の女友だち、恋人を突然亡くした息子が身を寄せるカナリア諸島のゲイの老カップル……。いかにも英国的なユーモアをちりばめながら、人生の終盤を生きる人々を描く長篇小説。
  • 神秘大通り(上)
    3.5
    メキシコ・オアハカのゴミ捨て場育ちの作家が、雪のNYからマニラへと、古い約束を果たす旅に出た。いつしかそれが過去への旅に。娼婦にして教会の掃除婦だった母。サーカスのライオンに殺された妹。宣教師とトランスヴェスタイトの愛情深い養父母。怪しい美人母娘を道連れに、作家の感傷旅行はどこへ向かうのか。上巻。
  • ビリー・リンの永遠の一日
    3.6
    イラク戦争のさなか、一時帰国して戦意昂揚のためのショーに駆り出された兵士たち。過酷な戦場の現実と、政治やメディアの滑稽な狂騒の、その途方もない隔絶。テロや戦争の絶えない現代アメリカの姿を、若き兵士の視点から描く傑作長篇。全米批評家協会賞受賞。
  • 騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫)
    4.5
    1巻2,508円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ! ※当電子版は新潮文庫版『騎士団長殺し』第1部~第2部の全4冊をまとめた合本版です。
  • オードリーのオールナイトニッポン トーク傑作選2019-2022―「さよならむつみ荘、そして……」編―
    4.3
    春日の結婚・引っ越し、若林の結婚、父になったオードリー。激動期の傑作トーク38本を収録! 「オウムを飼いたい」「表参道のトイプードルとカバーニャ要塞のビーグル」「大磯のTバック男」「フィールド・オブ・ドリームス」「鮎釣り」「北関東の居酒屋」……。熱烈リスナー5組の豪華スペシャルインタビューも! ※書籍版のモノクロ写真を、電子版ではカラーで収録しています。
  • 神学でこんなにわかる「村上春樹」
    3.0
    村上作品をキリスト教神学で読めば、ページから違う声が聞こえてくる。悪の問題に正面から取り組んだ『騎士団長殺し』を「不可能の可能性に挑む」「神なき時代の愛のリアリティ」のキーワードで詳細に読みほぐし、最新作『街と~』に至る展開まで鋭く考察。神学と海外事情に精通する著者だから書けた、発見と驚き満載の書。
  • 花神(上中下) 合本版
    5.0
    周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となり、維新の渦中で非業の死をとげたわが国近代兵制の創始者大村益次郎の波瀾の生涯を描く長編。動乱への胎動をはじめた時世をよそに、緒方洪庵の適塾で蘭学の修養を積んでいた村田蔵六(のちの大村益次郎)は、時代の求めるままに蘭学の才能を買われ、宇和島藩から幕府、そして郷里の長州藩へととりたてられ、歴史の激流にのめりこんでゆく。 ※当電子版は『花神』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 関ヶ原(上中下) 合本版
    4.4
    東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか? ※当電子版は『関ヶ原』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 香乱記(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが……。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『香乱記』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 美味礼讃
    4.5
    人生に必要なこと。それは、よく食べ、よく愛し合うこと――。19世紀フランスでベストセラーとなった食のバイブルを、『パリ 旅の雑学ノート』『料理の四面体』の玉村豊男が、原書の魅力が伝わるよう大胆に編集し、新訳。食の話題にとどまらず、恋愛を何よりも大切にするフランス文化のエッセンスが詰まった原文の妙味を解説。
  • 昭和天皇 御召列車全記録
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 0歳から87歳まで一年の空白もなく続いた「鉄道の旅」。“花嫁”を乗せたこともあれば、機関砲四門と一緒の時もあった。君が代と万歳の嵐に占領軍もたじろいだ。緊張のあまり曲がりどころを間違える先導の駅長。1センチの狂いもなくピタリと列車を停める名機関士。奉迎者の熱狂、鉄道員の悲喜こもごもも乗せて走った「天皇の旅路」の全貌。
  • 峠(上中下) 合本版
    4.3
    幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。 ※当電子版は『峠』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • さまよえる神剣
    -
    1巻2,420円 (税込)
    「安徳帝は入水せず、三種の神器の剣とともに土佐山中に消えた」。伝承を信じて、後鳥羽上皇のため神剣探索の旅に出た忠臣・有綱。苦難の果てに帝一行が住み着いたという集落を発見するが、そこでは思いも寄らない運命が待ち構えていた。一人の若者の冒険と恋を通じて、日本史最大の謎に挑んだ著者新境地の長編歴史ロマン。
  • サルと哲学者―哲学について進化学はどう答えるか―
    4.0
    『変身』のグレーゴル・ザムザは虫になっても本人のままなのか。『罪と罰』のラスコーリニコフはなぜ老婆を殺して罪悪感を覚えたのか。自己同一性や道徳の起源など人類永遠のテーマについて著名な哲学者や思想家が答えを出してきた。それは現代自然科学からみたときどれくらい正しいのか。スウェーデンの新鋭が読み解く。
  • 自由の丘に、小屋をつくる
    3.9
    40代で母親になって考えた。「この子に残せるのは、“何かを自分で作り出せる実感”だけかも」。そこから不器用ナンバーワンの著者による小屋作りが始まる。コスパ・タイパはフル度外視。規格外の仲間たちと手を動かすほどに「世界」はみるみるその姿を変えていき……。暮らしと思索が響き合う、軽快ものづくりエッセイ。
  • ドゥルガーの島
    3.1
    1巻2,420円 (税込)
    大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。一正はこの遺跡の保護を自らの使命とし本格的な調査に乗り出すが、次々と障壁が立ち塞がる。住民の反発、開発を優先する地主、他宗教からの弾圧……人間の欲望が女神の怒りに触れたとき、島に激震が走る。圧巻の長編エンタテインメント!
  • 戯場國の怪人
    3.6
    1巻2,420円 (税込)
    桟敷席を予約し続ける謎の人物の噂が立つ江戸市村座。女形瀬川菊之丞、戯作者平賀源内、二代目市川團十郎、講談師深井志道軒、広島藩士稲生武太夫、大奥御年寄江島、さる公卿とその妹らを巻き込み、芝居小屋の地下で蠢く時を超えた怨讐、恋着、役者の業火等々、虚実のあわいを壮大に描き切る伝奇エンタメの極地!
  • リベラリズムへの不満
    3.8
    リベラリズムが右派のポピュリストや左派の進歩派から激しい攻撃を受け、深刻な脅威にさらされている。だがそれは、この思想が間違った方向に発展した結果であり、本質的な価値に疑いの余地はない。多様な政治的立場を包含する「大きな傘」としてのリベラリズムの真の価値を原点に遡って解き明かし、再生への道を提示する。
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―
    3.8
    100年前、大量の国債を発行し続けたドイツ。通貨安による好況を味わったのも束の間、やがて深刻な物価高騰が庶民の生活を襲う。失業と破産が増え、モラルが失われ、ありとあらゆる対立が噴出するなかで、ひとびとはどう行動し、社会がどう崩壊していったのか。破綻の前触れから末路までを生々しく描き出した迫真のドキュメント。(解説・池上彰)
  • 彼女のことを知っている
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    フリーセックスとヒッピームーヴメントの空気が漂う70年代の京都から、好景気のなかで「自立」が謳歌された80年代の東京、#MeToo運動に世界が揺れる現在まで。離婚した母と暮らす少年だった「私」が50代の作家となったとき、自身の経験を娘にどう伝えようとするだろう? 「性」が人生にもたらすものを描きだす長篇小説。
  • 大久保利通―「知」を結ぶ指導者―(新潮選書)
    4.0
    旧君を裏切り、親友を見捨てた「冷酷なリアリスト」という評価は正当なのか? 富国強兵と殖産興業に突き進んだ強権的指導者像の裏には、人の才を見出して繋ぎ、地方からの国づくりを目指した、もう一つの素顔が隠されていた。膨大な史料を読み解き、「知の政治家」としての新たなイメージを浮かび上がらせる、大久保論の決定版。
  • 危機の外交 岡本行夫自伝
    4.7
    コロナ禍で命を落とした不世出の外交官は、秘録と呼ぶべき経験と日本の課題、そして真の脅威についてつぶさに書き遺していた。世界を巻き込んだ湾岸戦争、イラク戦争における外交の舞台裏。幻の普天間基地移設プラン――外務官僚の枠を超え、難題の真っ只中に自ら飛び込み続けた「特命外交官」による圧巻のノンフィクション。
  • 幾度めかの命
    -
    1巻2,420円 (税込)
    母は私たち姉妹のどちらに寿命を贈るつもりなのか決して明かさない。女性問題から家を出た父は、再会した直後から妻や子供に「譲命」を迫られていると漏らす。遺産相続問題よろしく、社会の人間関係が奇怪な形に変ってゆく……。「保管士」資格者の使命感で事故現場を駆け回る私に忍び寄る悪意。異色ファンタジー長編。
  • イントゥ・ザ・プラネット―ありえないほど美しく、とてつもなく恐ろしい水中洞窟への旅―
    4.3
    南極の氷山の下、ユカタン半島のシンクホール、ケイマン諸島の小さな泥沼――そこに広がっているのは、酸素も光も届かず、人間の侵入を拒む空間、水中洞窟だ。地球内部に広がる水脈を辿ると見えてくる驚くべき世界とは……。死と隣り合わせの危険な冒険の数々を、女性洞窟ダイバーの先駆者である著者がスリリングに描く!
  • 黙約のメス
    3.8
    1巻2,420円 (税込)
    医療事故の責任を若い医師がとらされる現実、看護師たちの密かな怒り、病院に蔓延る権力闘争、医師の「妻」という立場、法案成立にしがみつく厚労技官、そして病院経営に隠された闇……。毒だらけの日本の医療界に、孤高の外科医・鬼塚鋭臣がメスを入れる。医療関係者震撼、必読の本格医療小説、堂々誕生。
  • 救国ゲーム
    3.7
    1巻2,420円 (税込)
    “奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていた――。〈ドローン無差別攻撃〉のタイムリミットが迫るなか、集落の住人である陽菜子と〈死神〉の異名を持つエリート官僚・雨宮は、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。俊英が放つ、堂々たる本格ミステリ長編。
  • 水よ踊れ
    4.3
    1巻2,420円 (税込)
    「返還」前夜の香港。和志は恋人の死の謎を追い、交換留学生として再びその地を訪れる。幽霊屋敷に間借りする活動家、ベトナムのボートピープル、「共産党員」と噂される大物建築家。次第に浮かび上がる香港の実相。やがて、和志は民主化運動の渦に呑まれてゆく。生と、自由の喜びを高らかに謳う、圧巻の社会派エンタメ。
  • エレホン
    3.9
    羊飼いの青年が迷い込んだ謎の国「エレホン」。人びとはみな優しく、健康的で美しく――。でも、それには“しかるべき理由”があった。自己責任、優生思想、経済至上主義、そしてシンギュラリティ……。社会の幸福とはいったい何なのか? ディストピア小説の源流とされる幻の長篇が、現代人の心の底に潜む宿痾をあぶり出す。
  • サンセット・パーク
    4.0
    大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。それぞれ苦悩を抱えつつ、不確かな未来へと歩み出す若者たちのリアルを描く、愛と葛藤と再生の物語。
  • 小林秀雄 最後の音楽会
    -
    1巻2,420円 (税込)
    モーツァルトのシンフォニーが頭の中で突然鳴り響いた時、小林秀雄に何が起きたのか。「本居宣長」はブラームスで書いていると語った晩年の境地はいかなるものか。最後に聴いたメニューインの演奏にまつわる奇蹟とは? 文学青年であると同時に音楽青年でもあった小林秀雄の批評の本質に新たな視点から迫る文芸評論集。
  • 最初の悪い男
    4.2
    43歳独身のシェリルは職場の年上男に片思いしながら快適生活を謳歌。運命の赤ん坊との再会を夢みる妄想がちな日々は、衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い上司の娘、クリーが転がりこんできて一変。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたとき――。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。待望の初長篇。
  • 軍艦長門の生涯(上中下) 合本版
    5.0
    総排水量4万3千トン、40サンチ砲8門搭載、最高速力26.7ノット。世界最大・最強・最高速の戦艦としてその威容を誇った軍艦長門は、帝国海軍の栄光と矛盾を一身に背負って激動の大正・昭和期を生きた。連合艦隊が壊滅し、ただ一隻生き残った長門を、敗戦後待ちうけていたのは劇的な終焉……。一隻の軍艦の生涯を通して今よみがえる、“あの時代”の日本と日本人の一大スペクタクル! ※当電子版は『軍艦長門の生涯』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • ハルビン
    -
    1909年10月26日、ハルビン駅。伊藤博文に凶弾を放った安重根――それは英雄でもテロリストでもない、悩める青年だった。大地主の家に生まれるも勉学よりも狩猟を好み、義兵部隊は日本人捕虜を解放したことでクビ。やり場のない怒りを抱え、凶行へと駆り立てられた青年の姿を描く、歴史小説の第一人者による話題作。
  • 最果ての泥徒
    -
    1巻2,310円 (税込)
    20世紀初頭。泥徒(ゴーレム)が産業として躍進する世界。欧州の小国で、泥徒創造者の名家に育ったマヤは、若くして自らの泥徒を錬成する。しかし、ある惨劇により、一家に代々伝わる「原初の礎版」を喪失。行方を晦ます三人の愛弟子を追い、マヤと泥徒の世界全土を股にかけた、壮大かつ無謀な追走劇が始まるのだが――。
  • ヒトは生成AIとセックスできるか―人工知能とロボットの性愛未来学―
    4.0
    【電子先行配信】ChatGPTに恋したらどうなるのか。性欲を定義してロボットに実装することは可能か。スマートセックストイの利用情報は誰のものか。セックスロボットが広まるとヒトは暴力的になり、レイプが増えるか――セックスとAIについて考えることは、ヒトについて考えることだった! 最先端の知見を盛り込んだ刺激的思考実験の書が上陸。
  • 給料―あなたの価値はまだ上がる―
    3.0
    納得できる給料だけがモチベーションを上げ、人間らしい生活を可能にして、ビジネスも強くする。では、その具体的な処方箋は? 日本型雇用が崩れる中、世界標準の給与決定の仕組みとロジックを払う側ともらう側それぞれの視点を重ね合わせて丁寧に説き、あなたを昇給へと力強く導く希望の書。さあ、本当の給料の話をしよう。
  • 完黙の女
    3.6
    1巻2,310円 (税込)
    小4男児が自宅を出たまま失踪した。時効目前の15年後、子供の骨を持ち運んでいた女が殺人容疑で逮捕される。女は苛烈な取り調べにも沈黙を貫き、判決は無罪。――やがて別の失踪事件との間に奇妙な共通点が浮上する。実在の未解明事件をベースに、あの福田和子にも擬された「沈黙の魔性」を描く実話ミステリーの新境地。
  • 別れの色彩
    3.6
    年齢を重ねた今だからわかる、あの日の別れへの後悔、そしてその本当の意味を――。男と女、親と子、友だち、隣人。『朗読者』で世界中の読者を魅了したドイツの人気作家が、「人生の秋」を迎えた自らの心象風景にも重ねて、さまざまな人々のあの日への思いを綴る。色調豊かな紅葉の山々を渡り歩くかのような味わいに包まれる短篇集。
  • ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け
    3.8
    最高のパフォーマンスと勝利は、食べなくては獲得できない。大相撲の親方、新日本プロレスの逸材、箱根駅伝常勝チームの寮母、サッカー日本代表の料理人、東京五輪でメダルをもたらした栄養士らにインタビューし、筋トレや体脂肪、腸内環境などのメカニズムを探る。誰もが有し、このふたつなしでは生きられないものに肉迫する唯一無二のルポルタージュ。
  • プリンシパル
    4.0
    1巻2,310円 (税込)
    1945年、東京。大物極道である父の死により、突如、その「代行」役となることを余儀なくされた綾女。大物議員が巡らす陥穽。GHQの暗躍。覇権を目論む極道者たちの瘴気……。綾女が辿る、鮮血に彩られた謀略と闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒の終局へと突き進む! 脳天撃ち抜く怒濤の犯罪巨編、堂々開幕。
  • かれが最後に書いた本
    4.0
    世界をおおった未曾有の蟄居の日々、友だちはあっちの世界に仲間入り。でも、本を開けばまた会える。かれらとのつながりは、いまのほうがつよく感じられる。樹木希林、鶴見俊輔、池内紀、橋本治、和田誠、加藤典洋、古井由吉、坪内祐三、平野甲賀……ページのむこうにある記憶の重なり。希代の本読みの読書案内、しみじみと完結。
  • マインドハッキング―あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア―
    4.4
    ネット上の行動履歴から利用者の特性を把握し、カスタマイズした情報を流すことで行動に影響を及ぼす「マイクロターゲティング」。フェイスブックから膨大な個人情報を盗みこれを利用したのがケンブリッジ・アナリティカなる組織だ。彼らは何のために国家の分断を煽り、選挙結果を操ったのか。元社員による衝撃の告発。
  • インヴィジブル
    4.0
    一九六七年ニューヨーク。文学を志す大学生は、禁断の愛と突然の暴力に翻弄され、思わぬ道のりを辿る。フランスへ、再びアメリカへ、そしてカリブ海の小島へ。章ごとに異なる声で語られる物語は、彼の人生の新たな側面を掘り起こしながら、見えざる部分の存在を読む者に突きつける。事実と記憶と物語をめぐる長篇小説。
  • 項羽と劉邦(上中下) 合本版
    4.4
    紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一帝国を創出し戦国時代に終止符をうった。しかし彼の死後、秦の統制力は弱まり、陳勝・呉広の一揆がおこると、天下は再び大乱の時代に入る。――これは、沛のごろつき上がりの劉邦が、楚の猛将・項羽と天下を争って、百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するまでをとおし、天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語である。 ※当電子版は『項羽と劉邦』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 大山倍達正伝
    4.1
    資料500点、証言者300人余、渾身の取材で驚愕の新事実続出! 山籠り、牛殺し等々、華やかな伝説に彩られた超人空手家の本当の人生が、いま初めて明らかになる。同胞同士の抗争に明け暮れた戦後、アメリカ遠征激闘の真実、祖国のもうひとつの家庭に求めた最後の安息……。あまりにも衝撃的なノンフィクション超大作!
  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
    4.6
    昭和29年、活動の場をプロレスに移した木村と、人気絶頂の力道山が激突し「昭和の巌流島」と呼ばれた一戦。視聴率100%。全国民注視の中、木村は一方的に潰され、双葉山と並ぶ国民的大スターの座から転落、表舞台から姿を消した。なぜ木村は簡単に敗れたのか? 日本スポーツ史上最大の謎とともに、その数奇な人生に迫る! ※単行本に掲載の写真・図版については当電子版には収録しておりません。

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  • 芽吹長屋仕合せ帖シリーズ(全3巻)合本版(新潮文庫)
    -
    不貞を疑われて妻の座を追われ、独り住むことになった日本橋の芽吹長屋で、おえんはふとしたことから男女の縁を取り持つことになる。嫁(い)き遅れた一人娘と絵の道をあきらめた男、ひどく毛深い侍と若い娘、老いらくの恋。遠慮のない長屋のつきあいにもなじむ頃、おえんの耳に息子の心配な噂が入ってくる……。人びとの悲しみと幸せを描く時代小説。 ※当電子版は新潮文庫版『芽吹長屋仕合せ帖』シリーズ全3巻をまとめた合本版です。
  • のち更に咲く
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
  • それでも母親になるべきですか
    3.0
    かつて当たり前の存在だった「子のない女性」は、いつから「解決すべき問題」になったのか。産業革命や戦争、不景気、宗教、環境問題、医療などが、いかに女性の人生を翻弄し、その選択を変化させてきたかを描き出す。社会が突き付ける選択の裏にある女性たちの語られざる思いに迫り、現代の常識から女性を解き放つ一冊。
  • にがにが日記
    4.5
    生活史研究で知られ、大阪と沖縄、そして音楽に魅せられた社会学者が綴る、発見と内省、諧謔と哀切に満ちた日記。ウェブマガジン「考える人」の人気連載に、最愛の猫とのかけがえのない日々を書き下ろした「おはぎ日記」を併録。
  • ひむろ飛脚
    3.5
    嘉永六年元日の加賀藩は苦悩していた。異例の暖冬で氷が作れず、しかし今夏行う将軍への「氷献上」に失敗は許されない。苦境を知った御用飛脚宿・浅田屋は氷の入手、献上日の変更、他藩への協力要請、保冷箱開発と次々現れる難問に知恵と情熱で立ち向かう。江戸最後の忠義を圧倒的展開で描く「大江戸プロジェクトⅩ」誕生!
  • TRY48
    3.7
    1巻2,200円 (税込)
    若者たちのカリスマにして元祖・マルチクリエイター、そして稀代のスキャンダリスト。寺山修司が今生きていたとしたら――アイドルグループをプロデュースする!? 寺山のもと、少女たちが令和の日本を駆け巡り、停滞した世の中をひっくり返す! 寺山の再発見という知的興奮にも満ち満ちた、著者渾身の痛快エンタメ長編。
  • ドラゴンズ・タン
    4.4
    1巻2,200円 (税込)
    古の中国で、世界を滅ぼしたいという男の怨念から生まれた「竜舌」。古井戸に宿る奇異な生命体は漢、唐、明……と時代を経ながら歴史のはざまで姿を現しては暗躍し、人知れず不気味な存在へと変貌して行く。そして、時は満ちた――。愛と「禍」を描く、悠久の刻を越えたネオロマンスにして、因果の巡るホラーサスペンス!
  • リ・アルティジャーニ―ルネサンス画家職人伝―(とんぼの本)
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 舞台は15世紀半ばのイタリア。当時、まだ「職人(アルティジャーニ)」という立場で腕をふるっていた画家たち――ボッティチェリ、レオナルド、アントネッロらの青春時代から老境までを美麗に活写する。フィレンツェのアカデミア美術学院で学んだヤマザキマリが、その体験を十二分に活かして描く初の本格オールカラー漫画!
  • ペンギンの憂鬱
    4.0
    恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分自身に迫ってくる。ウクライナはキーウ在住のロシア語作家による傑作長編小説。
  • 母親になって後悔してる
    3.9
    もし時間を巻き戻せたら、あなたは再び母になることを選びますか? この質問に「ノー」と答えた23人の女性にインタビューし、女性が母親になることで経験する多様な感情を明らかにする。女性は母親になるべきであり、母親は幸せなものであるという社会常識の中で見過ごされてきた切実な想いに丁寧に寄り添った画期的な書。
  • もういちど、あなたと食べたい
    3.7
    向田邦子、松田優作、樹木希林、深作欣二、久世光彦、佐野洋子、須賀敦子……かれらと囲んだ味や匂いは、やがて「私」の肉となり血となった。映画「それから」「失楽園」「阿修羅のごとく」等で知られる名脚本家が、端正と流露、闊達と余情に溢れた名文で回想する、芳醇絶佳たる〈おいしい自叙伝〉。
  • 王子失踪す
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    「あんたは子供の顔をした淫婦だわ」――。8歳の娘とミカちゃん人形の間に恋愛バトルが勃発。はたして父親は家庭の安寧を守れるか。王子をめぐる争いがフツーの一家を惨劇に陥れる表題作ほか、予想のつかない展開と飛び切りシニカルな笑いに悶絶必至! 退屈な毎日に倦んだ紳士淑女に贈る、タブーとエロス満載の艶笑滑稽譚。
  • 不村家奇譚―ある憑きもの一族の年代記―
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    自らを水憑きと称する不村家。その繁栄の影には「一族に仇なすものを赦さない」とされる怪異・あわこさまが蠢いていた。異形の奉公人たち、狗神遣いの少女、生首で生き存える双子の姉妹――。昭和、平成、そして現代を貫く一族の悲劇は、やがて思いもよらぬ結末を迎え……。唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリ。
  • 尊皇攘夷―水戸学の四百年―(新潮選書)
    4.0
    「水戸黄門」徳川光圀が天皇に理想国家の具現を見た中国人儒者・朱舜水を師と仰ぎ、尊皇思想が生まれる。幕末、挙国一致の攘夷を説く水戸の過激派・会沢正志斎の禁書『新論』が志士たちを感化し、倒幕への熱病が始まった。そして、三島由紀夫の自決も「天狗党の乱」に端を発していた。日本のナショナリズムの源流をすべて解き明かす!
  • われもまた天に
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    インフルエンザの流行下、幾度目かの入院。雛の節句にあった厄災の記憶。改元の初夏、山で危ない道を渡った若かりし日が甦る。梅雨さなか、次兄の訃報に去来する亡き母と父。そして術後の30年前と同じく並木路をめぐった数日後、またも病院のベッドにいた。未完の「遺稿」収録。現代日本文学をはるかに照らす作家、最後の小説集。
  • 野望の屍
    -
    1巻2,200円 (税込)
    一九二五年、刊行直後の『我が闘争』を熟読した石原はその野心をたぎらせていた。高まる自国主義のなかで共振する日独、満州の謀略。国家のスローガンに万歳が応え、日常は塗り潰されていく。そして瓦解、夥しい死者。冷静に史実を叙述しながら八六歳の作家は〈戦争の世紀〉に何を見たのか。命を削って書き上げた執念の遺作。
  • 遊廓(とんぼの本)
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 遊廓に魅せられた著者が、10年にわたって渾身取材撮影した全国の遊廓跡・赤線跡およそ500箇所から厳選収載。消滅間際の、あるいはすでに消えてしまった姿を克明に伝える空前絶後の写真集にして、日本の「影」の近代遺産を記録する貴重な資料。独特の建築様式やモザイクタイル、窓飾りの細やかな意匠が見どころ。 ※当電子版はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ご了承ください。
  • オルガ
    4.4
    女は手が届く確かな幸せを願い、男は国家の繁栄を求めて旅に出た。貧富の差や数々の苦難を乗り越え、激動の20世紀ドイツを生きた女性オルガ。彼女が言えなかった秘密、そして人生の最期にとった途方もない選択の意味が、最果ての町に眠る手紙で解き明かされる――。ひとりの女性の毅然とした生き方を描いて話題となった長篇。
  • 動物と機械から離れて―AIが変える世界と人間の未来―
    4.5
    自動化が進む中で、未来の労働は、自由意志は、人間の幸福はどうなる? 人は機械と一体化するのか、それとも動物に成り下がるのか――シリコンヴァレー、深セン、モスクワ、NY、ソウル、東京で第一線の研究者、起業家、思想家など51人を取材して描く、AI発展後の世界と〈わたし〉の行方。最新の未来図がここにある。
  • チャイムが鳴った
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ついさっきまでそこに確かにあったはずの見慣れた光景がいつのまにか見えなくなっている……。平凡な日常こそかけがえのないものだと感じつつも、それが少しずつ失われていくことへの不安に苛まれる多感で繊細な少年少女たちを描く「虹のかかる行町」。帰ってきたはずの子どもが家から姿を消す「飛光」など四篇を収める中短編集。
  • すべての鳥を放つ
    -
    1巻2,200円 (税込)
    大学入学早々、セクトの活動家と間違えられたことから、自分の分身のようなその男の存在を意識しながら生きてきた瀬能。死んでも自分の残像は永久に残ると語っていた女と彼は再会するが、しかし彼女はすでに死んでいた。東京を離れ、パリ、アフリカと流浪する瀬能の魂は果たして解放されるのか。著者が初めて挑んだ小説。
  • 岩場の上から
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    二〇四五年、北関東の町「院加」では、伝説の奇岩の地下深くに、核燃料最終処分場造成が噂されていた。鎌倉からきた十七歳の少年。平和活動をする既婚のカップル。不動産ブローカー。役場勤めの若い女とボクサーの兄。海外派兵を拒む兵士たち。そして、奇岩から墜落死した少年の母……。日本の現在と未来を射抜く長篇小説。
  • ゴダール原論―映画・世界・ソニマージュ―
    -
    ゴダール渾身の3D長編『さらば、愛の言葉よ』に刺激され、再起動した批評時空間。その思考は過去の作品群へ飛び、芸術一般に拡張され、遂には世界認識をも揺さぶる。長編批評「ジャン=リュック・ゴダール、3、2、1、」のほか、監督独自の音響と映像の関係を論じた「彼のソニマージュ」、最後の言葉を探る「ONEn+」を収録。
  • 算数のしくみ大事典
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「分数の割り算はどうして逆数をかけるの?」「円の面積はどうして半径×半径×3.14なの?」「反比例って何?」など、大人でも間違えそうな算数のしくみを図入りで解説。たし算から小数、分数、図形やグラフ、文章題の解き方まで、小学生のつまずきやすいポイントを一気に解消する、カラフルなイラスト満載の算数大事典。
  • 村上さんのところ コンプリート版
    2.5
    村上作品に関する素朴なクエスチョンから、日常生活のお悩み、ジャズ、生き方、翻訳小説、社会問題、猫、スワローズ、そして珍名ラブホテルまで――。期間限定サイト「村上さんのところ」に寄せられた37465通の質問・相談メールに、村上春樹が3か月半にわたって続けた回答は、3716問! そのすべてを完全収録し、ウェブサイト掲載時と同様の横組みスタイルで再現。単行本8冊分の愉しみを、スマホやパソコン、タブレットや電子書籍端末にダウンロードして、手軽にたっぷり楽しめるコンプリート版!
  • 増補改訂 日本ミステリー事典
    1.0
    江戸川乱歩ってどんな人? 浅見光彦の嫌いなものとは? ジュヴナイル作家古神陸の正体は? ページを繰るたび、これまで知らなかった日本ミステリーの謎が次々と解き明かされる。基礎知識から初公開情報まで、信頼すべきデータ満載で、第1回本格ミステリ大賞を評論・研究部門で受賞したファン必携の1冊が、最新の情報を加えた増補改訂版として登場。全810項目に、受賞一覧、主要文献一覧も掲載。総索引数、10,358。検索機能も充実、関連項目を次々閲覧できる、ミステリー・ファン待望の電子出版。
  • 新三河物語(上中下)合本版(新潮文庫)
    -
    永禄3年(1560年)、織田信長の急襲に遭って、今川義元は桶狭間に斃れた。義元に頤使されていた松平元康(家康)は父祖の地、西三河は岡崎城に戻り、悲願の独立を果たす。だが息継ぐ間もなく、一向一揆が勃発。血縁者が敵味方に分かれ、相争う国力消耗の未曾有の事態から家康を救ったのは大久保忠俊(常源)だった。忠俊率いる大久保一党の決死の進退が深く胸を打つ戦国歴史小説の巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『新三河物語』上中下巻をまとめた合本版です。
  • 小公女たちのしあわせレシピ
    4.0
    1巻2,145円 (税込)
    契約社員の野花つぐみは、お菓子レシピが隠された『小公女』の古書を見つける。それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。「ぶどうパン」「トライフル」「アブラミのお菓子」……つぐみの本探しと菓子作りはやがて、簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める。じんわり涙がこぼれる6つの連作集。
  • 刑事弁護人
    4.0
    1巻2,145円 (税込)
    現役女刑事による残忍な殺人事件が発生。弁護士・持月凜子は同じ事務所の西と弁護にあたるが、加害者に虚偽の供述をされた挙げ句、弁護士解任を通告されてしまう。事件の背後に潜むのは、幼児への性的虐待、残忍な誘拐殺人事件、そして息子を亡くした母親の復讐心? 気鋭のミステリ作家が挑んだ現代版「罪と罰」。
  • 燃えあがる緑の木 全三部合本版(新潮文庫)
    3.0
    百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編。 ※当電子版は新潮文庫版『燃えあがる緑の木』第一部~第三部の全三巻をまとめた合本版です。
  • 批評の魂
    -
    それは、漢字文明に激突した『万葉集』編纂者たちに始まる。爾来、紀貫之、吉田兼好から西洋文明と対峙した福澤諭吉、内村鑑三まで、批評の魂が宿命を独歩した。この系譜に列なる白鳥、小林、河上徹太郎の、無心の信仰を秘めて無私を生きぬいた道程を、尊敬と愛読の一筋で歩み直す、真情の長篇批評。「今」を生きるために。
  • 署名はカリガリ―大正時代の映画と前衛主義―
    4.0
    みずから進んで映画評を執筆した谷崎潤一郎。日本最初の表現派映画を試みた大泉黒石と溝口健二。新感覚派の小説家たちの協力を得て、前代未聞の前衛映画『狂つた一頁』を製作した衣笠貞之助――精神病院を舞台に、狂人の妄想をグロテスクに描き出した『カリガリ博士』が日本の芸術家たちに与えた衝撃を精緻にたどる評論集。
  • 冬の物語
    4.3
    北欧の春は華やかに押し寄せ、美しい夏が駆け抜けると、長く厳しい冬がひたすらつづく。ナチス・ドイツ占領下にあった冬の時代、デンマークの人びとの生の営みを、大自然のなかに灯された命の輝きとして描きだす。『アフリカの日々』の作家が物語る力を存分に発揮した作品集。〈イサク・ディネセン生誕一三〇周年〉
  • チャンキ
    3.0
    1巻2,112円 (税込)
    強烈な自殺衝動によって突然死する「タナトス」という不条理な死が蔓延する2033年の日本。日常に理不尽な死が充ちている。なぜ、日本だけに? この世界はどうなっているんだ? どうしたら生き延びることができるのか? 生きる意味と実感を求めて抗う、18歳の高校生チャンキに見えてきたのは……気鋭の映像作家、初の長編小説。
  • 本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―(新潮選書)
    NEW
    -
    中国から西洋へ、私たち日本人の価値基準は常に「西側」に影響され続けてきた。貨幣経済が浸透し、社会秩序が大きく変容した18世紀半ば、和歌と古典とを通じて「日本」の精神的古層を掘り起こした国学者・本居宣長。波乱多きその半生と思索の日々、後世の研究をひもとき、従来の「もののあはれ」論を一新する渾身の論考。
  • はだかのゆめ
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    東京から遁走して着いた四万十川の辺は、生死の境を越えた聖なる空間だった。――流される日々の中でみた夢。祖父が晩酌の時間にこぼす愚痴。母の洗濯物を干す音。父の風呂場から聞こえてくる音痴な歌。十数年の生死の記憶が詩的な言葉で鮮やかに蘇る。青山真治が「最後の映画作家」と激賞した逸材が放つ心を揺さぶる世界!
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう
    4.2
    自らに残された時間を悟り、教授は語り始めた。創作や社会運動を支える哲学、国境を越えた多彩な活動、坂本家の歴史と家族に対する想い、ガンと共に生きること、そして自分が去ったあとの世界について――。『音楽は自由にする』を継ぐ、決定的自伝第二弾。坂本氏の最期の日々を綴った、鈴木正文氏による書き下ろし原稿を収録。
  • 息

    3.9
    1巻2,090円 (税込)
    喘息の一息一息の、生と死のあわいのような苦しさ。その時間をともに生きた幼い日の姉と弟。弟が若くして死を選んだあと、姉は、父と母は、どう生きたか。喪失を抱えた家族の再生を、息を繋ぐようにして描きだす、各紙文芸時評絶賛の胸を打つ長篇小説。新潮新人賞受賞作「わからないままで」を併録。注目の新人、初めての本。
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    4.3
    バッハ以前はなぜ「クラシック」ではないのか? ハイドンが学んだ「イギリス趣味」とは何か? モーツァルトが20世紀を先取りできた理由とは? ベートーヴェンは「株式会社の創業社長」? ショパンの「3分間」もワーグナーの「3時間」も根は同じ? 古楽から現代音楽まで、「名曲の魔力」を学び直せる最強の入門書。
  • 野火の夜
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    次々と見つかる血塗れの五千円札と、一人のジャーナリストの死。フリーの記者・木部美智子は、複雑に絡み合った事件の根を追ううちに、由良半島の村で起こった戦中戦後の悲劇を知ることとなる――。遠い昭和から渇いた現代へ、時を越えて回る火の手は何を炙り出すのか。『蟻の棲み家』に続く「木部美智子シリーズ」最新刊。
  • あかあかや明恵
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    武家に生まれた明恵は、八歳で父母を亡くし、十六歳で出家。その学才を見込んだ東大寺、神護寺からの要請を断わる一方、釈迦のご遺誡を体現するために右耳を切り落としさえした。承久の乱で朝廷軍をかくまったが、その教えに打たれた幕府軍の総大将・北条泰時が後に帰依したことでも知られる、華厳宗中興の祖を描く傑作歴史長篇。
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!
  • ループ・オブ・ザ・コード
    3.9
    1巻2,090円 (税込)
    疫病禍を経験した未来。WEO(世界生存機関)に所属する「私」は、かつて〈抹消〉を経験した国家〈イグノラビムス〉での現地調査を命じられる。謎の病とテロ事件に突如襲われた彼の国に隠された、衝撃の真相とは、一体。20代俊英、大飛躍のデビュー2作目は、生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。
  • Q/フェイクスピア
    5.0
    愁里愛(じゅりえ)は源氏、瑯壬生(ろうみお)は平家。争い合う一族の運命をボヘミアン・ラプソディが奏でる、QUEEN全面音楽協力/野田版「ロミオ&ジュリエット」。森の闇から聞こえる匣(はこ)の音――ニセモノな現代(いま)に盗まれた真実のコトバが、恐山のイタコによって召喚される1985年の「神様の声」。沙翁(シェイクスピア)悲劇のレガシーを更新する世紀の戯曲集!
  • 孤蝶の城
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    モロッコへ旅立ったカーニバル真子は日本で初めて「女の体」を手に入れた。帰国後、待ち構えていたのは雑誌のグラビア撮影と日劇での凱旋ショーの大喝采だった。が、「性転換お色気路線」だけでは芸能界で生き残れそうになく、歌手、地方興行などに打って出るものの追い詰められていく。小説でしか描けない実在の人物の孤独と苦悶に迫る大傑作。

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