先崎彰容の作品一覧
「先崎彰容」の「本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―(新潮選書)」「国家とは何か 吉本隆明セレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「先崎彰容」の「本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―(新潮選書)」「国家とは何か 吉本隆明セレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
本居宣長の「もののあはれ」論を、自我論としてではなく、男女の恋愛を基礎にした人間関係論として、つまりは倫理学であり日本語学として更新する試み。
著者は言う。
宣長にとって自然の風景には、それをどう見るのが適切なのか、古典をふまえた感性の基準が堆積している。人が風景を見て、そこに伝統の息づかいや、古代日本人の感じ方を発見し、それを言葉に発することが歌を詠むことなのだ。「もの」それぞれが含みもつ色あい、味わい、手ざわりを歴史と呼んでも伝統と呼んでも差しつかえない。その歴史と伝統への共感こそ、「もののあはれをしる」ことなのである。宣長は決して個人の内面など重視していない。過去の人びとの感性に共
Posted by ブクログ
「やまと」とは、「山処」のこと。
山がたくさんある処だから、やまと。
国の成り立ちを語るにはあまりに単純。
けれど、そもそも何故、単純な話を人々は慕わないのか?その理由は、「対外的な権威を求める政治的意図があるため」に他ならない。
記紀編纂の当時、隋や唐よりも国家としての威厳を際立たせるためには、人々に頷かせる伝説が必要だった。
そのために、難しい話をあえて脚色した。
本来は、やまがある。だからやまと、で事足りたはずなのに——————
記紀をはじめとして、古来から多くの思想家たちが批評、推察を繰り返してきた名著の歴史とは、理性的で、冷たく、鋭い、男性的なもの
Posted by ブクログ
現代の思想家の中で頭一つも二つも抜けていると思っている先崎彰容氏のナショナリズム論。
江戸時代〜現代に至る日本の思想史論でもあり、氏がとにかく頭脳明晰の天才だと言うことがよく分かる著書。
その知識と熱量が、新書と言うフォーマットに収まりきっていない。
江藤淳も丸山眞男も未読なので、日本思想史もより深く学んでいきたい。
当時先崎氏は福島の大学に勤務されており、本書の執筆時は東日本大震災直後の仮設住宅という特別に極限の状況だったようだ。
さらに出版からも既に月日が経過しており、今この本に感想を書くのは適切ではないかもしれないが、読書メモとして下記を。
冒頭に、ナショナリズム=全体主義と誤解され
Posted by ブクログ
例外状態の常態化
遅さよりも速さを
独裁すらない民主主義
リベラリズム、レーガン的保守主義の克服
⚫︎物理的に子どもを産んでない父親が、共同体を維持するためのフィクションとしての物語
男は物語を生む?
共同体が都市国家になる。
血縁関係としての父は、王に代わられる。
家族共同体が都市共同体になる。
そこで、所属意識を失った個人によって民主主義が生まれる。
=
民主主義とは、そのイメージとは反対に、集団化が希薄になり、個人がバラバラな存在になることで始まったからです。
民主主義はバラバラの個人の衆愚政治にすぎないということ。攻撃性を抱えた個人が、王に私利私欲の実現を要求し、受け入