面白かったです。
小川洋子さん選の短編集で気になった詩人の小説です。
こちらの方が、以前読んだお話よりも柔らかい印象ですが、でもどこか不安定で不穏なところが好きでした。
「湖畔情景」の人ではないものの世界も穏やかに受け入れられました。労りの一文が素敵だったので手帖に書き込みました。
「校舎の静脈」は
...続きを読む、とある学校の生徒たちが主人公となる連作短編みたいなお話だったのですが、ずっとちりちりした不安がありました。給食運搬用のリフトに乗り込んだ英祥太がどうなったのかとか、生徒が群がってた窓から見下ろしたら何があったのか(直前に何かが激しくぶつかる音がしていた)…はっきり書かれていないのが想像を掻き立てます。
日和聡子さんの物語世界も、文章も好きです。
詩の方も読んでみたいです。
「やっぱり……、絶滅するのかな。いつか、あたしたちも。」