日和聡子のレビュー一覧

  • 校舎の静脈
    面白かったです。
    小川洋子さん選の短編集で気になった詩人の小説です。
    こちらの方が、以前読んだお話よりも柔らかい印象ですが、でもどこか不安定で不穏なところが好きでした。
    「湖畔情景」の人ではないものの世界も穏やかに受け入れられました。労りの一文が素敵だったので手帖に書き込みました。
    「校舎の静脈」は...続きを読む
  • 校舎の静脈
    『その合間に、犬をちらちら見たり、そのまわりにいる人たちを視線の端に入れつつも、絶えず誰からも目を逸らすようにして歩いた。先ほど少しだけ降った雨にかすかに湿る地面をゆく足の運びに合わせて、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ……、と音が鳴り、その音を立てる靴裏の感触が、ふくらはぎに伝わって、背中にはりつくようにし...続きを読む
  • 御命授天纏佐左目谷行
    日和さん2冊目、火の旅とは打って変わりのっけからPOPな擬古文炸裂!読みにくい筈がどんどんページが進み面白くて仕方なし…全くもってえらい人が出て来たものである。
    三つのお話の繋がりは冥府か?書くことを赦された作家のみが奏でられるリズムがなんとも心地よい。
    夜見闇君のお使いを微笑ましくも全うする猫君は...続きを読む
  • 御命授天纏佐左目谷行
    表紙に惹かれて読む。あわいの話ではなく全部ちょっと向こう側、彼岸の話のような印象。どこかふわふわと捉えどころがないところが良い
  • 御命授天纏佐左目谷行
    独特の文体で、その紡がれる言葉の流れで、まず別世界に連れていかれ、ところどころ鮮明に描かれる積層するイメージをくぐるごとに、いつのまにやらまったくの異世界の中を登場人物たちと一緒に歩いているような錯覚の中をさまよっている。御命授天纏佐左目谷行、行方、かげろう草紙の3編。たまには異世界をさまよいたい方...続きを読む
  • 御命授天纏佐左目谷行
    あちら側に行ったきり戻ってこられない。心細いのに、やみつきになる。一寸先は闇。でも、闇に飲まれた後にも、物語はつづいてゆく。

    ヒグチユウコさんの挿絵もとてもよい。隅々まで堪能した。ちょっと「食べて」しまったかもしれない。
  • 御命授天纏佐左目谷行
    3つの短編からなる1冊。古文調が多用され、どれも奇想天外な物語。

    現実味がない展開にわくわくする。
    異世界にトリップした気分になれる。

    装画はヒグチユウコによるものである。装画のシュールレアリスムと内容の世界観が合致していて、この本にしてこの装画といった感じ。

    これまで読書に実利的な意義を求め...続きを読む
  • 校舎の静脈
    詩人というとやたらレトリックを駆使したり奇をてらった言葉の術で煙に巻いたりが昨今の流行り?なのであるが日和さんの小説はそれが少なく直球勝負が多いように思う。
    だからこそその飾りのない剥き出しの言葉の破壊力は凄まじく例えばそれがスーパーのチラシや給食の献立表の羅列からでも易々とドラマを産み出すことが出...続きを読む
  • 絵草紙 波風露草玉手箱
    浦へ漁に出たまま忽然と消えた兄を想う妹が磯部で見つけた甕を覗くとーー「うらしま」
    即氏が、宮の周りをそぞろ歩いて出逢うもの、夜の宮に現れるものーー「蓬莱記」

    「高野聖」「夜叉ヶ池」を思い出しつつ読む。
    海、甕、雨、露、夜、ひんやりとした空気の物語。
    暗闇で目を凝らして誰に遭ったのか探るような気持ち...続きを読む
  • 御命授天纏佐左目谷行
    ヒグチユウコさんの絵が先か物語が先か。
    あまりに絵とお話が合いすぎて、不気味な不思議世界にどっぷりとつかる。
    とくに表題の佐左目谷行の彼が畳に身を任せ、擦りつける様子がたまらない。。。
    不穏なのにユーモラスで、まくしたてる台詞は滑稽なのに闇を感じる、そんな3篇。

    宿なしで居所も定まらない「私」を御...続きを読む
  • 校舎の静脈
    少年少女たちを主人公にした、裏日本の鬱陶しい天候のようなパッとしない4つの短編から構成されている。面白くもなく、徒然なるままに幻想世界を書いているような作品。
  • 御命授天纏佐左目谷行
    2.5。表紙勝ち。詩人だけあって言葉は綺麗で味あるし、雰囲気も悪くないが、三話読むとそれにも飽きてしまう。
  • 御命授天纏佐左目谷行
    文体が面白いので読んじゃった。お話は、えっ?と思う位あっけなく終わり。それこそ、竹林で道案内を見失ない、クラクラする気分が味わえる。
  • 御命授天纏佐左目谷行
    結論があいまいで、う~ん・・・と、なんだか鬱憤がたまるが、独特の世界が面白かった。あと、1文が長いのにすらすら読めるのが不思議
  • 御命授天纏佐左目谷行
    んー…わからん。。。
    語り口調は好きなんだけど、結局なんだったのか。
    摩訶不思議というか、不思議の正体すら判明しないような、もやっとした霧に包まれて終わってしまった。
    タイトルは面白い雰囲気なんだけどな。