日和聡子の作品一覧
「日和聡子」の「絵草紙 波風露草玉手箱」「校舎の静脈」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「日和聡子」の「絵草紙 波風露草玉手箱」「校舎の静脈」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
面白かったです。
小川洋子さん選の短編集で気になった詩人の小説です。
こちらの方が、以前読んだお話よりも柔らかい印象ですが、でもどこか不安定で不穏なところが好きでした。
「湖畔情景」の人ではないものの世界も穏やかに受け入れられました。労りの一文が素敵だったので手帖に書き込みました。
「校舎の静脈」は、とある学校の生徒たちが主人公となる連作短編みたいなお話だったのですが、ずっとちりちりした不安がありました。給食運搬用のリフトに乗り込んだ英祥太がどうなったのかとか、生徒が群がってた窓から見下ろしたら何があったのか(直前に何かが激しくぶつかる音がしていた)…はっきり書かれていないのが想像を掻き立てま
Posted by ブクログ
『その合間に、犬をちらちら見たり、そのまわりにいる人たちを視線の端に入れつつも、絶えず誰からも目を逸らすようにして歩いた。先ほど少しだけ降った雨にかすかに湿る地面をゆく足の運びに合わせて、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ……、と音が鳴り、その音を立てる靴裏の感触が、ふくらはぎに伝わって、背中にはりつくようにして後ろからついてきた』ー『兎』
言葉の響かせる音は時に字義通りの意味とは別に何かに成りかけのものを連想させる。うっかりしていると頭の中はそんな中途半端な出来損ないの未成熟の言葉で埋め尽くされ息苦しくなる。詩人と呼ばれる人の頭の中はさぞやそんな風に次から次に浮かび上がる意味を掴みかけたもので埋め尽く