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大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。一正はこの遺跡の保護を自らの使命とし本格的な調査に乗り出すが、次々と障壁が立ち塞がる。住民の反発、開発を優先する地主、他宗教からの弾圧……人間の欲望が女神の怒りに触れたとき、島に激震が走る。圧巻の長編エンタテインメント!
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Posted by ブクログ
よく調べて練リ上げられたエンタメ小説。アドベンチャー部分よりも、その背景にある考古学、民俗学、文化人類学、信仰、経済開発、文化や伝統の保存、環境、教育、自然災害やその対応策、政治、治安などが読んでいて興味深かった。ダイバーとしては突っ込みどころもあったが…。善と悪、正と誤ではなく、色々なものが複雑に...続きを読む絡み合った中で物語が展開していく。主人公は男性だけれど、篠田節子の小説はやはり女性がキーだなと思った。
大手ゼネコンに勤務していた49歳の加茂川一正は、インドネシア出張の折にネピ島という小さな島の海底に聳え立つ仏塔らしきものを発見する。 一正は遺跡の保護活動を自らの使命とし、日本の考古学者、民俗学者を巻き込んでの遺跡調査に乗り出す。 ネピ島の殆どを占めるムスリム、開発を最優先する地元の大地主、そして独...続きを読む特の文化を守り続けながらも首狩族などと野蛮人扱いを受けてきた先住民たちは、何故か外部の人間との関わりを受け入れない。 一正の積極的な性格は良いのだが、ちょっと空気を読めない癖がたまたま功を奏したのか、あっという間に先住民の青年ケワンと知り合い、その一家に溶け込んで調査をするためのベースをネピ島に確保する。 ケワンの母親は一族の間でマヒシャと呼ばれていた。 ここネピ島では阿修羅を殺す者と捉えられ、インドの闘いの女神ドゥルガー(悪魔たちを殺す恐ろしい女性戦士)のことを指していた。 一正は当初、マヒシャは土着の迷信の上に成り立っているシャーマンくらいにしか思っていなかったのだが、徐々にその計り知れない不思議なチカラと尊厳さを知ることになる。 一正が発見した仏塔を文化遺跡として保存しようとする努力にも関わらず、その一帯をゴミ処理場としての開発計画が進んだり、遺跡には男性禁制などの風習があったりと、活動は困難を極める。 そして最大の危機は、ネピ島にそびえる活火山の小イスカンダルの活動が活発になり、大きな地震や津波によってネピ島の住宅や丁子のプランテーションに多大な被害が生じる。 そして噴煙を吐いている山は、近々起こるであろう噴火によって、ネピ島自体が海に沈んでしまうとの噂までが島内に広がってしまう。 一正と一緒に活動していた日本人の考古学者、民俗学者、先住民の青年ケワンたちの願いは報われるのか、スケールの大きい冒険物語となっている。
篠田さんのお得意の宗教がらみのファンタジー。 今回はインドネシアの架空の島が舞台。 遺跡の謎を追いながら世界で起きている宗教問題を絡めている 自分ではミソジニーであることに全く気付いていない中年男性と、独身の文化人類学者の女性が良い塩梅で対比されている。 ちょっと長かったが、書きたいことを全部書...続きを読むいたらこの長さになるのは理解できる。
加茂川一正は、長年ゼネコンに勤め、インドネシアで現場の折衝にあたってきた。ある種、楽天的で行き当たりばったり、しかし、その性格は意外に「現場」には向いていた。ただ、インドネシア駐在後は本社には戻れず、出世の目がないことはわかりきっていた。彼はえいやっと早期退職して私立大の非常勤講師に転身した。結婚し...続きを読むて間もない若い妻には一言の相談もしなかった。三度目の妻である彼女が黙って出て行ったのは無理のないところだろうが、彼にはまったくわけがわからなかった。 退社前、休暇として訪れたインドネシアの小さな島で、彼は「大発見」をしていた。 ボロブドゥールにも似た古代遺跡。しかもそれが海中にある。 この地域にこんな遺跡があるとは。歴史上の大発見ではないのか。 興奮した彼だが、現地住民もインドネシア政府当局も研究者も彼の「発見」には冷たかった。 曰く、そんなに古いものであるはずがない。曰く、観光客を目当てにした捏造建造物である。曰く、以前やってきて同じものを「発見」した研究者たちも誰一人真面目に追求しなかった。 しかし、加茂川は素人ながら自分が見つけたのは価値あるものだと信じていた。 この歴史遺産の発見者として歴史に名を刻みたい。 会社を早期退職したのも、この夢を追うためでもあった。 持ち前の調子のよさから研究者グループの調査の一員に加わり、島への再訪は叶うが、事態は遅々として進まない。 島の人々は町のものからは首狩り族として蔑まれている。島民らはヒンドゥー教を信じ、海のある場所にいたずらに近づくと女神(ドゥルガー)の怒りを買うと信じている。村の女たちは呪術めいた儀式も執り行い、どうやら彼女たちの使う酒や薬には怪しい成分が混じっているようだ。 一方でインドネシアはイスラム大国である。イスラム教徒の中には先祖がアラビアから来たと信じているものもいる。そうした人々が土着宗教に向ける目は冷たい。 金のために開発を進めようとする金持ちのスルタンの思惑もある。 近年ではイスラム過激派の暗躍もあるようだ。 そんな中、島は火山の噴火に見舞われる。加茂川の「夢」の行方は。 出版社による作品紹介ページの「圧巻の」「エンタテインメント!」は若干ミスリードで、これは一般的に「手に汗握る冒険小説」の部類に入る作品ではないだろう。 とにもかくにも、話はなかなか進まない。 さまざまな勢力のさまざまな思惑が絡み合い、一筋縄ではいかない混沌が続く。 加茂川が主人公として魅力的な人物とは言いにくいのだが、しかし、彼のある種、空気が読めない鈍感さが、良くも悪くもこのプロジェクトの推進には必要だったということかもしれない。 先が読めないダラダラとした展開は、実際、インドネシアの複雑な社会状況を反映しているようでもあり、そういう意味では「現実的な」「冒険」小説とはいえるだろう。 物語の終盤には、ややスペクタクルなクライマックスがある。ここでカタルシスが得られるかどうかは読者によるだろうが、着地点としては悪くないのではないか。 登場人物の中では、個人的には、島民のエダがよかった。この逞しさ、この生命力。彼女はあるいは、母のマヒシャとともに、「ドゥルガー」の化身なのかもしれない。 バツ3の加茂川には、その後、どうもマドンナは現れないようなのだが、実はこれは結構幸せな人生なのではないだろうか。
ひたすら、一正の性格が好きになれず…。楽観的というか、学ばないというか、懲りないというか…何か事件が起きる度に少しイライラしてしまう。海底の古代遺跡をめぐってテロや宗教対立などがあって話の内容は大作に相応しく盛りだくさんでしたが、なにせ主人公が好きになれなかった分、読後疲れてしまいました。
ある人にとっては重要であっても、そこに住む人たちにとってはさほど重要ではない。生活の中に存在しているだけ。特別なものにしなくても、地元の意向を重視するのがいいのでは。
難しい。 後半までは同じ内容を繰り返していて 読んでも読んでも進まない感覚が辛かった。 何度も、やめようかと思いながらやっと後半になり、 こんなに難しい題材をいくつも秘めていたのか‥‥‥と。 最後はドキュメンタリー映画を見ているようでした。 難しい問題提起をされたような作品でした。
宗教的なことも地質も歴史にも疎い身には難しかった。ただ文明とは思えない風習や信仰にも他所の誰にも評価を下すべきではないこと、誠実であることは人種を超えて通じるのだなぁということは、強く思った
けっこう努力して辛抱して読破しました。が、あまり報われた気がしない。 題材的にも心惹かれるものがあったのですが、冗長?すぎて。 あぁ、こうやって闇に消えていく本物の遺跡もあれば、 地元住民のメシの種にするため、デッチ上げに近いような遺跡もある。 その遺跡の発掘、保護にそれぞれの思惑で関わる3人の日...続きを読む本人。 出自や歴史もろもろで対立する地元の住民たち。 それぞれ魅力的な設定だし、エピソードなんだけど、なんか散漫なかんじで。 やっぱ主人公のカモヤンに、いまひとつ魅力を覚えないからかな。 スペック高いんだけど、どこか傲慢なカン違い野郎。 もうちょっと魅力的な人物に仕立てても良かったんじゃ、と思います。
すんなり読み進めることはできるけど、ちょっとくどい文章と必然性の薄いストーリーの運びだなと感じる。シンプルにパニック小説と考えればいいのか。
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