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〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁 -
わたしたちの怪獣
運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、小学生の妹が父を殺していた。テレビからは東京湾に怪獣が出現したという前代未聞のニュースが流れている。つかさは妹を守るため、東京へ父の死体を棄てに行くことを思いつく。短編として史上初めて日本SF大賞の候補となり、第55回星雲賞日本短編部門を受賞した表題作ほか、伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現し館内に籠城した観客たちの運命「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」など全四編。日常のなかに立ちあらわれる非日常の世界の恐怖と希望を描く傑作短編集。/【目次】「わたしたちの怪獣」妹が父を殺した。姉は怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、父の死体を棄てに行く。第55回星雲賞日本短編部門受賞作。/「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来。動画投稿サイトにアップされた、起きるはずのない事件の映像の正体とは。/「夜の安らぎ」家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と、ある日街に現れた美貌の吸血鬼の邂逅。/「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。映画館に籠城した観客たちの運命は。/著者あとがき -
10月はたそがれの国
「わたしはオペラの怪人やドラキュラやコウモリの私生児だったのだ。本宅はアッシャー家であり、おばやおじはポオの末裔だった」(序文より)──ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者にしてSFの叙情詩人ブラッドベリ。その幻の第1短編集『闇のカーニヴァル』から15編を選び、新たに4つの新作を加えた珠玉の作品集。その後のSF、ファンタジーを中心とした作品と異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界が、なまなましく息づいている。ジョゼフ・ムニャイニのカラー口絵1葉と挿絵12葉を収録した。/【目次】こびと/つぎの番/アンリ・マチスのポーカー・チップの目/骨/壜/みずうみ/使者/熱気のうちで/小さな暗殺者/群集/びっくり箱/大鎌/アイナーおじさん/風/二階の下宿人/ある老女の話/下水道/集会/ダドリー・ストーンのすてきな死/訳者あとがき -
ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く
「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくては――。モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作! -
その時鐘は鳴り響く
東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。日本推理作家協会賞受賞作家の新境地、慟哭と郷愁のミステリ。 -
神々の歩法
一面の砂漠と化した北京。廃墟となった紫禁城に、アメリカ軍の最新鋭戦争サイボーグ部隊が降り立った。標的は、魚座の超新星爆発の影響で吹き飛ばされた高次元知性体が、地球に落下し人間と融合した“憑依体”。その圧倒的な戦闘能力に対し、なす術もなく倒れゆく部隊員たちの眼前に、突如青い炎を曳いて少女ニーナが現れた。自身も憑依体となりながら理性を保つニーナの協力を得て、部隊員たちは世界各地に現れる憑依体に挑んでいく……。〈裏世界ピクニック〉著者による、第6回創元SF短編賞受賞作にはじまる本格アクションSF連作長編!/【目次】神々の歩法/草原のサンタ・ムエルテ/エレファントな宇宙/レッド・ムーン・ライジング/単行本版あとがき/文庫版追記/解説=堺三保/カバー+本文イラスト=窓口基(『東京入星管理局』他) -
のすたるじあ
“だァれも知らないとこなの”女が語った美しい故郷の風景とは? 哀切極まる真相が胸を打つ「エルドラドオ」。中世錬金術師の甦りの秘薬をめぐる奇譚「復活の霊液」。偶々下船した島で見知らぬ女との暮しに引き込まれていく「郷愁」他、読者を「ミステリアスな宇宙へとさそいこむ」と星新一が絶賛する城昌幸傑作選『のすたるじあ』を完全収録。第2部には、酒場の主人が語る数奇な運命譚「面白い話」、ナイル河畔に出没する魔性の者の甘美な恐怖を描く「吸血鬼」など、書籍初収録を含む珠玉の短篇を収める。/【目次】1 のすたるじあ/大いなる者の戯れ/ユラリゥム/ラビリンス/まぼろし/A Fable/光彩ある絶望/燭涙/エルドラドオ/美しい復讐/復活の霊液/斬るということ/蒸発/哀れ/郷愁/解説=星新一/2 その他の短篇/今様百物語/シャンプオオル氏事件の顚末/東方見聞/神ぞ知食(しろしめ)す/死人に口なし/吸血鬼/書狂/他の一人/面白い話/三行広告/間接殺人/うら表/憂愁の人/夢見る/怪談京土産/白夢/2+2=0/はかなさ/解説=夕木春央/初出一覧・編集後記 -
キャクストン私設図書館
イギリスの片田舎にたたずむ〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉では、シャーロック・ホームズやドラキュラ伯爵など、名作の登場人物たちが実体化して暮らしている。ひとりの登場人物との出会いをきっかけにこの図書館を訪れた読書好きのバージャー氏は、やがて物語の世界をゆるがすとんでもない事件を引き起こし……。エドガー賞最優秀短編賞を受賞した表題作ほか、同図書館で語り継がれるホームズの逸話、『失われたものたちの本』の世界から贈る短編、次々と怪現象を起こす奇書をめぐる中編の四作品を収録。本と物語がテーマの作品集!/【目次】キャクストン私設図書館/虚ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)/裂かれた地図書──五つの断片/ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事/訳者あとがき/解説=牧眞司 -
豪華客船オリンピック号の殺人
実は英国政府の情報員(エージエント)であるレドヴァースの依頼で、夫婦のふりをして豪華客船オリンピック号に乗りこんだジェーン。目的はドイツのスパイを捜しだすこと。ジェーンは初めての捜査(?)にやる気満々だ。そんなとき、乗客の女性が、新婚の夫が消えてしまったと騒ぎはじめた。おまけに夫の荷物まで部屋からきえてしまったのだという。船長は彼女の訴えをまともにとりあおうとしなかったが、出港するときに女性とその夫の姿を目撃していたジェーンは、彼女の主張を信じて勝手に調べはじめる。好評アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞シリーズ第3弾! -
ドイツロマン派怪奇幻想傑作集
理性偏重の啓蒙主義への反発から、18世紀末、ヨーロッパで感情を重視するロマン主義運動が興隆した。その先陣を切ったドイツロマン派は、不合理なものを尊び、豊かな想像力を駆使して、怪奇幻想の物語を数多く紡ぎだした。本書はそんなドイツロマン派の作品群の中から、ティーク「金髪のエックベルト」、コンテッサ「死の天使」、フケー「絞首台の小男」、アルニム「世襲領主たち」、ホフマン「砂男」など選りすぐった9篇を収録。不条理な運命に翻弄され、底知れぬ妄想と狂気と正気の狭間でもがき苦しむ主人公たちの姿を描く、珠玉の作品集。/【目次】ルートヴィヒ・ティーク「金髪のエックベルト」/ルートヴィヒ・ティーク「ルーネンベルク」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「死の天使」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「宝探し」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「絞首台の小男」/ヴィルヘルム・ハウフ「幽霊船の話」/アヒム・フォン・アルニム「世襲領主たち」/E・T・A・ホフマン「からくり人形」/E・T・A・ホフマン「砂男」/訳者あとがき -
〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ
来日中のペンシルベニア大学教授ジョゼフ・ハートマンは、古代史の世界的権威。同じく歴史学者である早乙女静香と京都へ旅行しようとしてはキャンセルの憂き目に遭い、毎晩うらぶれたバーで飲むことに。しかし、バーテンダー松永の供する酒肴に舌鼓を打ちつつ聴く宮田六郎と静香の歴史検証バトルは、不満を補って余りある面白さであった。アトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ノアの方舟、始皇帝、ナスカの地上絵、モアイ像――七つの不思議を俎上に載せ、常識を覆す新解釈を披露。好評嘖嘖たる奇想天外なデビュー作品集『邪馬台国はどこですか?』の姉妹編、ここに登場!/【目次】アトランティス大陸の不思議/ストーンヘンジの不思議/ピラミッドの不思議/ノアの方舟の不思議/始皇帝の不思議/ナスカの地上絵の不思議/モアイ像の不思議/*本電子書籍は『新・世界の七不思議』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。 -
ほんとうの名前は教えない
生きるために、他人になりすまして“仕事”をしてきた“わたし”。今回はボスから、エヴィという女の経歴を使い、ルイジアナ州の小さな町に住む男ライアンの裏稼業について調べろと指令を受けた。偶然を装ってライアンと出逢い、同棲にこぎつけ、順調に調査をつづけていたある日、状況が一変。パーティで紹介された女性が、自分そっくりの外見で、自分の本名を名乗り、自分自身が経験した出来事を語ってきたのだ。“わたし”になりすましている彼女は何者なのか? 目的は? 〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー第1位の大型サスペンス!/解説=若林踏 -
風に散る煙
よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。 -
失われたものたちの国
邪悪な魔女や人間を襲う人狼。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。――「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編! -
ガラスの顔
迷路のような地下都市カヴェルナの人々は自分の表情をもたず、《面(おも)》と呼ばれる作られた表情を教わる。そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方が、トンネルで痩せこけた幼子を見つけた。ネヴァフェルと名づけられた幼子は、ある理由から外の世界から隠されて育てられる。一瞬たりともじっとしていられない好奇心いっぱいの少女に成長したネヴァフェルは、ある日トンネルを抜けだし街に出てしまい、そこで奇しくも国全体を揺るがす陰謀のただ中に放り込まれるが……。『嘘の木』の著者が描く、健気な少女が大活躍する冒険譚。カーネギー賞候補作。 -
プレイバック
私立探偵マーロウはある弁護士から駅に着くひとりの女を尾行し、その宿泊先を報告せよと依頼される。目的は知らされぬまま……。彼は列車から降りたった女を尾行するが、彼女は男につきまとわれ、どうやら脅されているらしい。ホテルにチェックインした女は、そこでも男につきまとわれていた。マーロウは依頼主の意思とは無関係に女の秘密をさぐろうと接触する。すると彼女は夜中に、バルコニーに男の死体があると助けを求めてきたが、マーロウが行くと死体は消えていた。何が起きたのか? この女は何者なのか? チャンドラーの実質的遺作!/解説=堂場瞬一 -
感傷ファンタスマゴリィ
十九世紀末のフランス・パリ。職人ノアは、故人の姿を見ることができる特別な幻燈機の製作を得意としていた。新たな依頼人は、鏡だらけの奇妙な屋敷で暮らすマルグリット。五年前に亡くなった彼女の妹シャルレーヌの過去を読み解くうち、ノアは姉妹の秘密に呑み込まれてゆく……。SFと幻想が融合した世界を紡ぎ続ける著者、待望の第二作品集。/【目次】感傷ファンタスマゴリィ/さよならも言えない/4W/Working With Wounded Women/終景累ヶ辻(しゅうけいかさねがつじ)/ウィッチクラフト≠マレフィキウム/解説=高原英理 -
ポテトとスーパー
何らかの賞を獲ったら恋人の可能キリコへ求婚すると、心に決めていたミステリ作家の牧薩次。文英社の「ざ・みすてり」大賞に、薩次の作品が選ばれたと、新宿ゴールデン街の行きつけのスナック『蟻巣』に連絡が入る。店の面々がお祭り騒ぎの中、当の薩次は嬉しいはずなのにどこか煮え切らない態度……。一方、選考委員の三人が、一人は北海道のホテルのコテージで殺害され、一人は箱根橿の木坂近くで事故に、一人は行方不明に、と次々と不幸に見舞われる。ミステリ新人賞の選考会をテーマに、薩次とキリコの結婚のエピソードを描いた、〈ポテトとスーパー〉シリーズ幻の長編。/解説=西日暮里佐保 -
飛蝗の農場
ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのところに、謎めいた男が転がりこんできた。嵐の夜、雨宿りの場所を請う男を警戒してことわる一幕を経て、不幸な経緯から、キャロルはショットガンで男に怪我を負わせる。看護の心得のある彼女は応急処置をほどこし、回復までの宿を提供することにしたが、意識を取りもどした男は、過去の記憶がないと言う。何もかもが見かけどおりでないかもしれない。そんな奇妙な不安のもとに始まる共同生活――背後で繰りひろげられる異様な逃避行! 幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の物語。驚嘆のデビュー長編。/解説=三橋曉 -
名月一夜狂言 人形佐七捕物帳ミステリ傑作選
神田・お玉が池に住む岡っ引きの佐七親分。京人形のような色男ぶりから「人形左七」と呼ばれる彼は、明晰な頭脳で多くの事件を解決する名探偵でもあった。羽子板のモデルになった娘が次々に殺される、佐七初登場作「羽子板娘」。隠居した元大身の旗本が主催する、月見の宴で招待客が殺され、四つの証拠品がそれぞれ別の客が犯人だと示唆する「名月一夜狂言」。恋女房のお粂、子分の辰五郎と豆六と共に活躍する、佐七の名推理を描いた17編を収録。ミステリ界の巨匠による人気捕物帳シリーズから、選りすぐりの本格ミステリを収録した決定版!/【目次】羽子板娘/名月一夜狂言/戯作地獄/生きている自来也(じらいや)/出世競べ三人旅/鶴の千番/春色眉(まゆ)かくし/彫物師の娘/春宵(しゅんしょう)とんとんとん/狐の裁判/当り矢/風流女相撲/たぬき汁/遠眼鏡(とおめがね)の殿様/呪いの畳針/ろくろ首の女/初春笑い薬/編者解説=末國善己 -
古書の来歴
伝説の古書『サラエボ・ハガダー』が発見された――深夜のその電話が、数世紀を遡る謎解きの始まりだった。容赦ない焚書と戦火の時代にありながら、この本は誰に読まれ、守られ、現代まで生き延びてきたのか? 調査を依頼された古書鑑定家のハンナは、ページに挟まった蝶の羽や、羊皮紙に染み込んだワインの一滴を手がかりとして、美しい古書の歩んできた歴史をひも解いてゆく。その旅路には、激動の世を懸命に生きる人々の姿があった――科学調査に基づく謎解きの妙と、哀惜に満ちた人間ドラマが絡み合う、第2回翻訳ミステリー大賞受賞作!/解説=千街晶之 -
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ
ロンドン警視庁の孤独な刑事、ケイト・リンヴィルは、敏腕警部だった父の惨殺現場となった生家を貸し家にしていたが、家の処分を決意。宿を取った近くのB&Bの14歳の娘アメリーが行方不明になる。捜査にあたるのは、ケイトの父の事件の時と同じ地元警察のケイレブ・ヘイル警部だった。その頃、1年前に失踪した少女の遺体が発見された。これは同一犯による誘拐なのか? しかし、アメリーは奇妙な状況下で発見される。防波堤から海に落ちかけていたところを男たちに助けられたのだ! 何があったのか? ケイトは管轄外の事件に再び巻き込まれる。 -
方形の円 偽説・都市生成論
数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市にふさわしい地を求めてさまよう中、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。天上と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)……。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジイの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く空想上の都市と建築についての36編。/【目次】日本の読者へ/ヴァヴィロン――格差市/アラパバード――憧憬市/ヴィルジニア――処女市/トロパエウム――凱歌市/セネティア――老成市/プロトポリス――原型市/イソポリス――同位市/カストルム――城砦市/・・・・・/ザアルゼック――太陽市/グノッソス――迷宮市/ヴァーティシティ――垂直市/ポセイドニア――海中市/ムセーウム――学芸市/ホモジェニア――等質市/クリーグブルグ――戦争市/モエビア、禁断の都/モートピア――モーター市/アルカ――方舟/コスモヴィア――宇宙市/サフ・ハラフ――貨幣石市/シヌルビア――憂愁市/ステレオポリス――立体市/プルートニア――冥王市/ノクタピオラ――夜遊市/ユートピア/オールドキャッスル――古城市/ゲオポリス――地球市/ダヴァ――山塞市/オリュンピア/ハットゥシャシュ――世界遺産市/セレニア――月の都/アンタール――南極市/アトランティス/クアンタ・カー――K量子市/アルカヌム――秘儀市/私の幻想都市/フランス語版あとがき/スペイン語版まえがき/πへの道――アーシュラ・K・ル=グイン:英語版序文/訳者あとがき/解説=酉島伝法 -
ダ・ヴィンチの翼
村外れに一人で住む少年コルネーリオは、森で瀕死の男を見つける。男はフィレンツェ共和国政府の要人でもある芸術家ミケランジェロの密偵だった。教皇と神聖ローマ皇帝の軍勢から故国を救おうと、レオナルド・ダ・ヴィンチが隠した兵器の設計図を、密かに探していたのだ。だが手がかりは謎めいた詩だけ。治癒の力をもつコルネーリオと、かつてかれが命を助けた少女フランチェスカ、そしてヴェネツィアの魔術師も加わった一行は、敵の追っ手が迫るなか、万能の天才が残した手がかりを追う。『ヴェネツィアの陰の末裔』の著者が16世紀イタリアを舞台に描く、歴史ファンタジイの決定版。 -
最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選
アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘する「恐怖譚」、マッドサイエンティストが瓶の中につくりあげたメトロポリスの物語「ダルサリー」、町に残される奇妙なしるしに潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追う表題作ほか、繊細な技巧と大胆な奇想に彩られた全十四篇を収録する。/【目次】アイスクリーム帝国/マルシュージアンのゾンビ/トレンティーノさんの息子/タイムマニア/恐怖譚/本棚遠征隊/最後の三角形/ナイト・ウィスキー/星椋鳥(ほしむくどり)の群翔/ダルサリー/エクソスケルトン・タウン/ロボット将軍の第七の表情/ばらばらになった運命機械/イーリン=オク年代記/編訳者あとがき -
海賊たちは黄金を目指す 日誌から見る海賊たちのリアルな生活、航海、そして戦闘
一攫千金を夢見て、血で血を洗う戦闘に明け暮れ、金銀財宝を略奪。その一方で、航海中は数か月も身体を洗えず、水と食料が徐々に減っていく恐怖と隣り合わせの生活を送る――。17世紀後半、カリブ海でスペインの植民地や商船を襲撃してまわった海賊たち。「短いながらも愉快な人生」をモットーとした男たちは、いかなる戦法で敵と闘い、どのような日常生活を過ごしていたのか? 『最新世界周航記』のウィリアム・ダンピアなど、7人の海賊が書き残した日誌をもとにして描く、カリブの海賊のリアルな姿とは? なんでもありの時代の空気を見事に表現。ノンフィクションを読む喜び、ここに至れりと思わせる傑作!/【目次】訳者まえがき/第1部 黄金への渇望/1 プリンセス/2 黄金の剣士/3 地峡/4 ゴールデン・キャップ/5 決死隊/6 西半球で二番目に大きい都市/7 根っからの海賊/8 気楽なカヌーの旅/9 漂流者たち/10 奇襲/11 ドラゴン/12 運任せの勝負/13 甲板を流れる奔流のような血潮/14 叛乱/第2部 南海/15 我らが銃の銃口/16 海に呑みこまれる/17 高潔であっぱれな勇者/18 ヘビの髪を持つ姉妹/19 浮かれ野郎ども/20 水、水/21 代償金/22 八十五人の屈強な仲間たち/23 ロビンソン・クルーソー/24 非常に美しく堂々とした町、セント・マーク・オブ・アリカ/25 うずき/第3部 苦境/26 射殺を覚悟する/27 積み薪/28 瀉血/29 温められた甲板/30 ホーン岬/31 陸地初認/32 銀のオール/33 続編/謝辞/参考にした資料について -
星を継ぐもの
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。ハードSFの巨匠ホーガンのデビュー長編にして、不朽の名作。第12回星雲賞海外長編部門受賞作。/解説=鏡明/*本電子書籍は『星を継ぐもの』(創元SF文庫 新装新版 2023年7月7日初版発行)を底本としています。 -
妖たちの気ままな日常
江戸の片隅で養い子の千吉と暮らす青年弥助は、実は妖怪の子預かり屋。夜な夜な妖怪達が子供を預けにくるのだった。そんな弥助の家の外にそっとたたずむひとりの妖怪、人恋しそうな彼女を弥助は家に招き入れるが……「軒先にたたずむもの」、石地蔵そっくりの妖怪が子供を預けにきた。だが三人の兄弟は仲が悪く喧嘩ばかり……「仲の悪い三兄弟」、へちまそっくりの貸し道具屋の若旦那が拾った手鏡、そこには……「迷子のへちま」等、妖怪達のにぎやかで不思議な日常を描いた短編9編を収録。可愛くてちょっぴり怖いお江戸妖怪シリーズ第3弾。/【目次】プロローグ/軒先にたたずむもの/仲の悪い三兄弟/迷子のへちま/蛍狩り/秘密の茶飲み仲間/蛙達の家探し/冬の訪れ/年末の餅つき/鼓丸(つづみまる)の毛/あとがき -
迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成
好古趣味と巧みな恐怖演出で近代怪奇小説の礎を築いたM・R・ジェイムズ。幽霊、魔女、異界など多様な題材に怪異のリアリズムを追求しつつ心理学的解釈を加えたアルジャーノン・ブラックウッド。『幽霊島』に続く平井呈一怪談翻訳集成第二集は、マッケンとあわせて英国怪奇小説の三羽烏と称される恐怖の名匠の傑作を中心に、その訳業の原点ともいうべき昭和初年の翻訳、コッパード「シルヴァ・サアカス」とホフマン「古城物語」、さらに鍾愛の作家ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義を集成。付録として作家解説や翻訳観が窺えるエッセーを収録。/【目次】〈Ⅰ M・R・ジェイムズ集〉消えた心臓/マグナス伯爵/解説(平井呈一)/〈Ⅱ アルジャーノン・ブラックウッド集〉人形/部屋の主/猫町/片袖/約束/迷いの谷/解説(平井呈一)/〈Ⅲ 初期翻訳〉シルヴァ・サアカス=A・E・コッパード/古城物語=E・T・A・ホフマン/〈Ⅳ ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義〉「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派/小説における超自然の価値/〈付録 エッセー〉マリー・コレリ『復讐(ヴェンデッタ)』あとがき/もう一人のシャーロック・ホームズ/〈東都書房版「世界推理小説大系」月報〉訳者として、訳者のことば、H・M礼讃/〈講談社版「世界推理小説大系」月報〉訳者のことば、翻訳よもやま話、下戸/教師としての小泉八雲/秋成小見/『万霊節の夜』について/解題/「われわれ自身が一個のghostである」=垂野創一郎 -
暗殺者たちに口紅を
かつてはナチの残党を、現在は独裁者や犯罪者を標的としてきた暗殺組織〈美術館〉。社会に害を為す人物の抹殺に40年を捧げてきた60歳のビリーたち女性暗殺者4人は、引退の日を迎えた。それを記念するカリブ海クルーズに出かけたが、彼女たちを殺すため、組織から刺客が送り込まれたと判明する。生き延びるには、知恵と暗殺術を駆使して組織に反撃するしかない。もはや若くはない肉体と輝かしくもほろ苦い思い出を抱え、ビリーたちは殺すか殺されるかの危険な作戦を練りはじめる──。MWA賞候補作の著者が贈る、極上のエンターテインメント!/解説=村上貴史 -
〈金庫破りときどきスパイ〉シリーズ
第二次世界大戦下のロンドン。錠前師のおじを手伝うエリーは、生活のために裏の仕事として金庫破りをしている。だがある日、その現場を陸軍のラムゼイ少佐に押さえられてしまう。少佐は諜報作戦上の重要な文書を回収し別のものと入れ替えるため、投獄されたくなければ、ある屋敷の金庫を解錠しろと命令する。エリーが少佐と屋敷に侵入すると、金庫のそばには他殺体があり、文書が消えていた。エリーは少佐に協力して、殺人を犯し文書を持ち去った容疑者を探ることに。凄腕の女性金庫破りと堅物の青年将校、正反対のふたりの波瀾万丈な活躍譚!/解説=上條ひろみ -
ダイヤル7をまわす時
かつて戸根市に存在した暴力団・北浦組と大門組は、事あるごとにいがみ合っていた。そんなある日、北浦組の組長が殺害される。鑑識の結果、殺害後の現場で犯人が電話を使った痕跡が見つかった。犯人はなぜすぐに立ち去らなかったのか、どこに電話を掛けたのか? 正統派犯人当て「ダイヤル7」。船上で起きた殺人事件。犯人はなぜ死体の身体中にトランプの札を仕込んだのか? トランプの名品〈ピーコック〉をめぐる謎を描く「芍薬に孔雀」など7編。貴方は必ず騙される! 奇術師としても名高い著者が贈る、ミステリの楽しみに満ちた傑作短編集。/【目次】ダイヤル7/芍薬に孔雀/飛んでくる声/可愛い動機/金津の切符/広重好み/青泉さん/解説=櫻田智也 -
望楼館追想
望楼館、かつては田舎の大邸宅だったが、今や積み重なった歳月に埋もれたかのような古い集合住宅。そこに住んでいるのは、自分自身から逃れたいと望む孤独な人間ばかり。テレビドラマの世界に生きる女、汗と涙を流し続ける男、人間であることを忘れ犬のように暮らす女……。語り手であるフランシスは、常に白い手袋をはめ、他人が愛した物を蒐集し、秘密の博物館に展示している。だが、望楼館に新しい住人が入ってきたことで、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされてゆく。鬼才ケアリーのデビュー作にして比類ない傑作、ここに復活!/解説=皆川博子 -
マンアライヴ
大風がイングランドを見舞った日、ロンドンの下宿ビーコン・ハウスでは珍事が発生する。新参者のスミスという男が、下宿の管理人ダイアナの友人である女相続人ロザマンドの話相手(コンパニオン)メアリーに唐突に求婚し、その上友人を訪ねてきた流行医師ウォーナーに銃を向けて発砲したのだ。彼はしかも、メアリーを連れて馬車でその場から逃走をはかった。ビーコン・ハウスの面々はスミスの奇妙な行為を裁くため、私的法廷を開く。検察側に立った犯罪学者サイラス・ピムと、弁護に名乗りを上げた皮肉屋マイケル・ムーンは、スミスを告発する、あるいは擁護する様々な手紙に基づき、舌戦を繰り広げるが――巨匠幻の傑作長編、新訳にて登場。/解説=松浦正人 -
《六連合》三部作
数学と暦に基づいて通常の物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使し、広大な宙域を支配する星間専制国家〈六連合〉。この国の若き女性軍人にして数学の天才であるケル・チェリスは、鉄壁の〈不変氷〉シールドに守られた巨大宇宙都市要塞・尖針砦で起こった反乱の鎮圧を命じられる。ただしそれは、シュオス・ジェダオ――史上最高の戦略家にして、敵味方もろともに百万人以上を虐殺した最悪の反逆人――の精神をその身に宿す、という条件つきだった。ローカス賞第一長編部門受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞候補の、魔術的本格宇宙SF!/解説=渡邊利道 -
完璧な秘書はささやく
人里はなれたところにある〈ザ・ローレルズ〉で、過去の新聞記事をスクラップしながら、わたしは回想する――英国の大手スーパーマーケットの社長マイナ・アプルトンの秘書として活躍した日々を。長くわたしは、完璧な忠誠心と職務遂行能力をもって、私生活を犠牲にしてまで彼女に仕えてきた。マイナの父を会社から追い出したときも、名誉毀損で記者を訴えた裁判のときも。強い信頼で結ばれたこの関係は、ずっと続くと思っていた――オフィスに警察がやってくるまでは。予測不能の展開に、じわじわとにじみ出る怖さ。俊鋭が放つ、傑作サスペンス!/解説=若林踏 -
英国クリスマス幽霊譚傑作集
ヴィクトリア朝期、ディケンズ『クリスマス・キャロル』がベストセラーとなって以降、聖夜の訪れに伴って出版社は作家に怪奇小説の新作を依頼し、特別なシーズンの贈り物として大衆に届けた――幽霊をこよなく愛するイギリスの国民性に根ざす慣例から生まれた作品を、数々の怪奇幻想小説を紹介する翻訳家が精選する。古屋敷に招かれた男が鏡の中に見た幻影「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」、もの悲しい海岸の村で起きたゴシック的怪異を綴る「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」、奇妙な下宿で女性が体験する恐怖の一夜「メルローズ・スクエア二番地」など、知られざる傑作から愛すべき怪作まで13篇を収録。集中12篇が本邦初訳。/【目次】クリスマス・ツリー チャールズ・ディケンズ/死者の怪談 ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル/わが兄の幽霊譚 アメリア・B・エドワーズ/鋼の鏡、あるいは聖夜の夢 ウィリアム・ウィルシュー・フェン/海岸屋敷のクリスマス・イヴ イライザ・リン・リントン/胡桃邸の幽霊 J・H・リデル夫人/メルローズ・スクエア二番地 セオ・ギフト/謎の肖像画 マーク・ラザフォード/幽霊廃船のクリスマス・イヴ フランク・クーパー/残酷な冗談 エリザベス・バーゴイン・コーベット/真鍮の十字架 H・B・マリオット・ワトスン/本物と偽物 ルイーザ・ボールドウィン/青い部屋 レティス・ガルブレイス/編者あとがき 夏来健次 -
怪盗ロータス綺譚
「怪盗になる」そう宣言した幼馴染の蓮に仲間として引き入れられ、安西省吾は東京地方裁判所検事局を辞めてともに欧州に渡った。異国で成功した手妻師とそのマネージャーという体裁で帰国した二人は、しばらく日本で休養するはずだったが……蓮は揉め事を起こさないという約束をはぐらかし、次々と不可解な出来事に首を突っ込んでいく。帝国ホテルから一晩で消えた金塊、名家に伝わる嫁入道具をめぐる騒動、すべて一等が出る駄菓子屋の籤の謎――怪盗ロータスの華麗なる推理綺譚。〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ。/【収録作】「グランドホテルの黄金消失」帝国ホテルに持ち込まれた金塊が一晩で消えた。/「特等席」名家に伝わる嫁入道具・貝合わせの行方を追う。/「埋める者 暴く者」湯治のはずが、何故か埋蔵金探しに巻きこまれ……。/「すべて当たり籤」駄菓子屋の籤引きが思わぬ騒動を引き起こす。/「光と影のおむすびころりん」貧しかった寺男の遺品を盗んだ犯人の目的とは。 -
路地裏の迷宮踏査
『毒入りチョコレート事件』(アントニイ・バークリー)、『赤い館の秘密』(A・A・ミルン)、『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)、『失踪当時の服装は』(ヒラリー・ウォー)、『野獣死すべし』(ニコラス・ブレイク)……などなど、数々の傑作を著した53人の海外ミステリ作家たち。その意外な交友関係や、執筆にまつわる知られざるエピソードを、風の向くまま気の向くままにご紹介します。寝る前や、ちょっとした空き時間に、ページをぱらぱら捲っていただければ幸いです──。ミステリのみならず、文芸全般に精通する気鋭の書評家・杉江松恋が、丸9年にわたり連載した「ミステリーズ!」伝説のブックレビュー。ミステリ読者必携の一冊!/【目次】まえがき/エドマンド・クリスピンはグルーチョ・マルクスから何を学んだか/真似してはいけないロジャー・シェリンガムの恋愛作法/クリスティ、皆殺しのバラード/フィリップ・トレントの密かな愉しみ/イズレイル・ザングウィルで笑うべきか否か/A・A・ミルンの「これが人生だ!」/教えてよ、ミッキー・スピレーン/四十年は早かった? クロフツ/ステーマンの作品の外に伸びた線/ビル・S・バリンジャーの「遠くへ行きたい」?/メースンの義を見てせざるは/ウォーの奇妙な味/パット・マガーの『アメリカの悲劇』/ホーナングの滑稽な階級意識/アラン・グリーンの恋のから騒ぎ/カーだってマルキスト/レックス・スタウトのリベラリズム/フレミングの愛したスパイ/ウッドハウスという鋳型/ヒルトンは孤独ではない/フラナガンの歴史的視点/テイという人の顔/ご冗談でしょう、フリーマンさん/チェイニイの強運/ノックスの王手無用/人騒がせなルブラン/ホワイトチャーチに萌えてみた/アップフィールドの帝国主義/クイーンが読まなかった本/フレミングの二人の合作者/ブラウンに茶々を/ミッチェルの振り上げた拳/ヒラーマンの偉大な箱庭/O・ヘンリーのほら話/ブレイク、家族の問題/ガードナーは車輪を回す/ブラウンのサイド・ショウ/ブリーンひとり雑誌/二人でコールを/モイーズのお話が生まれたところ/ストリブリング、交わらない線/ホックのD/ヴァン・ダインの六文字/ケメルマンの閉じた世界/ネヴァーランドのバリ/アタイヤにつながる線/プロクター、身も蓋もなし/袋小路のハミルトン/アリグザンダーの〈戦前〉/ドモアリガト、ミスター・ボール/セックス・ヘクト・ロックンロール/モームの英国式朝食/バウムのグランド・ホテル/索引 -
Genesis この光が落ちないように
日本SFを牽引する注目の書き手による最新作6編。全編書き下ろし。第13回創元SF短編賞受賞作を収録。創元SF短編賞受賞作「天駆せよ法勝寺」が12,000ダウンロードを記録した八島游舷。『神々の歩法』が話題、日本初の動画配信SFシリーズを生み出した宮澤伊織。《ユア・フォルマ》シリーズで人気、今回初の短編小説に挑んだ菊石まれほ。『マインド・イーター』で知られ、人間と音楽と宇宙をテーマに描いた水見稜。『感応グラン=ギニョル』でデビュー、注目の怪奇幻想SF作家・空木春宵。三選考委員絶賛の第13回創元SF短編賞受賞者・笹原千波。ベテランから日本SFの未来を担う新鋭まで、6人の作家が集結!/【目次】はじめに/八島游舷「天駆せよ法勝寺[長編版]序章 応信せよ尊勝寺」/宮澤伊織「ときときチャンネル#3【家の外なくしてみた】」/菊石まれほ「この光が落ちないように」/水見稜「星から来た宴」/空木春宵「さよならも言えない」/笹原千波「風になるにはまだ」〔第13回創元SF短編賞受賞作〕/第13回創元SF短編賞選考経過および選評/ちいさなあとがき/編集部より -
カシュニッツ短編傑作選
兄は船旅に出る妹を見送ったが、それは彼女が乗る予定の船ではなかった。ひと月後、妹から手紙が届く。彼女は、その船では日付も時刻も現在位置も確認できないと書いていた。手紙を読み進めるにつれ、内容はさらに常軌を逸していき……(「船の話」)。ある日突然、部屋の中に謎の大きな鳥が現れる。“わたし”は、なぜか外に出ていかない鳥の正体を突き止めようとするが……(「ロック鳥」)。旅行から帰ったら、自分が死んだとアパートの住人に触れまわった女がいたという奇妙な話を聞かされて……(「六月半ばの真昼どき」)。大都会N市では、死体から蘇生させられた“灰色の者”たちが、清掃や介護などの労働を人間の代わりに行っていた。彼らに生前の記憶は一切なく、恐怖も希望も憎悪も持ち合わせていない。しかしある時、“灰色の者”たちにすさまじい変化が訪れ……(「その昔、N市では」)。日常に忍びこむ奇妙な幻想。背筋を震わせる人間心理の闇。懸命に生きる人々の切なさ。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、全15作の日本オリジナル傑作選!/【目次】白熊/ジェニファーの夢/精霊トゥンシュ/船の話/ロック鳥/幽霊/六月半ばの真昼どき/ルピナス/長い影/長距離電話/その昔、N市では/四月/見知らぬ土地/いいですよ、わたしの天使/人間という謎/訳者あとがき -
烙印
証書偽造が発覚、窮地に立たされた由比祐吉は破滅を逃れるため、恩義ある子爵の殺害を決意する。冷徹巧妙な殺人計画の進行を倒叙形式で描く「烙印」、横暴な父に苛められる母には秘密があった――子供の目を通して家庭の悲劇を描いた名篇「凧」、建設中のビルの鉄骨から転落した夫の死の真相が十九年後に明らかになる「不思議な母」、誘拐事件を扱った最後の推理短篇「螢」まで、戦後作を含む全八篇を収録。人物の性格や心理描写に優れた犯罪小説で探偵小説界に大きな足跡を残した巨匠、大下宇陀児の短篇傑作選。/【目次】烙印/爪/決闘街/情鬼/凧/不思議な母/危険なる姉妹/螢/〈エッセイ〉乱歩の脱皮/探偵小説の中の人間/解題/解説=伊吹亜門 -
世界の終わりの天文台
どうやら、人類は滅亡するらしい。最後の撤収便に乗らず、北極圏の天文台にひとり残ることを選んだ孤独な老学者オーガスティンは、取り残された見知らぬ少女とふたりきりの奇妙な同居生活を始める。一方、帰還途中だった木星探査船の乗組員サリーは、地球との通信が途絶えて不安に駆られながらも、仲間たちと航行を続ける。終末を迎える惑星の片隅で、広漠たる宇宙の大海の中で、長い旅路の果てに彼らは何を失い、何を見つけるのか? 終わりゆく世界を生きる人々のSF感動作。ジョージ・クルーニー監督主演映画『ミッドナイト・スカイ』原作。/解説=勝山海百合 -
呑み込まれた男
巨きな魚の腹のなか。乗っていた舟ごと魚に呑み込まれたジュゼッペは、そこにあった朽ちかけた船で発見した航海日誌に、自分の来し方を綴っていく。彼が創った、木彫りの人形ピノッキオに命が宿ったこと。学校に行って戻ってこなかったその子の行方を探し、小さな舟で海に漕ぎだしたこと。そして彼の手記はさらに遡り……。絶望的な状況下、ジュゼッペ老人は何を思い、何を綴ったのか。鬼才ケアリーが描く、もうひとつのピノッキオの物語。 -
流浪の月 シナリオブック
ある地方都市に暮らす家内更紗は、かつて事件に巻き込まれた過去を持つ。15年前、小学生だった更紗が、家での居づらさから19歳の少年佐伯文の家に自ら足を運び、社会的な事件となってしまったのだ。それ以来更紗は、自分を押し殺し静かに生きてきた。だが、アルバイト先の友人とふらりと立ち寄ったコーヒー店『calico』で再会してしまう、あの文と。この出会いは二人に何をもたらすのか――。更紗と文、二人の再会とその後を、『フラガール』『悪人』『怒り』を手がけた李相日による監督・脚本で映像化。原作者・凪良ゆうと李相日監督の対談も収録した、ファン待望のシナリオブック。 -
吸血鬼ラスヴァン
ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』に先駆けて発表された英米の吸血鬼(ヴァンパイア)小説に焦点を当てた画期的アンソロジーが満を持して登場。バイロン、ポリドリらによる名作の新訳、伝説の大著『吸血鬼ヴァーニー――あるいは血の晩餐』抄訳ほか、ブラックユーモアの中に鋭い批評性を潜ませる異端の吸血鬼小説「黒い吸血鬼――サント・ドミンゴの伝説」、芸術家を誘うイタリアの謎めいた邸宅の秘密を描く妖女譚の傑作「カンパーニャの怪」、血液ではなく精神を搾取するサイキック・ヴァンパイアものの先駆となる幻の中篇「魔王の館」など、本邦初紹介の作品を中心に10篇を収録。怪奇小説を愛好し、多彩な翻訳を手がけてきた訳者らによる日本オリジナル編集で贈る。/【目次】序文――バイロン男爵の光の下に 夏来健次/吸血鬼ダーヴェル――断章(一八一九) ジョージ・ゴードン・バイロン/吸血鬼ラスヴァン――奇譚(一八一九) ジョン・ウィリアム・ポリドリ/黒い吸血鬼――サント・ドミンゴの伝説(一八一九) ユライア・デリック・ダーシー/吸血鬼ヴァーニー――あるいは血の晩餐(抄訳)(一八四七) ジェイムズ・マルコム・ライマー トマス・プレスケット・プレスト/ガードナル最後の領主(一八六七) ウィリアム・ギルバート/カバネル夫人の末路(一八七三) イライザ・リン・リントン/食人樹(一八八一) フィル・ロビンソン/カンパーニャの怪(一八八六) アン・クロフォード/善良なるデュケイン老嬢(一八九六) メアリ・エリザベス・ブラッドン/魔王の館(一九〇七) ジョージ・シルヴェスター・ヴィエレック/解説――ドラキュラ伯爵の影の下に 平戸懐古 -
決断の刻
あるコンサルティング会社の男性社員が死体となって発見される。同社では一人の女性社員が行方不明となっていた。時を同じくして同社の海外贈賄事件を調べていた所轄署の刑事が姿を消した。同署の刑事課長と同社社長は、かつてある事件で刑事とネタ元として信頼関係を築いていた。しかも、二人にはラグビーという固い絆もあった。しかし今、刑事課長は署長への道を模索、社長は本社役員の座を狙っている。二人それぞれの正義とは? 人生後半の男たちに決断の刻が迫る。警察小説+スポーツ小説+企業小説、堂場ワールドの集大成とも言うべき傑作。/解説=大矢博子 -
英国屋敷の二通の遺書
植民地時代に英国人が建築し、代々の主が非業の死を遂げたと伝えられるグレイブルック荘。元警察官のアスレヤは、現主人であるバスカーの招待でこの屋敷を訪れた。財産家の彼は何者かに命を狙われており、数々の事件を解決へ導いたアスレヤの助力を求めたのだ。バスカーは、二通の遺書を用意していた。どちらが効力を持つのかは、彼の死に方によって決まる。一族の者と隣人たちが集まり、遺書が彼らの心をざわつかせるなか、ついに惨劇が! アスレヤは殺人事件と屋敷をめぐる謎に挑む。インド発、英国犯人当てミステリの香気漂う精緻な長編推理。/解説=三橋曉 -
星のパイロット
航空宇宙会社スペース・プランニングに所属するパイロットの美紀たちは、太平洋上での超音速大型機ヴァルキリーの試験飛行中、正体不明の機体からミサイル攻撃を受ける。同時に、ハードレイクにある本社にも撃墜予告が届けられていた。どうにか危機を脱した美紀たちだったが、その後も未確認機から狙われる出来事は続き、さらに騒動の証拠となる管制局の記録が書き換えられていることが発覚する。彗星捕獲レースに参加した企業や、航空宇宙産業全体にも同様の妨害を仕掛ける犯人は何者なのか、そしてその目的とは――星雲賞受賞作シリーズ第3弾。 -
修道女フィデルマの采配 修道女フィデルマ短編集
法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ修道女フィデルマが、アイルランドの各地を巡り難事件を解決する。修道士が占星術で自らの死を予言して死んだが、犯人と名指しされたのは修道院長だった事件「みずからの殺害を予言した占星術師」。ダロウの修道院で客人に供する魚料理が消え、料理長が死体で発見された。犯人は外部の人間か、内部の者の犯行か?「魚泥棒は誰だ」。小王国の族長の跡継ぎを選ぶための会合で、有力な候補者が死亡、どうやら毒を盛られたらしい。犯人を推理する「法定推定相続人」など5編を収録。日本オリジナル短編集第5弾。/【目次】みずからの殺害を予言した占星術師/魚泥棒は誰だ/養い親/「狼だ!」/法定推定相続人/訳註/解説=石井千湖 -
石の効率
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 囲碁は、どちらが効率の良い手を打ったかで勝敗が決する。特に石の効率で大きな差が出る場面は、石の形を補強する状況と大場を占める際の方向選択である。働きの悪い手が増えれば増えるほど、必然的に勝率は下がる。重要なのは、単純な地の大きさだけではなく、将来に向けて発展性を兼ねた場所を発見することで、どちらが先にその場所を占めたかによって何十目もの差が出ることもある。本書は実践応用度の高い問題集である。 -
置碁の勝ち方
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 置碁で上手に勝つためには、相手から攻められる状況になることを避け、自分が攻める立場になることが重要。その為には、石数で優位に立っている序盤でいかに有利に戦う為の布陣を作れるかが重要である。アマチュアの場合、守りを苦手とする人が多いため、攻められる立場になるとそれだけミスも多くなる。本書は、置碁で有利に打つための実戦で使える秘訣を解説したが、置碁だけでなく、互先にも応用できるものである。 -
水使いの森
水使い、それはこの世の全ての力を統べる者――。水荒れ狂う森深くに棲む伝説の水蜘蛛族の女であるタータとラセルタは、砂漠で一人の愛らしい少女を拾う。少女は外見に似合わぬ居丈高な態度で、水を操る力を持っていた。それもそのはず、彼女は砂漠の統治者イシヌ王家に生まれた双子の片割れ、ミイア王女だった。跡継ぎである妹を差し置き、水の力を示したミイアは、自分が国の乱れの元になることを恐れ、独り城を出たのだ。そんな彼女に、水の覇権を狙う者たちが迫り……。第4回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞、驚異の異世界ファンタジイ。/第4回創元ファンタジイ新人賞選評=井辻朱美、乾石智子、三村美衣 -
東京ホロウアウト
コロナ禍の中、オリンピック開催が間近に迫る東京で、新聞社に「開会式の日、都内を走るトラックの荷台で青酸ガスを発生させる」という予告電話がかかってきたのが、すべての始まりだった。直後、配送トラックを狙った予告通りの事件が次々と発生。さらには鉄道の線路が爆破され、高速道路ではトンネル火災が。あちこちで交通が分断され、食料品は届かず、ゴミは回収されないまま溜まり続け、多くの人々がひしめく東京は陸の孤島に――。この危機から東京を救うため、物流のプロ・長距離トラックドライバーたちが、経験と知恵を武器に立ち上がる!/解説=大矢博子 -
夜の獣、夢の少年
ダンスホールで働くジーリンは、ダンス中に客の男のポケットに入っていたあるものを、偶然抜き取ってしまう。ガラスの小瓶に入れられた、干からびた人間の指。なんとか返そうと男の行方を探すが、彼女と踊った翌日に男は死亡していた。弔問客を装って男の妻からきいた話によると、その指はバトゥ・ガジャ地方病院の看護婦から手に入れた、幸運のお守りらしい。ジーリンは病院で補助スタッフとして働く、血のつながらないきょうだいのシンの手引きで、バトゥ・ガジャ地方病院に潜り込むのだが……。英国植民地のマラヤを舞台にした、東洋幻想譚。 -
少女と少年と海の物語
激しい嵐で乗っていたヨットが転覆。小さな手漕ぎボートで漂流していた少年ビルは、やはり嵐で遭難したらしい一人の少女と出会う。少女はベルベル人のアーヤ。ビルは乏しい食料を彼女と分け合い、アーヤはビルに物語を語って聞かせる。絶望が襲うなか、二人は心を通わせ、物語の力がビルの心を救う。だが食料は尽き、死の危険が刻々と二人に迫っていた……。極限状況下の少年と少女の運命は。カーネギー賞最終候補にもなった感動の大作。 -
敗北への凱旋
終戦から間もない降誕祭(クリスマス)前夜、焼け跡の残る横浜・中華街の片隅で、隻腕の男が他殺体となって見つかる。犯人と思しき女性は更に娼婦を殺したのち自らも崖に身を投げて、事件は終結したかに見えた。しかし、二十年以上の時を経て、奇妙な縁からひとりの小説家は、殺された隻腕の男が陸軍大尉で、才能あるピアニストでもあった事実を知る。戦争に音楽の道を断たれた男は、如何にして右腕を失い、名前を捨て、哀しき末路を辿ったのか。そして、遺された楽譜に仕組まれたメッセージとは──美しき暗号が戦時下の壮大な犯罪を浮かびあがらせる推理長編。/解説=米澤穂信 -
フレドリック・ブラウンSF短編全集4 最初のタイムマシン
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第4巻には「回答」「猫恐怖症」など、ショートショートの名作を含め68編を収録。【収録作】「緑あふれる」/「おれとフラップジャックと火星人」/「愛しのラム」/「翼のざわめき」/「鏡の間」/「実験」/「辺境防衛」/「立入禁止」/「ごもっとも」/「ヴードゥー」/「回答」/「デイジー」/「相似形」/「あいさつ」/「荒唐無稽」/「和解」/「探索」/「宣告」/「唯我論者」/「血」/「想像」/「最初のタイムマシン」/「ひどすぎ」/「至福千年期――いつか訪れる正義と平和の時代」/「遠征隊」/「ハッピーエンド」/「ジェイシー」/「不運続き」/「意地悪」/「ロープ魔術」/「雪男」/「クマんにひとつの」/「退場」/「ファースト・コンタクト」/「こだま」/「失われた大発見その1――透明人間」/「失われた大発見その2――不死身」/「失われた大発見その3――不死」/「趣味と実益」/「ジ・エンド」/「青の悪夢」/「灰色の悪夢」/「赤の悪夢」/「黄色の悪夢」/「緑の悪夢」/「白の悪夢」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(1)」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(2)」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(3)」/「輝くひげ」/「猫泥棒」/「脅迫状」/「山上に死す」/「致命的な失敗」/「魚の流儀」/「馬かしあい」/「家」/「悪ふざけ」/「ハンス・カルヴェルの指輪」/「起死回生」/「三羽のふくろうの子」/「ばあばの誕生日」/「猫恐怖症」/「人形劇」/「ダブル・スタンダード」/「事件はなかった」/「エージェント」/「小夜曲(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)」/編者の注および謝辞/収録作品解題=牧眞司/解説=渡邊利通 -
密室から黒猫を取り出す方法
悲願の完全犯罪を成し遂げるべく、ホテルでの密室殺人を目論む犯人。目の前の扉を閉めれば完全犯罪が完成するというまさにその瞬間、一匹の黒猫が部屋に入り込んでしまった! 予想外の闖入者に焦る犯人だったが、さらに名探偵音野順と推理作家の白瀬白夜がホテルを訪れ……。猫一匹に翻弄される犯人を描いた表題作をはじめ、蝋燭だらけの密室殺人事件をめぐって(自称)名探偵琴宮と三千万円を賭けて推理対決をする羽目になってしまう「クローズド・キャンドル」など五つの短編を収録。気弱で引きこもりがちな名探偵音野順、第二の事件簿。/【収録作】密室から黒猫を取り出す方法/人喰いテレビ/音楽は凶器じゃない/停電から夜明けまで/クローズド・キャンドル/解説=青崎有吾 -
真っ白な嘘
短編を書かせては随一の巨匠の代表的作品集を新訳でお贈りします! 雪の上の足跡をめぐる謎を描いた「笑う肉屋」、緊迫感溢れる「叫べ、沈黙よ」、人間の想像力を巧みに利用した「世界が終わった夜」、江戸川乱歩編の名アンソロジー『世界推理短編傑作集』に選出された「危ないやつら」、夫婦間の秘密を描いた表題作まで、さまざまな逸品が揃っております。奇抜な着想、軽妙なプロットで結末の一行まで先を読ませない、まさに名作ばかり! どこから読まれても結構です。ただし巻末の「後ろを見るな」だけは、ぜひとも最後にお読みください。/【収録作】笑う肉屋/四人の盲人/世界が終わった夜/メリーゴーラウンド/叫べ、沈黙よ/アリスティードの鼻/背後から声が/闇の女/キャスリーン、おまえの喉をもう一度/町を求む/歴史上最も偉大な詩/むきにくい小さな林檎/出口はこちら/真っ白な嘘/危ないやつら/カイン/ライリーの死/後ろを見るな/収録作原題/解説=小森収 -
地の告発
かつて『大鴉の啼く冬』の事件で重要な役割をはたしたマグナス老人が病死した。ペレス警部たちが参列したささやかな葬儀の最中、墓地や近くの農場が巻きこまれる大きな地滑りが発生。被害状況を確認すると、土砂が直撃した空き家から身元不明の女性の遺体が見つかる。ところが検死の結果、女性は地滑りの起きる前に死んでおり、しかもその死は他殺と判明。ペレス警部は被害者の身元割り出しを急ぐが、思わぬ事実が明らかに……。シェトランド諸島を舞台に英国現代本格ミステリの進化と深化を実証しつづける名シリーズの、新たなマイルストーン。/解説=吉野 仁 -
黒河を越えて
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第4集。傭兵部隊で気ままな暮らしを送っていたコナンの前に現れた、海賊団の女首領ヴァレリア。彼女を追って黒人王国の奥地深く踏み入ったコナンが見たものは、何年も開かれたことのないような城門に守られた死の都であった! 勇将コナンの南方国での活躍を描く「赤い釘」など3編を収録する。【収録作】「赤い釘」/「古代王国の秘宝」/「黒河を越えて」/資料編「ロバート・アーヴィン・ハワード」E・ホフマン・プライス/解説=中村融 -
黒い予言者
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第3集。ヴェンドゥヤ国の姫ヤスミナは、兄王を呪い殺した魔術師に復讐を果たすため、7人の捕虜の命と引き換えに、山地族の首領として勇名を轟かせていたコナンをヒメリア山系の奥深くへと向かわせようとした――人跡まれな山間に棲む恐るべき魔術師との死闘を描く表題作はじめ3編を収録。解説ではハワードの生涯を詳細に紹介。【収録作】「黒い予言者」/「忍びよる影」/「黒魔の泉」/「トムバルクの太鼓(梗概)」/「トムバルクの太鼓(草稿)」/解説=中村融 -
新宿なぞとき不動産
新宿の不動産会社に勤める営業マン・澤村聡志。知識はあるが駆け引きが苦手な彼のもとにある日、成績優秀な後輩・神崎くららがパートナーとして異動してきた。以来、気が強く先輩使いの荒いくららに澤村は振り回される毎日に。さらに、担当していた大家に突然冷たくつき放されたり、入居者から部屋に現れる宇宙人を退治してほしいと無茶なクレームを入れられたり……物件に絡む謎の数々を解き明かすため、くららと二人、大忙しで走り回る! 新しくて古い街“新宿”に住む人々の悩みと謎を解決する、心あたたまる不動産ミステリ。『ツノハズ・ホーム賃貸二課におまかせを』改題文庫化。/【収録作】第一話 大家の事情/第二話 入居者の事情/第三話 入居申込人の事情/第四話 その土地の事情/エピローグ -
魔女誕生
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第2集。女王の死んだはずの双子の妹が魔女となって帰還、小王国カウランは一夜にして、女王と入れ替わった魔女ひきいる傭兵軍団の手に落ちた。これに立ち向かう守備隊長コナンの苦闘を描いた、圧巻の表題作をはじめ5編を収録する。また巻末には、著者と親しかったH・P・ラヴクラフトの手になる、詳細なハワード評伝を収めた。【収録作】「黒い怪獣」/「月下の影」/「魔女誕生」/「ザムボウラの影」/「鋼鉄の悪魔」/「ロバート・アーヴィン・ハワード――ある追想=H・P・ラヴクラフト」/解説=中村融 -
ブルーローズは眠らない
両親の虐待に耐えかね逃亡した少年は、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は博士の助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、ジェリーフィッシュ事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出したという、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査することになる。ところが両者と面談したのち、施錠されバラの蔓が壁と窓を覆った密室状態の温室の中で、切断された首が見つかり……。『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第2弾!/解説=福井健太 -
モリー、100匹の猫を見つけた保護犬
失踪した猫を専門に捜す探偵犬が英国に存在する。元警部コリンはペット専門の探偵事務所を立ち上げたものの、悩ましいのは失踪した猫の捜索だった。コリンは猫を捜す探偵犬を自らの手で育てようと決心する。だが、候補犬さがしは難航を極め、半ばあきらめかけていたところに出会ったのが問題行動だらけの保護犬モリーだった。そしてコリンの根気強い訓練により、モリーの類い稀な才能が花開き……。一人と一匹の絆を描く感動のノンフィクション!/【目次】1 モリーの最初のテスト/2 嗅覚の勝利/3 私立探偵からペット探偵へ/4 変わるきっかけ/5 先駆的なプロジェクト/6 驚きの抜擢/7 ブランブル・ヒル・ファームでの訓練/8 フィリップ、ホリー、いたずらっ子モリー/9 バフィを取りもどせ/10 ブルーベルの森/11 犬とクサリヘビ/12 猫と川船/13 ノッティングヒルの悪夢のような事件/14 迷い猫といじわるじいさん/15 モリーと祖国を離れた猫/16 ブリクストンの家出猫/エピローグ/謝辞 -
秘密
1961年、少女ローレルは母が突然現われた男を刺殺するのを目撃した。男は近隣に出没していた不審者だったため、母の正当防衛は認められた。しかしローレルには警察には話せない秘密があった。男は母に「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と言ったのだ。二人は知り合いだった! 50年後、大女優となったローレルは死期の近い母の過去をさぐりはじめる。あの事件の真相は? そして母の本に挟まれていた写真の見知らぬ女性は誰か? 本に残された署名ヴィヴィアンとは? 『忘れられた花園』の著者が新たなる迷宮へと読者を誘う。傑作ミステリ。 -
生まれながらの犠牲者
自宅で寛いでいた警察署長フェローズへ、事件の報がもたらされる。成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが行方不明になっていると、母親が電話をかけてきたというのだ。彼女が姿を消した前の晩、バーバラは生まれて初めてのダンスパーティに出掛けていた。だがパートナーの少年や学校関係者を調べても、有力な手がかりはつかめない。家出か事故か、それとも誘拐されたのか? 地道で真っ当な捜査の果てに姿を見せる、誰もが息を呑む衝撃のラスト――。本格推理の妙味溢れる警察小説の名手として名高い巨匠の、鮮烈な傑作を新訳で贈る。/解説=大矢博子 -
おちび
革命期のパリを舞台に大志を抱いた孤児が奮闘する物語。ひねりの利いた、身の毛もよだつ作品だが、読んだら決して忘れられない。その孤児はやがて王族とも急進派とも同様に友人となり、後に伝説のマダム・タッソーとなる。1761年、マリーというちょっと変わった容貌の小さな女の子がアルザスの小さな村に生まれた。両親の死後、彼女はいささか風変わりな蝋彫刻家の弟子となり、パリの裏通りにやってくる。そこでふたりは尊大で支配的な未亡人と内気でおとなしく蒼白いその息子と出会う。四人は、使い手のない「猿の館」を改装して蝋の顔を展示し、その見世物は一大センセーションを巻き起こす。マリーは芸術的才能を買われてヴェルサイユ宮殿に呼ばれ、王女の教師となり、出産で命を落としかねなかったマリー・アントワネットを救う。しかし宮殿の外では時代が動きだしていた。革命期の動乱のなか、民衆は王族の首を要求し……。ついに蝋人形館は……。エドワード・ケアリーの『おちび』は比類なき作品で、ひとつの世界を創ることになる「血に染まった小さな少女」の驚異の物語である。 -
フレドリック・ブラウンSF短編全集1 星ねずみ
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第1巻には「星ねずみ」「天使ミミズ」など初期の傑作12編を収録。【収録作】序文=バリー・N・マルツバーグ/「最後の決戦(ハルマゲドン)」/「いまだ終末にあらず」/「エタオイン・シュルドゥル」/「星ねずみ」/「最後の恐竜」/「新入り」/「天使ミミズ」/「帽子の手品」/「ギーゼンスタック一家」/「白昼の悪夢」/「パラドックスと恐竜」/「イヤリングの神」/収録作品解題=牧眞司/解説=鏡明 -
幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート
ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、ある時は新薬実験モニター、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件と壮絶なドタバタを描いた「猫の日の事件」、幻の珍獣の存在を示す報告書焼失の裏に隠された真相に呆然とさせられる「幻獣遁走曲」、意外な真実が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか2編を収録。著者の真骨頂である優しさとユーモア、そして謎解きの楽しさが遺憾なく発揮された愉快な連作集。/解説=光原百合/新版刊行によせて=倉知淳 -
アリス殺し
栗栖川亜理はここ最近、不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。ある日、ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見た後、亜理が大学に行くと、玉子という綽名の博士研究員が校舎の屋上から転落して死亡していた。グリフォンが生牡蠣を喉に詰まらせて窒息死した夢の後には、牡蠣を食べた教授が急死する。夢の世界の死と現実の死は繁がっているらしい。不思議の国で事件を調べる三月兎と帽子屋によって容疑者に名指しされたアリス。亜理は同じ夢を見ているとわかった同学年の井森とともに冤罪を晴らすため真犯人捜しに奔走するが……邪悪なメルヘンが彩る驚愕の本格ミステリ。/解説=澤村伊智 -
泡坂妻夫引退公演 手妻篇
ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にしてお届けする。『手妻篇』は、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、書籍初収録「酔象秘曲」、マジシャン同士の心の機微を描く「ジャンピング ダイヤ」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションにて交霊会を行い、真実を暴く戯曲「交霊会の夜」など13編を収録。/【収録作】〈ヨギ ガンジー〉「カルダモンの匂い」/「未確認歩行原人」/「ヨギ ガンジー、最後の妖術」/〈幕間〉「酔象秘曲」/「月の絵」/「聖なる河」/「絶滅」/「流行」/〈奇術〉「魔法文字」/「ジャンピング ダイヤ」/「しくじりマジシャン」/「真似マジシャン」/〈戯曲〉「交霊会の夜」/舞台裏 泡坂さん幕を閉じ=新保博久/泡坂妻夫著作リスト=新保博久編 -
ハムレット殺人事件
学生時代の同級生に助けを求められる夢を見た。大学を休学して、ぼくの前から去っていった夏日薫。いまでは、彼女が大女優として活躍する一方で、ぼくは妻を失い細々と探偵業を続けている。ところが夏日薫が手がけた舞台『ハムレット』の最終リハーサルを前に、彼女を含む主要キャスト五人が死亡するという事件が起きた。あの夢はお告げなのか? しかし何をしたらいいのかわからない。だから同業の笹野里子さんに電話をかけてみたのだが……。センセーショナルな事件に、夢想の探偵・山浦歩&危険な女探偵・笹野里子が挑む。独特の推理と、芦原文体が絡み合う魅惑の長編ミステリ。 -
白い雌ライオン
春の祭典を目前にしたスウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が行方不明になった。良き妻、幸せな母、教会の熱心な信徒がなぜ? 失踪か、それとも事件か、事故か。ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところがその近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から発見されたのは、黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置だった。二つの不可解な事件の関連は? スウェーデンとロシア、そして南アフリカを結ぶ糸は? EU各国で爆発的な人気を誇るベストセラー作家の、CWAゴールドダガー受賞シリーズ。/解説=吉野仁 -
退職刑事6
私が概略を話すと、父は目を閉じて首を垂れる。ややあって顔を上げたときには、まず事件は解決したと思っていい。父のお蔭で迷宮入りを免れた事件もかなりの数になり、老いてなお旺んな好奇心と推理力には脱帽するしかない。推理作家の椿氏も、父の安楽椅子ならぬ炬燵探偵ぶり、窓がまち探偵ぶりに惚れ込んでいる。退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆の構図で描かれる「拳銃と毒薬」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第6集。/【収録作】「つまらぬ事件」/「桜並木の一本の桜」/「死は木馬にのって」/「拳銃と毒薬」/「耳からの殺人」/「馬の背」/「針のない時計」/「昔の顔」/あとがき=都筑道夫/解説=西澤保彦 -
退職刑事4
推理作家の椿正雄さんには、元刑事の父が何かとお世話になっている。ダイイング・メッセージだの殺人予告だの、父の衰えを知らない好奇心を満たすような話の相手も、少なからず務めてくれているらしい。その椿さんがわざわざ一席もうけるという。非番の日を見繕って現職刑事である私まで招ぶからには、魂胆ありと見たが……。現職退職両刑事と推理作家が故人の梗概(ミステリ)を巡って文殊の智慧を絞る「あらなんともな」など、退職刑事の健在ぶりを示す8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第4集。/【収録作】「連想試験」/「夢うらない」/「殺人予告」/「あらなんともな」/「転居先不明」/「改造拳銃」/「著者サイン本」/「線香花火」/解説=田中博 -
妖怪奉行所の多忙な毎日
妖怪奉行所は、日夜様々な妖怪がやってきては、助けを求める場所。烏天狗一族が与力、同心から牢番までを代々務めている。飛黒はそんな烏天狗の筆頭であり、奉行の月夜公の右腕だ。ある日飛黒が双子の息子右京と左京を奉行所に連れてきた。双子も将来は奉行所でお役目につく身、今のうちに見学させておこうというわけだ。夫婦喧嘩の仲裁、淵の主の脱皮の手助けと、今日もてんてこ舞いの烏天狗達。だが、その陰で双子だけでなく、月夜公の甥の津弓、妖怪の子預かり屋の弥助まで巻き込む、とんでもない事件が進行していた。大人気シリーズ第7弾。 -
氷上都市の秘宝
レン・ナッツワーシー15歳、〈死の大陸〉の片すみに眠る、かつての氷上都市アンカレジに住んでいる。平和な日常に物足りなさを感じていた彼女の心の隙につけこんだのが、盗賊〈ロストボーイ〉。狙いはアンカレジの図書館にある一冊の本だ。口車に乗りこっそり持ち出したあげく、彼らの本拠地に連れていかれるはめに。さらに途中で海賊狩りにあい、水上都市ブライトンで囚われの身になってしまう。そこにいたのは、昔父母を裏切ったペニーロイヤルだった。一方トムとへスターは、愛娘を救わんと必死で後を追っていた。最終戦争後の遙かな未来、移動都市が互いを食い合う奇怪な世界を描いた星雲賞受賞作『移動都市』第3弾。 -
六つの航跡
新しいクローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自らの他殺死体だった──。2000人分の冷凍睡眠者と500人分以上の人格データを乗せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。彼らは再生したものの、何者かによって地球出発後25年間の記憶をすべて消されていた。しかも船の管理AIも改竄されていて、もはやクローン再生は不可能に。他人に明かせない秘密をそれぞれ抱える彼らは、自分自身さえも疑いつつ、事態の真相を突きとめようとするが……。キャンベル新人賞受賞の新鋭が放つ、ヒューゴー賞&ネビュラ賞候補の傑作! -
世界一高価な切手の物語 なぜ1セントの切手は950万ドルになったのか
1856年、英領ギアナで暴動が起こり、本国から切手が届かないことを恐れ、急場しのぎに地元の新聞社である切手が印刷された。地元のみで使用され、そのまま忘れ去られたが、これがのちに1セント・マゼンタとして知られることになる切手であった。発行から17年後、ある少年が廃屋でこの切手を発見。以降、この冴えない見た目の切手の価値は、コレクターたちのあいだで跳ね上がっていく――。なぜ、どのようにして、その切手はとてつもない価値を有するに至ったのか? 世界に一枚しかないとされる切手と、それをめぐる人々の数奇な運命と情熱を描く、傑作ノンフィクション! -
巨神覚醒
ロンドン中心部に忽然と現れた、第二の巨大ロボット――あれから9年、ついに恐れていた事態が現実になったのだ! この男性型ロボットが6000年前、地球に巨大ロボット・テーミスを残していった異星種族のものであるのは間違いない。だが、人類を試すかのごとく沈黙を守る巨神に対し、恐怖と打算に駆られた人々は愚かな行動に出る。それが地球滅亡の危機を招くとも知らずに……人智を超えた存在を前に、人類の命運はテーミスと国連地球防衛隊(EDC)に託された! 原稿段階で映画化決定のデビュー作『巨神計画』待望の続編、空前のスケールで登場!