作品一覧

  • 方形の円 偽説・都市生成論
    4.0
    1巻924円 (税込)
    数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市にふさわしい地を求めてさまよう中、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。天上と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)……。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジイの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く空想上の都市と建築についての36編。/【目次】日本の読者へ/ヴァヴィロン――格差市/アラパバード――憧憬市/ヴィルジニア――処女市/トロパエウム――凱歌市/セネティア――老成市/プロトポリス――原型市/イソポリス――同位市/カストルム――城砦市/・・・・・/ザアルゼック――太陽市/グノッソス――迷宮市/ヴァーティシティ――垂直市/ポセイドニア――海中市/ムセーウム――学芸市/ホモジェニア――等質市/クリーグブルグ――戦争市/モエビア、禁断の都/モートピア――モーター市/アルカ――方舟/コスモヴィア――宇宙市/サフ・ハラフ――貨幣石市/シヌルビア――憂愁市/ステレオポリス――立体市/プルートニア――冥王市/ノクタピオラ――夜遊市/ユートピア/オールドキャッスル――古城市/ゲオポリス――地球市/ダヴァ――山塞市/オリュンピア/ハットゥシャシュ――世界遺産市/セレニア――月の都/アンタール――南極市/アトランティス/クアンタ・カー――K量子市/アルカヌム――秘儀市/私の幻想都市/フランス語版あとがき/スペイン語版まえがき/πへの道――アーシュラ・K・ル=グイン:英語版序文/訳者あとがき/解説=酉島伝法
  • 小学館世界J文学館 白クマのフラム
    -
    1巻990円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 サーカスの人気者から野生の世界へ。 白クマのフラムはサーカス団の人気者。人間のように二本足で歩き、逆立ちや曲芸を演じ、子どもたちと遊んでくれるのだ。ところがある日、フラムは突然ふるさとの北極が恋しくなって、演技ができなくなってしまう。実はフラムは子グマのころ北極で母クマといっしょに捕らえられ、母は殺され、サーカスで育てられてきたのだ。 演技ができなくなったようすを見て、サーカスの団長はフラムを北極へ送り返すことを決める。人々の善意の後押しをうけて、北極へ戻るフラム。しかしたどりついたのは、厳しい野生の世界だった。腹を減らしたフラムはアザラシを見つけてエサにしようとするが、サーカスで友だちだったアザラシたちを思い出して襲えない。出会った野生の白クマと仲よくなろうとサーカスで覚えた技を披露するが、驚かれて逃げられる。 人間の世界にいると野生の血が騒ぎ、北極の大自然の中にいると人間界が恋しくなる。はたしてフラムに安住の地はあるのだろうか……?  ルーマニアで誰もが知る定番の児童文学が、初めて日本語になった!(本邦初訳) ※この作品は一部カラーが含まれます。

ユーザーレビュー

  • 方形の円 偽説・都市生成論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    36個の架空の都市、その成り立ちとその消滅について書かれた最高すぎる本。都市の盛衰が必要最小限の文章で、無限の広がりを持って目の前に現れてくる驚きといったら、それはもうすごかった。文章だからこそ成り立つ視覚的な表現に脳がやられて、一つ一つの都市を読み終えるごとに休憩を挟まないと読んでられないくらい。
    酉島伝法の解説もまた一つの愛に溢れた都市で、最後の最後で思わず涙ぐんでしまった。

    0
    2024年12月01日
  • 方形の円 偽説・都市生成論

    Posted by ブクログ

    36の架空の都市の記録。面白かった。
    現実でも本当は見つかってないだけで、あったら面白そうと思う都市もありました。
    そのほとんどが滅んでいるけれど、廃墟だけでも。。
    バラエティー豊かで、各々の都市を舞台に長編も書けそうでした。

    高度な技術だな…と思う都市もあれば、都市だけど人が生活を営めないなと思う都市もありました。
    人を辞めて住むのか。。
    月の都の方向性が特殊で良かったです。

    作者のあとがきも面白かったです。検閲の末、何十年も経てようやく完全版が出たのか。出版されてよかった…読める。。

    0
    2024年08月27日
  • 方形の円 偽説・都市生成論

    Posted by ブクログ

    ほぼ1ヶ月かけて読んだ。毎夜寝る前、電車の中、休憩中、現れては立ち消える奇想の都市の様子を楽しんだ。掌編の長さでありながら緻密な文章が都市を気楽に通り過ぎることを許さない。それぞれ特徴は異なるものの、そこに住む人を苛む都市の厳しさや恐ろしさを描いていたような気がする。

    0
    2024年02月01日
  • 方形の円 偽説・都市生成論

    Posted by ブクログ

    ルーマニア出身の作家、ギョルゲ・ササルマンによる、空想都市をテーマにした36の掌編集。表紙と表題に惹かれ、手にすることに。

    「多種多様な36の架空都市・建築・国家に関する短いエピソード集」といった内容。それぞれの題材1つで大作が出来そうなアイディアの宝庫で、フィクションの世界へ思いを馳せるには良かったが、一作品として物語を楽しむには少々物足りなかった。(掌編集なので仕方がないのだが。)また、本作が発表されるまでの紆余曲折が、本書に収録されている まえがき や あとがき に書かれているのだが、本編の内容に負けず劣らずなかなかに興味深いものであった。

    0
    2024年02月24日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!