レイチェル

レイチェル

従兄アンブローズ――両親を亡くしたわたしにとって、彼は父でもあり兄でもある、いやそれ以上の存在だった。彼がフィレンツェで結婚したと聞いたとき、わたしは孤独を感じた。そして急逝したときには、妻となったレイチェルを、顔も知らぬまま恨んだ。が、彼女がコーンウォールを訪れたとき、わたしはその美しさに心を奪われる。二十五歳になり財産を相続したら、彼女を妻に迎えよう。しかし、遺されたアンブローズの手紙が、想いに影を落とす。彼は殺されたのか? レイチェルの結婚は財産めあてか? せめぎあう愛と疑惑のなか、わたしが選んだ答えは……もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作。

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レイチェル のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年04月17日

     1951年作。
     とても充実した、良い小説だった。
     なにしろこのところ『聊斎志異』や江戸時代の草双紙集を読んでシンプルな「物語」の楽しさを味わい、次いで西村京太郎さんの今風のスカスカな小説世界を『スーパー北斗殺人事件』でざっくりと走り抜けてきた私は、本書のページをめくりたちまちにして<西洋近代小...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月03日

    親代わりの従兄アンブローズがイタリアで結婚した相手、レイチェル。おかしな手紙を最後に急逝した従兄の死にレイチェルへの恨みは募るもの、会った瞬間から惹かれていくフィリップ。女に慣れない男の激しい恋の行方とは。ゾクゾクする面白さ。

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    Posted by ブクログ 2021年05月05日

    19世紀半ば、イギリスはコーンウォールの領地にある古い館で、両親を亡くした主人公フィリップ(わたし)は従兄アンブローズに育てられた。

    教育を授けてくれ、領地の管理、小作人達の面倒をみながら暮らす領主の生活を身に付けていった。ゆくゆくは領主という肩書きと莫大な財産を受け継ぐ身の坊ちゃまとして。

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    Posted by ブクログ 2015年08月06日

    ヒッチコックの映画「レベッカ」の原作者として有名なデュモーリア。
    「レベッカ」と双璧をなすといわれる作品です。

    フィリップは、幼くして両親を失い、年の離れた従兄アンブローズに育てられます。
    時代は19世紀。ひろびろとした荘園で、独身男ばかりの気楽な暮らし。
    フィリップも成人した後、イタリア旅行に出...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年10月08日

    静かに淡々と、そして徐々に高まっていくこの緊迫感。

    主人公フィリップの初心さが間抜けに感じられるほど。レイチェルを受け入れる隙間があったことは、1章2章で充分知らされる。

    最後まで読んでから1章を読み返すと、背筋が凍る。

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    Posted by ブクログ 2012年02月23日

    『レベッカ』と同じくらいすばらしい作品です。
    読み進めていく内に、主人公の視点によって周囲の人物に対する評印象が二転三転することになります。結局レイチェルは善人だったのか悪人だったのか……。

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    Posted by ブクログ 2020年10月08日

    亡くなったいとこの妻への恋に囚われていくフィリップ。どんどん深みにはまっていく様子はある意味ベタで長々しく、正直途中で読むのが嫌になりかけた。ので、最後の数十ページには素直に驚いた。読み終わったあと、思わず最初の章に戻ってしまった。
    イギリスの領主は素敵だな、生まれ変わったらなってみたいかも。

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    Posted by ブクログ 2017年09月08日

    謎めいた美女を書かせたらデュ・モーリアの右に出る人物はいないんじゃなかろうか。「彼女が何を考えてるのか知りたくてたまらん!」と読者に思わせられたら作家の勝ち。レイチェルの頭の中を暴きたくて仕方がない私は、デュ・モーリアに全面降伏です。でも本を読み返せど、やっぱり理解出来た気がしない。一体どっちだった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年02月17日

    美しいレイチェルに心奪われていくフィリップ青年の揺れが如実に表され、時に同情、同意しながらもゾクゾクとさむけを感じるようなところも。

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    Posted by ブクログ 2015年12月19日

    デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
    今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。

    両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
    アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわた...続きを読む

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