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水の都ヴェネチアで不思議な双子の老姉妹に出会ったことに始まる、夫婦の奇妙な体験「いま見てはいけない」、突然亡くなった父の死の謎を解くために父の旧友を訪ねた娘が知った真相「ボーダーライン」、急病に倒れた牧師のかわりにエルサレムへの二十四時間ツアーの引率役を務めることになった聖職者に、次々と降りかかる災難「十字架の道」など、サスペンスあり、日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、人間の心理に深く切り込んだ洞察あり、天性の物語の作り手、デュ・モーリアの才能を遺憾なく発揮した作品5編を収める、粒選りの短編集。【収録作】「いま見てはいけない」「真夜中になる前に」「ボーダーライン」「十字架の道」「第六の力」/解説=山崎まどか
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年04月24日
中学生の時に河出の世界文学全集でレベッカを読んだ。とりこになった。10代の間に何度読み返しただろう。あの頃の気持ちを思い出した。忘れていたぞくぞくするような感覚がよみがえってきた。レベッカしか知らなかったがこれ!!!な作品だ。すごいなデュ・モーリア!まさに物語世界に心がもっていかれる感じ。他の傑作集...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月18日
1966年、1970年、1971年に出版された原著からセレクトして訳出されたデュ・モーリアの短編集。
やはりこの作者の文体は濃く、なかなか巧みに書かれており、それを辿ってゆく読書体験は一種の「充足」である。このような「充足」を感じさせる文章といえば、久生十蘭を思い出す。それは単純なパロールの流れ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月08日
『レベッカ』が大好きなので短編集も読んでみた。日常の生活や人間関係における心の機微や、ありきたりなようで意外な人間模様を、鮮やかにまたシニカルに描き出す傑作揃いだった。「十字架への道」で前歯が折れてしまった夫人をいたわる大佐が印象的。日々の生活をこうもドラマチックに描かれると、私の人生もそう捨てたも...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月21日
これを読みながらずっと「レベッカ」を思い出していた。「昨夜、わたしはまたマンダレイに行った夢を見た」という冒頭の一文から、ミステリアスで繊細な物語は始まっていた。ここに収められた短篇にも、「レベッカ」と同様の叙情が漂っている。そのストーリーテリングを堪能できる一冊。
「レベッカ」では、謎めいた物語...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月11日
・ダフネ・デュ・モーリア「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)は表題作を含めて全5作、約420頁の短篇集である。最近の文庫は活字が大きいといつても、単純平均で80頁ある。長めの短篇といふところであらう。いかにもデュ・モーリアといふ感じの作品が収められてゐる。やはりおもしろい。
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Posted by ブクログ 2019年11月21日
いま見てはいけない、というタイトルに惹かれて手に取りました。
全体的に不穏な雰囲気の漂う短編集でした。旅先で出会う奇妙な人物、奇妙な出来事…ホラー?ミステリー?分類が難しいので奇妙な味のカテゴリに入れておこう。
「いま見てはいけない」「真夜中になる前に」「ボーダーライン」の3編は、ラストにズドンと落...続きを読む
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