学術・語学 - 新潮社作品一覧

  • 凶悪犯罪者こそ更生します
    4.6
    「反省しない」のではなく「反省できない」。それが凶悪犯罪者たちが収容される刑務所の実情だ。しかし、誰もが「更生不可能」と判断する彼らが、新たな気づきを得た時こそ、更生への意志は圧倒的に強くなる。その「気づき」を得るために有効なのは、犯罪者に「反省を求めない」「加害者視点の」教育である。数多くの累犯受刑者を「本当の反省」に導いた著者だから書けた、超実践的更生メソッド。
  • 狂気という隣人―精神科医の現場報告―
    3.6
    人口の約1%が統合失調症という事実。しかし、それが我々に実感されることがないのはなぜか。殺人、傷害にかかわりながら、警察から逮捕もろくな保護もされず、病院さえたらい回しにされる触法精神障害者。治癒して退院したはずなのに、再び病院へ戻ってくる精神病患者。疲弊する医療関係者。社会の目から遮蔽されてきた精神医療の世界を現役の医師がその問題点とともに報告する。
  • 狂気の偽装―精神科医の臨床報告―
    3.8
    現代日本で急増する「心の病」──。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか? その患者は本当に精神疾患なのか? 精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。
  • 教養としてのゲーテ入門―「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで―(新潮選書)
    4.5
    『ウェルテル』は単なる〈妄想青年〉に過ぎないのか。『親和力』はなぜ〈私の一番の本〉と評されているのか。『ヴィルヘルム・マイスター』は何の〈修業〉をしているのか。『ファウスト』に出てくる〈ワルプルギスの夜〉は何を意味しているのか。「教養の代名詞」とされてきたゲーテ作品の〈ツボ〉がはっきり分かる完全ガイド。
  • ―教養としての歴史―日本の近代(上)
    3.3
    1~2巻660円 (税込)
    近代化の原動力となった江戸の実力、アジア初の立憲国家として憲法を守り通した意義、韓国から近代化という「青春」を奪った日清・日露の二度の対外戦争――。アジアの小国から世界標準の国家を作りあげた苦闘の道程をたどりながら、著者の卓越した歴史観を通して、「日本にとっての近代とは何であったのか」を大胆に整理する。単なる知識ではない教養としての日本近代史入門。〔全二冊〕

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  • キリスト教は役に立つか(新潮選書)
    4.2
    信仰とは無縁だった灘高・東大卒の企業人は、いかにしてカトリック司祭に転身したか。「孤独感」を解消できたのはなぜか。旧約聖書から新約聖書、遠藤周作からドストエフスキー、寅さんからエヴァンゲリオンまで、幅広くエピソードを引きながら、ノン・クリスチャンの日本人にも役立つ「救いの構造」をわかりやすく解説する。
  • ギャンブル依存とたたかう
    4.4
    パチンコ、麻雀、競馬、競輪……。「庶民の娯楽」という美名の陰で、急速に増加する依存者の群れ。「少しだけなら」と言い訳しながら、深刻に精神が蝕まれていく。ギャンブル依存は意志の弱さとは無関係。家族や知人を巻き込み、誰しも陥る危険な“病気”の全貌と立ち直りへの道を、作家・精神科医の著者が明らかにする。
  • ギリシア神話を知っていますか
    4.0
    聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話は、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしている。本書では、多彩豊富な物語の膨大な枝葉を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説する。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ……神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通”。

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  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)
    4.5
    1~4巻825~1,320円 (税込)
    古代ギリシアで民主政はいかにして生まれ、いかに有効活用され、見事に機能したのか? なぜ現代まで脈々と続く哲学や科学、芸術の起源となることができたのか? そこには数少ない市民で強大な帝国ペルシアと対峙しなければならない、苛酷な状況があった――。ギリシア人なくしてローマ人なし。「ローマ人の物語」以前の世界を描き、現代の民主主義の意義までを問う著者最後の歴史長編全四巻。
  • ギリシア人の物語(1~4)合本版(新潮文庫)
    -
    古代ギリシアで民主政はいかにして生まれ、いかに有効活用され、見事に機能したのか? なぜ現代まで脈々と続く哲学や科学、芸術の起源となることができたのか? そこには数少ない市民で強大な帝国ペルシアと対峙しなければならない、苛酷な状況があった――。ギリシア人なくしてローマ人なし。「ローマ人の物語」以前の世界を描き、現代の民主主義の意義までを問う著者最後の歴史長編全四巻。 ※当電子版は新潮文庫版『ギリシア人の物語』1~4巻をまとめた合本版です。
  • 「空間」から読み解く世界史―馬・航海・資本・電子―
    4.5
    乾燥地帯で始まった穀物栽培、騎馬による異文化統合、大陸を結ぶ大西洋支配、地球規模の産業革命、そして無限大のネット空間……人は自らの活動空間を拡大していくことによって進化を遂げる。時間軸からではなく、六つの「空間革命」という枠組みによって文明誕生から今日までを通観してみると、全く新たな世界史像が現れてきた!
  • クマムシ博士の「最強生物」学講座―私が愛した生きものたち―
    4.1
    1巻1,056円 (税込)
    乾燥、超低温、高圧、そして放射線にさえ耐える体長1ミリにも満たない動物――「地上最強」との誉れ高いクマムシをはじめ、不老不死を獲得した怪物、宿主をゾンビにするパラサイト、うんこになって飛行移動するカタツムリ……はたまたバッタになった博士まで、常識破りな生物たちを、パリ大学気鋭の研究者が愉快に紹介。
  • ぐれる!
    3.7
    欺瞞に満ちた、この善良な市民社会がイヤだ。といって犯罪に走ることも、自殺することも、絶望することもできない──。そういう人は、「ぐれる」しかない。人生の理不尽さを噛み締めて、ぐれて生きていくしかないのだ! 悩める現代人のための新しい哲学の書。

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  • 計算する生命(新潮文庫)
    3.0
    「計算」は私たちの生活のそこかしこに現れる。では、指やペンを使う足し算や筆算と、膨大な電力を消費する巨大コンピュータによる計算は、何が異なるのだろうか。機械が人間の能力を遥かに超越し、日夜無言で計算し続けるいま、私たちには一体何が残されるのだろうか――。気鋭の独立研究者が数学史を遡り、いつしか生命の根源まで辿り着いた果てに提示する新たな地平。河合隼雄学芸賞受賞作。(解説・下西風澄)
  • 経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)
    4.2
    有沢広巳ら一流経済学者を擁する陸軍の頭脳集団「秋丸機関」が、日米の経済抗戦力の巨大な格差を分析した報告書を作成していたにもかかわらず、なぜ対米開戦を防げなかったのか。「正確な情報」が「無謀な意思決定」につながっていく歴史の逆説を、焼却されたはずの秘密報告書から克明に解き明かす。瞠目の開戦秘史。
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)
    3.5
    満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。
  • 決定版 大東亜戦争(上下)合本版(新潮新書)
    -
    満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。 ※当電子版は新潮新書版『決定版 大東亜戦争』上下巻をまとめた合本版です。
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)
    3.8
    日中戦争は近代日本の対外戦争の中で最も長く、全体の犠牲者の数は日米戦争を凌駕する。なぜ、開戦当初は誰も長期化するとは予想せず、「なんとなく」始まった戦争が、結果的に「ずるずると」日本を泥沼に引き込んでしまったのか。輪郭のはっきりしない「あの戦争」の全体像に、政治、外交、軍事、財政などさまざまな面から多角的に迫る。現代最高の歴史家たちが最新の知見に基づいて記す、日中戦争研究の決定版。
  • 検閲官―発見されたGHQ名簿―(新潮新書)
    4.0
    敗戦後の日本では、手紙、電話、雑誌、映画まであらゆる言論がGHQによって検閲された。その職を担ったのは、英語を解する日本人エリートたちだ。著者が発掘したGHQ名簿をはじめとした資料、時を経て口を開き始めた経験者たちの証言によって浮かび上がってきたのは、日本人検閲官たちの葛藤、待遇、そしてその経歴を隠し続けた意外な著名人の名――第一級史料をもとに、今日にも通じる問題を炙り出す戦後裏面史。
  • 建築家、走る
    4.3
    ブザンソン芸術文化センター、根津美術館、竹の家(中国)、アオーレ長岡(市庁舎)、la kagu ……いま世界中から依頼が殺到する建築家は、深く悩みながら疾走してきた。東京でのプロジェクト挫折、森舞台/登米町伝統芸能伝承館をはじめ地方での活躍、怒濤のコンペ参加など、その半生は紆余曲折の連続だった。「反・20世紀」的建築を創造する著者が自伝的に語り尽くしたユニークな書。
  • ケンブリッジ数学史探偵
    4.0
    斬新な日本史講義がハーバードで熱狂を呼んだ歴史学者が、ケンブリッジに移って選んだテーマは「17世紀の数学史」。近代国家が成立する以前、知識人たちは 国家の枠にとらわれず、自由に知識を交換しあっていた。著者は京都で花開いた和算を起点に、西洋、さらには中国の数学文化まで縦横無尽にたどっていく。「知の生成」の瞬間を追い求め、真にグローバルな時代に相応しい歴史の語り方を探った知的興奮の書。
  • 憲法改正とは何か―アメリカ改憲史から考える―
    3.8
    「憲法は〈国のかたち〉を表現している」「〈国のかたち〉は、改憲しても変わらないこともあれば、改憲しなくても変わってしまうこともある」―― 27回の改正を経てきたアメリカ合衆国憲法の歴史から、「立憲主義」の意外な奥深さが見えてくる。「憲法改正」「解釈改憲」をめぐる日本人の硬直した憲法観を解きほぐす快著。
  • 言語世界地図
    3.5
    世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。言葉の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。

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  • 現代史の中で考える
    4.0
    大英帝国の繁栄と衰亡。天安門事件とソ連の崩壊からひもとく、共産主義の本質とヨーロッパの将来。「パールハーバー五十周年」に思う、太平洋戦争のリーダーたち。そして、和辻哲郎と天皇制。文明論や近現代史を読み解きながら、日本のとるべき道を示唆した貴重な発言の数々。自由闊達な発想とその独特の史観から、論壇に多くの足跡を残した歴史家の「遺言」。
  • 現代仏教論
    3.0
    震災、高齢化、自殺者増……、多死社会の到来を目前にして、この国はなすすべもなく立ち竦んでいる。これまで問題を封印してきたツケが一気に回ってきたのだ。我々はいかに死者と対峙すべきか――。その智慧は仏教にある。ブッダの時代以来、死者と関わり続けてきた仏教が現代に果たすべき役割は小さくない。震災と仏教、死者供養の原点、業と輪廻、仏教離れの本当の理由など、死者の問題を中心に現代仏教を問い直す。

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  • 交通事故学
    3.3
    そもそも人間にとって、動くものの速度や距離の見積もりは苦手である。その上、心理や生理、環境によっても対応が違ってくる。だから、車の安全性能は年々進歩しても、ドライバーは相変わらずあれこれ間違え続ける。初心者とベテランの視線の違い、加齢によるミスマッチ、個人差のあるリスク敢行性――どうすればヒューマンエラーを防ぎ、安全レベルの高い運転ができるのか、交通心理学の知見をもとに徹底解説。
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)
    4.4
    1~2巻935~990円 (税込)
    12世紀が終わる頃、神聖ローマ皇帝とシチリア王女の間に一人の男子が生まれた。少年は両親をはやくに失い、絶大な権力をもつ法王の後見を受けたが、帝位に登り、広大な領土を手中にすると、法王との関係が緊張。法王に十字軍遠征を約束するが、剣ではなく交渉を選んだことでますます反感を買い、ついには破門に処されてしまう……。生涯を反逆者として過ごした中世を代表する男の傑作評伝。
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    12世紀が終わる頃、神聖ローマ皇帝とシチリア王女の間に一人の男子が生まれた。少年は両親をはやくに失い、絶大な権力をもつ法王の後見を受けたが、帝位に登り、広大な領土を手中にすると、法王との関係が緊張。法王に十字軍遠征を約束するが、剣ではなく交渉を選んだことでますます反感を買い、ついには破門に処されてしまう……。生涯を反逆者として過ごした中世を代表する男の傑作評伝。 ※当電子版は新潮文庫版『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』上下巻をまとめた合本版です。
  • 国語教科書の闇
    3.7
    国語の教科書が、変だ。「羅生門」「こころ」「舞姫」は、議論もされずに「定番教材」と化し、横並びで採録される没個性ぶり。国語教科書がここまで画一化したのはなぜなのか? そもそも、これらの「暗い」作品は教材にふさわしいのか? 「定番小説」という謎、知られざる舞台裏、採択を決定する「天の声」、教員の本音、仰天の実態。問題は歴史教科書だけじゃない。もう一つの「教科書問題」がここにある。
  • コクと旨味の秘密
    4.0
    「ネズミはビールにキレよりもコクを求める」「赤ワインに醤油を垂らすとコクが増す!?」「男性生殖器と口の中には深い関係がある」「牧場のミルクが美味しい科学的根拠」「甘味無しの世界は殺伐としている」――。ビール、ラーメン、吸い物、カレー、あらゆる食物で感じられるコクとは一体何なのか。その正体を科学者の目で探ることで見えてきた美味しさの秘密。「コクの構造」が今明らかに!

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  • 心に狂いが生じるとき―精神科医の症例報告―
    3.6
    最初は心の小さな狂いでも、それをきっかけに、普通の人間が精神全体を蝕まれてしまうことがあり、ときには取り返しのつかない行動をとることがある。しかし、正常な精神と狂気の境目はごく淡く、我々の社会はアルコール依存、統合失調症、人格障害、うつ病など様々な精神疾患とともにある。人は、いつ、いかにして心を病むのか。現役の臨床医師が、虚説を排して実態を報告する。
  • こころの最終講義
    4.5
    心理療法家・河合隼雄はロールシャッハ・テストや箱庭療法などを通じて、人間のこころの理解について新たな方法を開拓した。また、『日本霊異記』『とりかへばや物語』『落窪物語』等の物語を読み解き、日本人のこころの在り処と人間の根源を深く問い続けた。伝説の京都大学退官記念講義「コンステレーション」を始め、貴重な講義と講演を集めた一冊。『物語と人間の科学』改題。
  • こころの免疫学
    3.8
    「こころの病」は、脳だけでなく、食べ物や腸内細菌までも含めた、からだ全体の問題だった――。この十年で、精神疾患とアレルギー性疾患が二倍以上も増えた理由、脳と免疫系が密接に影響しあうメカニズム、セロトニンなど神経伝達物質生成における腸内細菌の重要な役割……「こころの免疫力」をつけるための革命的パラダイム。

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  • 心の病が職場を潰す
    4.0
    今や日本中の職場が、うつ病をはじめとする精神疾患によって、混乱させられ、疲弊させられている──。それはいつから、どのように広がったのか。この現状を私たちはどう捉えるべきなのか。基礎的な医学知識を紹介しながら、精神科医療の現場から見える、発病、休職、復職、解雇などの実態を豊富な症例を通して報告。会社の意向と個人の要望が複雑に絡むこの問題を正しく知ることは、もはや社会人に必須の素養である。
  • 心は孤独な数学者
    4.5
    天才中の天才ニュートン。ニュートンの「プリンキピア」を12歳で読破した早熟の天才ハミルトン。ヒンドゥーの女神のお告げを受け、新定理を量産した神がかり的天才ラマヌジャン。天才はなぜ天才なのか。才能ゆえの栄光、が、それと同じ深さの懊悩を彼らは抱えこんでいたのではなかったか。憧れ続けた3人の天才数学者の人間としての足跡を、同業こその理解と愛情で熱く辿った評伝紀行。
  • 心を操る文章術
    3.4
    文章は、ちょっとした工夫で印象がガラリと変わる――文体模倣の名手が、「笑わせる」「泣かせる」「怖がらせる」「怒らせる」「和ませる」文章を書くために必要な発想とテクニックをつぶさに伝授。小説、エッセイ、新聞記事など様々な実例をもとに読み手の感情を揺さぶることのできる文章と、できない文章の違いを明快に解き明かす。ユーモア満載で描かれた異色の文章読本。
  • 古代史 50の秘密
    3.0
    なぜ、中国は倭国を重要視したのか。『古事記』が書かれたのはなんのため? 古代版政権交代・大化の改新の真相は。天照大神は本当に女神なのか。「任那日本府」は存在しなかった? 古代日本の戦略と外交、『日本書紀』などの文書に隠された謎、氏族間の政争、斉明・持統など次々と女帝が誕生した理由。気鋭の歴史作家が埋もれた歴史の真相を鮮やかに解き明かす。
  • 古代史の正体―縄文から平安まで―(新潮新書)
    4.0
    「日本文化の基層は弥生人が作った」「大化改新で悪玉の蘇我氏が成敗された」――。この種の「通説」は旧態依然のまま半世紀前と変わらない。それを乗り越えるためには、考古学の知見を生かした上での、大胆な推理が必要となる。「神武と応神は同一人物」「聖徳太子は蘇我入鹿」「壬申の乱は親蘇我と反蘇我の闘い」など、透徹した目で古代史の真実に迫ってきた筆者のエッセンスを一冊に凝縮した、初めての通史。
  • 国境の人びと―再考・島国日本の肖像―
    -
    北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで、東は南鳥島から西は与那国まで、世界で六番目に広い「海」を持つ日本。その国境はすべて海の上にある。紛争の最前線たる北方領土、対馬、竹島、尖閣諸島をはじめ、九十九に上る国境離島のことごとくに足を運び、自らの目で確かめた著者が、そこで暮す“人”を通じて問い直す「この国のかたち」。
  • これが「教養」だ
    3.8
    「教養」の歴史は意外なほど浅い。もともとは、一八世紀西欧の片隅でひっそりと生まれた小さな概念で、「公の立場と私の立場に引き裂かれた人間が、それを統合するために必要な能力」という極めて限定的な意味しか持たなかった。その教養がなぜ、「古典」「読書」「該博な知識」などと結びつき変質してしまったのか──。新進気鋭の哲学者が、探偵のごとく「真の教養の姿」を追い求め、現代に蘇らせる知的興奮の書。

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  • これでいいのか、日本のがん医療
    4.0
    1巻1,232円 (税込)
    基礎研究は世界的にもトップレベルであるにもかかわらず、日本ではそれをがんなどの新たな薬や治療法の開発に結びつけることができないでいる。世界中でゲノム創薬が本格化する中、このままでは日本は取り残されてしまう。何がこの国の医療の発展を妨げているのか? 医学界、霞が関行政が抱える病根に鋭くメスを入れる!
  • コーランを知っていますか
    3.9
    遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コーラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 誤解だらけの「発達障害」
    3.8
    「しばらく様子を見ましょう」「現状を受け入れてください」。「発達障害」と診断された子の親は、専門家からそんな言葉をかけられる。しかし、これは大いに問題がある。適切な「教育・学習」を通して「教わる力」を身につけさせれば、発達の遅れは大きく改善するのだから。カギは、「教える難しさ」というハンディを乗り越える意志を持つこと。約700人の子どもを教えてきた実績を基に語る、本当に子どものためになる教育論。

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  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)
    4.0
    どのお経が「正典」なのか? 「梵天勧請」はなぜ決定的瞬間なのか? 釈迦が悟ったのは本当に「十二支縁起」なのか? 「無我」と「輪廻」はなぜ両立するのか? 日本仏教にはなぜ「サンガ」がないのか? 日本の仏教理解における数々の盲点を、二人の仏教者が、ブッダの教えに立ち返り、根本から問い直す「最強の仏教入門」。
  • 最強の恐竜(新潮新書)
    4.0
    史上最強の恐竜は、やっぱりティラノサウルス? いや、それだけではない。六六〇〇万年前に滅んだ恐竜たちは、どんな陸上動物より大きな体、獲物を砕く強靱な顎、あのウサイン・ボルトにも劣らぬスピードなど様々な特徴を持ち、驚きの能力を進化させていた。ならば最新研究をふまえて、各種のナンバーワン恐竜を選出してみよう。「化石」を求めて世界各地を行く若手学者による、知力、体力、想像力の傑作ドキュメント!
  • 西行と清盛―時代を拓いた二人―
    3.0
    1118年生まれの2人の男。片や23歳で出家し、中世を代表する歌僧となって往生し、片や10代から出世街道を走り、武者の世の栄華を極めたすえに滅亡した。文と武、聖と俗――いかにも対照的な彼らは12世紀の日本をいかに生き、新たな時代の文化と政治をどう拓こうとしたのか? 中世史研究の泰斗、渾身の書下ろし。

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  • 「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々―(新潮選書)
    4.0
    「悟る時は真理の方が人に迫ってくる」(菩提達摩)、「心は驚きのもと崩落した」(白隠慧鶴)、「これが無なのだな!」(鈴木大拙)、「自分の大きさ、広さにびっくり仰天」(長沢祖禅尼)、「宇宙一元! 大歓喜!!」(井上日召)……臨済宗から日蓮宗まで約五十人の「悟り体験記」を読みとき、目くるめく境地の真相に迫る。
  • さもしい人間―正義をさがす哲学―
    3.8
    現代人は「人類史上最もさもしい人々」かもしれない。次々現れる新しい機器、膨大な消費電力、捨てるほどの食料……その陰にある犠牲に目をつぶりながら、快楽を貪欲に追求し続けている。この「さもしさ」から私たちは逃れられないのか? アンパンマンが実現している正義を現実のものにはできないのか? 政治哲学の大きな問題について、ユーモアを交えた低空飛行の視点で考える。あえて「青臭い議論」に挑んだ意欲作。

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  • さよなら、母娘ストレス(新潮文庫)
    -
    「あなたを生んだのは、この私」何かにつけ、印籠を見せるようにそう言い放つ母親たち。かたやその言い分にぐうの音も出ない娘たち……。心底憎らしいのにどうしても嫌いになれない、そんな矛盾に苦しむ女性はあなた1人ではありません。診察室を訪れた8名の娘たちのエピソードと著者の実体験を軸に綴る、母と娘の現実。娘(あなた)が幸せになるための6つの処方箋を収録。『怒り始めた娘たち』改題。
  • さらば歯周病
    -
    高齢社会を迎え、歯周病こと歯槽膿漏は、虫歯以上に深刻な国民病となりつつあるが、いまだに原因は不明だし、治療法も確立されていないのが現状だ。しかし、兵庫県姫路市で歯科医を開業する著者は、二十年以上にわたる治療の結果、一つの結論にたどり着いた。「歯周病の元凶は歯石であり、歯磨きだけでは不充分。むしろ歯石除去のメンテナンスを定期的に行うべし」――。予防的歯科医療への転換をも促す画期的な提言。

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  • さらば脳ブーム
    3.9
    世界的に大ヒットしたゲームのアイコンとなったことで、「脳トレの川島教授」は一人歩きを始めた。日本の街中に顔があふれただけでなく、スペインの地下鉄のポスターや、イタリアのテレビCMにまで登場。そのうえ研究者たちからは「科学的じゃない」との批判が始まり、果ては税務調査までやってくる始末……。「基礎科学研究の社会還元」とは何か。「脳ブーム」の功罪とは。渦中にいた当事者が初めて沈黙を破った手記。

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  • 算数のしくみ大事典
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「分数の割り算はどうして逆数をかけるの?」「円の面積はどうして半径×半径×3.14なの?」「反比例って何?」など、大人でも間違えそうな算数のしくみを図入りで解説。たし算から小数、分数、図形やグラフ、文章題の解き方まで、小学生のつまずきやすいポイントを一気に解消する、カラフルなイラスト満載の算数大事典。
  • 座談の思想
    -
    話し言葉の豊かさや情緒によって、座談はときに著作よりも雄弁にその人の思想の本質をあらわす。座談の場で、相手の発言に誘発され生じる着想や反発、沈黙――その一瞬に、文章にはあらわれない思想の幅や誠実さが浮かび上がる。桑原武夫、柳田国男、丸山眞男らの膨大な対話を掘り起こし、近代日本思想史を捉え直す画期的評論。
  • 幸せの「気づき」相談
    -
    「夫との生活が苦痛」「子どもが言うことを聞かない」「対人関係で失敗してばかり」……今「気づければ」、その苦しみから抜け出せます! 著者が三十年間受け付けてきた相談から、特に多くの人が抱える22の悩みを厳選。家庭内の不和から将来への不安まで、悩めるあなたに“青森の神様”が贈る、幸せのメッセージ。
  • 私家版 差別語辞典
    4.0
    被差別部落に根ざす隠語、あるいは心身障害や職業にまつわる言葉をめぐり、語源や歴史的背景、どこでどのように使われてきたのかなどを具体的に解説。また抗議と自主規制により「消えた言語」となってしまった現状も抉る。“路地”に出自を持ち、「差別の現場」を精力的に取材し続けてきた著者だからこそ書けた「言葉」たちの総覧。

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  • 史記の風景
    3.6
    古代中国二千年のドラマをたたえて読み継がれる『史記』。中国歴史小説屈指の名手が、そこに溢れる人間の英知を探り、高名な成句、熟語のルーツをたどりながら、斬新な解釈を提示する。この大古典は日本においても、清少納言、織田信長、水戸光圀、坂本龍馬にと、大きな影響を与えていたことに驚愕させられる。世のしがらみに立ち向かった先人の苦闘が甦る101章。
  • 嫉妬の世界史
    3.8
    喜怒哀楽とともに、誰しも無縁ではいられない感情「嫉妬」。時に可愛らしくさえある女性のねたみに対し、本当に恐ろしいのは男たちのそねみである。妨害、追放、殺戮……。あの英雄を、名君を、天才学者を、独裁者をも苦しめ惑わせた、亡国の激情とは。歴史を動かした「大いなる嫉妬」にまつわる古今東西のエピソードを通じて、世界史を読み直す。

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  • 死にかた論(新潮選書)
    3.7
    七十歳を過ぎた稀代の思想家が、自らのこととして死と向き合った。欧米の「生命尊重主義」では、とてもじゃないが穏やかに死ねない。ヒントは古からの日本人の死生観にあるにちがいない。自然信仰を探り、日本仏教の「死と生」の関係を見る。西洋とは全く違う「死にかた」を知った時、私たちは少しばかり安心して旅立てる。
  • 死ぬことを学ぶ
    3.0
    生きるも難儀、死ぬも難儀――。敗戦後、日本人は自らの本質について思い煩わなくなった。しかしバブル崩壊から東日本大震災に至る日々の中で、「哲学」の不在を痛感している人は多い。だからこそ「死ぬこと」を学ばなければならないのだ。当人は決して見ることができない人生の決算表はいかにあるべきなのか。大往生、殉死、暗殺、自殺……先人たちのさまざまな死の様相を眺め、味わい、思いを致す。福田流「死に方読本」。

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  • 「死の国」熊野と巡礼の道―古代史謎解き紀行―(新潮文庫)
    5.0
    熊野に迂回してヤマト入りを図った神武天皇、応神天皇。なぜ彼らは「死の国」熊野を目指したのか。熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の熊野三山、荘厳な名瀑・那智の滝、聖なる巡礼の道・熊野古道、巨大な磐座がご神体の神倉神社、国生みの神イザナミの御陵・花窟神社……。紀伊半島の「死と再生」の聖地を巡り、ヤマト建国の謎を解き明かす、古代史紀行シリーズ。
  • 社会思想としてのクラシック音楽(新潮選書)
    3.6
    近代の歩みは音楽が雄弁に語っている。バッハは誰に向けて曲を書き、どうやって収入を得たのか。ハイドンの曲が徐々にオペラ化し、モーツァルトがパトロンを失ってから傑作を連発したのはなぜか。ショスタコーヴィチは独裁体制下でいかにして名曲を生み出したのか。音楽と政治経済の深い結びつきを、社会科学の視点で描く。
  • 「社会的うつ病」の治し方―人間関係をどう見直すか―
    4.0
    1巻1,056円 (税込)
    軽症なのに、なかなか治らない。怠けるつもりはないのに、動けない。服薬と休養だけでは回復しない「新しいタイプ」のうつ病への対応法を、精神科臨床医が、具体的かつ詳細に解説する。「自己愛」が発達する過程に着目し、これまで見落とされがちだった〈人間関係〉と〈活動〉の積極的効用を説く、まったく新しい治療論。

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  • 社会脳とは何か
    3.7
    ヒトの大きな脳が作り上げた「社会」は、私達の生きる基盤でもあり、悩みのタネでもある。この社会という厄介な問題を脳はどう処理しているのか。その謎を解く鍵は「社会脳」にある。なぜ他人の視線が気になるのか。赤ちゃんは生きる術をいかにして身につけるのか。ネットで誤解が生じやすい理由とは――ロンドン在住の若き科学者が、自らの軌跡と共に「社会脳」研究の最前線を平易に説く。知的興奮に満ちた一冊。
  • 修験道という生き方(新潮選書)
    4.0
    修験道に目を向ける人が増えている。彼らはなぜ山に惹きつけられるのか。修験者として山中を歩くと何が見えてくるのか。そもそも日本の信仰は自然とどう関わってきたのか。日本仏教の源流とは――。修験を代表する実践者であり理論家でもある二人の高僧と「里の思想家」内山節が、日本古来の山岳信仰の歴史と現在を語り尽くす。
  • 主戦か講和か―帝国陸軍の秘密終戦工作―
    4.0
    アジア太平洋戦争で終戦の地固めをしたのは、強硬かつ頑迷で悪名高い陸軍内で、極秘の工作活動を行った一派だった! 第二次大戦開始から戦争後期までドイツ軍の戦局に応じて立案された作戦の推移を追いながら、服部卓四郎率いる参謀本部作戦課と松谷誠の戦争指導課との対立を示し、「“陸軍一枚岩”観」を覆す、異色の終戦史。
  • 将軍側近 柳沢吉保―いかにして悪名は作られたか―
    4.0
    天下取りの野望を胸に秘め、将軍を女色で籠絡するなど、小説やドラマで典型的な悪役に描かれる柳沢吉保。しかし、史料を丹念に読み込むと、見えてくるのは意外な実像だった。将軍という最高権力者の周囲に絶えず渦巻く、追従、羨望、嫉妬、憎悪……。将軍の最も側近くで仕えた吉保にとっては、悪名は宿命だったのか。将軍とその側近の実像に迫りながら、「武」から「文」への転換期の政治と権力の姿を鮮やかに描き出す。

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  • 将軍と側近―室鳩巣の手紙を読む―
    4.5
    時に将軍の振る舞いに戸惑い、時に老中のバカさ加減に憤る――。家宣・家継・吉宗ら徳川将軍三代に仕えた儒学者、室鳩巣。彼が残した手紙には、政権や社会への批判、皮肉、嘆き、賞賛、喜びが、素直に記されている。最高権力者である将軍と、取り立てられた側近、実務を支える官僚たちが織りなす世界は余りにも人間臭い。いつの世も変わらぬ生身の人間と政治の有り様を、新進の歴史学者が生き生きと描き出す。※新潮新書に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 生死の覚悟(新潮新書)
    3.6
    「師と出会ったことで、不信心についての私の苦がいくらか薄らいできているのを感じる。この歳でまた少し生まれ変わったようなもの」(高村薫)、「同時代に彼女がおられることは、救いとしか言いようがない」(南直哉)。ある作品を媒介に作家と禅僧が出会い、七年越しの対話が始まった。信心への懐疑、坐禅の先にあるもの、震災とオウム……はたして仏教は、人生のヒントとなるか。実存の根源的危機が迫る時代に、生死の覚悟を問う。
  • 聖徳太子はいなかった
    4.0
    日本書紀、三経義疏、法隆寺釈迦三尊の銘など、実在の根拠とされる文献や遺物のどこにどのような問題があるのか。誰がこのフィクションを必要としたのか。その背景には何があったのか。江戸時代の考証から最新の歴史学までを踏まえ、書誌学の厳しい目でつぶさに検証する。禁忌の扉を開き、実在論を完膚なきまでに粉砕した衝撃の一冊。

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  • 焦土からの再生―戦災復興はいかに成し得たか―
    3.0
    1巻1,584円 (税込)
    二百以上の都市が潰滅し、九百八十万人の被災者、三十三万人の死者を出した、米軍による本土空襲。昭和二十年、瓦礫の平野に佇んだ日本人は、そこから「国のかたち」をどのように作り直したのか――。残された貴重な文献を繙き、東京、仙台、名古屋、広島、大阪などの具体例を検証。今、先人の知恵と教訓を学び取る。

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  • 昭和史の逆説
    3.5
    昭和史は逆説の連続である。希望はいつの間にか絶望へと変わる。夢と思えたものが悪夢に転ずる。平和を求めたはずが戦争になり、民主主義の先にファシズムが生まれる。一筋縄では進まない歴史の奔流のなかで、国民は何を望み、政治家はどのような判断を下していったのか? 田中義一、浜口雄幸、広田弘毅、近衛文麿など、昭和史の主人公たちの視点に立って、「かくも現代に似た時代」の実相を鮮やかに描き出す。

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  • 昭和史の本質―良心と偽善のあいだ―(新潮新書)
    4.0
    「国民の九割強は良心を持たない」――芥川龍之介の言葉を裏付けるかのように、時流におもねる偽善は、軍人にかぎらず政治家や知識人、多くの大人たちにも見てとれる。三百万を超える犠牲者を出したあの戦争、敗戦とともに始まった戦後民主主義……日本人は、いったいどこで何を間違えたのか。近現代の名作に刻まれた一文を手掛かりに多彩な史実をひもとき、過去から未来へと連鎖する歴史の本質を探りだす。
  • 昭和史を陰で動かした男―忘れられたアジテーター・五百木飄亭―
    -
    正岡子規と同郷の俳人で、医師として日清戦争に従軍した男は、やがて俳句の世界から言論界、そして政治の舞台裏へと歩を進める。原敬暗殺、二・二六、張作霖爆殺――日本が戦争へと突き進む中で果たしたその役割とは? 近衛篤麿や大隈重信に近く、右翼の頭目・頭山満の衣鉢を継いだ、「戦後日本が忘れ去った男」の謎多き一生。

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  • 昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領―
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    昭和天皇の側近・松平康昌と米国中枢部の接点に位置し、GHQを介さない非公式ルートの鍵を握る謎の人物がいた! 流暢な日本語、人懐こい風貌、情報を嗅ぎ分ける類い稀な嗅覚……。歴代宰相の懐に食い込み、機密情報をワシントンに送り続けたC・パケナム。新発見の日記を手がかりに、その全貌を追うノンフィクション。

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  • 昭和天皇 「よもの海」の謎
    3.0
    「よもの海みなはらからと思ふ世に……」、それは本来言葉を発してはいけない天皇が、戦争を避けるためにあえて読み上げた御製であった。しかしその意思とはうらはらに、軍部強硬派による開戦の口実に利用され、さらに戦後の戦争責任にも影響を及ぼしていく……。御製はいかに翻弄されていったのか――知られざる昭和史秘話。※単行本に掲載の写真は、電子版では一部収録しておりません。
  • 昭和の特別な一日
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    そのとき、日本人はみな発展と成長を信じて、上を向いて歩いていた――。五輪開会式の空を飛んだもう一人のパイロット秘話、銀座から都電が消えた日ドキュメント、中野にオープンした〈東洋一〉のブロードウェイ!……二度と戻らない日々の忘れられない物語。昭和の愛惜の光景を、静謐な筆致で描き出す、美しきノンフィクション作品。

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  • シルクロード―流沙に消えた西域三十六か国―(新潮新書)
    4.0
    シルクロード――それはなぜ、日本人にとって懐かしさを感じさせるのか。あの「NHK特集 シルクロード」取材班団長として、ブームの立役者の一人となった著者が、タクラマカン砂漠の謎や、楼蘭の美女と呼ばれる美しいミイラの秘密、さまよえる湖として有名なロプ・ノールの真実の姿、楼蘭の消えた財宝の行方、そして敦煌はなぜ捨てられたのかなど、今なお多くの謎が眠るシルクロード、西域三十六か国を案内する。
  • 進化論はいかに進化したか(新潮選書)
    3.4
    1巻1,430円 (税込)
    『種の起源』が出版されたのは160年前、日本では幕末のことである。ダーウィンが進化論の礎を築いたことは間違いないが、今でも通用することと、誤りとがある。それゆえ、進化論の歩みを誤解している人は意外に多い。生物進化に詳しい気鋭の古生物学者が、改めてダーウィンの説を整理し、進化論の発展を明らかにする。
  • 「進化論」を書き換える
    4.0
    ダーウィン以来の、突然変異や自然選択に基づく進化論は、蛾の翅(はね)の色や鳥のくちばしの大小の違いなど、小さな変化しかカバーできず、種を超えた大進化を説明できない――。伝統的な進化論の盲点と限界を示し、著者が年来の主張とする「形態形成システムの変更」に生物進化の核心をみる画期的論考。信仰と化した学問上の通説に正面から切り込み、科学的認識の大転換を迫る。
  • ―新書で入門―アインシュタイン丸かじり
    3.4
    偉い。凄い。深い。しかも面白い。アインシュタインについて知ることは、二十世紀最高の知性に触れることである。「時空が歪む」という空前絶後の発想はどこから生まれたのか。無名の役人はいかにしてノーベル賞科学者となったのか。波乱万丈の人生と業績を辿り、数々の味わい深い名言からその哲学を知る。「熱狂的ファン」を自任する物理学者が、知の巨人の魅力を濃縮。ついに、今度こそ相対性理論がわかる!

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  • ―新書で入門―新しい太陽系
    4.2
    太陽系の果てに位置する九つ目の惑星、冥王星が、二〇〇六年の夏、惑星から外された。だが、一体なぜ降格されたのか……。今では準惑星として数えられる冥王星は、実は周辺に位置する多くの太陽系外縁天体の一つにすぎなかったのである。電子撮像技術による観測の飛躍的な進歩、あるいは種々の惑星探査機の活躍により、次々と明らかになっていく太陽系の天体たち。カラー写真23点と共に、壮大なる惑星たちの神秘的な相貌を最先端の天文学で解き明かす――。

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  • 心臓にいい話
    5.0
    狭心症に心筋梗塞、大動脈瘤――、がん・脳血管疾患と並んで日本人の三大死亡原因である心臓病。高齢化によりさらに増えつつある心臓の病気で死なないための知識を、四十年以上の臨床経験を誇る心臓外科の権威がやさしく説く。ダ・ヴィンチやリンドバーグも登場する心臓の歴史、機能とトラブル、心臓にいい生活、治療の最先端、そして患者の心得など。心臓に不安のある人もない人も、胸がすっきりする一冊!

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  • 心臓によい運動、悪い運動(新潮新書)
    4.0
    そのエクササイズが死を招く――心臓病をはじめ、生活習慣病には適度な運動が効果的というものの、間違ったやり方では突然死の可能性も。「筋トレは毎日ではなく2〜3日に1回がよい」「日常生活がエクササイズになる?」「糖質制限ダイエットって大丈夫?」等々、最新の研究結果を踏まえた本当に体によい運動、食事を、医師である著者がわかりやすく解説。科学的に正しいやり方で、病気を予防するための必読書。
  • 心房細動のすべて―脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章―(新潮新書)
    -
    国内患者数は約170万人。不整脈の王様と呼ばれる「心房細動」は、脳梗塞、認知症、心不全の原因にもなる。特に脳梗塞を合併すると深刻で、田中角栄、長嶋茂雄等、罹患した著名人も多い、どんな人がなりやすいのか、主にどのような症状があるのか、合併症のリスクや、その防ぎ方、心臓によい食事とは? など、患者や家族が知っておくべき基礎知識、最新治療法、予防のための生活習慣までを専門家が丁寧に解説する。
  • 新訳 夢判断
    4.7
    夢とは望みを叶え、「本当の自分」が潜む場所。無気力、不眠、拭えない孤独感、新型うつ、スマホ依存、承認欲求の呪縛――21世紀のあなたの悩みはすべて、この歴史的ベストセラーによって解き明かされる。フロイトを知り尽くし、40年以上患者の夢や無意識と向き合い続けた精神科医によって蘇る、読んで愉しく寝て愉しい〈心の探検旅行記〉。
  • 親鸞と日本主義(新潮選書)
    3.9
    大正から昭和初期にかけて起きた親鸞ブーム。その絶対他力や自然法爾の思想は、やがて“国体”を正当化する論理として、右翼や国粋主義者の拠り所となる。ある者は煩悶の末に、ある者は戦争の大義を説くために「弥陀の本願=天皇の大御心」と主張した。「親鸞思想と国体」という近代日本の盲点を衝き、信仰と愛国の危険な関係に迫る。
  • 診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界―
    3.9
    「むかしむかし、あるところに……」まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思ってもみなかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶた」などで解き明かす、ちょっと不思議で、ほんとうは不思議じゃない12話の「心の薬」。
  • 心理療法個人授業
    3.9
    生徒「人の心ってどこまでわかるのですか?」先生「わかってたまるか(笑)。でも、僕らは最大限の努力はします。心理療法は命がけの仕事なのです」生徒「ワカランワカラン言っていて治療できるのですか? 箱庭を作ると治るんじゃないんですか?」先生「ハハハ」──人の心は不思議で深遠、謎ばかり。シンボーさんと少し勉強してみませんか? 楽しいイラスト満載。
  • 森林で日本は蘇る―林業の瓦解を食い止めよ―(新潮新書)
    3.9
    日本の森林は多様性、豊かさともに世界がうらやむような資源である。しかし、国はその活かし方を理解できていない。全国一律の補助金でコントロールする発想、素晴らしい伝統木造をないがしろにする制度、合理性に欠けるバイオマス発電推進、そして国民が知らぬ間に導入される新税……。これでは宝の持ち腐れが進む一方ではないだろうか。国内外に足を運び、考え続けてきた研究者だからこそ書ける切実なメッセージ。
  • 地震と噴火は必ず起こる―大変動列島に住むということ―
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    国土の6割を覆う森林、豊富な海洋資源、恵まれた水と温泉――こうした自然の恩恵は、日本が類まれな「危険地帯」にあるからこそなのだ。4枚のプレートがせめぎ合い、全地球で2割の地震と8%の火山が集中する列島。マグマ学者がその仕組みを地球誕生までさかのぼって説明し、明日起きてもおかしくない大災害を警告する。

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  • 弱者の戦略
    4.1
    海洋全蒸発や全球凍結、巨大隕石の衝突など、地球環境が激変しても多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。
  • 重力波 発見!―新しい天文学の扉を開く黄金のカギ―(新潮選書)
    4.3
    アインシュタインがその存在を予言したのが約100年前。観測を始めておよそ50年で人類はそれを捉えた。ここから、今まで知ることができなかった宇宙の謎の解明がはじまる。重力波がどんなものかが分かれば、宇宙の成り立ちが理解できてくる。熟達の科学記者が、重力波発見にいたる物語から時空間の本質までを分かりやすく説く。
  • 熟達論―人はいつまでも学び、成長できる―
    4.6
    1巻1,980円 (税込)
    基礎の習得から無我の境地まで、人間の成長には5つの段階がある。では、壁を越え、先に進むために必要なものは何か。自分をどう扱えばいいのか。「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き、様々なジャンルの達人たちとの対話を重ねて辿り着いた方法論が一冊に。経験と考察が融合した現代の「五輪書」誕生!
  • 縄文人に学ぶ
    3.8
    縄文を知らずして日本人を名乗るなかれ。私たちが旬の味覚を楽しむのも、南向きの部屋を好むのも、鍋料理が恋しくなるのも、主婦が家計を預かるのも、玄関で靴を脱ぐのも、家々に神棚や仏壇を祀るのも、みなルーツは縄文にあった! 驚くほど「豊か」で平和なこの時代には、持続可能な社会のモデルがある。建築学者でありながら、縄文研究を三十年来のライフワークとしてきた著者が熱く語る「縄文からみた日本論」。
  • 人生に生きる価値はない
    3.8
    人が生れるのも死ぬのも、苦しむのも楽しむのも、何の意味もない。人類も地球もどうせ消滅するのだから、この世のすべてに意味はない。だからこそ好き勝手な価値を創造し、自分の奥底から湧き出す欲望の実現に励むのだ。ニヒリズムの向こうに輝く一筋の光明、全身に横溢して来る自由な気分。一度読んでビックリ、二度読んでスッキリ。「明るいニヒリズム」がきらめく哲学エッセイ集。
  • 人生に信念はいらない―考える禅入門―(新潮新書)
    3.8
    人生をより豊かにするためには、強固な“信念”よりも、柔らかな“心の柱”を見つけよう――。九年の厳しい修行を経験、千を超える公案に取り組んだ禅僧が、禅と仏教の魅力をわかりやすく語る。「坐禅は心のゴミ捨て場」「見返りを求めない」「本当の自分に気づくコツ」等、日々の迷いや苦しみに向き合い、より自由に軽快に生きるためのヒントがいっぱい。これからの日本仏教を背負って立つ、注目の禅僧のデビュー作!
  • 神武天皇vs.卑弥呼―ヤマト建国を推理する―(新潮新書)
    3.0
    神武天皇、卑弥呼、神功皇后……。実在したのか定かでない人々のことをあれこれ考えて何になる、と思うなかれ。古代史の常識は遺跡の発掘など考古学の進展により日々改められており、その常識に沿って『日本書紀』を虚心坦懐に読んでみると、様々な謎が解けてくる。縄文時代から脈々と築かれたネットワークを司り、ヤマト建国の背後で暗躍した海の民の存在とは? 歴史作家・関裕二が問う驚きの日本古代史。
  • 人類が永遠に続くのではないとしたら
    4.0
    3・11による福島原発事故が引き起こしたのは、本質的には誰にも「責任をとりきれない」という新しい事態だ。科学技術の、地球環境の、そして種としての人類の限界が露わになったいま、ポストモダンとエコロジー、双方の思想が見落としてきた「有限性」を足場に、生きることへの肯定をスリリングかつ緻密に語る決定的論考。
  • スウィング・ジャパン―日系米軍兵ジミー・アラキと占領の記憶―
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    砂漠の中の強制収容所でサックスを覚え、占領期の日本でジャズを広め「神様」とまで称えられた日系二世。差別の中に育ち、長じてGHQ語学兵として赴任したジャズマンは、荒廃した「祖国」で何を見たのか。後に日本文学者の道を選んだその生き方から、戦中戦後の日米の姿に光をあてる。従来の占領史に一石を投じる傑作評伝。

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  • 数学が見つける近道
    -
    1から100までの整数を全部足せ――後の大数学者ガウスが九歳の時に一瞬で解いたというこの問題も、ちょっとしたコツ=近道で、同じ答えにすぐたどり着ける。長い歴史の中で数学が発見した思考の節約術を用いて、時間をもっと豊かに使おう。パンデミック時代の新しい人生の楽しみ方も教える、ユニークな科学エッセイ。

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