経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)

経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)

ビジネス・実用
1,870円 (税込)

9pt

有沢広巳ら一流経済学者を擁する陸軍の頭脳集団「秋丸機関」が、日米の経済抗戦力の巨大な格差を分析した報告書を作成していたにもかかわらず、なぜ対米開戦を防げなかったのか。「正確な情報」が「無謀な意思決定」につながっていく歴史の逆説を、焼却されたはずの秘密報告書から克明に解き明かす。瞠目の開戦秘史。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮選書
  • タイトル
    :
    経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)
  • タイトルID
    :
    561124
  • 電子版発売日
    :
    2018年11月09日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    15MB

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経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    猪瀬直樹の総力研に関する本は既読のため、いかに優秀な人材がいても、最終的に判断する人が駄目だと悪い方向に行くのだなと思って読み進めていたら、ダニエル・カーネマンのプロスペクト理論の事を書かれていて、なるほどと思わされた。開戦に反対意見の武藤章の「闘わずにシャッポを…」の意見なんか理屈が通っているようで、多くの人命を失わせるにしては軽いなと思ったし、永田鉄山が生きていたらどう判断したんだろうと、思わず想像が膨らんだ。
    何れにしても、ドイツの戦果に頼らざるを得ない答えが出ていても戦争に向かって行く日本は何とも残念。
    ただ、戦争を後押ししたのは、日本国民であるというのも事実なので、同じ事が繰り返されないように、歴史を常に学ぶ必要がある。

    0
    2026年03月23日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争に関して、開戦すれば高い確率で敗北するという情報があったにも関わらず、なぜ日本は対英米開戦という選択肢を選んでしまったのか、の考察。非常に勉強になり、おもしろかった。

    0
    2024年06月25日

    購入済み

    100%負ける未来を選べるか?

    1945年8月6日、広島。1945年8月9日、長崎。両都市への原爆投下のあと、日本の無条件降伏によって終わった太平洋戦争。あの戦争がなぜ起きたのか?防ぐ方法がなかったのか?一度でもそう思ったことがある方にはぜひ読んでほしい良書。


    これまで“残っていない”とされていた「秋丸機関」という旧陸軍の経済研究チームの研究報告書が発見された。その内容や経緯を分析する中で、著者は、日米の国力に20倍程度の差があること、そして勝てる可能性は極めて低いことを、当時の意思決定者、さらには国民も広く知っていたことを証拠より明らかにする。

    ならなぜ“開戦”という一見非常識的な判断がなされたのか?その理由を著者は現代の行動経済学と、社会心理学の知見を用いて説明を試みる。


    筆者は“戦争”と聞くと、どうしても、当時は“特別”な状況にあって、今日の平和裏に暮らしている我々が普段できているような合理的な(?)判断ができていなかったのではないか?というイメージを漠然と持っていたが、この書籍により完全にそのイメージはひっくり返された。当時の判断は“特別”ではなかったのだ。と同時に、同じ選択肢を示されたときに、筆者も同じ選択(=開戦)をする気がしてならない。

    同じ状況に置かれたときに別の選択肢が選べるのか?あるいはその時はすでに手遅れであり、もっと前に別の選択肢を選ばないといけないのか?そのようなことが可能なのか?愚かな選択を繰り返さないために何が必要なのか、考えを深めるきっかけとなると思う。

    0
    2021年03月08日

    Posted by ブクログ

    良書。行動経済学の知見で開戦を回避するにはどうすれば良かったのか、について仮説が提示されている。その妥当性はともかく、その発想は今まで聞いたことがなかった。知見を新たにしてくれる一冊。

    とある投資ブロガーさんが紹介していたことから読んでみた。行動経済学により、何故勝てないと分かっていながら開戦したのか、開戦を避けるにはどうしたらよかったのか、などについて著者なりの考えが示されている。経済学の知見で可能性を論じているところが、興味深い。

    0
    2020年06月09日

    Posted by ブクログ

    近代戦とは、国家総合戦であり、経済的生産力がものを言うのは自明であった。政府指導者が、無謀な戦争と分かっていながら、何故日米開戦を決定してしまったのか。陸軍が一流の経済学者等を集めて、戦争の見通しを予測した「秋丸機関」に関する著述。
    スペインのフランコ政権も親ナチで枢軸国であったが、フランコという独裁者がいてヒトラーから催促を受けても対英戦には参戦しなかった。専制的権力者が誰もいない日本では,こういう選択ができず集団意思決定が個人が決定するよりも結論が極端にいってしまった。(リスクの高い選択)
    専制的リーダーのいない日本的意思決定システムが大東亜戦争の犠牲者を生み拡大したとも言える。

    0
    2019年11月10日

    Posted by ブクログ

    【合理的に不条理へ】対米英開戦を前に,彼我の戦力差を研究するために陸軍省に設けられた通称「秋丸機関」。多くの経済学者の関与を得たその機関が導き出した研究成果を解説しながら,日本を「無謀な」戦争に導いた内的論理について説明した作品です。著者は,摂南大学の経済学部で准教授を務める牧野邦昭。

    秋丸機関を通して見る日本近代外交史としても読み応えがあることはもちろんですが,本書の白眉は,絶対的な戦力差が把握されながら,なぜ戦争という選択肢を選び取ったかの理由を推察したパート。本書を通じて描かれる,合理的な考え方の積み重ねが必ずしも合理的な結果をもたらさないという点は,今日の組織運営でも十分に学ぶに値する内容かと思います。

    〜結局のところ,日本は「戦争の終末」の見通しなく,そしてそれゆえに戦争を始めたのである。〜

    個人的には「なぜあの戦争を1945年8月までやめなかったのか」というのが次に気になる☆5つ

    0
    2018年12月03日

    Posted by ブクログ

    018/06/24経済学者たちの日米開戦 牧野邦昭 ☆☆
    残念ながら画期的な内容はなかったが、開戦を丁寧に整理、好感
    開戦の決断 データ上で不合理でも、国家として選択あり得る
    しかし日本は決定者が明らかでない 幕引きもできない
    最大の問題は「兵站の欠落」犠牲者が多過ぎる
    この根幹は物流を甘く見たことだが、責任者は不在

    秋丸機関知らなかった 総合研究所は有名
    資源・食料を求めて 
     ドイツはソ連の労働力とウクライナの農作物 日本は満州

    新体制運動 近衛文麿 
     戦時体制の閉塞を打開しようとした 
     社会主義体制変革として受け容れられなかった

    見通しのない開戦
    回避してもじり貧なら 百に一つでも戦争に賭けるのは合理性ある
    戦略の統一はなされず 陸軍の仮想敵はソ連 海軍は米国

    根本的な問題 「商船造船能力」
     船舶の減少 650+360−850=160万トン
     米国の造船力 想定は年間600万トン秋丸機関
     実際は1,250万トン 日本は100万トンの12倍

    プロスペクト理論
     損失については「リスク愛好的」
     利益については「リスク回避的」
     確実に3000円か8割確率で4000円事実かビジョンか
    ゾルゲ事件の影響 昭和16年10月 絶妙のタイミング
    終戦工作 ソ連を信じたわけではないが、国内で受け容れやすい
    →日本とソ連で対米・英連合を作れる可能性に賭けたと(19.01.03)
     面白い ソ連は米国より信頼できると!

    エビデンス ビジョン レトリック

    0
    2019年01月03日

    Posted by ブクログ

    なぜ戦争を始めたのか、の疑問に解決に近づけた気がする
    ——————-
    現代の目から見て非合理的と思われるリスクの高い選択が行われたのはなぜか
    P153
    行動経済学の観点
    ・人間は損失を被る場合にはリスク愛好的になる
    ・開戦すれば高い確率で日本は敗北する
     →だからこそ低い確率に賭けてリスクを取っても開戦しなければならない

    P158
    社会心理学の観点
    ・日本には強力なリーダーシップを取れる人はいななかった
    ・船頭多くして船山に登る
    ・集団意思決定の状態
    ・集団極化 個人が意思決定を行うよりも結論が極端になることが多い
    ・リスキーシフト
    ・集団の規範と一致する方向で、他者と比較して極端な立場を表明することが他のメンバーの印象を良くし、注意を引き、集団の中での存在感を高める。
    ・はっきりしない意見よりも、極端ではっきりした意見の方が魅力的に思える

    考察追記

    加えて、行動経済学の観点で、一貫性の論理が働いたのかも。
    海軍は対米決戦のスローガンで勢力を拡張、主張を変えることはできなかったのではないか?

    0
    2024年10月13日

    Posted by ブクログ

    秋丸機関と成立経緯と報告書を読み解くところから始まっているが、躓きながらも読み通してみると、第5章の開戦決定について行動経済学や社会心理学から分析した部分と、その上で経済学者として避戦のためにどういうアプローチが取れたのかという第6章が一番の珠玉であったと思う。

    そこは良かったのだが、秋丸機関の経緯等を述べる1-3章、報告書の内容に漸く入る第4章までが長く退屈で、読むのを放棄しようかと思った。

    しかし、第5章で俄然面白くなる。前提として秋丸機関の報告にあるような、経済面では英米にとても太刀打ちできませんよというのは公刊情報からも分かる話で、当時の政策決定者間の常識であった。したがって、「昭和16年夏の敗戦」で若手が指摘したような日米必敗の内容は刮目して視るような新事実では無かったということ。

    その上で、行動経済学の観点から、A戦わなければジリ貧で負ける、B戦えばかなりの確率でドカ貧になるが、ドイツが英国・ソ連を圧倒し、米国が英支援を諦めれば有利な講和の可能性は万が一にもあり得る、という基本的にマイナスの二つの選択肢のうち、プラスの可能性があるBに賭けた(こういう場合、必敗のAよりBがグラマーに見える)ということと、社会心理学からは、意思決定権が分散している場合は、お互いの牽制から強めの意見を出して、結果的に極端な方向へ意見が集約されるという。開戦決定をこれら二つの理論から説得的に説明している。

    また、Bについて3年目以降は分からないのに開戦したとの批判があるが、分からなかったからこそ(リスクを確実に評価できなかったからこそ)開戦に傾いたとも議論している。

    これらを述べた上で、経済学者の立場としては、ある種議論がBだけにフォーカスしている中で、Aをより精緻に分析・予測し、ある程度期待値込みでもグラマーに見せることが避戦のために必要だったのではないかと述べている。

    ここまでは非常に良かったが、また終章で、秋丸機関の主な登場人物のその後について書かれているが、ここはそこまで一々の人物に関心がある訳ではない私としては、また苦痛の一章であった。

    なお、一点付け加えると、上記昭和16年夏の敗戦で語られる総力戦研究所は、実は英米の国防大学的なものを狙いとして設置された軍官民の若手幹部候補を集めた教育機関であり、日米戦争のシミュレーションを行うことを主目的に人を集めたものでは無かったということ、また、その研究以外にも様々な報告書が出ていてこれだけにフォーカスするのは片手落ちとの指摘も面白かった。猪瀬直樹氏が筆致良く書いたがために???、総力戦研究所の研究生の成果の一部が着目され、あたかも政権幹部が不都合な真実に目を瞑って開戦決定を行ったかのような印象を持っていたが、そうでは無いと、そんなことは東條陸相以下、よく分かっていた話だったと。ここは目から鱗だった。今仮に、自衛隊の幹部学校?の学生などがシミュレーションで日中必敗を予測し、それを防衛大臣に報告したにも関わらず日中戦争になって負けた、ということが起きたとしても、その政府の決定における当該予測の影響はゼロに等しいだろう。それを100年後に、良い報告を無視して戦争に入ったと言われても目が点ということだと思う。この点も、自分としては大きな発見だった。

    構成の問題だが、この長い前置き・終章を削って、報告書内容・昭和16年夏の敗戦的な話が何ら新規なものではないこと、理論の説明と分析、という面白い部分に力点を置いてもらえれば、非常に良かったと思う。

    0
    2022年01月09日

    Posted by ブクログ

    アメリカとの戦争を決定した理由はどこにあるのかを、ある隠蔽された報告書から読み解こうとした本。

    経済学者たちのと銘打っているけれど、話の中心は経済学者ではなく秋丸機関。かかわった人物がどういう人か、どういう内容が書かれていたか、為政者側がそれをどう捉えてたかといったことから、状況をどう捉えてあのような判断を下すに至ったのかを求めていく内容。

    陸軍の要望で機関が立ち上がり、どちらかというと反政府的思想と周囲から見られてた人が中心人物として動き、国力の差がありすぎて短期的にはともかく長期戦になったら勝てるはずがないですと明確に分析されていたこと、そしてそれは隠すことでもなく世間一般でもなかば常識であったことなどが明かされていき、これでなぜアメリカと戦争しようとなったんやろとなる展開が面白い。
    何もわかってなくてああなったのではなく何もかも分かった上でそれでも開戦の選択をしてしまった理由の分析は教訓として現代に生かさないとなと思う話でした。

    0
    2021年07月30日

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    学術・語学 / 教育
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    新潮社
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    新潮選書
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    経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)
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    561124
  • 電子版発売日
    :
    2018年11月09日
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    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    15MB

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