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人が生れるのも死ぬのも、苦しむのも楽しむのも、何の意味もない。人類も地球もどうせ消滅するのだから、この世のすべてに意味はない。だからこそ好き勝手な価値を創造し、自分の奥底から湧き出す欲望の実現に励むのだ。ニヒリズムの向こうに輝く一筋の光明、全身に横溢して来る自由な気分。一度読んでビックリ、二度読んでスッキリ。「明るいニヒリズム」がきらめく哲学エッセイ集。
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Posted by ブクログ
鬱病チェックにかならず入っている項目が、「人生に生きる価値はないと思える」であり、それにマルをつけると、すぐに「精神科受診」となるのですが、私としては「そう考えるのは異常なことなのだろうか?」と。 中島義道氏は、自分という存在(錯覚)も含めて、世界のすべてがいずれ確実に消滅してしまう中で、世の中の「...続きを読む意味はある」というゲームに没頭して、「意味はあるかもしれない」と自己欺瞞を続ける人々に対して真っ向から批判を突き付ける。 とにかく、中島氏の文章はニヒリズムのようでありながら、病気のように見えながら、その「諦念」とも言えるべきものは、むしろどこか極めて健康的で、人生にとって潔い態度でもあり、スッキリとしたものを覚える。 高校生に、雑談にでも、とこの本の「死を克服する」の一節を読ませたら、まるで現代文の解読のような真面目さをもって「わかりません」の嵐で、すっかり1時間の「勉強」になってしまって、辟易した覚えがある。 笑えたのは、電車の中で化粧をしている女子に水鉄砲で戦うとかいうもの(笑)
とある本のコラムを読み、著者に惹かれ本書を購入したのだがますます彼の魅力にハマった。彼の「自分勝手」な生き方は本当にカッコいいと思う。 本書は「五目ご飯」のような様々なテーマを混ぜ合わせた日記のまとめみたいなものだが、その中でも哲学の専門的な話も日常のいらっとした話も含め中島節が見えてきて面白い。...続きを読む 確かに人生には生きる価値も意味も目的も無いと思うし、みんな薄々気づいているが深く考えていないように思う。それか無理矢理意味を見いだしているように思える。 だが、巻末の野矢さんの解説も非常に的確なツッコミをしており、このツッコミに対する回答はまだ私の中ではまとまっていない。 私も著者のような魅力的な「自分勝手」な人間になりたい。
これまで本を読んでほぉほぉと納得して読むことはあったが、この本は読んでいて「やっぱりそう思うよねぇ」と共感した箇所が多かった。哲学的な話については、あまり私に教養がないのでよく理解できなかったが、普段のものの感じ方などがあまりにも私と似ていて驚いた。哲学に興味をもつのがもっと早くて、大学で哲学を専攻...続きを読むしていたらなぁ…と妄想しないでもないが、後悔はしていない。この本を読んでいなければ、そもそもそんな考えに至らなかっただろうし、この本を読んだことで哲を今後の人生の趣味にできれば、と思えたのは収穫だった。 私には後悔する過去も、あるべき未来もなく、ただ“今”しかないのでR。
びっくりするタイトルだが、読んだら生きる希望がなくなるというわけではない。 むしろ生きる意味がないからこそ、小さなことにクヨクヨせず楽しんで生きようと言っているように思えた。
唯我独尊ともいえる発言を連発してもあまり嫌みがないのがいい。 エッセイなので、哲学書にありがちな小難しさもほとんどなく、あっさりして読みやすい。
中島義道先生による哲学エッセイ集。長年、カント研究に取り組んできた人だけあって、本書全体を覆うニヒリズムが心地よい。(中島先生の書くところによると、ニヒリズムの始祖はニーチェではなく、カントらしい) 本書を読んで初めて知ったのだが、中島先生と、分析哲学の大家である野矢茂樹先生は同門(共に師匠は大森荘...続きを読む蔵先生)とのこと。このお二方、共通点がまるで見いだせないのだけど、実際、野矢先生は本書の解説で「人生に生きる価値はないとは、いったいどういう意味なのだろう」と記述している(汗)。でも、きっと仲は悪くないのだと思うが。 話が逸れたが、私も、あと何十年か「生きる意味」とか「人生の目的」を探し続けて、見つからないまま墓に入ることが目に見えるようで、何とも虚しいことこの上ない。この虚しさを心から楽しめるようになりたいものだね。
生きる意味を見失っていた時に読んだこの本。 人生がいかに意味がないかを書いていて気分が落ち込む本なの ではないかと思うが、そうでもない。 生きることに殆ど意味はない、なら縛られず自分のやりたいように やろうっと思ったよりも前向きな内容だ。それ以外は 作者の回顧録が多い。内容がぎっしりと詰まっているこ...続きを読むとを 期待していた読者はがっかりしただろうが、新しい見解を取り入れると言う点ではいい本だと思う。
タイトル通り人生に「生きる価値はない」と思う。価値があると思うから、人は自らの人生に可能性を見出そうとし、夢を持とうとし、何かのために生きようとする。 けれど、生きるべき価値などハナからないのだ。そこを受け入れてはじめて「人生」というものを真っ正面から見つめることができる。 未来などどこにもない。過...続きを読む去は記憶の中にしかない。どちらも「有」ではなく、瞬間としての「今」しかないとすれば、そこにどうして価値を見出すことができるのか。 人生に生きる価値があると思うから、人は不器用に生に執着する。戦争も虐めも醜い政争も、価値があるという幻想から産まれるのかもしれない。 人生に生きる価値はない。僕らはそこからリスタートしなくちゃいけない。
人生に価値はない、とか言っておいて意外と上手く中島さんは生きているように思う。中島さんは一般人とは違う人なので、考え方が独特でとても面白い。
中島義道先生のエッセイ。御大もだいぶ丸くなったようで…というか、以前ほど極論を言わなくなった(押し付けなくなった?)せいでまろやかな口当たり。 とは言いつつも、中島節は健在。知性的でない人や暴力的に善良な人を徹底的に忌み嫌うその姿勢、変わってない。ついつい共感してしまう。時折(全体の三分の一くらい...続きを読む)出てくる哲学的な話も、サラリーマンやってる身としては読みやすいライトな議論なので楽しく読める。先生の哲学的思索も深まっているようで、今後にも期待。
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