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乾燥、超低温、高圧、そして放射線にさえ耐える体長1ミリにも満たない動物――「地上最強」との誉れ高いクマムシをはじめ、不老不死を獲得した怪物、宿主をゾンビにするパラサイト、うんこになって飛行移動するカタツムリ……はたまたバッタになった博士まで、常識破りな生物たちを、パリ大学気鋭の研究者が愉快に紹介。
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Posted by ブクログ
学者が研究費を寄付に頼らず 有料メルマガとキーホールダーなどのクマムシグッズの 販売で賄うという 買ってくれた人をサポーターとして位置付けている メルマガは「むしマガ」ブログは「むしブロ」 ツイッターアカウントは@horikawad 堀川さんはクマムシ研究者として北大で博士号取得後 NASAエーム...続きを読むズ研究所を経て 現在はパリの大学国立医学研究所で研究中 ちなみにフランスの国立研究所でも使用言語は 現在英語に統一されているという この本はエッセイ風の巧みな文で 軽くて既知に飛びとても面白い 仕事は暮らしの一部として好奇心に突き動かされる愉しさが なければならないということをこの本は教えてくれる 食うためのみに働くという環境が いかにおかしなことかを実感させてくれる 放射能にも殺菌に使われるガンマー線にも紫外線にも化学物質にも 耐性を持つ生物がいる このことは宇宙を股に掛ける生命体の可能性を高めた 納豆菌は不死身のエイリアン 栄養源無しで100万年生きながらえ煮沸しても死なないし 1万Gyのガンマー線を浴びても超真空でも宇宙空間でも生き残る 芽胞を保護するサップス細胞を持つのは地球上で納豆菌だけである 最もどこからどこまでが冗談なのかわからないままこの本は終わる
第一線の科学者による一般向けの書物のひとつだが、高井研みたいな熱さを感じる。著者の有料メルマガやブログをまとめたもので一章ずつ短くまとまっていて読みやすい。前半はクマムシ中心だが、中盤以降は変わった生物とそれを取り巻く研究環境など普通は語られない裏話的なものが興味深い。 クマムシはそこらへんのこけに...続きを読む生息している生き物で(昆虫ではない)あるが、カップヌードルのような完全な乾燥状態で高放射能、絶対零度も耐えうる。宇宙空間でも6日生存できるらしい。他にも乾燥して休眠状態になる生物はいるが、クマムシほどではないらしい。またどうやってそんな乾燥状態で耐えられるのか、そもそも放射能への耐性が高いのかいくつかの遺伝子がはたらいているらしいが、まだまだよくわからない点が多い。なのでメルマガを購読して研究費を集めたいというようなことも書いている。
クマムシの研究者であり、むしブロを運営する堀川大樹さんの初書籍。 本書はメルマガ「むしマガ」を加筆し編集されたものだという。 堀川さん考案のクマムシさんが好きでも得体のしれない生物がニガテという若者でも手に取りやすいライトな内容である。
クマムシの話だけでなく、他の話も面白い。語り口調もセンスある。不死身のヒドラ、サイボーグゴキブリ、ハダカデバネズミなど、興味深い内容が多い。
クマムシ研究に精通した著者が、クマムシとクマムシを取り巻くディープな世界を掘り下げる。 1冊を通してユニークな語り口で、時にジョークや嘘(!)を交えながら面白おかしく読み進められました。一見ハードルの高そうな生物学研究の世界をぐっと身近に引き寄せ、その最先端を分かり易く紹介しています。クマムシの常...続きを読む識破りな生態はもちろん捕獲や飼育方法まで、これでもかというほどクマムシ愛に溢れた内容に。虫苦手の私ですら可愛いかも…と親しみを覚える魅力があります(※クマムシは「緩歩動物(かんぽどうぶつ)」です)。 他にもクマムシ並に理解不能なエクストリームな生物や、研究職というディープな道を突き進んでいる他の研究者についても触れています。フジツボ貴婦人…気になります。 生態の謎に迫ることで見えてくるのは、医療や食品など多方面の分野においての発展や新しい技術としての応用です。とは言え、あとがきで著者は「一人の研究者が一生を通して自分のやりたい研究を行うことは、きわめて難しい」と語るように、研究者として続けていくには数々の逆境があることを示唆しています。研究職は見えないゴールを目指すように、相当な根気を要する職業だと思っています。 私たちの生活を助け、豊かになるよう日々研究に注力されている研究者のますますの活躍を期待して。
生き物系の本の面白さは、生き物そのものもさる事ながら、その生き物に魅せられた人のおかしさ、突き抜けぶりである。 なので、当然、クマムシの本だと思ったら大間違い。クマムシ好きが、クマムシと、その他さまざまなクリーチャーを次々に紹介してく。納豆菌は宇宙からやってきたエイリアンであるとか(顛末は本書を読...続きを読むんでください)。 そのぐらいまでは、まあなんとか想像も及ぶのだけど、なんとジョジョの奇妙な冒険を用いて英語を学ぶ手法と、その台詞が書かれている。いったいなぜ? (実はこの項の存在を北澤 繁太さんにご紹介いただいたのが本書を読むに至った経緯なのですが) そしてなんと、「生き物に魅せられた人」の代表格とも言える前野ウルド浩太郎さんまで出てくるではないか。 そんなわけでバラエティに富んでいて大変に愉快である。愉快ではあるが、僕のような読者を狙ってきたな、という気もしないでもない。もっと純粋に生き物を突き詰めたらおかしな人が出来上がっていた、というのが嬉しいのだけど。 と思ったら、著者は研究費捻出のための有料メルマガやら、読者へのエンターテイメントを心がけているようだった。なにか穿った見方をしてしまって恐縮です。 研究者の契約が有限であること、短期で結果が求められることは、近年騒ぎになったりもした事件もあって、正されねばならない、とは思うが、座して文句をいうだけでなく具体的に活動することが大事ということか。 常識というコリをほぐす一助になれば、とまえがきにあった。まったくである。ありがとう。
乾燥、放射線、超低温、高圧などの環境でも生き延びる驚きの生命体「クマムシ」に魅せられた研究者が、クマムシについて、その実態や魅力を語るとともに、その他の、最近の様々な興味深い研究についても楽しく紹介している。色々な人が色々な研究をしているんだと、とても面白く読むことができる。
著者に学ぶことは、生物学よりなにより学者がマーケティング感覚を持ち、顧客の満足度に見合う対価を得ることで自立して研究を継続しようとする姿勢だ。
面白かった。が、印象に残ったのはクマムシではなくアメンボとサイボーグゴキブリ(想像する未来像に懊悩(苦笑))そしてキモカワ界のアイドル、ハダカデバネズミの裏切らなさに歓喜。そして…同年代だなあと…(ドラゴンボールやジョジョの話が当たり前のように…分かり易いが、好きなんだなあ…)
ニヤニヤしてしまうのを我慢しながら一気読み。 常識破りの生き物たちの生態を、ユーモアたっぷりに紹介してくれる。 変わった生き物がいれば、それを研究する人間達もまたぶっ飛んでいる。 画一的な人間が増えている現代社会への風刺も効いていて、面白い本だった。
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