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Posted by ブクログ
「市民」と「人間」をキーワードに、ゲーテの主要著作を読み解き、何がテーマとされているのか、なぜゲーテが偉大な作家と見なされてきたのかを考察することが本書のテーマ。
人々が封建的な身分制度や地縁血縁の拘束から解放され、市場経済を中心とした自由な相互関係を構築し、生き方が多様化した18~19世紀のヨーロッパ。近代社会で自由を得た人々は、生きる目的や生き方の規範を自ら考え、追求していく必要に迫られた。
そのような自己形成の実際においては、哲学、心理学、社会学等に分類される問題が複雑に絡み合う。ゲーテは、このような学問がアプローチできない複合的な関係性を散漫にならないよう物語化した作家である。
現代の日本も、教育、終身雇用、社会保障等これまで生き方の規範として確立していた慣習・制度が機能しなくなり、各人が自ら生き方を考え、実行していくことが求められる変革の時代である。
様々な自己形成上の問題にもがく人物が多く登場するゲーテ作品から学ぶことは多くあるだろう。
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