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海洋全蒸発や全球凍結、巨大隕石の衝突など、地球環境が激変しても多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。
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Posted by ブクログ
一番印象的だったのが、動物や昆虫がなぜ人間より寿命が短いか。変化の激しい環境の中では、固執した遺伝より、環境に合わせた遺伝が生成されるようにするため。 この本を読んで思うのが、やはり人間も動物なのだと改めて実感した。社会生活の中で、自分達も動物の一属性にすぎないと、滅多なことがない限り考えないので、...続きを読む新たな視点に気付かされた。
食物連鎖の下位にいる生物は擬態で敵を欺くということは知っていたが、 同じ種属の中でもそのようなことが行われていることを初めて知った。 それは体が小さくて弱い生物が遺伝子を残すための戦略だ。 暗闇で息を潜めて待ち構え、強いオスの鳴き声に引き寄せられたメスを横取りしたり、 メスに擬態して強いオスを油断さ...続きを読むせ、その隙にメスに近づいたり。 移動することができない植物も、鳥や昆虫に種を運んでもらうために、 甘い蜜や木の実を用意する。まさに戦略である。 生物が自分の遺伝子を次世代に繋ごうとする、果てしない努力。 それはビジネスや人間の生き方にも通じるものがあり、 したたかで力強く、いじらしささえ感じた。
面白かった。こんな話を聞きたかった とくに動けない植物の戦略が自分にささった 以下好きなところを抜き書き 「他の生物がナンバー1になれない場所をさがす」「戦いに勝つには大きいほうが有利。小さい土俵で立ち入ることさえさせない」「南極は不安定な環境ではなくきびしい状態で安定」「女装したオスは強いオスに攻...続きを読む撃を受けることなくメスに近づく」「完全に撃退すると相手も進化する。しかし逆にソフトだと対応策を発達させにくい」
強い者が勝つのではない。勝った者が強いのである。 「弱者」は複雑さ、変化を好む。単純な世界は「強者」のひとり勝ちである。 オンリー1の世界でナンバー1になることが大事。 昆虫で最強なのは「蟻」。蟻に擬態する蜘蛛。 群れる。逃げる。隠れる。ずらす。
人間はつくづく、動物の一部なんだなあと。進化を辿れば、人は常に弱い動物でした。逞しき弱者の子孫なのです。長生きする動物よりも、多様な卵をつくって世代交代を早めるほうが、生き残る可能性も高くなります。弱い動物ほど”短命に進化”します。政府の少子化対策は、出生率を高めるより、出産を早めて20年で世代交代...続きを読むする政策のほうが、人口減少対策には効果的なのかもしれません。一番強い者は、自分の弱さを忘れない者です。
自然界から学ぶことは、何も珍しいことではない。科学技術は自然を眺め自然を法則化してきた。 工学も自然を観察してヒントを得てきた。日東電工がヤモチの足の裏をヒントにした粘着テープや、2000キロを移動するアサギマダラ(チョウ)の羽の形状にヒントをえて作った扇風機など枚挙にいとまがない。芸術でもアール...続きを読む・ヌーヴォーは、自然の美を再現したいとの欲求に動かされているとの説がある。 ならば、社会システムは自然に習うことができないのだろうか。こういう発想に立って著述を繰り広げられている代表者は養老猛司氏だが、氏の著書に劣らぬくらいの刺激感あふれる一冊だった。 自然界に住む生き物は、「弱者」であるがゆえに弱者の戦略を持つ。 私のような地方政治家の視点で見ると、自治体の生き残り戦略に通じるヒントが散りばめられている一冊だった。カテゴリーをあえて「ビジネス」とした所以である。 2時間もあれば読める。だが、ここに書かれている内容は、咀嚼に耐えうる。
今年読んだ本でいっちゃん面白かったです。 といっても、まだ、たかだか30冊くらいしか読んでいませんが、迷わず☆5つ。 弱肉強食の厳しい自然の中で、「弱者」とされる生き物はどんな戦略を駆使して生き抜いているのか。 これ、あーた、目からウロコの連続ですよ。 私の感想なんかホントどうでもいいから、一例を挙...続きを読むげましょう。 たとえば、アゲハチョウ。 □□□ アゲハチョウの擬態は巧みである。何しろ成長にあわせて、次々に擬態を変化させていくのである。 まず、卵からかえった小さな幼虫は、黒色と白色のまだら模様をしている。じつは、これは鳥の糞に姿を似せているのである。黒色と白色の幼虫は葉の上では目立つが、鳥も自分の糞は食べようとしない。擬態は何も目立たなくするばかりではない。あえて目立つ擬態もあるのである。 やがてアゲハチョウの幼虫は成長を遂げる。擬態をするときには、その大きさも重要である。あまりに大きいと、さすがに鳥の糞には見えなくなってくる。そこで、幼虫は一転して鮮やかな緑色に筋の入った模様になる。こうして葉っぱに擬態するのである。 それでも鳥に見つかって襲われると、アゲハチョウは頭を上げて反り返る。緑色の幼虫の背中には大きな目玉模様がついている。そして、この目玉模様を大きく振り上げて、鳥の苦手なヘビに化けているのである。 それでは動けないさなぎはどうだろうか。 アゲハチョウのさなぎは尖った形をしている。これは木の刺(とげ)に姿を似せているのである。 それだけではない。アゲハチョウのさなぎには緑色のものと、茶色のものがある。じつは、すべすべした枝の上では緑色のさなぎになり、ごつごつした枝では茶色のさなぎを作るのである。アゲハチョウの幼虫がエサにするミカンの木には、ごつごつした茶色い幹と、つるつるした新しい緑色の枝とがある。そのため、茶色の幹では茶色いさなぎを作り、緑色の枝では緑色のさなぎを作るように工夫されていたのである。 何かに姿を似せると言っても、一通りでは芸がない。アゲハチョウは、このように成長のステージに対応させて、擬態するモチーフを巧みに変化させていたのである。 □□□ ふう。 どうですか? へー、とか、ほー、とか言いながら読んだでしょう? アゲハチョウに対する見方が変わったでしょう? こんな例が次から次に出てきて、もう興奮してページを繰る手が止まりません。 たとえば、昆虫界でもっとも強いとされているのはアリ。 なぜなら、アリは集団で襲いかかるので、どんなに強い昆虫もかなわないから。 イワシやアジなど「青魚」「光物」と呼ばれる魚の背中が青くてキラキラしているのは、天敵である海鳥が空から見たときに、海の青に溶け込むような色合いになっているからだとか。 逆に、腹側が白いのは、海の底からの天敵であるイルカなどが下から見たときに、まぶしい太陽の光で白んだ海面に映る空の白色に溶け込ませるためなんですって。 チョウがひらひらと不規則に飛ぶのは、外敵である鳥に食べられないためなのは想像がつくと思いますが、あれは実際には羽を閉じて自由落下した後、羽をはばたかせて舞い上がるという動きを繰り返しているのだそう。 そうそう、カゲロウの話も印象的です。 一般に「かげろうの命」と呼ばれるように、はかないものの代名詞のように使われるカゲロウですが、たしかに成虫の命は短いものの、幼虫では何年も過ごすんですって。 著者いわく「どちらかというと長寿な方」。 しかも現在、知られているもっとも古い昆虫の化石はカゲロウのものらしい。 「いたずらに長く生きていたとすると、天敵に食べられたり、事故にあったりして、天寿を全うせずに死んでしまうことが多い。しかし、短い命であれば天寿を全うすることができる。そのためにカゲロウの成虫は命を短くしているのである」 何とも示唆に富む話です。 えーと、どうでしょうか? なんだか健気でいたいけで、生き物たちがいっそう愛おしくなってきませんか? 本書によれば、弱者の戦略には大きく、①群れる②逃げる③隠れる④ずらすーがあるそうです。 生き残るためには、強くなることだけが能ではないのです。 ちょっと難しい話になりますが、1978年にアメリカの生態学者コネルが提唱した「中程度攪乱仮説」というのがあるそうです。 結論から言うと、安定した環境では激しい競争が起きて強い者が生き残り、弱い者は滅びていく。 一方、ある程度、攪乱がある条件では、必ずしも強い者が勝つとは限らない。 つまり、弱者にとって、複雑で、変化の大きいことはチャンスなのです。 おお。 もともとあった自然が破壊された環境に、最初に生える植物のことを、植物学では「パイオニアプランツ」(先駆種)と呼ぶそうですね。 □□□ 先駆的なパイオニアが生える土地は、けっして恵まれてはいない。土は固く、根の成長を妨げる。水や栄養分も足りない。しかし、そんな環境でパイオニアプランツは成長を遂げていく。 (中略)パイオニアプランツが生存し、豊かになった土地には、次々と力のある植物が侵入してくる。そうなれば、競争に弱いパイオニアたちは追いやられてしまうのである。 (中略)しかし、それで良いのだ。パイオニアたちは、すでに他の植物が入り込んだ土地には未練を残さずタネを飛ばす。パイオニアプランツの種は風で移動するものが多い。そして、再び、新たな未開の大地に速やかに侵入してニッチとするのである。 □□□ 書き写していて途中から、生物の話ではなく、まるで人間社会の話を書いているように錯覚しました。 でも、本書はそのような意図で書かれています。 はっきりと人間社会を意識して書かれているのです。 ただし、押し付けがましさはありません。 大企業を強者に、中小零細企業を弱者と見なせば、生き残りの戦略が見えて来るでしょう。 都会を強者に、地方を弱者と見なしても、同様に様々な生き残りオプションが思いつきそうです。 今、関心を集めている安全保障について考える際にも役立ちそうです。 キーワードはやはり①群れる②逃げる③隠れる④ずらす―です。 凡百のビジネス書に手を出したり、怪しげなセミナーに参加している場合ではありません。 生き物から大いに学びましょう。
動物、虫、植物の生態としての在り方を戦略に沿って記されている。本質的な戦略論や行動論に在り方のヒントを教えてくれる本。 大企業に立ち向かう中小企業ビジネスの糧になる。
弱者がどのように生き残っていくのか?戦略は必要だろう。敵対して退けるか、気に入られて利用するか、相手にされずにおこぼれで行くか、それとも攻撃を絶対に受けないものをまねて似せるか。消滅しないための方法には、学ぶことも多いと感じた。
タイトルに興味を持った。弱者でも勝ち抜いていく方法があるのか、あるのならぜひ参考にしてみたいと思って読み始めた。戦を略すこと、土俵・視点・発想をズラすことで、オンリー1=特定分野のナンバー1=希少価値の創出に繋がると勉強になった。
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