小説 - ドキドキハラハラ作品一覧

  • 百舌姫事件<新装版>
    3.5
    少年探偵・狩野俊介が 次々に起こる難事件に立ち向かう! 町に須黒魔術団がやってきた。 開幕前の派手なパフォーマンスを街頭でくりひろげる魔術師たちだったが、 宝石店輝美堂の店長・前田達弥は 「須黒魔術団がやってきた町には必ず宝石強盗が起きる」 という噂を聞きつけ、石神探偵事務所に相談に来る。 魔術団は町に伝わる「百舌姫伝説」に材をとったマジックショーを上演するが、 これが後援会社の地元新聞・真実日報社長の逆鱗にふれ、 公演はとりやめになってしまった。 そんな折り、輝美堂からダイヤの指輪が盗まれてしまう。 魔術団のメンバーに容疑がかかるなか、商工会議所会頭の死体が自宅庭の木に串刺し状態で発見された。 それはまるで、百舌姫伝説の“百舌の早贄”と同じ死に方だった。 町を揺るがす怪事件に、狩野俊介と野上探偵が立ち向かう! 書き下ろし560枚の大作ミステリー! ※本作品は、「百舌姫事件」を加筆修正した新装版です。
  • 持たざる者
    3.9
    僕はどこだか分からないここにいる―修人。全ての欲望から解放された、いや、見放された―千鶴。人生とは結局、自分自身では左右しようのないもの―エリナ。きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろう―朱里。他者と自分、世界と自分。絡まり合う、四者の思い。思いがけない事故や事件。その一瞬で、ねじ曲がる。平穏な日常が、約束された未来が。混沌、葛藤、虚無、絶望。――現代社会の風潮を照射した傑作小説。
  • 黙過
    3.8
    瞠目の医療ミステリー 下村敦史はあくまでもミステリの枠内に留まり、濃厚な謎解きの味わいと〈どんでん返し〉を盛った上で、死を真正面からテーマにしてみせた。構築の美に感動さえ覚える。作家・有栖川有栖 読み終わったとき、思わず胸に手を当てずにはいられなかった。 東京慈恵会医科大学 教授・嘉糠洋陸。移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。(解説・有栖川有栖)
  • モッキンポット師の後始末
    4.0
    1~2巻550~726円 (税込)
    食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の"不良"学生3人組。いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お人好し神父と悪ヂエ学生の行状を軽快に描く笑いとユーモア溢れる快作。
  • 持ってこなかった男
    4.5
    1巻1,760円 (税込)
    四国の片田舎で、青春パンクを聴く友人を蔑みつつ、クラスメイトから舐められていた内気な少年が、ノルマを払わずに東京のライブハウスに出られるようになるまで。錯綜する自惚れと卑屈、飛び交う値踏みされる目線とする目線。物語になり切れない物語……。今の時代において「売れる」とは何か、「才能」とは何かを、結果として問うことになる、等身大より少し低めな自伝的小説。
  • 最も危険な場所(上)
    4.5
    1951年、州警察巡査部長アール・スワガーの親友サム・ヴィンセントはある人物の消息調査の仕事を引き受けた。サムが調査に赴いたのはミシシッピ州ティーブズという黒人町。そこにある有色人種用の刑務農場は、一度入ったら生きて帰れないと黒人犯罪者のあいだで噂されている所だった。到着早々、彼は地元保安官に不当逮捕される。だが、後からやって来たアールの助けでサムは脱出に成功した。一方、あとに残ったアールの方が追手に捕まり、看守と囚人の双方から凄絶な暴行を受けることになった。

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  • もっとも暗い場所へ
    4.3
    ある日キャサリンが出会った、青い目を持つハンサムな男性リー。ふたりはたちまち熱烈な恋に落ち付き合いはじめた。その四年後、彼女は常に不安にさいなまれ、他人を警戒し、自室の錠が下りているか執拗に確認する日々を送っている。彼女とリーのあいだにいったい何が? そして、キャサリンがついに立ち直ろうと決めたとき一本の電話が彼女のすべてを脅かす……イギリスで一大ベストセラーとなった息もつかせぬ傑作サスペンス登場。
  • 最も遠い銀河<1>冬
    3.9
    1~4巻605~715円 (税込)
    建築家・桐生晴之は焦れていた。名を売るほどの大きな仕事ができていない現実に。最愛の女との約束、そして彼女を死に追いやった男への復讐心。激情を胸に秘め、成功を目指す晴之。だが、小樽署の元刑事・渡誠一郎が、隠し続けた彼の過去に迫る。出会うはずのない二人が追う者と追われる者になった時、それぞれの宿命が彼らを飲み込んでいく――。
  • もっと、わたしを
    3.8
    口べた堅太り優柔不断。お世辞にもモテるとは言えない真佐彦がトイレに監禁されたのは、なんと彼女に二股がバレたから。ドアの外で二人の女が言い争うド修羅場の中、いつしか真佐彦は「自分が求められている」幸せを感じ始めて――。イケてない五人五様の人生を優しさとユーモアで描き出す、傑作リレー小説。
  • もっと悪い妻
    3.5
    1巻1,700円 (税込)
    妻の貌を、男たちは知らない。 男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた 表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。 「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」 「いるよ。男でも親友になれるよ」 「それはそうだろうけれど。困ったな」 (「もっと悪い妻」より) ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩む バンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。 妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る 壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、 男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。 西加奈子さん(作家)推薦 不幸な「悪い妻」は許されるが、 満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。 「妻」という呪いと、 「妻」を理想化する社会へのしたたかなカウンター。
  • モップガール
    3.4
    1~3巻671~748円 (税込)
    なんなのこの人たち? なんなのこの会社!? 高給優遇・初心者歓迎……求人広告に誘われて、フリーターの桃子が就職した先は、事件・事故現場の後始末が専門の掃除会社だった。そこで働くのは、超犬好きの社長を筆頭に、売れない役者の重男、ギャルの未樹、イケメンだが無愛想な翔、と変人ばかり。 ようやく仕事にも慣れてきた桃子だったが、ある事件現場の清掃中、フラッシュバックに襲われる。 個性豊かな清掃員達が、桃子に起こる超常現象を手がかりに、事件や事故の謎に挑む日本初! お掃除サスペンス。

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  • モップガール2 事件現場掃除人
    3.4
    1~3巻671~748円 (税込)
    大人気の新感覚ミステリ、涙の完結!? 事件・事故現場を専門とする清掃会社で働き出した桃子は、現場に遺された想いに感応し、手のひらだけがくすぐったくなったり、無性に焼きそばを食べたくなったり、動物になったりする超常現象に襲われる特殊能力の持ち主だ。同じ職場で働くのは、異常な犬好きの社長をはじめ、役者気取りの元ヤンキー、無愛想なイケメン、Vシネかぶれの中国人に、ギャルの事務員。そんな個性豊かな面々が、桃子におこった超常(?)現象を手がかりに、事件・事故の「謎」に挑む。やがて、従業員逮捕に会社は大揺れとなり、桃子は自らの能力の秘密を知ることになる事件に巻き込まれていく。桃子は、そしてクリーニングサービス宝船の運命は!? 笑って泣ける新感覚ミステリ、待望の続編登場!!

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  • もつれた蜘蛛の巣
    4.1
    一族の誰もが欲しがる家宝の水差し。その相続を巡って、結婚や離婚、恋や駆け引きなど様々な思惑が複雑に交錯する。やがて水差しの魔力は一同をとんでもない事件へと導くが……モンゴメリ円熟期の傑作。
  • もつれっぱなし
    3.7
    「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…………」。男女の会話だけで構成される6篇の連作短篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ――。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点(講談社文庫)。
  • もつれ星は最果ての夢を見る
    4.3
    1巻1,899円 (税込)
    地球から十光年離れた未開の星で見つけたのは、銃殺遺体――。量子テレポーテーション通信の開発によって、遠く離れた星同士でも通信が可能になった時代。宇宙開発コンペに参加するため、地球から十光年離れた星に降り立ったエンジニアの零司と相棒のAI・ディセンバーは、別の区域にいるはずの競合相手、ピエールが何者かに銃殺されているのを発見する。ほかの参加者に事態打開の協力を求めるも拒絶され、さらにコンペ運営本部との通信も途絶えてしまい、零司とディセンバーは孤立無援に陥るが――。不穏な侵入者、新たな惨劇……宇宙を駆け巡る壮大なSFミステリ!
  • 元外務省主任分析官・佐田勇の告白
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    対米関係の悪化の反面、日露関係は徐々にではあるが、歩み寄りを見せる。悲願の北方領土返還に向けて奔走した佐田勇は、とある政治闘争に巻き込まれたことで、外交の一線から身を引き、今は作家だ。しかし、政権交代、さらに再交代と政変が続く中、いずれの内閣も佐田の情報分析力を頼ってやってくる。ロシア大統領の何を衝けば交渉はスムーズに行くのか、詳細なレポートで佐田は政権を助けてきたが、そんな佐田を逆恨みする連中が霞が関にいて……。
  • 素子の碁 サルスベリがとまらない
    4.0
    『ヒカルの碁』をきっかけに、四十歳を過ぎてから夫婦で始めた囲碁。子供の頃から親しんでいれば直感的に理解できただろう定石や用語に頭を悩ませつつ、上達していく喜びを綴るエッセイ。初心者にもよく分かる囲碁コラムも満載! 「祝 還暦! 夫婦対談」を巻末に付す。
  • 開署準備室 巡査長・野路明良
    3.3
    1~3巻770~836円 (税込)
    「女副署長」シリーズの著者が贈る新警察小説 事件は新庁舎で起きている! 元白バイのエース・野路が前代未聞の大犯罪に挑む! 巡査長野路明良は、「開署準備室」の総務担当に配された。姫野署開署に向け、最終確認を行なう臨時部署だ。 彼は白バイ隊のエースだったが、怪我で異動になり、自棄になっていた。準備も終盤となり、突如、不審事が。 発注外の大型什器の搬入、防犯カメラの誤作動……さらには野路の警察学校時代の恩師が襲われ――開署目前に一体何が? 警察の威信をかけ、野路の反撃が始まる!
  • 元町クリーニング屋 横浜サンドリヨン ~洗濯ときどき謎解き~
    3.4
    洗濯日和は謎解きを!横浜でクリーニング屋を営む天才クリーニング師・更紗のシミから始まるミステリー。 服もココロも謎も、全部きれいに致します! 横浜・元町でレトロな老舗クリーニング屋『横浜サンドリヨン』を営む天才クリーニング師・白石更紗は、どんなシミも落とし、あらゆる修繕をこなす服のお医者さん。 普段はおっとり天然な更紗だが、ひとたび衣類のことになると「服が泣いています」と人が変わったように服に感情移入してしまう。 ある日、そこに探偵・不破がコートを持ち込むと、更紗は服に付いたシミなどから彼の行動や性格、暮らしぶりを見抜き……? 脱いだ服には、必ず着ていた人の痕跡がある――。縫い目やほつれ、かつてのクリーニング師が使ったという糸文字などから事件を読み解く、更紗&不破の名コンビの爽やか洗濯ミステリー!!完全犯罪は、シミにご注意を。
  • 赫衣の闇
    3.7
    ……じた、じた、じたっ。湿った地面を踏み締めながら、どこまでもおいかけてくる――闇市の路地に巣食う真っ赤な怪人の謎。 舞台は敗戦直後の東京。物理波矢多シリーズ最新作となる、渾身の書下ろし長編ホラーミステリー!! 「赤迷路」の通称を持つ闇市に、若い女性を付け回す怪人「赫衣(あかごろも)」が出没するという。 『黒面の狐』事件後、友からの依頼でその真相を探る物理波矢多(もとろいはやた)は、 闇市「赤迷路」に巣食う怪人「赫衣」の正体を調べるなかで、凄惨な殺人事件に遭遇する。 炭鉱を突如襲った連続怪死事件を追う――『黒面の狐』、 灯台に憑いた怪異は時を超える――『白魔の塔』 に連なる、ホラーミステリーの名手、シリーズ第3弾! 物理波矢多:満州の建国大学に学び五族協和の理想を求めたが、敗戦に接して深い虚無に囚われ、以後は国の復興を土台で支える職を求めようとする。
  • 白魔の塔
    4.3
    ホラーミステリーの名手、シリーズ第2弾! 敗戦に志を折られた物理波矢多は、 復興を縁の下から支える職に就こうと決意する。 炭坑夫となるも怪事件に巻き込まれ、 転身先に選んだのは海運の要、灯台守。 新しい任地の轟ヶ埼灯台で待っていたのは“白もんこ”と呼ばれる怪異と二十年の時を超える奇怪な謎だった。 大胆な構成に驚く異色ホラーミステリー。 解説・杉江松恋 ※この電子書籍は2019年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 黒面の狐
    4.3
    あの真っ暗闇の奥から、何かが私を凝っと覗いている! ホラーミステリーの旗手による新シリーズ、ここに開幕。 戦後まもない混乱期。 主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。 波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。 やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。 現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。 敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。 細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。 本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。 解説・辻真先
  • モニタールーム
    3.6
    月収100万円という破格の仕事を見つけた徳井。その仕事内容とは、刑務所の地下のモニタールームで、いくつものモニターを見るという簡単なものだという。不審に思いながら、ひとつ目のモニターをのぞき込んだ徳井が見たモノとは、無数の地雷で隔絶された地帯に住む少年少女たちの姿だった! そして別のモニターには、牢獄に入った中年の女性の姿が映し出されており――!? 山田悠介が放つ最高の絶対不可能ゲーム!
  • もの言えぬ証人
    3.9
    ポアロは巨額の財産をもつ老婦人から命の危険を訴える手紙を受け取った。が、それは一介の付き添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に答えるとともに事件に絡むテリアの「ボブ」の濡れ衣を晴らす。

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  • 物語じゃないただの傷
    4.1
    1巻1,892円 (税込)
    “男のくせにフェミニストやポリコレにおもねった”発信で人気を博す後藤。ある日、片脚の悪い男・白瀬が、後藤のとある秘密を盾に「家に住ませろ」と脅迫してきて…。著者渾身の衝撃作!
  • もの語る一手
    3.7
    将棋は、決断のゲームである。無数の選択肢から、一手を選ぶ。 将棋は、明快なゲームである。残酷なまでに白黒がはっきりとつく。 しかし、単純な「結果」にたどり着くまでの間に、無数の思いが凝縮されている。 だからこそ、将棋は物語の宝庫なのだーー。 超豪華執筆陣による「決断」をテーマにした傑作将棋小説アンソロジー。 青山美智子「授かり物」 「俺、東京に行く。漫画家になるんだ」 二十歳の天才棋士と同じ日に生まれた、平凡な我が子。初めて知る息子の夢に戸惑う芳枝だったが――。 葉真中顕「マルチンゲールの罠」 将棋の強さにだけは自信があった。 思い出話をきいてくれ。 あの日、俺は頼まれたんだ。 「天才」かもしれない少年を、この道場から追い出してほしいと――。 白井智之「誰も読めない」 名人戦、第五局。一日目の対局が終わり、ひと息ついた挑戦者が、 拉致された。連れ去った人物は、挑戦者に頼んだ。 ある殺人事件の犯人を見つけてほしい――、と。 橋本長道「なれなかった人」 元・天才棋士の青柳は、アマチュアとしてプロ棋戦を勝ち上がってきた段という男と対局する。彼は、青柳が三十年前に奨励会から蹴落とした相手だった。因縁の再戦を前に、二人がした約束とは。 貴志祐介「王手馬取り」 「両家の父が結婚式に来なかった」 井上家で未だに残る謎を解決するのは、元真剣師を名乗る老人で―― 芦沢央「おまえレベルの話はしてない(大島)」 奨励会員の息子を持つ男性が自己破産申請にやってきた。担当する弁護士の大島は自分も元奨励会員で事情もよく分かり、あと一歩のところまで順調に手続きが進んでいたが――。 綾崎隼「女の戰い」 「朱莉さんって銀みたいな人ですよね」 数少ない女性奨励会員として奮闘する倉科朱莉の、苦悩と成長の日々。 奥泉光「桂跳ね」 菅原香帆の日録に記された、将棋を通じた友との交歓の日々。 桂跳ねに込められた、友人の悲愴な決意とは。
  • モノクロの街の夜明けに
    4.2
    1989年,ルーマニア.独裁が続くこの街で,高校生のクリスティアンは密告者になった.自由を夢見る17歳は,東欧諸国の民主化を伝える海外ラジオに耳をすませ,任務を逆手にとって,世界に真実を知らせようとする――抑圧された人々の祈りが,ついに国を動かすとき.革命の希望と痛みを描く,渾身の歴史フィクション.

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  • モノクローム
    3.4
    1巻1,408円 (税込)
    母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。囲碁を通じて自分を取り戻す青春ミステリ。
  • モノグラム殺人事件
    3.3
    名探偵エルキュール・ポアロは、お気に入りの珈琲館で夕べのひとときを過ごしていた。灰色の脳細胞の束の間の休息。そこへ、一人の半狂乱の女が駆け込んできた。どうやら誰かに追われているようだ。ポアロが事情を尋ねると、女の口からは意外な言葉が。彼女は「殺される予定」だというのだ。しかも、その女ジェニーは、それは当然の報いであり、殺されたとしても決して捜査はしないでと懇願し、夜の街へと姿を消した。同じ頃、ロンドンの一流ホテルで三人の人間が殺害された。すべての死体は口にモノグラム(イニシャルの図案)付きのカフスボタンが入れられていた。ジェニーは被害者ではなかったが、関連を嗅ぎ取ったポアロは、友人の刑事キャッチプールとともに捜査に乗り出すのだった
  • ものだま探偵団 ふしぎな声のする町で
    3.8
    1~2巻880~902円 (税込)
    「活版印刷三日月堂」のほしおさなえが描く、 ちょっぴりふしぎで、あたたかい物語。 小学校5年生の七子が両親と一緒に引っ越してきたのは、坂木町にある古い一戸建て。 夜中に、部屋でだれかが話している声が聞こえたり、ふしぎなことが起こったり…。 そんなある日、七子は、クラスメイトの鳥羽が、公園でひとりでしゃべっているのを見かけた。 そばにはだれもいないのに、男の糸の声も聞こえる。 話し相手は、なんとカサ立てのツボ。 この町では、ものに宿った魂=「ものだま」の声が聞こえるらしい…。 七子のまわりで起こるふしぎなできごとを、「ものだま探偵」桜井鳥羽が挑む! 表題作と「駅のふしぎな伝言板」の2話をおさめました。 心がほっこりあたたかくなると評判のほしおさなえによる、少女探偵物語です。
  • 物の怪
    3.7
    鬼払いの秘祭を取材するため、植物写真家の猫田夏海は、生物の知識に精通した<観察者(ウォッチャー)>鳶山久志らとともに、瀬戸内に浮かぶ現代アートの島――悪餌(おえ)島を訪れた。その夜、ご神体として“鬼の腕”が収められた神社で、神事の準備をしていた女性が宝物の刀で惨殺される! 洞窟に潜む羅刹の正体を、生物探偵が解き明かす! 異才・鳥飼否宇の真骨頂!!
  • もののけ寺の白菊丸
    4.1
    数えで12歳となった白菊丸は、母と離れて勿径(もっけい)寺へと入った。さる貴き方の落胤である白菊丸は寺で修業し、ゆくゆくは僧侶となるのだ。始まった寺での日々。同じように預けられた稚児たちと一緒に学び、幅広い教養を身に着けていく白菊丸は、ある日、先輩稚児たちに声をかけられた。曰く、勿径寺の宝蔵には力ある物の怪たちの骸が封印されている。新しく寺に入った者は、胆力を鍛えるため、夜中にひとりでその宝蔵に行かなければならない、と。新人いびりとも知らず、その夜、白菊丸が宝蔵を訪れるとそこには白い毛皮をまとった物の怪がいて…。稚児たちがつぎつぎと騒動に巻き込まれるなか、和尚には何やら隠し事があるようで?
  • ものまね鳥を殺すのは アラバマ物語〔新訳版〕
    4.3
    1930年代米国南部。スカウトは弁護士である父のアティカスと暮らしていた。ある日、白人女性への暴行の嫌疑がかけられた黒人男性の弁護に父が就き、周囲の白人たちから反発を受けるが--。少女の無垢な瞳を通して当時の黒人差別を克明に記した不朽の名作の新訳
  • 喪服の似合う少女
    4.3
    女性私立探偵・劉雅弦の元へやってきた女学生・葛令儀。彼女は劉に、友人の岑樹萱を見つけてほしいと依頼する。劉は調査を始めるが、岑樹萱を深く知っている者は、一人もいなかった。さらに劉は調査の中で死体を見つけ、殺人容疑で警察に逮捕されてしまう……
  • もふもふ インコ川柳
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ネットでもたびたび話題になる、インコのもふもふ写真。 世間的にはクールで美麗、繊細なイメージですが、じつにオモロい一面をもっているのです。 頭をぐいっとつきだしてナデナデを要求してきたり、音楽に合わせて妙な動きをしてみたり……。 そんな魅力に日々翻弄され(?)、インコ臭をかぐためにインコの背中に顔をうずめる飼い主が今日もあとをたちません。 本書は、インコたちのもふっとかわいい写真と、飼い主「あるある」とインコ愛がぎゅっとつまったフォト川柳ブック。 まだインコを飼っていない人にも、インコとの暮らしのすばらしさが伝わるはずです。
  • 模倣の殺意
    3.7
    七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版!

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  • 桃

    4.4
    父の通夜にきた女の、喪服からのぞいた襦袢の襟の色(「桃色」)。女が出て行ったあと、卓袱台のうえに残された腐りかけた桃の匂い(「桃--お葉の匂い」)。濃密で甘く官能的な果実をモチーフに紡ぎ出される八つの短編。
  • 桃色浄土
    4.0
    大正中期、四国の隔絶された漁村に突如、白い異国船が現れた。目的は高価な桃色珊瑚。乱獲により珊瑚は採れなくなって久しかったが、イタリア人のエンゾは海深く潜り珊瑚を探し続ける。そんな彼に強く惹かれていく海女のりんを、幼なじみの健士郎は複雑な気持で見つめていた。やがて採れないはずの珊瑚が発見されたことから、欲望にとり憑かれた若者たちが暴走し始める――。自然の厳粛さと人間の愛憎を描いた、傑作伝奇小説。
  • 桃色東京塔
    3.3
    警視庁捜査一課に配属されながら、事件で失敗し出世の道を閉ざされた黒田岳彦。一方、過疎の村にあるI県警上野山署捜査課係長の小倉日菜子は警官の夫を職務中に亡くしていた。捜査を通じて心を通わせてゆくが、いくつかの事件がふたりの距離を変えはじめる。悩み、葛藤する男女を描く「遠距離恋愛」警察小説。
  • 桃ノ木坂互助会
    4.2
    厄介事を起こすのは、いつだってよそ者だ。七十歳の光太郎は憤慨していた。われわれが町を守らなくては――。そこで互助会の仲間たちと手を組み、トラブルを起こす危険人物を町から追い出し始める。その手段はなんと嫌がらせ!? 老人だからこそできる奇想天外な作戦はなかなか好調に思えたが……。大家と揉めていた男を次なるターゲットに決めたことから、事態は思わぬ方向へと動き始める。【解説】東えりか
  • ももへの手紙
    3.7
    “ももへ”それだけを書き遺し、仲直りできずに亡くなった父。それから母・いく子と瀬戸内の島に引っ越してきたももは、田舎の生活にも馴染めず、しずんだ日々を送っていた。そんなとき現れたイワ・カワ・マメの3妖怪! 身勝手な彼らに振り回される中で、ももはいく子とすれ違い喧嘩をしてしまうが、直後、いく子が病に倒れて!? 蘇る父の記憶。母を救うため嵐の中へ走り出すももに、奇跡が起きる──。心に響く家族の愛の物語。
  • 桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク
    3.9
    許されぬ恋。背徳の純粋。誰もが目を背け、傷ついた――。胸に潜む遠い日の痛み。『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか。表題作「桃」を含む6編を収録。
  • モモンガの件はおまかせを
    3.9
    お馴染みの楓ヶ丘動物園の飼育員たち――大型哺乳類担当の僕(桃本)、げっ歯類担当の七森さん、ツンデレ獣医の鴇先生、そしてカルト的人気、爬虫類担当の変態・服部くん――が、動物にまつわる謎を解き明かす、人気ミステリーシリーズ最新刊! ・楓ヶ丘動物園飼育員たちが休日にバーベキュー、僕と服部くんは買出しに出かける。犬の散歩をしている男に道を訪ねたのだが、連れていた柴犬の様子に僕は不審を抱く。(「いつもと違うお散歩コース」) ・七森さんに憧れるボランティア少年長谷井君の友人・今成君の家猫スコティッシュフォールドのトビーが男に連れ去られたという。トビーは夜帰ってきたのだが、オートロックで密室の家に男はどうやって侵入し、トビーを連れ出したのか?(「密室のニャー」) ・飼育員メンバーの面々が警察署から連れ立っての帰り道、僕の頭部にフクロモモンガが飛来してきた。どうも古いアパートの二階から逃げたらしいのだが、部屋の様子がおかしい。ドアを開けたところ、そこには部分的にミイラ化した死体が……。ケージもあり、ここで飼われていたことは間違いないのだが、いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話をしていたのか?(「証人ただいま滑空中」) ・体長は最低でも1メートル、体重も最低50キロという謎の大型生物が山の集落に出現。その「怪物」を閉じ込めたと聞いて向かった廃屋はもぬけのからだった。「怪物」はどうやって抜け出したのか?考え込んでいた鴇先生の顔が蒼ざめる……。(「愛玩怪物」) 【目次】 第一話 いつもと違うお散歩コース 第二話 密室のニャー 第三話 証人ただいま滑空中 第四話 愛玩怪物
  • 萌ゆるとき<新装版>
    3.0
    1巻550円 (税込)
    さよなら童貞、青春大爆発。こんなおばさんじゃいやかしら・・・・? ・・・若い、元気よ、ああ、なんてこと! 「ねぇ、ここ、猥らしいでしょ?いいのよ、ちょうだい、いっぱいよ!」黒崎潤平、高校二年生。彼女ナシ。純情を貫き通そうと女を拒んでいたのだが、それが大人の女の股間を疼かせ、欲情を駆り立てる。年上の女たちに翻弄されつつ性長する潤平。
  • もらとりあむタマ子
    4.0
    山下敦弘監督・前田敦子主演で話題となった映画『もらとりあむタマ子』のノベライズ版!“もらとりあむ”以前のタマ子の東京生活が明かされる!?「大学を卒業しながら就職もせずに、父一人で暮らす実家に戻ってぐうたらな日々を過ごす女の子・タマ子。秋から冬へ、春から夏へと季節はめぐり、タマ子は新たな一歩を踏み出せるのか?」山下敦弘監督、前田敦子主演、主題歌・星野 源の最強コラボレーションが話題の映画「もらとりあむタマ子」、山下敦弘監督、脚本家・向井康介の原案設定を元に、ドラマ「相棒」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」などの脚本を手掛ける波多野 都がノベライズ。東京での生活など映画では描かれなかったエピソードもたっぷりの、もっと知りたかったタマ子の世界がここにあります!

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  • モリアーティ
    3.8
    『最後の事件』と呼ばれるホームズとモリアーティの対決から5日後、 現場を訪れた2人の男――ピンカートン探偵社調査員のチェイスとスコットランド・ヤードのジョーンズ警部。 2人は情報交換の末、モリアーティへの接触を試みていたアメリカ裏社会の首領デヴァルーを共に追うことに。 ライヘンバッハ川から上がった死体が隠し持っていた奇妙な紙を手がかりに、捜査が始まる! コナン・ドイル財団公認、再読必至のミステリ大作! 解説「期待に応え、予想を裏切る」有栖川有栖
  • 森が呼ぶ
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    私たち死ぬの、生まれるの 少女御供を捧げる邪宗の村。ヒトの肉と思考を蝕む猟奇ホラー! 出版社の小説大賞に送られてきた一篇の小説原稿。 それは失踪した昆虫学専攻の大学院生から著者の元に送られてきた“奇怪な手記”だった――。 森奉教という土着の宗教が根づく山村、犬啼村。 村の神事を司る狗神家の次女・阿字蓮華は、死んだ姉に代わり急遽村に戻って家督を継ぐ。 大学院での研究も半ばに窮屈な村に囚われて生きることになった親友の身を案じ、 手記の綴り手である「私」はお盆休みの間、フィールドワークを兼ね犬啼村を訪れる。 おりしも村は二十年に一度の大祭前夜。 祭りの取材にきていた大学准教授・鵜飼とともに奉森教の歴史を調べるうち、「私」は村に隠された恐ろしい秘密を知ってしまう……。 第二回最恐小説大賞受賞、原始の恐怖に震撼するファウンドフッテージホラー! ◎最恐小説大賞とは 小説投稿サイト〈エブリスタ〉と竹書房がノールール、ノータブーで募るホラー小説コンテスト。 ジャンル不問、純粋にいちばん怖い作品を大賞とします。 第2回受賞作 「森が呼ぶ」宇津木健太郎(長編部門) 「視える彼女は教育係」ラグト(短編連作部門) 第1回受賞作 「ヴンダーカンマー」星月渉(長編部門) 「怪奇現象という名の病気」沖光峰津(短編連作部門)
  • 相剋の森
    3.9
    1~2巻825円 (税込)
    「山は半分殺してちょうどいい――」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか? 人間はなぜ他の生き物を殺すのか? 果たして自然との真の共生とは可能なのか――。直木賞・山本賞受賞作『邂逅の森』に連なる「森」シリーズの第一弾。大自然と対峙する人間たちを描いて感動を呼ぶ傑作長編。
  • 森の中に埋めた
    4.0
    ホーフハイム刑事警察署の管轄内にあるキャンプ場でキャンピングトレーラーが炎上し、大爆発が起きた。計画的な放火の痕跡があり、中から男の焼死体が見つかる。刑事オリヴァーとピアは捜査を始め、トレーラーの持ち主がオリヴァーの知人の母親だと判明する。だが余命わずかでホスピスにいた彼女が、何者かに窒息死させられてしまう。さらに新たな被害者が。被害者や被疑者のほとんどがオリヴァーの知り合いで、一連の連続殺人には42年前のある事件が関係している可能性が……。緻密極まりない構成で人間の裏の顔を暴きだす圧巻の警察小説!
  • 森のなかの海(上)
    4.1
    1~2巻660円 (税込)
    阪神淡路(はんしんあわじ)地区を大地震が襲った日、36歳の仙田希美子(せんだきみこ)の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑(しゅうとめ)もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した希美子は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り合った老婦人、毛利カナ江から奥飛騨の広大な森と山荘を相続し、息子二人と移り住むことに。現代に希望の光を与える大作。

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  • 森のはずれで
    3.0
    1巻1,527円 (税込)
    「九年前の祈り」で152回芥川賞を受賞した小野正嗣の原点。 異国の森のはずれに、幼い息子と住む「ぼく」。妻は第二子を出産するため実家へと旅立った。やがて森から不思議な物音が響き、次々に異形の者が現われる。妻は帰ってこない……。 在るべきものの不在、あり得べからざるものの出現、行くべき場所はなく、帰る家もない者の不安と焦燥、ささやかな慰藉。連作形式で描出される「奇妙な時間と空間の裂け目の中に生きる」父子は、私たちとどこか似てはいないか。新芥川賞作家、渾身の意欲作です。
  • モルグ街の殺人事件
    3.0
    ある日、パリのモルグ街で猟奇殺人事件が起きた――。 犠牲者の母娘は残酷きわまる殺され方をされており、しかも事件現場は密室だった。密室から聞こえていた犯人と思われる人物の声を複数の者が聞いていたが、証言者はこぞって自分の母国語以外の言語を喋っていたと言う。この殺人事件の解明に探偵C・オーギュスト・デュパンが挑むこととなる。 エドガー・アラン・ポーによる本作は、推理小説というジャンルを築く作品であり、密室殺人を扱った最初の作品とも言われています。後世の作家たちにも多大な影響を与えた作品であることは間違いありません。時代を超えて愛される名作を是非、味わいましょう。 【目次】 モルグ街の殺人事件
  • モルグ館の客人
    3.8
    完全犯罪を成し遂げた者が集うパーティが開かれる館。新聞記者ジェイコブと名探偵レイチェルは謎の女にパーティへ招かれるが……
  • モルディダ・マン
    5.0
    合衆国大統領の実兄がリビアに誘拐された。自国側の大物テロリストがCIAの手に落ちたと考えたリビアが報復に出たのだ。しかし、CIAはその件には一切関与していなかった。一触即発の事態を収拾すべく、ホワイトハウスは“モルディダ・マン”を雇った――国際紛争のはざまで大国を手玉にとる男どもを描き、巨匠が真骨頂を示す傑作。
  • モルヒネ
    3.4
    結婚間近の医師・藤原真紀の前に、7年前、黙って姿を消した恋人・倉橋克秀が現れた。オランダでピアニストとして活躍しているはずの彼が、なぜ突然?やがて、克秀が余命3ヶ月の末期癌であることが発覚した…。書店発、話題のベストセラー、ついに電子化!

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  • モルフェウスの領域【電子特典付き】
    3.7
    桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリ! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『モルフェウスの領域』 【関連小文】1 「自作解説」 初出『ジェネラル・ルージュの伝説』 【関連小文】2 「はるかなる南アフリカ 前編 危険なヨハネスブルグとクルーガー国立公園」  【関連小文】3 「はるかなる南アフリカ 中編 来た、見た、負けた、ダーバン・ナイト」  【関連小文】4 「はるかなる南アフリカ 後編 麗しのケープタウン」  付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
  • もろこし銀侠伝
    3.8
    南宋時代の中国、臨安。食べ物や飲み物に至るまで刺客への警戒を怠らなかった李小遊が、猛毒にあたって死んだ。唯一毒味をしなかった薬のせいに違いないと、薬屋を営む蒲半仙は囚われの身となってしまう。ひとり残された娘の蒲公英が悲嘆にくれていると、かねて店に出入りしていた雲游という男が「心配するな。無実を証明すればいいのだ」と力づける。かくして九歳の少女と不思議な力を持つ老人の真犯人捜しが始まった――第三回ミステリーズ!新人賞受賞作「殺三狼」など、四編を収録。虚実ないまぜの中華世界で義に生き悪を挫く好漢“銀牌侠”を軽やかな筆致で描くミステリ連作集。

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  • もろこし紅游録
    3.6
    三皇五帝のひとり黄帝が造った銀牌は何千年も受け継がれてきた天下御免の証、これを持つ侠客の前には皇帝の勅命とて無力である。仙人めいた老人かと思えば若き豪傑であったり、はたまた美しい少女であったりする“銀牌侠”は、明晰な頭脳と無敵の武術を具えた謎の存在として、今日も旅の空で弱気を助け強きを挫く。蘇州では饅頭の売り上げを奪われかけた十歳の少年を助けてやり、お礼をしたいからと家に誘われたところが……。第3回ミステリーズ!新人賞受賞作「殺三狼」に始まった“銀牌侠”伝説、戦国から民国時代の中国を舞台に描く第2集。

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  • もろこし桃花幻
    3.4
    時は元末。世情不安の折から陶華は科挙受験を断念し、蜀への帰路を辿っていた。従者とはぐれ路銀乏しく道のり遠く、途方に暮れる陶華に声をかけたのは、愛くるしささえ感じさせる不思議な女道士。続いて二人の行者、こましゃくれた少女、後ろ暗そうな商人、人の好さそうな侠客、と道連れが増えていく。やがて桃源郷かと見まがうばかりの農村に行き着き、宿を求める。ところが旅の疲れを癒す間もなく一行の世話係が殺され、村人が多数遺体となって見つかるという事態に発展。陶華らの中に下手人がいるはずだと、詮議が始まって……。『銀侠伝』『紅游録』に続くシリーズ第3弾、初の長編で登場。

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  • 門

    4.0
    横町の奥の崖下にある暗い家で世間に背をむけてひっそりと生きる宗助と御米。「彼らは自業自得で、彼らの未来を塗抹した」が、一度犯した罪はどこまでも追って来る。彼らをおそう「運命の力」が全篇を通じて徹底した〈映像=言語〉で描かれる。『三四郎』『それから』につづく三部作の終篇。 (解説 辻 邦生・注 石崎 等)

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  • モンスターズ
    3.0
    この世で一番恐ろしいものは――もう一人の自分。ドッペルゲンガーに出会った男は、身の毛もよだつあることに手を染める(「もう一人の私がもう一人」)。ヒトラーが人体実験を繰り返していた、ナチス・ドイツのオカルト研究施設。ある日、謎の包帯男が潜入するが……(表題作)。ゴージャスな6つの中・短編集。(講談社文庫)
  • モンテ・クリスト伯 1
    4.3
    二百年の長い間、世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳。全7冊のうち第1冊。

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  • モンテ・クリスト伯(1)
    5.0
    青年エドモン・ダンテスは「ファラオン号」の次期船長の有力候補として、希望に胸ふくらましてマルセーユに帰港する。そこにはフィアンセが首を長くして彼の帰りを待っていた。だが、足取りも軽く父親とフィアンセのところへと急ぐダンテスの背後には、「ファラオン号」の会計士ダングラールの食い入るような憎悪のまなざしがあった。…ダンテスが知らずして託された手紙が陰謀の引き金をひく。ダンテスは無実の罪を着せられ、死の牢獄「シャトー・ディフ」に幽閉される。囚人三十四号としての十四年の獄中生活! だがダンテスはついにチャンスをとらえて脱獄する。まず知りたいのはフィアンセのこと、父のことだ。せめて獄中で知り合ったファリア神父から聞いたスパダの秘宝を手に入れることができれば…雄大な構想で展開する波瀾万丈の物語。 全5巻。
  • モーセの災い 上
    4.0
    歴史から学ばざる者は、それを繰り返す運命にある── 〈古細菌〉と謎のウィルスが 現代に〈十の災い〉を引き起こす── 〈シグマフォース〉が旧約聖書“出エジプト記”の謎を追う! 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作! 十の災いが本当にエジプトに起きたのだとしたら、 それが再び、今度は世界規模で起きることがありうるだろうか? その質問に対する答えは、恐ろしいことに……「ありうる」だ。 ――ジェームズ・ロリンズ アフリカで発生した奇病と、 地球温暖化を食い止めるための夢のエネルギー網── 一見、無関係なような二つの要素が絡みながら、 舞台は、灼熱の砂漠やジャングル、そして極北の地へ! ★巻頭に『モーセの災い』前日譚にあたる、セイチャン&コワルスキ登場の短編『クラッシュ・アンド・バーン』を特別収録! 〈あらすじ〉二年前にアフリカの砂漠で行方不明になったハロルド・マッケイブ教授が半ばミイラ化した状態で発見され、その死体から謎の病気が広がる。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は旧友のサフィア・アル=マーズから調査を依頼されるが、サフィアも何者かに拉致されてしまう。グレイ・ピアース、セイチャン、ジョー・コワルスキは、教授の娘のジェーン、教え子のデレク・ランキンとともにスーダンに赴き、旧約聖書の出エジプト記の「十の災い」を研究していた教授の資料から病気の原因と治療法の発見を試みる。サフィアの奪還を目指すペインターは、彼女が極北の地のオーロラ・ステーションにいることを突き止める。施設を運営するのは発明家ニコラ・ステラを崇拝する実業家サイモン・ハートネルだった。 ◆歴史的事実から──出エジプト記と十の災い モーセによってエジプト人にもたらされた十の災いを科学的に説明しようとの試みは、これまでにも数多く行なわれている。言うまでもなく、この問題に関する本書の記述のほとんどは推察と憶測によるものだが、科学的な検証にも基づいている。例えば、約三千五百年前に起きた地中海の火山テーラの噴火は、人類史上最大の規模であったと考えられている。それだけの規模の噴火に伴う火山灰が引き起こした大気および気候の変動は、かなりの影響を及ぼしたと思われる。それによって赤道付近にもオーロラが発生したのだろうか? 二〇〇六年のアラスカの火山オーガスティンの噴火は、噴煙中に大規模な雷が発生したことから研究の対象になった。その威力はオーロラに影響を与えるほどであったと言われている。 著者について [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible” に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。 ジェームズ・ロリンズのオフィシャルサイト ■http://www.jamesrollins.com [翻訳者プロフィール] 桑田 健 Takeshi Kuwata 1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。主な訳書に『痛いほど君が好きなのに』(ヴィレッジブックス)、『すべてはゲームのために マイ・ストーリー』(ソニーマガジンズ)、『マギの聖骨』『イヴの迷宮』などの「シグマフォース・シリーズ」、『THE HUNTERS ルーマニアの財宝列車を奪還せよ』、『THE HUNTERS アレクサンダー大王の墓を発掘せよ』、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』(以上、竹書房)、『オバマノミクス-「持てる者への優遇の経済」から「持たざる者への思いやりの経済」へ』(サンガ)、『地球 驚異の自然現象』(河出書房新社)がある。
  • 八重歯が見たい
    4.0
    「私は彼を9回も殺した。いつも違うやり方で!」 〈チョン・セラン〉ワールド全開! 笑いに満ちあふれながらも、ちょっぴり背中が凍りつくロマンチック・スリラー。 --------- かつての恋人たちを夢中にさせた八重歯の持ち主「ジェファ」。 エンタメ作家の彼女は、執筆中の短編集の中で元カレのヨンギを殺した。しかも9回も。 すると作品を発表するたびに、ヨンギの体にはジェファの文章がタトゥーのように浮き出るという不思議な現象が! そんな時、ジェファの背後にストーカーの影が忍び寄り……。 --------- 宝石のようだった八重歯。ときどき、あの八重歯が恋しくなった。ジェファが恋しくなったわけではない。ただあの八重歯だけが……。 --------- 【目次】 ■ジェファ……時空の龍と十五人の恋人たち ■ヨンギ………バニラとピスタチオ ■ジェファ……オオカミの森に腕を忘れてきた ■ヨンギ………八重歯だけがリアルだった ■ジェファ……ハッピー・マリリン ■ヨンギ………ガス銃を触ってみてもいいですか ■ジェファ……ラブ・オブ・ツンドラ ■ヨンギ………ファッキュー・ファッキュー・ファッキュー ■ジェファ……鶏もみじは窓辺にて ■ヨンギ………巨大なさつまいもの夢を見た ■ジェファ……魚王子の伝説 ■ヨンギ………五発入りのロシアン・ルーレットのように ■ジェファ……航海士、船長になる ■ヨンギ………地球が記憶するラブストーリー ■ジェファ……私と勝負してみる? ■ヨンギ………誰も死なない話を書いたら? ■ジェファ……最後のキスを更新すべきだった ■ヨンギ………切断面がきれいじゃないとくっつけられないんだよ ■ジェファ……三分二十六秒前だった ■ヨンギ………勇気ある者がジェファを得る ■あとがき ■訳者あとがき
  • やおよろず百貨店の祝福 神さまが求めた“灯り”の謎
    3.5
    幼い頃からの憧れの八百万百貨店に入社した福子。入社二日目に配属されたのは『七福神ご奉仕部』。神様専門の外商部だった。けれど福子は初めて担当した福禄寿神を泣かせてしまい……!? 福を呼ぶお仕事コメディ!
  • 夜会 吸血鬼作品集
    4.3
    1巻1,144円 (税込)
    ……そう、あの夜から、私の生活は一変した――吸血鬼をこよなく愛す作家・井上雅彦が贈る、初の「吸血鬼作品集」!知られざる18の「血族」の姿がいま、詳らかに。
  • 館島
    3.4
    1巻660円 (税込)
    巨大な螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死だった!? 天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう! 瀬戸内の孤島に屹立する、銀色の館で起きた殺人劇をコミカルな筆致で描いた意欲作。『謎解きはディナーのあとで』『もう誘拐なんてしない』『放課後はミステリーとともに』などで注目を集めるユーモア推理の気鋭が放つ、大トリック炸裂の本格ミステリ。

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  • 夜間飛行
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 月はもう沈み、夜空には満天の星が燦めき、海には星の光が静かに映っていたのだけれど、突然、ぼくたちの眼の前で、海面がせり上がり、檸檬色の潜水艇が現れた。ぼくたちはそれに乗り込んだが、これはほんとうは何なんだろう。燦めく宙空に紡がれるスペース・ファンタジィの傑作。
  • 夜間旅行者
    3.3
    被災地を巡るダークツアーを担当するヨナは、自社企画の査定を命じられベトナムへ向かう。企画は新味に欠け、ヨナは会社に打ち切りを提案しようとするが、たまたまひき逃げ事件を目撃したことで謎の一味に新たなダークツアーを「捏造」するよう脅迫され……。
  • 893(ヤクザ) - 米国人オタク、日本「YAKUZA」の世界でのし上がる -
    3.0
    ハリウッド映画化計画進行中! 今や日本の「YAKUZA」は、「忍者」や「アニメ」に並ぶ世界的人気コンテンツに。 手に汗握るハードボイルド・アクションと、大爆笑コメディが完全融合した「理屈抜きに面白い」エンタメ小説の極北! 米国の田舎ネブラスカ州出身のオタク青年、トミー・ケントはヤクザに憧れて来日する。 だが、わらじを脱いだ新宿・歌舞伎町の組には任侠道のかけらも残っていなかった。 シノギといえば、「アワビの密漁」「スイカ泥棒」「AV出演」など、しょぼいビジネスばかり……。 落胆したトミーは小指を詰め、昔ながらのヤクザが現存するという“修羅の国”北九州へと向かう。 青い目のIT世代ヤクザが世界最強の武闘派集団、「富拳一家」を築き上げた立志伝の始まりである。 【目次】 イントロダクション 1章 ネブラスカの田舎オタク、ヤクザ映画にハマる 2章 四文字熟語の刺青が2人の人生を動かす 3章 歌舞伎町…金髪パンチパーマ…組の看板…テキヤとの出会い 4章 「部屋住み」からの出発 任天堂と任侠道 5章 「シノギ」はつらいよ ITスキルで起死回生 6章 修羅の国・北九州へ!古きよき極道の世界 7章 IT頭脳戦で抗争に決着を そして愛との葛藤が 8章 第二のラボ・武器倉庫 リボルバーと仮想通貨 エピローグ……そしてプロローグ 【著者プロフィール】 H.K.Desanto(原案) アメリカ人。コンテンツ関連会社で働くクリエイター。 カンヌ映画祭出品の映画プロデューサーや、オリジナルコミックのメジャーアニメ化など活躍の幅は広く、アメリカエンタメ業界でのコンテンツ原案創作は数多い。 白崎博史(文) 作家・脚本家。 主な作品として、映画『はやぶさ/HAYABUSA』(20世紀フォックスの脚本、小説『約束のとき』(ダイヤモンド社)、『HERO』(フジテレビ系)のノベライズなどがある。 発行:ワニ・プラス 発売:ワニブックス
  • 魔天楼
    4.0
    1~11巻440~594円 (税込)
    警察のお偉方が大集合しているビルで、突然出入りが不能となる異常事態が発生した!? 右往左往する上役を睥睨しつつ、従僕(?)を従えて、颯爽と登場する美女が一人。彼女こそ、警視庁きっての危険人物、「ドラよけお涼」こと薬師寺涼子警視その人だった。女神の美貌と悪魔の性格を兼ね備えたスーパーヒロインが怪物退治に挑む!
  • 薬師と魔王(上) 永遠の眷恋に咲く
    3.7
    元リケジョ、異世界で運命の恋に落ちる――。 薬の研究者として働く佐藤星奈は、気がつくと異世界に迷い込んでいた――! なんとか薬師「セーナ」としての生活を始めたある日、行き倒れた男性に遭遇する。絶世の美しさと、強い魔力を持ちながら病弱なその人は、魔王デルマティティディス。 漢方医学の知識と経験を見込まれたセーナは、彼の専属薬師となり、忘れ難い特別な時間を共にする。そうしていつしか二人は惹かれ合い……。  元リケジョの天才薬師と美しき魔王が織りなす、運命を変える溺愛ロマンス、開幕! 「魔法のiらんど大賞2021」小説大賞・異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞作
  • 屋久島トワイライト
    3.7
    1巻1,386円 (税込)
    「この島には異世界がたくさんあるんです。それぞれ別々の場所にあって、複雑に重なり合ってる。 けれども、どの世界もふつうの人間には立ち入ることができないんです」 (本書より) オカルト雑誌<オーパーツ>の編集者である野々村舞は、伝説や実話怪談を集めて記事にするため、世界自然遺産・屋久島へ飛んだ。 ツアーガイドの狩野哲也とともに、“河童博士”や口寄せを行う巫女に会った後、屋久島最高峰の宮之浦岳縦走へと向かった舞。 彼女はそこで、不思議な世界に迷い込んでしまう――。 現実と虚構が交錯する、屋久島山岳怪異譚。 大藪春彦賞作家・樋口明雄の最新刊! カバー装画=山田章博 ■著者について 樋口 明雄(ひぐち・あきお) 1960年、山口県生まれ。 山梨県北杜市在住。山梨県自然監視員。 2008年に刊行した『約束の地』(光文社)で、第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大藪春彦賞を受賞。 13年には『ミッドナイト・ラン!』(講談社)で、第2回エキナカ書店大賞を受賞。 南アルプス・北岳を舞台とした山岳小説「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズのほか、ノンフィクション『北岳山小屋物語』(山と溪谷社)など著作多数。 『還らざる聖域』(角川春樹事務所)は、本書と登場人物がクロスオーバーする姉妹編。
  • やくしょのふたり
    3.2
    矢田聡司、社会人3年目。勤めていた会社から急な出向を命じられた不幸な彼は、初日の通勤中、痴漢に間違われたところを美女に助けられる。 彼女の名は鏑木彩佳。感謝する矢田が身の上を明かした瞬間、彼女は不機嫌も露わに去ってしまう。その理由がわからず困惑する矢田だが、出向先の同僚として不機嫌な美女と運命の再会を果たすことに。 そんな矢田の新しい仕事とは、『消費者省』という商品の安全性を守るために作られた『国の役所』で働くこと。ハードな職場で訳ありクール美女と凸凹コンビを組むことになった彼は、次第に彼女が抱える秘密を知っていくが……。
  • 約束
    4.4
    ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家のなかには、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同日、同時刻、同じ住宅街。私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。単なる偶然か、それとも? 嘘をついているのは誰か。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。警察と探偵、スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
  • 約束の地(上)
    3.8
    1~2巻770円 (税込)
    環境省技官の七倉航は、野生鳥獣保全管理センターの八ヶ岳支所に赴任してきた。昔気質の猟師や急進的な動物愛護団体との軋轢、娘・羽純への苛め……。七倉の悩みは尽きない。さらに、老夫婦が野生動物に襲われ死傷。地元猟師が巨大獣に食い殺される事件が! “稲妻”と呼ばれる巨グマの仕業なのか? だが、そこには、稲妻さえもが懼れる怪物の痕跡があった……。
  • 約束の地で
    3.5
    捨てたはずの故郷に戻り、父が大金を持っているとの噂に踊らされた男。呆けて我がまま放題の母と猫の世話に煮詰まっていく女。売りつけられたスクーターに乗り、愛犬と骨を掘り出してばらまく少年。好きな女の先輩を安物の車に乗せて旅立ったプー太郎。夫のDVに苦しめられ、死んだチワワの骨を抱え岬に立つ女。北海道の風土に閉ざされた人間の闇をえぐる全5話。新境地を拓いた傑作揃いの短篇集。
  • 約束の道
    3.0
    母さんが死に、施設に引き取られたわたしと妹のもとに、三年前に離婚して親権も放棄したウェイドが現われた。母さんからはいつもウェイドは野球に挫折した負け犬だと聞かされていたが、ほんとうはもっとひどかった。ウェイドは泥棒でもあったのだ。すぐに彼と盗んだ金を何者かが追ってくる。やむなくわたしたちはウェイドとともに旅に出るが……波乱の逃避行の末に父娘の絆は取り戻されるのか?/掲出の書影は底本のものです
  • 八雲が殺した
    4.0
    「ワイン・グラスの赤い液体に映った人間の影、肉体の悪魔--あの美しい酒が、わたしの体のなかで、いま悪魔の肉に変わりはじめている」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談物語「茶わんのなか」を題材に女性の魔性とエロスの世界を描く表題作(昭和59年第12回泉鏡花文学賞受賞作)ほか「葡萄果の藍暴き昼」「象の夜」「破魔弓と黒帯」「ジュラ紀の波」「艶刀忌」「春撃ちて」「フロリダの鰭」。多彩で絢爛たる異色作八篇を収録した。
  • 焼跡のイエス 善財
    3.0
    敗戦直後、上野のガード下の闇市で、主人公の「わたし」が、浮浪児がキリストに変身する一瞬を目にする「焼跡のイエス」。少女の身に聖なる刻印が現われる「処女懐胎」。戦後無頼派と称された石川淳の超俗的な美学が結晶した代表作のほかに「山桜」「マルスの歌」「かよい小町」「善財」を収録し、戦前、戦中、そして戦後へ。徹底した虚構性に新たな幻想的光景を現出させた、精神の鮮やかな働きを示す佳作6篇。
  • 焼けた釘
    値引きあり
    3.7
    1巻825円 (税込)
    帰省した千秋は後輩の萌香がストーカー被害に遭っていることを知る。数日後、萌香の刺殺体が発見された。千秋は彼女の格好を真似ながら独自に犯人を捜し始める。第8回「暮らしの小説大賞」受賞作。 ※TwitterでPRマンガを公開中です! 【転載元URL】https://twitter.com/north_mountain9/status/1455474838378729480
  • 夜行怪談
    5.0
    「人に仇為す者になってしまう…」 土葬が掟の或る地域。 守らぬと恐ろしいことが… (「土葬」より) 死霊、生霊、生首、鬼、異形… 何が出るか分からぬ暗夜の道行き、奇怪な実話! 一風変わった怪奇恐怖譚を集めた空恐ろしき実話怪談集。故郷の掟に従い土葬にしてくれと遺言した祖母。さもなくば人に仇為す者になってしまうというのだが…「土葬」、突然家に現れた着流しの男。以来、家の至る所で木刀が見つかって…「木刀の家」、不用品を庭に出していると、裏山から鬼が現れ持っていく。御礼に死んだ愛犬を生き返らせてくれるのだが…「庭の男」、幼少期に幼馴染みの家で見た赤い坊主頭の生首。その後、金銭的な浮き沈みがあるたびに幼馴染みの一家は人相どころかまったくの別人に変わってしまう。だがそれに気付いているのは自分だけで…「今の嫁です」ほか、奇怪な25話!
  • 夜光虫
    4.2
    1巻1,199円 (税込)
    栄光に彩られた野球人生を全うするはずだった加倉昭彦を肩の故障が襲う。引退、事業の失敗、離婚、残った莫大な借金。加倉は再起を賭け台湾プロ野球に身を投じる。それでも将来の不安が消えることはない。苛立つ加倉は台湾マフィアの誘いに乗り、放水――八百長に手を染めた。交錯する絆と裏切り。揺れ動く愛と憎しみ。破滅への道しか進むことのできない閉塞状況のなかで解き放たれていく狂気……。人間の根源的欲望を描き切ったアジアン・ノワールの最高峰!
  • 夜光虫
    3.0
    両国の夜空に咲く花火に脱走囚の姿が浮かび上がった。それは目を奪う美貌と、目を背ける人面瘡を持つ少年。いにしえに遡る、少年の血塗られた秘密とは? 『蝶々殺人事件』等に登場する名探偵・由利麟太郎と花形記者の三津木俊助コンビが奇怪な事件に挑む! 仮面舞踏会、サーカス団、幽霊塔……絢爛たる名場面と共に甦る巨匠、戦前の代表作! 【解説】細谷正充

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  • 夜光の階段(上)
    3.7
    1~2巻616円 (税込)
    貧しい青年美容師佐山道夫は、勤め先の美容室の常連客で、証券会社の社長夫人波多野雅子と関係を結び、その出資で独立する。野望に燃える佐山は、一方では雑誌「女性回廊」の編集者枝村幸子に接近し、彼女の紹介で有名タレントのヘヤーデザインを次々と手がけ、一躍美容界の寵児となる。だが、株で穴を空けた雅子が返済を迫るようになり、佐山の胸には黒い計画が生まれる--。

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  • 夜行秘密
    4.2
    脚本家を夢見て劇団に所属する岩崎凜と、居場所を失った高校生・松田英治。映像作家のトップランナーである宮部あきらと、その熱狂的なファンの富永早苗。そしてSNSから突如ブレイクしたバンド・ブルーガールと、彼らが引き金となる「ある事件」。別々の道を歩んでいたはずの人生が交差するとき、数奇な運命が動き出す――。迷い、悩み、嫉妬し、決断をしては傷つき合う、激情なる恋と世界に隠された理不尽を描いた群像劇。『明け方の若者たち』で鮮烈な小説家デビューを飾った著者の第二作。川谷絵音との文庫版対談を収録。《解説・柴 那典》
  • 優しいサヨナラの遺しかた とある終幕プランナーの業務記録
    3.4
    童話作家の父を亡くした大学生の智永読が、火葬場で出会った謎の美少女・小日向しるし。彼女は、依頼主の希望どおりに人生の最期を演出する“終幕プランナー”だと名乗るのだった。 葬儀屋とも納棺師とも違い、この世を去った依頼主に代わって彼らが遺したかった物を守り、遺したくなかった物を処分するのが仕事だという彼女。その足跡を追って辿り着いたのは小日向人生相談所という怪しげな事務所で……。 とある能力を買われ、そこで働くことになった読。彼は、老若男女様々な依頼主が望んだ十人十色の“サヨナラ”を目の当たりにするのだが――。
  • 優しい秘密 おいしいコーヒーのいれ方 VIII
    3.7
    「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんから聞かれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ第8弾。
  • 優しい水
    3.2
    1巻1,672円 (税込)
    両親の離婚を機に母の故郷へと引っ越してきた中学生の石塚洋は、近所の川で捨てられたと思しき熱帯魚を見つけた。洋は魚の引き取り所の存在を知り持ち込もうとするものの魚は全滅してしまう。悲しみにくれる洋だったが、魚を入れていたバケツの水の中に“白いもやもやしたもの”を見つけ「魚を殺した原因かもしれない」と観察を始めた。そして喧しい近所の犬、仲良くなれない友達にその水を飲ませることにして……。見えざるモノが日本を揺るがす!
  • 屋敷怪談
    4.0
    子供が消えてしまう家 仏間に墓石を祀る家 家長の魂を移し替える家 福の神を殺す掟の家 神を混ぜて作る呪いの家 死にたい人だけが見える遺書の家 建物の仕事を本職とする著者が見聞きした〈魔〉の棲まう処 家と家系の怪異談! 建物の仕事に携わる著者が長年かけて聞き集めた「家と家系」に纏わる怪異談。 ・家を渡り歩き、住人の記憶を操作する謎の人…「あがたさん」 ・押入れに棲むもう一人の母と呼ぶ何か…「母のぬけがら」 ・死にたい人だけが見つけられる遺書の家…「たがねさんち」 ・旧家の厠に棲み3回だけ質問に答えてくれる神…「厠坊主」 ・家に仮の弟が出現し預言を行う日…「まくれる」 ・成人前の一族を住まわせる度胸試しの家…「護神の御座す処」 ・福の神を見つけたら袋叩きにしなければならない家の掟…「福の神を殺す話」 ・お母様と呼ぶ墓石を仏間に祀る家。墓に入っているのは…「墓になった実家」 ・家の中に突如現れる真っ白な異空間の正体は…「百足部屋」 ・家長の魂を代々移し替える家…「影の座」 ・どこからともなく砂が湧き、家も人も砂に埋もれていく家…「砂かぶりの家」 ・お盆の時だけ家の中で子供が消えてしまう家…「迷い盆」 他、奇妙で空恐ろしい魅惑の64家の怪!
  • 夜叉ヶ池(乙女の本棚)
    値引きあり
    3.5
    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第29弾は、文豪・泉鏡花×イラストレーター・しきみのコラボレーション! 戯曲としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 人の生命のどうなろうと、それを私が知る事か! ......恋には我身の生命も要らぬ。 竜神が住むといわれる夜叉ヶ池。1日3回鐘を撞かなければ、池から津波が起こり、村は水の底に沈んでしまうという言い伝えがあった。 泉鏡花の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは萩原朔太郎『猫町』、『詩集『青猫』より』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』、坂口安吾『桜の森の満開の下』、谷崎潤一郎『魔術師』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
  • 夜叉ヶ池・天守物語
    4.0
    1巻572円 (税込)
    伝説を媒介に,二世界の恋愛を鋭く対立させた緊密な作劇法が光る「夜叉ヶ池」,戯曲にとどまらない鏡花世界の本源を示す「天守物語」.人間の本質を異界から鋭く照射しつつ,美と永遠の救済を求めてやまぬ感情の純度の高さとその尊さによって,「今」なお甦り続ける傑作戯曲二篇を収録(解説=澁澤龍彦・吉田昌志)

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  • 夜叉姫伝(1)
    4.0
    1~4巻817~935円 (税込)
    「魔界都市こそ安住の地ぞ!」四千年の時空を超え、〈新宿〉に現われた最大最強の中国人吸血鬼団。魔界都市支配を狙う敵と、せつらの凄絶な魔戦が始まった…だが急激に変貌する新宿、更にはメフィストまでもが奇怪な動きを見せ始めた。そして、せつらに最大の危機が迫っていた!

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  • 夜叉萬同心 お蝶と吉次
    4.5
    北町奉行所の隠密廻り同心萬七蔵は、失踪した水戸家の勘定方・淡井順三郎の行方を探るよう密命を受ける。探索の過程で七蔵は、深川門前仲町の子供屋の亭主、博龍と出会う。深い絆で結ばれた博龍と、辰巳芸者の吉次、その姉で、鍛冶職人のお蝶。淡井の失踪は三人の生き様と絡み合い、非情にも彼らの運命を変え、大きく事態を動かしてゆく。傑作シリーズ第八弾!
  • 夜愁 上
    3.6
    1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で、人々はしぶとく毎日を生きていた。戦争を通じて巡り合ったケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たちも。今日もまた、一日が終わり――夜が来る。彼女たちが積み重ねてきた歳月を、容赦なく引きはがす夜が。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実を、心の傷を、さらけ出していく。『半身』『荊の城』で示したたぐい稀なる語り口にはさらに磨きがかかり、読者をとらえて放さない。ウォーターズが贈る、めくるめく物語が、いまここに。ブッカー賞、オレンジ賞最終候補作。
  • 夜獣使い 黒き鏡
    3.0
    冷蔵庫の赤子、落ちてくる三つの首、蝶になった母親……黒き衣装の探偵・鏡見は、にわか助手のひなげしとともに怪事件に挑む。
  • 矢印
    3.5
    演出家、劇作家、俳優、映画監督、小説家とマルチに活躍する松尾スズキ、三年ぶり待望の新作小説。 放送作家見習いの「俺」は、十年間師匠と仰いでいた人物が自殺した日、映画館で偶然出会った女・スミレにいきなり結婚を申し込む。スミレは離婚したばかりだった。 することのない俺とスミレは、酒浸りの日々を送るようになる。 そんな中、俺を捉えて離さないのは、師匠が手首に入れていた矢印形の刺青のことだった――。 次々と地獄の扉が開いていくような男女の転落物語でありながら、どこかに人間存在を見つめる苦い笑いがにじむ松尾ワールドの真骨頂。 (本文より) 今、自分に必要なのは、人生をなめている女だ。 酔っぱらってくれ、俺のそばで。 あと一時間でもいい。一五分でもいい。 いや、今わかった。 俺には俺より酔っ払ってくれている人間が、隣に、必要なのだ。 もう、ずっとそうだったし、きっと今日からもずっと。
  • 野生の風
    4.2
    色に魅せられた染織家・多岐川飛鳥、野生動物のいのちを撮るカメラマン・藤代一馬。ふたりが出会ったのは、ベルリンの壁崩壊の夜。運命的な恋の予感はそのまま、アフリカでの再会へと結びつく。サバンナの大地で燃え上がる愛、官能の炎。しかし、飛鳥の友人で藤代の写真集に携わっている出版者勤務の祥子も一馬に恋をしていて……。想い合っていてもどうにもならないこともある――運命の出会いから慟哭のラストまで胸を揺さぶるストーリー。恋愛小説の名手、村山由佳の初期作品が待望の電子化!
  • 野生の棕櫚
    4.2
    「悲しみ(grief)と虚無(nothing)しかないのだとしたら、ぼくは悲しみのほうを取ろう。」 1937年――人妻シャーロットと恋に落ち、二人の世界を求めて彷徨する元医学生ウイルボーン。(「野生の棕櫚」) 1927年――ミシシピイ河の洪水対策のさなか、漂流したボートで妊婦を救助した囚人。(「オールド・マン」) 二組の男女/二つのドラマが強烈なコントラストで照射する、現代の愛と死。 アメリカ南部を舞台に、実験的かつ斬新な小説群を、生涯書き継いだ巨人、ウィリアム・フォークナー。 本作は、「一つの作品の中で異なる二つのストーリーを交互に展開する」という小説構成の先駆となったことで知られる。原著刊行(1939)の直後、ボルヘスによってスペイン語訳され(1940)、その断片的かつ非直線的な時間進行の物語構成により混沌とした現実を表現する手法は、コルタサル、ルルフォ、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなど、その後のラテンアメリカ文学に巨大な霊感を与えた。 他方、現代日本の小説にも、大江健三郎(『「雨の木」を聴く女たち』)や村上春樹(『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)、叙述トリックを用いたサスペンス小説(連城三紀彦は本作を生涯の10冊に挙げている)など、本作の影響は数多見受けられる。 また、ゴダール(『勝手にしやがれ』)、ジャームッシュ(『ミステリー・トレイン』)における言及で本作を知る映画ファンも多いだろう。 その意味では、文学のみならず20世紀カルチャーにおいて最大級の方法的インパクトを与えた、世界文学史上の重要作にして必読の傑作だといえる。 その本作を、『八月の光』『サンクチュアリ』『兵士の報酬』などの名訳によって定評のある、加島祥造訳にて復刊する。

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