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Posted by ブクログ
表紙を見て、「あれ? 『アイの物語』が文庫になったの?」と思った。
しかし、よく見るとタイトルが違う。
内容は、『アイの物語』につながるし、『神は沈黙せず』にもつながる短編集である。
今の自分は、本当にいるのだろうか。この世界は誰かに作られたものなのではないのか。そんな考えを持つとき、創造神を信仰に持たない自分にとって、「創造主」は、ひどく不気味だ。
小説を読むのは良い。
しかし、自分が登場人物で、楽しみも、痛みも、喜びも、悲しみも、愛しさも、切なさも、怖さも、怒りも、何もかもが作られたものだとしたら、それは、恐怖だ。
はじめから決まっている、アカシックレコードの上にいるのも許せるものではない。
しかし、そうした怖さを、小説の中に入れ込んで、それを覗き見る、ということが、わたしたちにはできる。
作った箱庭に人を住まわせ、上から見下ろす、悪趣味な観察。
自分は、その、覗かれている人なのではないか、という、ホラーよりもホラーな恐怖がテーマになった(と勝手に思っている)物語の集まりになっている。
『闇が落ちる前に、もう一度』宇宙が終わるまでに、したいことは何?
『屋上にいるもの』意思は、誰のもの?
『時分割の地獄』わたしは、生きているの?
『夜の顔』在るべきもの、あるはずのないもの、その差は
『審判の日』審判は、誰?
これを読んでみて、気に入ったら、ぜひ、『神は沈黙せず』を。
Posted by ブクログ
ホラーがかったSFの思考実験が中心の話5つ。もしも世界が8日前に始まったものだったら、AIが殺人のために、別の人格を持った人物を想像したとしたら…等。
思考実験的なAIの話は、わかるんだけど他の作品よりも怖くもないし意外性も少なく、何でこれだけSFマガジンに収録で、あとのは単行本のための書き下ろしなのかなあ?という印象。
小松左京「こちらニッポン」みたいな「審判の日」と「屋上にいるもの」は非常にシンプルなホラーでありSFなので、万人向けに読みやすいのだが、他の作品はちょっとメタな世界観を理解できない人には辛いかもしれない。
買う場合は、電子書籍もおすすめします。ちょうどいいボリュームなので。
Posted by ブクログ
「闇が落ちる前に」☆4
ストーリー:
宇宙物理学を学ぶ学生を主人公に、「極大エントロピー宇宙モデル」の証明実験が導き出した恐るべき世界の真実が明らかに・・・
感想:
読んでいて「小林泰三」を髣髴とさせる専門用語、そして未知なる分野へのロマンを感じずにはいられない内容でした。科学でありながらホラーのような寒気を含んだストーリーが非常に良かったです。
「屋上にいるもの」☆3.5
ストーリー:
マンションの最上階に住む男性が、ある雨の夜に、屋上からまるで太鼓をたたくような音を聞く。いったい屋上には何がいるというのか・・・
感想:
冒頭から露骨なぐらいホラーの雰囲気を醸し出しているのに中々進まない話にやきもきしましたが、これは「闇が落ちる前にもう一度」とはホラー×不思議な感じが黒「乙一」のような感触でした。
「時分割の地獄」☆3
ストーリー:
バーチャル・アイドルのゆうなと、AIに心があることを認めない男との対話を通して、心とは何かを問う。
感想:
男とゆうなの答弁が非常にうまく、哲学的な面白さが目立つ作品でした。最後の「良心」は非常にうまく出来ているなぁと感心してしまいました。
「夜の顔」☆2
ストーリー:
会社員の青年が婚約者の実家に挨拶に行った帰り道、夜の街で、路地の奥から彼を見つめている中年男の顔を目撃する。青年は、世界そのものへの懐疑心、作り物ではないかといった恐怖を募らせていき・・・
感想:
なんというか・・・中途半端に哲学的要素を加えたホラー?といった感じで、うまく組み合わせたというよりは中途半端でどっちつかずな感じ。文章、表現、語り口調といった面はさすが「山本弘」と言えるからこそちょっと勿体無さを感じる作品でした。
「審判の日」☆3.5
ストーリー:
ある日突然、ほんの一握りの人間を残し、この世界から全ての生物が消えてしまった。その世界に直面した姫田亜矢子と蓮見悟は困惑しつつも生き抜く術を考えていくが・・・
感想:
実際良くあるストーリーかもしれない、でも結末へのもってきかたでいくらでも色を変えられるストーリーなのかもしれない。こういったストーリーの作品は、特に「自分だったらどうするだろう」とか感情移入してしまい、色々考えさせられた作品でした。
Posted by ブクログ
先日読んだ「アイの物語」がなかなか良かったので、山本弘さんをもう一冊。これも、なかなかです。
ジャンルとしてはSFに入れたけど、「闇が落ちる前に、もう一度」「時分割の地獄」「審判の日」がSF、「屋上にいるもの」「夜の顔」はホラーでしょう。つまり、SFとホラーが交互に出てくる感じです。
SFは思わぬ視点で引き込まれます。
研究したらこの宇宙がわずか17日前に出来たという証拠しか出てこなかったり、「アイの物語」同様のAIドル(AI=人工知能のアイドル)の殺人劇やら、突然わずかな人類を除いて全生物が消えた世界など、突拍子のない世界(褒め言葉ですよ)です。
ホラーにはさほど興味は無いのですが、それなりに楽しめました。
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