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地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“特異生物対策部”、略して“気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。世論の非難を浴びることもたびたびで、誰かがやらなければならないこととはいえ、過酷で割に合わない任務だ。それぞれの職能を活かし、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説!
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怪獣と聞くと幼き日を思い出しますが、本作は驚くほど綿密に練られた大人のSF小説です。怪獣がシリアスな災害として描かれ、“特異生物対策部”が怪獣の出現予測や対策を講じる……まさに「プロフェッショナル!」な仕事ぶりの隊員達が実に熱い!
法律や世論などの兼ね合いで判断・決定がスムーズにいかないもどかしさは『図書館戦争』などにも通じるものがあります。経済への影響や動物愛護の声も無視できず、危険度が分かるまで退治に踏み切れないといった現実的な描写には妙にソワソワ……。
怪獣については実際の神話や伝説、伝承などを絡ませることで深みを増し、雰囲気を損わないまま説得力も演出。対怪獣の武器描写も詳細です。無反動砲「カールグスタフ」使用上の注意や装甲貫通のメカニズム「モンロー効果」まで言及されていたことには心底驚きました!(マニアックな感動で失礼;)
現実的な展開で怪獣対策を行うSF作品、大人になった今だからこそ読んで欲しい一作です。
Posted by ブクログ 2014年02月26日
怪獣系のSF(?)。地震や台風と同じように、自然災害の一つとして「怪獣災害」が存在するパラレルな日本で、怪獣対策に携わる気象庁の人達の話。科学的には存在できないはずの怪獣が何故存在できているのか、という理由付けがある理論として提示されるのですが、その理論を用いて「怪獣と人間が同時に生きる世界」観がし...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月15日
これは僕のツボでした。
ウルトラQやウルトラマンで子供時代を過ごした身としては、怪獣ものSFはたまりませんね。
しかも、物理学的、生物学的に「怪獣」の存在はありえないと、「空想科学読本」などで指摘されていることを、「多重人間原理」という非常にSF的な仕掛けでうまく(?)説明し、単にファンタジーとして...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年02月14日
軽めの文体だったのであまり期待せずに読み始めましたが、最終話が終わる頃には「怪獣大国」という設定にも馴染み、続編のチェックまでしてしまうほどに。
エンタメ性とSF的な理屈付けのバランスが良いです。読後、NOVA1で月面ミステリを書いていた著者だと知り、妙に納得しました。
“人間原理”という言葉は初め...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月13日
この本は面白い。面白いが、人に勧める時にちょっと困ってしまう。「怪獣」という単語を使うだけで、「いい年してそんな本を…」と思われてしまいそうな気がするからだ。そうじゃない、そういう本じゃないんだ! でも上手く説明できそうにもなくて口をつぐんでしまう。でも面白いんだよーう。騙されたと思って読んでみてい...続きを読む
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