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船戸与一最高傑作堂々復刊。
冒険小説の第一人者、船戸与一最高傑作『山猫の夏』が、この夏堂々復刊。
舞台は、ブラジル東北部の町エクルウ。アンドラーデ家とピーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争が繰り返される血なまぐさい町に、山猫(オスロット)と呼ばれる一人の日本人・弓削一徳が現れる。ピーステルフェルト家から、ある依頼を受けた山猫。その依頼とは、敵対するアンドラーデ家の息子・フェルナンと駆け落ちした娘・カロリーナを捜し出し、生娘のまま連れ戻してほしいというものだった。ブラジル版ロミオとジュリエットに端を発した血塗られた追跡劇。両家の抗争の裏で動く莫大な金と大きな野望、捜索の中で出会う旧知の男と山猫との因縁の対決、そして最後に明かされる山猫の思惑と正体・・・手に汗握る怒濤の展開、読み出したら止まらない究極のエンターテイメント小説。執筆から30年以上たっても色あせることのない名作を完全復刊。
Posted by ブクログ 2023年04月29日
肌を焼くような灼熱の大地と、間断なく汗が吹き出る暑く乾いた灼熱のブラジルが舞台というだけで気分を高ぶらせる。 町を分断する因縁を持つ2家の駆け落ち劇に端を発し、雇われた1人の男の出現で両家の戦いが町を巻き込んで死体の山を築いていく。 緻密な計算とグイグイと周りを引き釣りこむ主人公の強い個性に魅了され...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月16日
安定の面白さ。
異国を舞台に、
タフな日本人が、
野蛮な外国人をバッタバッタとのしていく。
この設定がもう面白い。船戸与一の真骨頂。
海外で日本人って舐められるからスカッとする。
またコロナ禍で海外旅行できないストレスもあってか
異国情緒あふれる情景に魅了される。
そしてとにかく渋い登場人物。...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月02日
著者は早稲田大学探検部出身で、冒険小説の第一人者だという。?初版発行は1984年。少し苦手意識のある一人称形式だが、比較的読みやすいのは、主人公の語り口が落ち着いているからか。
ー裏表紙からー
舞台は、ブラジル東北部の町エクルウ。アンドラーデ家とピーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争が繰り...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年08月25日
とにかく夢中になって読みました。
舞台はブラジル東北部の架空の街、エクルウ。そこに住む日本人の「おれ」の一人称で進む物語。
エクルウでは『ロミオとジュリエット』さながらに2つの大きな家が、いがみ合っています。両家以外にもエクルウに駐屯している軍の司令官やら警察署長やら神父やら娼館の女主人やら一癖も二...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月02日
30年ほど前に船戸与一に出会ったのがこの作品。文庫本で復刊されたので懐かしく再読した。そうそう、カイピリンガを砂糖を入れずにレモンを絞って・・・とか紫煙とか酒精とか、最後には登場人物がほぼ全員死ぬというお決まりのパターンで独特の船戸ワールドが蘇ってくる。この本でハマり、「猛き箱舟」「砂のクロニクル」...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月13日
俺は「おれ」を嗤う気にはなれない。「おれ」にとって山猫と過ごした夏は忘れられないはずだ。山猫は深謀遠慮で、強い。そんな男が存在したなんて信じられないかもしれない。でも本当にいたのだ。もちろん、作者の純然たる妄想である。熱暑の中の白日夢に過ぎない。ただ、信じられないくらいのリアリティをもって迫ってくる...続きを読む
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