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Posted by ブクログ
世に明治維新と褒めそやさるが実際にはそんなたいそうなものではなく、
単なる権力闘争に過ぎないことがこの本でも示されている。
薩摩、長州の田舎侍が江戸では、否、全国では馬鹿にされるため、
幼い天皇を担ぎ出し、この錦の御旗をもとに東日本の幕府勢力を潰しにかかった。
それが証拠には西軍(筆者は官軍とは呼んでいない)が天下をとると、
慌てふためいて政治とはどうすべきものか欧州に勉強に行った。
それまでは政治に対するビジョンなんてものは無く、
ただ自分たちが天下をとることのみ専念した。
しかし、この成功、自信が後に薩長独裁政権へと移行し、
天皇を頂点とした軍事国家が出来上がったのである。
そのあたりを船戸与一は『満州国演義』で端的に示している。
江戸幕府そして戦前の軍国主義国家においては
農民や市民は単なる納税者で一兵卒でしかなかった。
いわんや全人口の半分を占める女性の参政権など目にもくれなかった。
Posted by ブクログ
記憶が定かではないが、蝦夷地別件からの久しぶりの本邦歴史ものではあるが、蝦夷地別件の様な、いつもの虐げられた民族や人々のレジスタンスとしての蜂起と、その哀れなまでの末路をカタルシスを持って描く、いつもの船戸節を期待したものの、やはり幕府や会津の様な武士では座りが悪い。武士から一般民が武器を手に取るというあたりと、その武器を取り人を動かすという一種の権力に目覚めた農民を描く部分に、多少の片鱗は見られるものの、主役ではないので、今のところ物語の主軸とはなっていない。主人公と思しきものは、長州の密偵と長岡の元博徒、会津の武士。彼らがニアミスを犯しながら物語の収斂に向けてどう動いていくのかが今後の展開で語られるのだろう。いつものパターンでは、武士ではない博徒が生き残る様に思われるが、どうだろうか。
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