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  • 人間の絆(上)(新潮文庫)
    3.7
    幼くして両親を失い、牧師である伯父に育てられた青年フィリップ。不自由な足のために劣等感にさいなまれて育ったが、いつしか信仰心を失い、芸術に魅了されてパリに渡る。しかし若き芸術家仲間と交流する中で、自らの才能の限界を知り、彼の中で何かが音を立てて崩れ去る。やむなくイギリスに戻り、医学を志すことになるのだが……。誠実な魂の遍歴を描いたS・モームの決定的代表作を新訳。
  • 私の親鸞―孤独に寄りそうひと―(新潮選書)
    3.0
    「自分は人間として許されざる者である」――心の中に孤独を抱きながら、二十代を過ごし、やがて三十歳を過ぎた頃、偶然に出会った親鸞の言葉。その時、なぜ私は「ああ、この人は自分のことを分かってくれる」「とりあえず、自分も生きていくことが許される」と思えたのか。その思想を追い続けて半世紀、わが心の内の親鸞を語る。
  • 考える親鸞―「私は間違っている」から始まる思想―(新潮選書)
    3.0
    右翼から左翼、文学者や哲学者まで、近代以降の論客がその魅力や影響を語り続けてきた国民的高僧・親鸞。「懺悔の達人」「反権力の象徴」「宗教の解体者」など、それぞれの親鸞論を読み解き、「絶対他力」「自然法爾」といった思想の核心に迫る。日本人の“知的源泉”に親鸞あり――。気鋭の研究者による、親鸞論の決定版!
  • 死ぬことと見つけたり(上下)合本版(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,386円 (税込)
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。 ※当電子版は新潮文庫版『死ぬことと見つけたり』上下巻をまとめた合本版です。
  • 優駿(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,430円 (税込)
    生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇(ドラマ)が、幕を開けた――。 ※当電子版は新潮文庫版『優駿』上下巻をまとめた合本版です。
  • ペインレス(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,474円 (税込)
    野宮万浬、ペインクリニックで患者の痛みと日々向き合う優秀な医師。彼女には、秘密があった。心に一切痛みを感じないのだ。一方、数々の国際プロジェクトを手掛けてきた貴井森悟は、爆弾テロに遭って痛覚と情熱を失い、無為に生きていた。謎めいた老人、曾根雅雄の導きにより、ふたりは運命の邂逅を果たす──。人間の根源を抉るサスペンスにして、最もスリリングな医学エンターテインメント。 ※当電子版は新潮文庫版『ペインレス』上下巻をまとめた合本版です。
  • 海戦三部作(コンスタンティノープルの陥落、ロードス島攻防記、レパントの海戦)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,749円 (税込)
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。(『コンスタンティノープルの陥落』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『コンスタンティノープルの陥落』『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』をまとめた合本版です。
  • ローマ亡き後の地中海世界(上下)合本版
    -
    1巻2,695円 (税込)
    476年、西ローマ帝国が滅び、地中海は群雄割拠の時代に入る。「右手に剣、左手にコーラン」と、拉致、略奪を繰り返すサラセン人の海賊たち。その蛮行にキリスト教国は震え上がる。拉致された人々を救出するための修道会や騎士団も生まれ、熾烈な攻防が展開される。『ローマ人の物語』の続編というべき歴史巨編の傑作。 ※当電子版は『ローマ亡き後の地中海世界』上下巻をまとめた合本版です。
  • 楽毅(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。 ※当電子版は新潮文庫版『楽毅』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 塩野七生ルネサンス著作集(1~7)合本版
    -
    1巻7,777円 (税込)
    見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった――フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。(『ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―』の内容紹介文より) ※当電子版は『塩野七生ルネサンス著作集』1~7をまとめた合本版です。
  • 救国ゲーム
    3.7
    1巻2,420円 (税込)
    “奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていた――。〈ドローン無差別攻撃〉のタイムリミットが迫るなか、集落の住人である陽菜子と〈死神〉の異名を持つエリート官僚・雨宮は、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。俊英が放つ、堂々たる本格ミステリ長編。
  • 憂行日記
    -
    ファーブルに憧れて自然豊かな松本高校に入学早々、日本は敗戦。社会の価値観は混乱し、家業の医者になることを期待される中、少年に文学への熱い思いが芽生えていく。登山、昆虫採集、卓球部、猛勉強、友との語らい――北杜夫18歳の息遣いを伝える稀有な日記。父・斎藤茂吉の作品に触発された多数の詩歌、自筆スケッチも収録。
  • 独身偉人伝(新潮新書)
    4.0
    非婚や少子化は国家の将来にとっては難題だが、個人の生き方とは別の話だ。恋多き人生を全うした男女もいれば、世を正しく導くため、あるいは社会を作り変えるという使命感とともに単身を貫いた人もある。エリザベス一世、マザー・テレサ、ニュートン、カント、津田梅子、小津安二郎……直接の子孫こそなくとも、偉大な事績を遺した「おひとりさま」19人の言行と信念から見えてくる、本当の「自分らしさ」とは。
  • 談志のはなし(新潮新書)
    3.0
    「情報を疑え、常識を疑え、地球儀なんぞ信用するな」。〈最後の名人〉と謳われた立川談志が逝ってはや十年。その活躍は落語界に留まらず、多くの著作や音源で金言・名言、芸論等を遺してきた。没後十年の節目に、高座などでは分からない「普段の談志」をもっと知って欲しい――前座生活十六年半。弟子の中で一番長く談志と時間を共にした著者だからこそ知る、唯一無二、笑いはもちろんホロリとさせるエピソードが満載!!
  • 職務質問(新潮新書)
    4.0
    「こんにちは、お時間いいですか!?」街頭で突然、警察官が声を掛けてくる。実際に職務質問をされた人にも、偶然そこを通り掛かった人にも、数多くの疑問が浮かぶはずだ。「どこをどう疑ったんだ」「任意なら拒否して帰れるだろ……」「持ち物検査なんて横暴だ」「何で同じ人間ばっかり!」善良な市民もそうでない人も、また現場警察官自身も必読。本邦初、元警察官の著者が赤裸々に描く〈街頭の真剣勝負〉の全貌。
  • 中国「国恥地図」の謎を解く(新潮新書)
    3.7
    かつて中国が列強に奪われた領土、すなわち「中国の恥」を描いた地図があるという。その名も「国恥地図」。その実物を手にした筆者は啞然とした。国境線は近隣十八か国を呑み込み、日本をはじめ三か国を切り取り、南シナ海をほぼ囲い込んでいたのだ。こんな地図がなぜ教科書に? 誰がなぜ作らせた? なぜ図面に「日本語」が?――執念の調査と取材で数々の謎を解き、中国の領土的野望の起源を明らかにする。
  • 亡国の危機
    3.0
    コロナ禍で混乱を極める政治、無礼な隣国、そして激化する米中の覇権争い――日本は今、戦後最大の“危機”の中にある。だがこれは戦後最大の“チャンス”でもある。日本の意思と努力で、国際社会の流れを変えるのだ。日本人が本来持っている「力」を結集すれば、必ず道は開ける。強く逞しい日本が世界のリーダーとなる処方箋。
  • 風の払暁―満州国演義一―(新潮文庫)
    4.1
    霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。(解説・馳星周)
  • 女系家族(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,386円 (税込)
    大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女の事まで認められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。 ※当電子版は新潮文庫版『女系家族』上下巻をまとめた合本版です。
  • 満州国演義(一~九)合本版(新潮文庫)
    5.0
    霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。 ※当電子版は新潮文庫版『満州国演義』一~九巻をまとめた合本版です。
  • はるか(新潮文庫)
    4.0
    賢人は小さな頃、海岸で一人の少女と出会い恋に落ちる。彼女の名は、はるか。大人になり偶然再会した二人は結婚するが、幸せな生活は突如終わりを告げた。それから月日は経ち、賢人は人工知能の研究者として画期的なAIを発明。「HAL‐CA」と名付けられたそのAIは、世界を一新する可能性を秘めていた――。『ルビンの壺が割れた』で大反響を呼んだ著者による、更なる衝撃が待つ第二作。
  • ミッキーマウスの憂鬱ふたたび(新潮文庫)
    4.1
    東京ディズニーランドで清掃のアルバイトをしている、永江環奈。ある日、彼女はテーマパークの顔として活躍するアンバサダーになれることを知り、挑戦を決意する。不可能だと言われながらも、周囲の応援を受け、夢に向かって前進する環奈。迎えた選考会当日は雨、さらに園内で大騒動が発生して。知られざる〈バックステージ〉を舞台に、仕事、家族、恋、そして働く者の誇りを描く、最高の青春小説。(解説・藤田香織)
  • せき越えぬ(新潮文庫)
    3.9
    東海道箱根の関所には、曰くありげな旅人が訪れる。離縁され故郷に帰る女。江戸から夜逃げをした夫婦……。実直な番士武藤一之介は、親友の騎山市之助から関所に関する法外な依頼をされる。一之介は逡巡するも決断する。友の人生の岐路に際し何もしないのは裏切りも同然。たとえこの身に害が及んでも必ず友を助けなければならない――。関所をめぐる人間ドラマを描いた圧巻の人情時代小説。(解説・末國善巳)
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)
    3.8
    富商の娘を娶り、藩の有力派閥の後継者として出世を遂げる三浦圭吾。その陰には、遠島になってまで彼を守ろうとした剣客・樋口六郎兵衛の献身と犠牲があった。十年後、島から戻った六郎兵衛。だが、二人は敵同士として剣を交えざるを得なくなる……。派閥争いに巻き込まれ、運命に翻弄されていく男たち。彼らは、何を守るために刀を振るうのか。真に大切なものを問う、葉室文学の円熟作。(解説・島内景二)
  • はしからはしまで―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    4.3
    看板娘のお瑛と兄の長太郎が営む三十八文店の「みとや」。のんきで憎めない兄が仕入れる品々は、毎度ちょいとした騒動を巻きおこす。その日も長太郎は、仕入れの荷も解かずに、笑顔で出掛けていったのだが……。残された板紅や水晶に込められた優しい思いとは。かけがえのない思い出と喪失を胸に、それでもお瑛は生きていく。兄と始めた、小さいけれど大切なこの店で。シリーズ第三弾の六編。(解説・大矢博子)
  • 名もなき星の哀歌(新潮文庫)
    3.3
    新卒銀行員の良平と漫画家志望の健太には裏稼業がある。人の記憶を小瓶に入れて売買する「店」だ。ノルマに追われ奔走する二人は、ある日、路上ライブで流浪の歌姫・星名と出会う。彼女の過去と歌詞に秘められた謎、一家焼死事件の生き残り、迫りくる脅迫者の影、そして、スワンプマンとは誰だ!? 絡まりあう幾多の謎が解けるとき、美しくも残酷な真実が浮かび上がる。新潮ミステリー大賞受賞作。(解説・新川帆立)
  • 星夜航行(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻1,100~1,155円 (税込)
    天正三年、三河国下和田村の馬飼い・甚五郎は、類稀なる馬扱いで家康の嫡男・三郎信康の小姓に取り立てられる。祖父と父はかつて家康に反旗を翻し、甚五郎は逆臣の遺児として生きてきたのだった。だが武士の日々は短く、家康の命により三郎信康は自害。甚五郎は出奔し、堺、薩摩、そして博多へ。活況の商都で船商いを営むが、そこへ秀吉の野望が――。歴史小説の巨星が掘り起こす不屈の男とは。
  • どうやら僕の日常生活はまちがっている
    3.7
    喉に刺さった魚の骨に悶絶するやいなや、スピーチを頼まれた同級生の披露宴をすっぽかす。地球最後の日に食べるものをひたすら想像しながら、寅さんの映画に突然涙する……。あの不敵な笑みを浮かべながら、ハライチ岩井が平凡な毎日に一撃を食らわせる。書き下ろしエッセイ、自筆イラストも収録した、読めば世界が変わる最新刊。 ※書籍版のモノクロ写真を、電子版ではカラーで収録しております。
  • あのころなにしてた?
    3.4
    1巻1,430円 (税込)
    感染者数の増減に一喜一憂したりと深刻さと楽観視がくるくる入れ替わる心理状況は、まるで洗濯機のなかで洗浄モードと脱水モードが繰り返され、生地がすり減っていく洗濯物みたいだ――。コロナ禍による創作への思わぬ影響、家族との生活の変化、めまぐるしい世界の動きを、パンデミック収束への願いをこめながら綴った2020年の日記。
  • おんなのじかん
    3.8
    だれかの物差しはもういらない。不妊治療も、流産も、ほとばしる推しへの愛も。今こそ、軽やかに臆さずに気の向くまま語ろう。私たちは「自分の言葉」を持っている。最高で最強のみんなたちへ贈る、本音炸裂のご機嫌エッセイ。第1回PEPジャーナリズム大賞オピニオン部門受賞「流産あるあるすごく言いたい」収録。
  • 虚空へ
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    「夥しい言葉の氾濫に、小さくてもいいから詩の杭を打ちたい」デビュー以来つねに第一線にありつづける国民的詩人、谷川俊太郎。70年の詩作を経て至った、瑞々しく自由なる新境地。誕生の不思議、いま触れている感覚、死の向こう……老いて一日は旅。軽やかにして豊かに凝縮された十四行詩88篇。
  • ウォーターダンサー
    4.3
    19世紀中盤、アメリカ・ヴァージニア州。神秘的な力を持つ黒人奴隷のハイラムは、奴隷逃亡のネットワーク「地下鉄道」の活動に加わることで、自らが持つ力の意味とその秘密を知っていく。秘密を解く鍵は失われた母の記憶――。トニ・モリスンが「ボールドウィンの再来」と絶賛した、いま最も注目される作家による初長篇小説。
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)
    4.1
    彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる――。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。没後に発見された感動、感涙の手記。(解説・児玉清)
  • 風林火山(新潮文庫)
    3.9
    疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し――。自ら謀殺した諏訪頼重の娘・由布姫を武田信玄の側室とし、子供を生ませることによって諏訪一族との宥和を計る独眼の軍師・山本勘助。信玄の子を生みながらも、なお一族の敵として信玄の命をねらう由布姫。輝くばかりに気高い姫への思慕の念を胸にして川中島の激戦に散りゆく勘助の眼前に、風林火山の旗はなびき、上杉謙信との決戦の時が迫る……。ロマンあふれる華麗な戦国絵巻。
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)
    3.6
    アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪! グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう? 東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは――。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。
  • フィッシュストーリー(新潮文庫)
    3.9
    最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。(解説・佳多山大地)
  • 乱鴉の島(新潮文庫)
    3.9
    犯罪社会学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。島を覆う死の気配。不可思議な連続殺人。孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。(解説・村上貴史)
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)
    4.4
    衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(解説・木村俊介)
  • 灼熱
    4.5
    1巻2,860円 (税込)
    沖縄生まれの勇と、日系二世のトキオ。一九三四年、日本から最も遠いブラジルで出会った二人は、かけがえのない友となるが……。第二次世界大戦後、異郷の地で日本移民を二分し、多数の死者を出した「勝ち負け抗争」。共に助け合ってきた人々を駆り立てた熱の正体とは。分断が加速する現代に問う、圧倒的巨篇。
  • 世界の知性が語る「特別な日本」(新潮新書)
    -
    近代日本は世界にとって如何なる存在だったのか。欧米列強を打ち負かした国であり、アジアを侵略した国であり、敗戦後に驚異的な復興を遂げた国。日本が歩んだ曲折の道のりは、他国の人々の精神にも大きな影響を与えてきた。リー・クアンユー、李登輝、ブトロス・ガリ、アンジェイ・ワイダ、オルハン・パムクら世界の政治家や知識人にインタビューし、それぞれの国が抱えた近代の葛藤と日本への特別な思いに迫る。
  • アホか。(新潮新書)
    3.5
    日々のニュースを眺めていると、出るわ出るわ、アホのオンパレード。腹立たしいほど考えなしの国会議員、欲望がこじれて独自の進化を遂げた変態、動機と行動がズレすぎた理解できない犯人……。「アホちゃうか」と呆れ返るような事件から、「アホか!」と怒鳴りつけたくなるような事件、「アホ丸出しやで」と笑ってしまうような事件まで。面白さに命を懸ける人気作家が思わず唸って書き留めた、92のアホ事件簿。
  • イルカと心は通じるか―海獣学者の孤軍奮闘記―(新潮新書)
    4.0
    イルカと話したい。しかし、著者には大きな弱点があった。大小かまわず船がダメ、泡を吹き、気絶したことも。これでは大海のイルカは追えない。ならば、「陸」のイルカの知能に迫ろう。水族館に通い続ける日々が始まった。ことばを教えるには、音か視覚か? シャチが実験に飽きた? そしてついに、シロイルカが「私」の名を呼んだ!?――孤軍奮闘の三十余年、変わり者扱いされながらたどりついた「夢のはじまり」を一挙公開。
  • ビートルズ(新潮新書)
    3.7
    1970年のグループ解散から数えて、すでに半世紀。にもかかわらず、いまなおカリスマ性を失わず、時代、世代を越えて支持され続けるビートルズ。いったん頂点に上り詰めても、たちまち忘れ去られるのが流行音楽の常なのに、なぜ彼らだけは例外なのか――。世界各地のポピュラー・ミュージックに精通する音楽評論の第一人者が、彼ら自身と楽曲群の地理的、歴史的ルーツを探りながら、その秘密に迫る。
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2
    4.3
    中学生の「ぼく」の日常は、今も世界の縮図のよう。授業でのスタートアップ実習、ノンバイナリーの教員たち、音楽部でのポリコレ騒動、ずっと助け合ってきた隣人との別れ、そして母の国での祖父母との旅――“事件”続きの暮らしの中で、少年は大人へのらせん階段を昇っていく。80万人が読んだ「親子の成長物語」、ついに完結。
  • 死体格差―異状死17万人の衝撃―
    4.0
    年間約17万人――高齢化が進む日本では、孤独死など病院外で死ぬ「異状死」が増え続けている。そのうち死因を正確に解明できるのは一部に過ぎず、犯罪による死も見逃されかねないのが実情だ。なぜ、死ぬ状況や場所・地域によって死者の扱いが異なるのか。コロナ禍でより混迷を深める死の現場を赤裸々な証言で浮き彫りにする。
  • 人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか―
    4.2
    ほぼ同じDNAをもつ二人が、何もかも異なるのはなぜか。毎日5個もの細胞が癌化しているのに、なぜ簡単には死なないのか。生命体とウイルスのちがいとは――。医療・医学の最前線を取材し、7000杼個の原子の塊が2キロの遺骨となって終わるまでのすべてを描き尽くした、全米各紙絶賛のエンタメ・ノンフィクション!
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 無料お試し版
    無料あり
    4.7
    13歳になった「ぼく」の日常は、今日も騒がしい。フリーランスで働くための「ビジネス」の授業。摂食障害やドラッグについて発表する国語のテスト。男性でも女性でもない「ノンバイナリー」の教員たち。自分の歌声で人種の垣根を超えた“ソウル・クイーン”。母ちゃんの国で出会った太陽みたいな笑顔。そして大好きなじいちゃんからの手紙。心を動かされる出来事を経験するたび、「ぼく」は大人への階段をひとつひとつ昇っていく。そして、親離れの季節が――80万人が読んだ「一生モノの課題図書」、ついに完結。「第1章」「第2章」無料お試し特別版! ※本作品の製品版は2021年9月16日より配信いたします。

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  • エリザベスの友達(新潮文庫)
    4.0
    戦後、命からがら娘と日本に引き揚げた初音さんは今年九七歳になる。もう今では長女の顔もわからない。病が魂を次々と剥いでゆくとき、現れたのは天津租界でのまばゆい記憶だ。ドレスに宝石、ミンクを纏い、ある日はイギリス租界の競馬場へ、またある日はフランス租界のパーマネントに出かけ、女性たちは自由だった――時空を行き来しながら人生の終焉を迎える人々を、あたたかく照らす物語。(解説・岸本佐知子)
  • センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)
    4.3
    雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。未知なる神秘に目をみはる感性を取り戻し、発見の喜びに浸ろう。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。川内倫子の美しい写真と新たに寄稿された豪華な解説エッセイとともに贈る。(解説・福岡伸一、若松英輔、大隅典子、角野栄子)
  • 文豪たちの友情(新潮文庫)
    3.6
    佐藤春夫と堀口大學は、仲良しすぎて恋人だと疑われた? 芥川龍之介は友達を思って己のパンツを貸した? 国木田独歩と田山花袋はケンカばかりなのに同居していた? 「ぼくのお父さんになって」と懇願される夏目漱石? 近現代史にその名をとどろかせる文豪たち。彼らの人間関係は一口に友情と呼ぶのもはばかられるほど濃厚な魅力に満ちていた。文庫化に際し、新章を加え大幅改稿した完全版。
  • 天誅の剣(新潮文庫)
    3.0
    幕末師走。長州藩の志士山尾庸三と伊藤俊輔は、夜の九段坂で暗殺を決行した。義挙と信じていたが、改革派の村田蔵六から厳しく叱責される。翌年、二人は村田の助力で仲間と密航、ロンドンでその先進性に驚愕した! だが帰国してみると、世は守旧の激徒が暗躍し、村田の身にも危機が――。時は流れ、ハルビン駅頭。韓国併合に反対の伊藤が、凶弾に斃れる。〈天誅〉を主題に描く渾身の歴史小説。
  • 最後の読書(新潮文庫)
    3.7
    目はよわり、記憶はおとろえ、蔵書は家を圧迫する。でも実は、老人読書はわるいことばかりではないよ――。鶴見俊輔、幸田文、須賀敦子……。長い歳月をたずさえて読む本は、豊かで新鮮なよろこびに満ちている。親しい仲間や敬愛する先達との別れを経験しながら、それでも本と出会い続けよう。本を読み、つくり、書いてきた読書人が、その楽しみを軽やかに綴る現状報告。読売文学賞受賞作!(解説・鈴木敏夫)
  • 出雲世界紀行―生きているアジア、神々の祝祭―(新潮文庫)
    3.4
    子供から老人までが熱狂する神楽、「荒神様有り」と記された不思議な不動産広告。神話を信じて卵を食べない町や、なぜか観光客が絶えない謎の町。出雲・石見・境港。旅するうちに見えてきたのは……。目に見えない存在を信じる暮らしや、伝統を支える持続可能な知恵、遠く東南アジアにまでつながる文化の〈地下茎〉だった。そして旅は、温かい涙が流れるクライマックスへ。『どこにでも神様』改題。(解説・志川節子)
  • トリニティ(新潮文庫)
    4.0
    1巻935円 (税込)
    仕事、結婚、男、子ども……私はすべて手に入れたい。欲張りだと謗られても――。1960年代、出版社で出会った三人の女。ライターの登紀子は、時代を牽引する雑誌で活躍。イラストレーターの妙子は、才能を見出され若くして売れっ子に。そして編集雑務の鈴子は、結婚を機に専業主婦となる。変わりゆく時代の中で、彼女たちが得たもの、失ったもの、そして未来につなぐものとは。渾身の長編小説。(解説・梯久美子)
  • 仇討検校(新潮文庫)
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    鍼灸道を確立し、五代将軍綱吉の御殿医にまで登りつめた鍼聖・杉山検校。じつは、贋者だった!? 一度でも人を斬り殺したものは、血塗られた仇討の連鎖からは逃れられないのか。怨念の呪縛に囚われ、自らを偽り、仕込み杖を携え盲目を装い、因果の大渦から逃げ続けた恩讐の彼方に、その目が見たものは――。目眩くほど壮絶な八十五年の生涯を描く、一気読み必至の大作。『見返り検校』改題。(解説・細谷正充)
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)
    4.8
    「バナナフィッシュにうってつけの日」のラストは主人公の自殺ではなかった!? 前代未聞の問いは天才作家の作品世界全体に及び、やがては『ライ麦畑』までが……。世界最高峰のミステリ賞〈エドガー賞〉の評論・評伝部門で日本人初の最終候補となった「文学探偵」が弟子と読み解く新たなサリンジャーの世界。
  • 言論統制というビジネス―新聞社史から消された「戦争」―(新潮選書)
    4.5
    「軍部の弾圧でペンを折らざるを得なかった」は虚構だった。「報道報国」の名の下、部数を貪欲に追い求めた新聞社は、当局に迎合するだけの記者クラブを作り、唯一の統制機関「内閣情報局」に幹部を送り込んだ。そして、ライバル紙を蹴落とすために地方紙大合併を仕掛け……。戦争を利用し尽くしたメディア暗黒史。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    3.8
    「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。
  • 室町無頼(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,342円 (税込)
    応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任される素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。 ※当電子版は新潮文庫版『室町無頼』上下巻をまとめた合本版です。
  • ハンニバル(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    あの血みどろの逃亡劇から7年――。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」……。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。 ※当電子版は新潮文庫版『ハンニバル』上下巻をまとめた合本版です。
  • 双頭の鷲(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,738円 (税込)
    時は、中世。イングランドとの百年戦争で、劣勢に陥るフランスに登場したベルトラン・デュ・ゲクラン。このブルターニュ産の貧乏貴族、口を開けば乱暴粗野なことばかり。だが幼き日より、喧嘩が滅法強いベルトラン、見事な用兵で敵を撃破する。神は、武骨なその男に軍事の大才を与えたもうた! 鉄人チャンドスは戦慄し、好敵手グライーは闘志を燃やす――。歴史小説の新たなる傑作。 ※当電子版は新潮文庫版『双頭の鷲』上下巻をまとめた合本版です。
  • 君たちに明日はない(1~5)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻3,399円 (税込)
    「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。 ※当電子版は新潮文庫版『君たちに明日はない』1~5巻をまとめた合本版です。
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)
    4.0
    第二次大戦末期、わずか一年足らずの空爆で約46万人もの命が奪われた。すでに敗色濃厚の日本に対して、なぜそれほど徹底的な爆撃がなされたのか。最大の理由は、空爆を実行したアメリカ航空軍の成り立ちにあった。当時、陸軍の下部組織という立場にあり、時に蔑まれてきた彼らが切望するものは何だったのか。半世紀ぶりに発掘された将校ら246人の肉声テープが浮き彫りにする「日本大空襲」の驚くべき真相とは。
  • 中国「見えない侵略」を可視化する(新潮新書)
    4.0
    研究費は五年で二億円――「千人計画」に参加する日本人研究者は破格の待遇をこう明かす。激しさを増す米中対立を背景に、中国がいま狙うのが、「軍事アレルギー」が根強い日本が持つ重要技術の数々だ。中国人留学生による知的財産の収集、殺戮ドローンやゲノム編集攻撃といった新たな軍事技術の開発など、経済安全保障を揺るがす専制主義国家の脅威を総力取材で明らかにする。
  • 楽観論(新潮新書)
    3.7
    「日本はもうダメだ」「世の中悪くなる一方」。SNSでもメディアでも、聞こえるのは嘆きの声ばかり。たしかに世界は順風満帆ではないし、悲観論は人を賢く見せる。だが、僕たちはこの世界で生きていくしかない。だったらせめて、楽観的に捉えてみたらどうだろう。どんな出来事も視点をずらして眺めれば、違った景色が見えてくる。危機の時代、安易な厭世論に陥らず軽やかに生きるためのヒント。
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)
    4.2
    日本の漫画は世界でも希有な文化である。中でも少女マンガは男性とは異なる視点で新たな物語を生み出してきた。その第一人者である萩尾望都が2009年、イタリアで行った講演で繙いた、『リボンの騎士』から『大奥』へ至る少女マンガ史、そして、自作の解説と創作作法を収録。'19年にデビュー50周年を迎えてなお現役であり続ける著者が、日本独自の文化である少女マンガの「原点」と「未来」を語る一冊。(解説・中条省平)
  • これはただの夏
    3.9
    1巻1,595円 (税込)
    青春は遙か彼方へ過ぎ去り、自分より好きだった人はもういない。なんとなく独身で、テレビ制作会社の非人道的な労働環境下で働いてきた夏、ボクにバグが起きる。その瞬間、手にしたかったものが目の前を駆け抜けたような気がした。「この切なさは事件だ」とネットと文学界をザワつかせた著者の最新作、切なさと事件はつづく!
  • 道化むさぼる揚羽の夢の
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    広大な地下工場で蛹に拘束され、羽化=自由を夢見る男。異様な労働、模造の蝶、監督官による殴打、地中の街。理不尽な状況から逃れるため、命懸けで道化を演じるが――。不条理な世界で人間に本当に必要なものは何か。そこで人はどう生き延びるのか。注目の新人作家が圧倒的力量で放つ、コロナ禍の現実と響き合う傑作長篇。
  • 冥界からの電話(新潮文庫)
    3.0
    私の古くからの友である医師の高林先生には、時折電話をするひふみという女子高生の友人がいた。だがある日、彼女は事故で亡くなったと知る。その日を境に、死んだはずのひふみから電話がかかってくる日々が始まったのだ――。なぜそんなことが起きるのか、死後の世界のことはわからない。わからないけれど書かずにはいられなかった、97歳の著者が実体験よりたどり着いた渾身のメッセージ。(解説・室井滋)
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)
    4.0
    煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈祷師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。(解説・篠田節子)
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)
    3.7
    私は73歳の新人スパイ、コードネーム・ルーキー。初任務で市長を暗殺するはずが、友だちになってしまった……。福音を届けにきてペーパーナイフで殺されたイエス・キリスト。泥棒稼業の隣人マダム。うっかり摘発したワリダカ社長の密造酒工場。森で出会った巨大なリス・キョリス!? 一度ハマれば抜け出せない。連鎖する不条理が癖になる傑作ユーモア・スパイアクション。(対談・伊坂幸太郎)
  • 「私」を受け容れて生きる―父と母の娘―(新潮文庫)
    4.0
    それでも、人生は生きるに値する。彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられる。大学を卒業後、絵本の編集者となり、皇后美智子様の講演録『橋をかける』を出版。だが、華々しい成功の陰には、幾多の悲しみがあった。夫の突然死、息子の難病と障害、そして移住した岩手での震災……。どんな困難に遭っても、運命から逃げずに歩み続ける、強くしなやかな自伝エッセイ。(解説・山根基世)
  • 数学者たちの楽園―「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち―(新潮文庫)
    3.6
    アメリカの超人気アニメ『ザ・シンプソンズ』は、ハーバード大学の数学者たちがシナリオを書き、超難解な「数学トリビア」がちりばめられていたこと、ご存じですか? 番組の熱狂的ファンである著者が、シンプソンズ一家が繰り広げるドタバタ風刺アニメに隠された数学の魅力とサブカル的ディテールを語り尽くす。アメリカの知性あふれる笑いと毒の粋を発掘する異色の科学ノンフィクション。(解説・竹内薫)
  • 黒革の手帖(上下)合本版(新潮文庫)
    1.0
    1巻1,232円 (税込)
    7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させることに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。 ※当電子版は新潮文庫版『黒革の手帖』上下巻をまとめた合本版です。
  • 羊たちの沈黙(上下)合本版(新潮文庫)
    4.0
    獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリス・スターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが――。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する“悪の金字塔”! ※当電子版は新潮文庫版『羊たちの沈黙』上下巻をまとめた合本版です。
  • 砂の器(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。 ※当電子版は新潮文庫版『砂の器』上下巻をまとめた合本版です。
  • 暗号解読(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ! ※当電子版は新潮文庫版『暗号解読』上下巻をまとめた合本版です。
  • 雄気堂々(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,452円 (税込)
    近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊皇攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。 ※当電子版は新潮文庫版『雄気堂々』上下巻をまとめた合本版です。
  • 海底二万里(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作、新訳。 ※当電子版は新潮文庫版『海底二万里』上下巻をまとめた合本版です。
  • 孤高の人(上下)合本版(新潮文庫)
    4.7
    1巻1,474円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。 ※当電子版は新潮文庫版『孤高の人』上下巻をまとめた合本版です。
  • 宇宙創成(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    宇宙はいつ、どのように始まったのか? 人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。 ※当電子版は新潮文庫版『宇宙創成』上下巻をまとめた合本版です。
  • 村上ラヂオ(1~3)合本版(新潮文庫)
    -
    公園のベンチで食べる熱々のコロッケパン。冬のゴルフコースをスキーで走る楽しさ――。オーバーの中に子犬を抱いているような、ほのぼのとした気持ちで毎日をすごしたいあなたに、ちょっと変わった154のエッセイを贈ります。柿ピーの諸問題、楽しいレストランでの大惨事(?)から、きんぴら作りに最適なBGM、そして理想的な体重計の考察まで、小さなドラマが一杯! ※当電子版は新潮文庫版『村上ラヂオ』1~3巻をまとめた合本版です。
  • ワイルド・ソウル(上下)合本版(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    その地に着いた時から、地獄が始まった――。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。 ※当電子版は新潮文庫版『ワイルド・ソウル』上下巻をまとめた合本版です。
  • 雲霧仁左衛門(前後)合本版(新潮文庫)
    3.0
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。 ※当電子版は新潮文庫版『雲霧仁左衛門』前後巻をまとめた合本版です。
  • 罪と罰(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。 ※当電子版は新潮文庫版『罪と罰』上下巻をまとめた合本版です。
  • カラマーゾフの兄弟(上中下)合本版(新潮文庫)
    -
    物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。 ※当電子版は新潮文庫版『カラマーゾフの兄弟』上中下巻をまとめた合本版です。
  • ローマ人の物語(I~XV)合本版
    -
    1巻22,319円 (税込)
    知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。もはや古典といっても過言ではない歴史大作シリーズの電子版が待望の配信開始! ※当電子版は『ローマ人の物語』I~XV巻をまとめた合本版です。

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  • 半歩先を読む思考法
    3.6
    来るべき未来は半歩先から始まっている――。研究者、教育者、メディアアーティスト、経営者……。ジャンルの垣根を越え、新たな価値を生み出し続ける異才は、どう時代と対峙し、考えを深化させているのか? 混迷を極めるパンデミックの中で、将来への展望を開くために必要な思考プロセスを明かした、革新的「考える流儀」。
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)
    3.7
    原爆投下は、たった一語の誤訳が原因だった――。突き付けられたポツダム宣言に対し、熟慮の末に鈴木貫太郎首相が会見で発した「黙殺」という言葉。この日本語は、はたして何と英訳されたのか。ignore(無視する)、それともreject(拒否する)だったのか? 佐藤・ニクソン会談での「善処します」や、中曽根「不沈空母」発言など。世界の歴史をかえてしまった誤訳の真相に迫る!
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)
    4.3
    1995年3月、日本中を震撼した国松孝次警察庁長官狙撃事件。特別捜査本部を主導する警視庁公安部がオウム犯行説に固執する一方、刑事部は中村泰なる老スナイパーから詳細な自供を得ていた。だが、特捜本部は中村逮捕に踏み切らず、事件は時効を迎えてしまう。警察内部の出世とメンツをかけた暗闘や、中村の詳細な証言内容など極秘捜査の深層を抉るノンフィクション。
  • オリンピア1936 ナチスの森で(新潮文庫)
    3.5
    1936年夏、ヒトラーはベルリン大会の開会を高らかに宣言した。それはナチスが威信を賭けて演出した異形の大会にして、近代オリンピックの原点となった――。著者は、そのすべてをフィルムに焼きつけて記録映画の傑作『オリンピア』を産み落としたレニ・リーフェンシュタールの取材に成功する。さらに、激しく運命が転回した日本人選手の証言によって大会を再構築した傑作ノンフィクション!
  • オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉(新潮文庫)
    4.0
    近代オリンピック百年の節目となった1996年大会は、父祖の地アテネを押しのけ、グローバル資本を背景にもつスポンサーとテレビ局によってアメリカ・アトランタに持ち去られて開幕。著者は全日程をつぶさにレポートしつつ、五輪はいまや「滅びの道」を歩んでいるのではないかという仮説を抱くのだった……。一見華やかだが、巨体に悶え、岐路に立たされる五輪の姿を見出した最前線傑作ルポ。(解説・阿川佐和子)
  • ハイドラ(新潮文庫)
    3.8
    出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた――。有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。
  • マリアージュ・マリアージュ(新潮文庫)
    3.7
    キスをして抱きしめられ、初めて普通の状態になれたあの頃。今の私は年下の彼に、昔の自分を重ねてしまう(「試着室」)。私の性を抑圧し続けてきた、私に対して1ミリも動かなくなった彼の性器に、今、私は復讐をした(「ポラロイド」)。他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった(「献身」)。幸福も不幸も与え、男と女を変え得る愛と結婚の、後先を巡る六つの短篇。
  • 軽薄(新潮文庫)
    4.2
    18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を越えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していた――。二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。喪失と再生の純愛小説。
  • マザーズ(新潮文庫)
    3.9
    同じ保育園に子どもを預ける作家のユカ、モデルの五月、専業主婦の涼子。先の見えない育児に疲れ切り、冷めてゆく一方の夫との関係に焦燥感を抱いた母親たちは、それぞれに追い詰められてゆくが……。子どもへの愛情と憎しみに引き裂かれる自我。身も心も蝕む疲労、そして将来への深い不安――。不倫、虐待、流産などのタブーにあえて切り込み、女性性の混沌を鮮烈に描く話題作。
  • 象の皮膚
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    肌を見られたくない、でもこの苦しみを知って欲しい。五十嵐凜、非正規書店員6年目。アトピーの痒みにも変な客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。そこに起こった東日本大震災。本を求める人々。彼女はそのとき、人間の本性を目撃する。現役書店員が描く、圧倒的リアリティで各紙絶賛の話題作。
  • 明石家さんまヒストリー2 1982~1985 生きてるだけで丸もうけ
    4.0
    『ひょうきん族』での活躍によって、全国区の人気を獲得した明石家さんま。雑談芸の確立、「アミダばばあ」「ナンデスカマン」など人気キャラクター誕生秘話、ビートたけしやタモリとの火花散る攻防戦、悲しい別れと、人生観を大きく変えた大事故まで――。運命を分けた東京での大勝負。芸人としての覚悟を決めた4年間の全貌に迫る!
  • 骨を撫でる
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    「きょう日、みな金、金、金や。けったくそ悪い」どの家にもそれぞれ汚点となる人間がいた。そこから家族にがたがくるのか、家族にがたがきているから勝手をする人間が出てくるのか。わりを食うのは優しく、弱い立場の人間だ――。土地と血縁に縛られ、しぶとく、したたかに生きる人間の姿を描き出す表題作ほか一篇収録。
  • さよならは仮のことば―谷川俊太郎詩集―(新潮文庫)
    3.7
    「僕はやっぱり歩いてゆくだろう……すべての新しいことを知るために/そして/すべての僕の質問に自ら答えるために」(「ネロ」)。19歳でデビュー以来、70年にわたって言葉の可能性を追求し続けてきた国民的詩人。国語教科書の定番「朝のリレー」「春に」、東日本大震災で話題となった「生きる」等、豊饒かつ多彩な作品群から代表作を含め独自に編集。その軌跡をたどり、珠玉を味わう決定版詩集。(解説・小津夜景)

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