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広大な地下工場で蛹に拘束され、羽化=自由を夢見る男。異様な労働、模造の蝶、監督官による殴打、地中の街。理不尽な状況から逃れるため、命懸けで道化を演じるが――。不条理な世界で人間に本当に必要なものは何か。そこで人はどう生き延びるのか。注目の新人作家が圧倒的力量で放つ、コロナ禍の現実と響き合う傑作長篇。
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Posted by ブクログ
極限状態から解放された時、通常では考えられない物事に喜びを感じ取り憑かれてしまう。
洗脳は、この様に行われるのだと分かった。
それにしても蛹の格好をした拘束から解放された時、蝶になる事を夢見るものなのだろうか。
人は理不尽な暴力すら肯定してしまう程、自分のしている事に意味があって、存在する事が許されなければ生きて行く事が出来ない。
自分に価値がなければ、他の生命を食らって生きていく事など出来ない。
姿形を似せても、造り物と生命ある物とは違う。
無機質だけに囲まれて生きるのは苦痛だ。
自分の生命に意味を見いだせなくなった主人公は、躍動する生命を感じながら死を迎える事を望んだ。
自分は全体から見れば無に等しい存在だけど、少しでも世の役に立っていると実感しながら生きて行きたい。
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