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Posted by ブクログ
生まれつきの重度のアトピー性皮膚炎で幼い頃から家族にも同級生にも教師にも疎まれ、そんな周りの人のことも疎んでいる主人公の五十嵐凛。
大人になって、書店で契約社員として働き、日々同僚や上司との人間関係や困った客を相手に過ごしている。その最中に東日本大地震が起きる。店の片付けをする中で、あるいは営業を再開する中で垣間見える人間の本性。
まだライフラインも復旧しない中で営業を再開した書店に押しよせ、「なぜ新刊が手に入らないんだ!」と怒号を浴びせる客、「なぜこんな時に営業を再開するんだ!」というクレーム、チャリティーで訪れる歌手の対応に苦しむ書店員たちの姿に悲しみや諦め、憤りを感じるけれどこれがリアルなのだろう、という気にさせられる。
非正規で働き余裕のない生活、家族からも受け入れられない孤独感、アトピーで痒い身体を掻きたい、でも掻けない、という苦しみ、震災後、薬も食料も思うように手に入らないという辛さ、という主人公の描写から、この作品は震災後小説であり、光の当たりにくい社会の一片を切り取った作品だと感じた。
Posted by ブクログ
アトピーの痒みに支配された女性書店員、五十嵐凛の生きづらい日常である。
本人にしかわからない痒みと日々たたかっているのがとてもわかる。
物心つく頃だろうか、兄も弟も丈夫で綺麗な皮膚なのに自分だけが…という思い。
小学校で「あいつはカビ」だと言われて級友や教員を避けて、教室の隅でじっとしていた我慢の6年。
中学で新たな級友の視線を感じ、「首黒いね」からカビという呼び名から象女になる。
家族でも兄からは露骨に汚いと言われる。
父は「おまえは気合いが足りない」と言う。
ひとり暮らしするようになり、たまに実家に帰れば母から「あんたに愚痴を言う資格はない」と…。
非正規で未婚だからか。
職場でもアトピーを長袖で隠し、男性スタッフが少ないなか、万引き犯や転売屋やハードクレーマーとの闘いの毎日である。
そして、災害があり…
何があろうと皮膚は痒い。
痒みがなくなることはない。
なんとかしたいが、どうにもならないのが皮膚なのか…。
皮膚が自分自身だった。は辛すぎるだろう…
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