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かつて中国が列強に奪われた領土、すなわち「中国の恥」を描いた地図があるという。その名も「国恥地図」。その実物を手にした筆者は啞然とした。国境線は近隣十八か国を呑み込み、日本をはじめ三か国を切り取り、南シナ海をほぼ囲い込んでいたのだ。こんな地図がなぜ教科書に? 誰がなぜ作らせた? なぜ図面に「日本語」が?――執念の調査と取材で数々の謎を解き、中国の領土的野望の起源を明らかにする。
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Posted by ブクログ
<目次> はじめに 第1章香港返還後の国恥地図ブーム 第2章小学生の地理教科書に国恥地図 第3章もう1枚の中華国恥図は描く南シナ海 第4章蒋介石が始めた国恥教育 第5章国恥地図になぜ日本語が 第6章地図には美を科学と主張がある 第7章金港堂と上海商務印書館により合弁教科書 第8章社長暗殺とその後の国...続きを読む恥地図 第9章見るべき5つの国恥地図 第10章貧しい時は我慢し、富んだ時に復讐する おわりに 2021/10/20発行 発行された時に話題になったが、1年後に購入。 筆者は、日本へ政治亡命した中国人の父と日本人の母を もつ東京生まれ慶応卒の、在nyのジャーナリスト。 反日教育は蒋介石によってはじめられ、ccpに引き継がれていったことは知らなかった。 そして、この国恥地図は日本人が作成した地図とその技術が元になっていることには興味深い。
いつもながらよくりさーちされて
筆者のバックボーンがあるからとは思いますが、いつもながらよく調査されています。中国問題をみる時の羅針盤になります。また、共産主義以外の歴史もあったことをみることができます。
#深い
ユーラシア大陸の東の端にある中国は多くの国と国境を接している。陸上で言えば北朝鮮、ロシア、モンゴル、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド、ネパール、ブータン、ラオス、ミャンマー、ベトナムの計14カ国との国境が存在する。更に海を挟んだ近隣諸国には当然ながら我が国日本...続きを読むやフィリピン、インドネシアなど東南アジアの国々が存在し、間にある海洋およびそこに存在する島嶼に於いて、国境問題を抱えている。我々日本人に関係するところでは、尖閣諸島に関して、実効支配する日本に対して、中国や台湾が領有権を主張しており、自衛隊のスクランブル発進(領海領空侵犯)が毎日の様に繰り返されている。 そもそも国境とは山河や河川などで隔てらる陸上であれば、その自然的根拠を起源とする自然的国境と、アフリカ諸国の直線的な国境が示す様に、条約やそこに住んでいる民族などで分ける人為的国境の2種がその根拠となる。後者は19世紀のヨーロッパによる植民地政策など、経済的利権により大国間で締結された条約がベースとなる事が多く、現在もなお隣接する国家同士で争う原因となっている。通常はそこに暮らす住民同士は国境を意識する以前の古い時代から互いに交流があったはずだから、双方に透過性(自由に行き来できる)がある事が望ましいが、第二次対戦後の東西ドイツの様に壁を敷いて人為的に行き来できない様にしたり、トランプ政権が移民流入防止のために設けた壁が存在するケースも多い。これは国境そのものが政治的、経済的な「分割」としての背景を有している事から常々争いの火種となる。海上となれば排他的経済水域の概念が加り、話を更に複雑にする。 本書は主に現在も中国とその周辺諸国の間で大きな問題となっている南沙諸島を始めとする、中国の国境に対する考え方の根拠に迫る内容となっている。タイトルにある「国恥地図」とは、その名の通り、中国が他国の侵略により「奪われた」かつての領土を示した地図であり、中国人にとって過去の屈辱的な出来事を示した地図となっている。然し乍らその根拠や作成経緯、元となる地図の存在などに不明確な部分が多く、正に、何を以てして同国が現在に続く領土紛争に至っているかを解明するヒントになるものである。国恥に注目すれば、それは自国民に対してそれを取り戻さなければならない、という、わかりやすいメッセージになっているし、本書内でも触れられているが、中国人の大学教授の様な知識階層にまで、その意識は深く根ざしたものとなっている。作成時期が太平洋戦争の時代の影響を色濃く受ける時期に重なる事から、当時の反日教育や国内問題から国民の目を背けさせる為の教育に使われた事が原因となる。この為、一般的な中国人はかつての領土として精神意識の深いところまで常識として刷り込まれ、南沙諸島で経済軍事的な活動を強化する自国の動きにも「当然」といった認識を与えている様だ。国境は前述した様に、経済的な争いの要因になるから、この解決が難しい事を容易に理解させてくれる。これは極端な話ではあるが、沖縄がかつて朝貢貿易を行った中国歴代王朝の属国として見られており、未だに沖縄は中国の一部という考え方がある事にも繋がる。そうなれば、日本自体にも同様のロジックが適用され、日本は中国の一部という論理の飛躍を飛び越えた極論にまで話が及ぶ。なお、それを見越した訳ではないだろうが、小野妹子の遣隋使を派遣し、「日いづる国(日本)の天子」として対等な立場を主張したと言われる聖徳太子は、海洋技術が現在よりはるかに劣るその時代にあっても国家間の紛争にまで充分に対策を打っていた見識の広さに改めて脱帽する。 本書内では、対中国国境紛争で話題に上がることの多い「九段線」の成り立ちに迫る部分もあり中々読み応えのある内容となっている。いつからか自国に利益のあるものは何でも正当化して主張する(国際的には当然の態度の様にも思えるが)中国の態度が、先鋭化していく流れを理解するのにも役立ち、使えるものは何でも使うという中国人の国民性の理解にも繋がっていく。態度を表に出す事を善としない日本人との間に、理解し合えない部分が多いことも当たり前である。その日本はかつて中国を侵略した側でもあり、特に両国間で尖閣諸島問題の解決は未だ未だ先になるであろう事は容易に想像がつくが、気付いたら沖縄を巡る国境紛争になっていない事を願うばかりである。 ユーラシア大陸に偉大な大国家「元」を築いた中国。そのうちモンゴルあたりに中国はモンゴルの一部である、という主張をされないよう気をつけた方が良いかもしれない。何より国境紛争が行き過ぎれば、ロシアとウクライナな様な泥沼の戦争に成りかねず、政治的な解決が難しければ、外交上の究極手段として武力に訴えるのは当たり前であるから、日本の防衛力に対する不安も、本書を読みながら強くした次第である。
中国国民党の時代に作成された国恥地図の歴史と展開、現代への影響を語る。国恥地図とは、清朝末期以降に外国に奪われたり独立した元領土・領海を示した地図。 もともとの国恥地図の作成過程を探して解き明かす歴史探訪の部分が思いの外面白い。 現代政治への影響などの分析の部分は、掘り下げが浅くて取ってつけた感じ。
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中国「国恥地図」の謎を解く(新潮新書)
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譚ろ美
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