中央公論新社作品一覧
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4.0首都を背後に控えた東京湾。ハゼにダイオウイカ、ゴブリンシャークにシャコ、ハマグリにアマモ……。水深600mの深海から旧日本軍の要塞、干潟まで、表情豊かな海に生息する生き物は、なんと魚だけで700種以上! 川崎に流れ着いた巨大な生き物とは? 水質は改善されていないって本当? お台場で海水浴できるのはいつ? かつて「死の海」とまで呼ばれた湾と向きあい続けた海洋環境研究家が語る、その魅力のすべて。東京湾再生アンバサダー・桝太一アナとの「生物多様性対談――この夏は、干潟へダッシュ!」も収録!
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3.7およそ半世紀前に産声をあげたインターネット。そのテクノロジーが生み出した新しい「世界」は社会、経済、文化、時間、家、あらゆるものをつなぎ、変化させた。しかし常時接続や無線接続、IoTのなかでその輪郭は消失し、自由と可能性に満ちた「世界」は、むしろ閉ざされつつあると家入氏は指摘する。パソコン通信からSNSを経由し、サーバー事業やプラットフォーム事業、さらに都知事選まで、ネットと共に人生を歩んできた氏が、なぜ今その「世界」に別れを告げるのか? 果たしてその「世界」の未来の姿とは? これは、その「輪郭」を取り戻すための思想の旅。
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4.0李光洙は韓国の夏目漱石である。近代文学の祖とされ、知らぬ者はいない。韓国併合前後に明治学院、早大で学び、文筆活動を始めた李は、3・1独立運動に積極関与するが挫折。『東亜日報』編集局長などを務め、多くの小説を著した。だが日中戦争下、治安維持法で逮捕。以後「香山光郎」と創氏改名し日本語小説を発表。終戦後は、「親日」と糾弾を受け、朝鮮戦争で北に連行され消息を絶つ。本書は、過去の日本を見つめつつ、彼の生涯を辿る。
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5.0戦場で命を落とした者たちはなぜ、霊魂となってもなお祖国へと帰ろうとするのか。ガダルカナル、ニューギニア、フィリピン、硫黄島、朝鮮半島、そして沖縄。さまざまな場所で、戦死者たちを、その家族たちを長年にわたり取材してきた著者が〈怪異譚〉を通して綴る鎮魂の記。
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3.719世紀半ば、日本へ輸入された写真。日露戦争を経て新聞・出版メディアが拡大するなか報道写真が成長。第二次世界大戦時にはプロパガンダに利用され、また敗戦直後には「マッカーサーと天皇」の写真のように、社会に大きな影響力を持つようになった。戦後は戦禍や公害問題を追及するリアリズム写真が隆盛を誇ったが、経済成長とともに私的テーマ、広告へと多彩化する。本書は1974年まで120年に及ぶ歴史を描く。
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3.0大リーグでの日本人選手の活躍、WBCでの連続優勝…。日本の野球は世界の頂点を極めつつあるように見える。ただ、その歴史に暗黒の時代が刻まれていることを知る人は少ない。昭和七年、学業軽視、選手獲得に金銭が動くことを懸念した文部省は「野球統制令」を公布。さらに、泥沼化する戦況のもと、野球部排撃の動きが全国に広がった。粛正、弾圧を潜り抜け、物資窮乏の中、焦土の上に復活する苦難の日々を史料と証言で辿る。
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3.9一九五四年、松沢病院の医師として一人の殺人犯を診察したときが、著者の死刑囚とのはじめての出会いであった。翌年、東京拘置所の精神科医官となってから、数多くの死刑囚と面接し、彼らの悩みの相談相手になることになる。本書では著者がとくに親しくつきあった人たちをとりあげてその心理状況を記録する。極限状況におかれた人びとが一様に拘禁ノイローゼになっている苛酷な現実を描いて、死刑とは何かを問いかけ、また考える異色の記録。
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3.4「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」 出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。 ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。 〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕 誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。 とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。 その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。 (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)
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3.8なぜ日本は世界を敵に回す戦争を起こしたのか? 今の日本人は、その意味を正しく捉えられているか? わかりやすい「欺瞞的な説明」を排し、軍事面や外交面にとどまらず、政府や日銀の政策を軸に「あの戦争」を再考。財務出身官僚が、新たな視点で描く戦前日本の「失敗の本質」。
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3.8世の多くの人達は日常を退屈と見なし、さまざまな形でロマンティックな世界に憧憬を抱く。ところがここにロマン主義の弱点を見抜き、持前の機智とユーモアと皮肉と諷刺で平凡な日常を非凡な喜劇的世界に転じた作家がいる。漱石が「平凡の大功徳」を心得た写実の大家と絶讃し、山本健吉が「世界で一番平凡な大作家の一人」と評した、英国の天才女流ユーモリスト、ジェイン・オースティンである。その生涯と作品の全貌を描く。
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3.5尾張の織田弾正忠家の当主信秀は、小嶋日向守信房の娘・雪を見初め継室とするが、雪は出産直後に儚くもこの世を去るのだった。母の命と引き換えに生を受けた子は吉法師と名付けられる。吉法師は負けん気の強い少年へと成長し那古野城の城主となるが、たびたび城を抜け出しては城下の子供たちを家来にして遊び回っていた。そして、短袴に小袖を羽織り、茶筅髷を赤い紐で結い上げ、腰に巻いた荒縄に瓢箪や袋をぶら下げるなど、奇抜な装いや振る舞いから「大うつけ」と呼ばれるようになる。だが、吉法師の師となる沢彦宗恩や津島の大橋重信など、蛮行の陰に見え隠れする才に気づく人物も。信長の旧臣太田牛一が著した『信長公記』に基づきながら、大胆な発想で信長が本能寺に散るまでを描く大河小説の幕開け! 大人気シリーズ『剣神』の岩室忍が一番書きたかった織田信長の生涯。全八巻、隔月発売予定。
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4.0本来、「生き方マニュアル」として誕生した教えから、受難と復活という特殊性を通して「信仰」が生まれた。 「宗教」として制度化したことで成熟し、広く世界に普及する一方で、様々な思惑が入り乱れ、闘争と過ちを繰り返すことにもなった。 本書は、南米や東洋での普及やその影響を通じて、ヨーロッパ世界が相対化され、近代に向かう中で、「本来の教え」が普遍主義理念に昇華するまでの過程を、激動の世界史から解読する。
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4.0巨大魚と格闘する老漁夫の姿を通して描く、現代の神話。 20世紀アメリカを代表する作家、アーネスト・ヘミングウェイ。 彼の生前に発表された最後の小説にして、ピュリッツァー賞・ノーベル文学賞を受けるなど世界的に高い評価を得た『老人と海』。 劇作家・批評家の福田恆存によるその翻訳は、日本でも初訳(1955)以来、改訂を重ね、累計500万部を超える大ベストセラーとして読み継がれてきました。 本書は、いわば、日本語訳としてこれまで最も愛されてきた福田訳の、待望の新版です。 今回新たに、ヘミングウェイ作品および『老人と海』が日本でいかに読まれてきたかを示す、作家たちのエッセイを巻末に収録。 〈一生に一度は読みたい、文学の底力を示す名作〉として今も親しまれ続ける小説の、装い新たな復刊です。
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4.3読売新聞日曜版で連載中の「直球一本勝負 猫ピッチャー」が、待望のコミック化。 セロリーグの野球チーム「ニャイアンツ」に所属するプロ野球界初の猫投手・ミー太郎が、相手チームの強力打線に猫ならではの珍プレー好プレーで立ち向かう23コママンガです。 マウンド上で居眠りをしたり、バットで爪をといだり、猫の習性を抑えきれないミー太郎をはじめ、怒って激を飛ばしながらも温かく見守る井狩監督やバッテリーを組むことになった平野キャッチャーとのやりとりなど、魅力的なキャラクターにも注目の内容です。 「とにかくかわいい」「クスッと笑える」と評判のミーちゃんに、猫好きのみならず多くの読者がほのぼのとした笑いと癒やしを感じると絶賛。人気急上昇中! ミーちゃんのかわいさに、あなたも癒やされてみませんか。
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4.0「あの夏から80年。野坂さんの思いを、私は語り継ぐ」 吉永小百合さん推薦 昭和20年、8月15日―― すべて同じ書き出しで始まるのは、忘れてはならない物語。 空襲下の母子を描く「凧になったお母さん」をはじめ、鎮魂の祈りをこめて綴られた12篇に、沖縄戦の悲劇を伝える「ウミガメと少年」「石のラジオ」を増補した完全版。 野坂昭如没後10年。 【目次】 小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 青いオウムと痩せた男の子の話 干からびた象と象使いの話 凧になったお母さん 年老いた雌狼と女の子の話 赤とんぼと、あぶら虫 ソルジャーズ・ファミリー ぼくの防空壕 八月の風船 馬と兵士 捕虜と女の子 焼跡の、お菓子の木 改版のためのあとがき 沖縄篇 ウミガメと少年 石のラジオ
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4.0第167回直木賞候補作、待望の文庫化! 「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。 その背後にあったのは、国の実権をめぐる女たちの政争。 そしてわかり合えない母娘の悲しい過去だった。 「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」 建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。
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3.8五十代は「大人の一年生」。 働きかた、家族、生きがい、人間関係…… いろいろと考えることはありますが、あきらめず、無理せず、機嫌よく過ごしたい。 そんな毎日に役立つ、ささやかな知恵や気づきを拾い集めて、誰かに話しかけるように書きました。 文庫化にあたり「毎日嬉しくよりも毎日楽しく」他を新収録。 ■目次(一部) 第1章 ご機嫌に生きるための習慣 五十代からの「ご機嫌な習慣」 シンプルという学び 僕の基本 ほか 第2章 学校では教えてくれなかった大事なこと 失敗について考える 壊れたら 直せばいい 友だちと呼べる本がある人生 ほか 第3章 自分の「舌」を信じる 素朴な味 肥えた舌戻す 好物ばかり おいしいお弁当 母のミルクコーヒー ほか 第4章 回想は妙薬 親の年齢に目を向ける 夕暮れをゆっくり歩く ほんとうに贈りたいもの ほか 第5章 大好きなモノ語り 自転車で広がった視野 しあわせを切り取った時代 乗用車はもうひとつの部屋 ほか 文庫版付録
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-『雁の寺』『寺泊』など作品の背景をエピソードを交えて、書くことの方法と身を削る「業」の厳しさを明かす。文学作法を自ら語るファン必携の一冊。〈解説〉掛野剛史 「雁の寺」四部作 「五番町夕霧楼」 「越前竹人形」 「越後つついし親不知」「霰」「静原物語」 「しがらき物語」「波影」「鴉の穴」 「飢餓海峡」8 「湖の琴」「銀の庭」「霙」 「城」「佐渡の埋れ火」「名塩川」「京の川」「畳職人谷捨蔵の憂鬱」 「弥陀の舞」「はなれ瞽女おりん」「馬よ花野に眠るべし」79 「凍てる庭」 「冥府の月」「桜守」 「好色」「男色」 「蓑笠の人」「越前一乗谷」 「焚火」「有明物語」「猿籠の牡丹」 「兵卒の鬃」「冬日の道」「道の花」「草民記一章」「『ぼろんか騒動』の多吉」 「宇野浩二伝」 「古河力作の生涯」「鶴の来る町」 「一休」 「近松物語の女たち」「あひるの子」「わが草木記」 「わが山河巡礼」「失われゆくものの記」「日本海の人と自然」「金閣と水俣」 「若狭幻想」 「霧と影」「死の流域」 「海の牙」「火の笛」 「寺泊」「壺坂幻想」他 「決潰」「棺の花」「ちりめん物語」 戯曲「雁の寺」他
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3.0どこかで別れた大切な人を想うとき、相手もまた、あなたを想っているかもしれない。 ――宮島未奈(『成瀬は天下を取りにいく』) 磯貝美佐、39歳。妊活がうまくいかず、母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た。東京の下町・谷中の六畳一間で、アンティーク着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。友人は、恋愛対象が男性の美しき骨董屋、関くんだけだ。 ある日美佐が実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物を見つける。そして、抽斗の二重底に隠されていた3冊のノートと、見たことのない美少女が写った古写真も……。 この少女はどこの誰で、咲子とはどのような関係だったのか? ノートを読み始めた美佐はやがて、着物と少女の謎を突き止めた。咲子の生涯を懸けた「思い」を知った美佐は、ある決断をする――。ベストセラー『妻の終活』の著者が贈る、永遠の「愛」の物語。 『花は散っても』改題。
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4.0序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世 死生観表出の時代 自然災害のインパクト どこから来てどこへ行くのか 二つの立場 テクノロジーの進化の果てに 1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に 岸本英夫の実践 合理性の納得 頼藤和寛の世界観 はじまりのニヒリズム 「にもかかわらず」の哲学 自由意志の優位と揺らぎ 多田富雄の受苦 人格を破壊から守る サイコオンコロジー 医療の現場で ホスピスとデス・エデュケーション 遺族外来、がん哲学外来 禅の否定するもの 「わたし」を「なくす」 河合隼雄の遍歴 ユング心理学と仏教 切断せず包含 2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論 オルタナティブな知 理解できないものへの態度 時代という背景 第三の項へ ポストモダンの現象 ベクトルの交わるところ 島薗進の視点 「精神世界」の隆盛 個人の聖化と脱産業化 鈴木大拙の霊性 宗教的でなくスピリチュアル 玄侑宗久との往復書簡 「而今」の体験 「いのち」との関係 潮の満つるとき 海のメタファー 親鸞の絶対他力 生死の中で生死を超える 日本的発現 ゆりかごとしての風土 3章 時間を考える 代々にわたり耕す 柳田国男の「先祖」 個体から集合体へ つなぐラフカディオ・ハーン 田の神と山の神 時代からの問い 四つの類型 折口信夫の「海の他界」 野という中間地帯 身近な行き来 かのたそがれの国 うつし世、かくり世 帰ってゆく場所 先祖の時間 線をなす時間 層をなす時間 輪をなす時間 自然との親和性 季語のはたらき、リズム 津波を詠んだ句 山川草木悉有仏性 「衆生」の範囲 貞観地震と津波 暴れる国土 山川草木悉有神性 瞬間瞬間にふれる 不動の中心 技法としての行 色即是空 井筒俊彦による視覚化 縁起という実相 根源のエネルギー 式年遷宮 「木の文明」 生の造形 宣長の「悲し」と「安心」
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3.8宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
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3.2芥川賞と直木賞の候補作選びにはじまり、村上春樹はノーベル文学賞をいつとるのか、など、季節ごとに繰り返される文学的時事ネタがある。話題の根底にあるのは、「文学」そのものへの関心であり、境界がみえなくなりつつあるといわれる「純文学」と「大衆文学」の違いである。しかし、本当に「純文学」と「大衆文学」の区別はなくなったのだろうか。 日本における「純文学」と「大衆文学」それぞれの歴史を、過去の具体的な作品をとりあげながら考察する。また、専門分野である比較文学の立場から、ノーベル文学賞をはじめとする海外での文学賞のあり方や、とくに特徴的な英語圏における「文学」の定義づけ、そして映画、コミック、ラノベなどのジャンルにおける今日的「文学」のあり方を描く。
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3.3作家の個性的な一言、元官僚の保守的意見、ジャーナリストの過激発言、元アスリートならではの体験談……。軽妙トークのマル秘テクニック、5万5555円(!?)のギャラ、メイク室の楽しみ、控え室の格差まで、番組の舞台裏を大公開! 橋下徹大阪市長から「批判するだけのコメンテーター」と名指しで批判された著者なればこそ、丸裸になって業界の功罪――大手マスコミはなぜ嫌われるようになったのか――を考えた。 第1章 内側から覗いたテレビ業界 第2章 コメンテーターでメシは食えるか? 第3章 誰がコメンテーターをやっているのか? 第4章 コメンテーターになる方法 第5章 コメンテーターの「技術」と「能力」 第6章 コメンテーターの「役割」と守るべき「倫理」 第7章 大手マスコミが嫌われ始めた理由 第8章 「批判」より「独裁」がウケる社会状況 最終章 テレビコメンテーター業に明日はあるか?
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-日本における植物分類学の祖・牧野富太郎の最初のエッセイ集。初刊は昭和11年(1936)。執筆時期は内容から察して明治(日露戦争前後)から昭和初期。牧野富太郎ならではの、軽妙洒脱な文体、気取らない表現、語り口で、植物の魅力を縦横に綴る。 以下、本文より。 「私は植物の愛人としてこの世に生れ来たように感じます。或いは草木の精かも知れんと自分で自分を疑います。ハハハハ、私は飯よりも女よりも好きなものは植物ですが然しその好きになった動機というものは実の所そこに何にもありません。つまり生れながらに好きであったのです。」 「私は来る年も来る年も左の手では貧乏と戦い右の手では学問と戦いました、その際そんなに貧乏していても一時もその学問と離れなく又そう気を腐らかさずに研究を続けて居れたのは植物がとても好きであったからです。気のクシャクシャした時でもこれに対するともう何もかも忘れて居ます。」 「私はまた草木に愛を持つことによって人間愛を養うことが出来得ると確信して疑わぬのである、もしも私が日蓮ほどの偉らい物であったなら、きっと私は草木を本尊とする宗教を樹立して見せることが出来ると思っている。」
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