中央公論新社作品一覧

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  • 回想 黒澤明
    -
    世界的に有名な映画監督クロサワを父に持つことは、並大抵の苦労ではない。仕事上のトラブルや社会への憤懣から父の怒りに火がつけば、家族はたちまち嵐に巻き込まれる。ところが、ひとたび旨いものが食卓に上るや、上機嫌のニコニコ顔に――。父の愛に育まれ、映画界へ飛び込み、晩年の父に寄り添い続けた娘だから書ける、素顔の黒澤明。「信頼する」「反抗する」「想像する」など、黒澤明の哲学が、肉声とともに伝わる24話。
  • 会議の技法 チームワークがひらく発想の新次元
    3.8
    私たちの忙しさの一因は会議の多さにある。多いばかりか、費やす時間も増えている。「会議社会」に生きる現代人にとって、会議の意味と役割は重くなる一方である。しかし、効率的・効果的な会議のもち方を知らないために、膨大な経済的・社会的ムダが生じているのが現状だろう。本書は、企業の戦略会議から地域交流まで、あらゆる場面で役に立つ斬新なアイディアをちりばめながら、チームパワーを最大限に引き出す会議の方法を伝授する。
  • トルコのもう一つの顔
    4.5
    言語学者である著者はトルコ共和国を一九七〇年に訪れて以来、その地の人々と諸言語の魅力にとりつかれ、十数年にわたり一年の半分をトルコでの野外調査に費す日々が続いた。調査中に見舞われた災難に、進んで救いの手をさしのべ、言葉や歌を教えてくれた村人たち。辺境にあって歳月を越えてひそやかに生き続ける「言葉」とその守り手への愛をこめて綴る、とかく情報不足になりがちなトルコという国での得がたい体験の記録である。
  • 紫禁城史話 中国皇帝政治の檜舞台
    4.0
    北京の紫禁城は明朝第三代の成祖永楽帝の命で、一四〇七年に着工され二〇年に完成した。翌年、成祖は北京に遷都し、一九一二年二月に清朝最後の宣統帝が退位するまで、紫禁城は明清両王朝を通じて二四人の皇帝が居住し、五〇〇年にわたり政治の檜舞台であった。この一群の建物は皇帝の住居であると共に、その絶対的権威を内外に誇示するための政治的建造物でもある。紫禁城での皇帝たちの動静に注目しつつ明清両王朝の歴史を描く。
  • 海の帝国 アジアをどう考えるか
    4.1
    「海のアジア」、それは外に広がる、交易ネットワークで結ばれたアジアだ。その中心は中国、英国、日本と移ったが、海で結ばれた有機的なシステムとして機能してきた。世界秩序が変貌しつつある今、日本はこのシステムとどうかかわっていくべきか。二世紀にわたる立体的歴史景観のなかにアジアを捉え、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイを比較史的に考察する。第一回読売・吉野作造賞受賞。
  • アメリカの20世紀〈上〉1890年~1945年
    3.5
    1~2巻814~858円 (税込)
    一九世紀末、アメリカは急速な工業化に起因する社会の混乱を克服し、政府・企業・研究機関の三者が協力する体制を確立した。このシステムの下で経済発展は加速し、未曾有の大恐慌と二度の世界大戦を経て、世界をリードする超大国にのし上がっていく――。自由と民主主義の理念、物質的な豊かさが一体となった「アメリカ文明」が世界を席捲する二〇世紀前半を、社会・文化的側面に光を当てながら叙述する。
  • 総理の器量 政治記者が見たリーダー秘話
    3.8
    安倍晋三以降、民主党が政権の座に就いても、総理は満足にリーダーシップを発揮できず、短期間で辞任している。大きな業績を残した歴代の総理にあって、彼らに欠けているものは何なのか。総理の番記者等を長年にわたって務めたベテラン新聞記者が、間近で接した三木武夫以降、小泉純一郎に至るまでの政権の内政・外交・抗争の背後にあった政治理念・権謀術数等を描き出し、国のリーダーにはどのような資質が必要なのかを考える。

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  • 父性の復権
    3.7
    父の役割は家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えることにある。この役割が失われると子どもは判断の基準、行動の原理を身につける機会を逸してしまう。いじめや不登校が起こり、利己的な人間、無気力な人間が増えるのもこの延長線上にある。独善的な権威を持って君臨する家父長ではなく、健全な権威を備えた父が必要だ。父性の誕生とその役割を家族の発生と社会の形成との関連から検証し、父性の条件を探る。
  • 三略
    4.1
    中国古兵学の最高峰「武経七書」のひとつに選ばれ、広く巷間に流布されてきた『三略』。その内容は簡潔にして柔軟で、北条早雲が最初の一句を聞いただけで兵法の極意を悟ったと伝えられる。本書は苛酷な乱世を生き抜くための機略を教える、兵法入門に最適の書である。
  • 現代政治学の名著
    3.4
    ウォーラス『政治における人間性』、ウェーバー『職業としての政治』、リップマン『世論』、ミヘルス『政党の社会学』、メリアム『政治権力:その構造と技術』、ラスウェル『権力と人間』、ハイエク『隷従への道』、アーレント『人間の条件』、モーゲンソー『国際政治:権力と平和』、ダール『ポリアーキー』、ローウィ『自由主義の終焉』、ロールズ『正義論』、ハーバーマス『後期資本主義における正統化の諸問題』、丸山真男『現代政治の思想と行動』、辻清明『日本官僚制の研究』
  • ゴメスの名はゴメス
    4.0
    失踪した会社の同僚・香取の行方を探すために坂本は内戦下のサイゴンに赴任したが、到着早々不可解な出来事が続き、ついに坂本を尾行していた男が「ゴメスの名は…」という言葉を残して殺された。香取の安否は、そしてゴメスとは何者なのか……。緊迫した政治情勢下の南ベトナムを舞台に展開される熾烈なスパイ戦を通じて“不安な現代”を浮彫りにした迫真のサスペンス。日本のスパイ小説の金字塔。
  • 「ストレス」の肖像
    3.0
    二十世紀末の現在、「ストレス」という言葉が蔓延している。一体、ストレスとは何か? 言葉の生みの親セリエは、生命法則の一部という。ストレスは、生体と環境との間に起こる「さざ波」であり、人間が生存していくための意思決定が複雑な社会にあっては「生きる証し」でもある。本書は、現代文明の必然的落し子「ストレス」誕生の謎から最新研究まで、時代背景と必然性の経緯を辿り、研究・臨床両面から、対応・解消法を探る。
  • 第二次太平洋戦争 上
    2.0
    華やかなパーティに日米の軍人が集う感謝祭の夜、三沢・厚木・横田の三基地を完全武装の陸自部隊が急襲し、これを無血占領した。破局を迎えた米国との経済対立、核燃料処理施設への米軍機墜落などに業を煮やした日本政府が、基地返還を求めて危険な一歩を踏み出したのだ。だが、先制攻撃でステルス爆撃機B-2の放った対地ミサイルは、国産VTOL艦上戦闘機「海燕」によって撃破されてしまう。戦略テクノサスペンス不朽の快作。
  • 蒼穹の軌道爆撃隊
    5.0
    軍を退役した往還機パイロット、ハスミ大佐のもとに奇妙な女性の依頼が舞いこんだ。ヒマラヤで遭難した夫の遺体をシャトルで捜すというのだ。そんなことは不可能だ――訝しく思いつつも高額の報酬に惹かれ、ハスミ大佐は愛機イントレピッドIIを発進させた。だが離陸直前に対空ミサイルをあび、辛うじて軌道に到着するや、撃墜するという不気味な警告が……。地球周回軌道を狙う超兵器とはなにか? 謎の女の正体とは? 無敵の往還機乗り(シャトル・パイロット)ハスミ大佐の活躍を描く、近未来航空冒険小説!
  • 自由上海支援戦争 上
    -
    株式の暴落を発端に上海で騒乱が発生。市内の暴動は農村にも飛び火し、役人に反感を持つ市民と農民の大規模な動乱へと発展する。だがこの内戦は、元紅衛兵で香港闇社会のボス、紅将軍一派によって巧妙に煽動されたものであった。北京政府に対抗して成立した自由上海政府は、日中で係争中の領土、尖閣諸島に放送施設を設置。その結果、日本は社会主義中国と資本主義中国の内戦に巻き込まれる。さらに世界からは、上海をめざす救援民間機の護衛に、航空自衛隊の出撃を望む声があがるが。
  • 原子力空母「信濃」激突ファントム飛行隊 上
    5.0
    米海軍機動部隊との死闘から四カ月後、再び原子力空母「信濃」に出撃命令が! だが、今回の軍事行動は、先の戦闘で米国に屈した日本政府の対米賠償に他ならなかった。中国によって突然の国有化を宣言された南沙諸島の石油掘削リグとその権益海面を防衛すべく、米国政府が日本空母の出動を要求したのだ。新たに電子戦機EF4S「サンダーファントム」を搭載、イージス艦「こんごう」を随伴した信濃は、中国海空軍の大部隊が待ち受ける南シナ海へと、再び錨を上げたのである。
  • 逆撃 大坂冬の陣
    -
    必勝の軍略は我が胸中にあり――歴史を覆すべく御厨太郎は再び過去へと旅立った。時は慶長十九年。大坂城に陸続と軍勢が結集、徳川・豊臣因縁の合戦は間近に迫っていた。御厨は関ヶ原をともに戦った武将達と、画期的な戦術展開を可能にする三千騎の鉄砲騎馬隊を創設する。狙うは家康の首ひとつ、兵力に劣る豊臣に他の選択はない。御厨の明解な主張に、籠城に固執する秀頼の側近ばかりか、名将真田幸村までが反対を!? 内紛を抱えた豊臣方に勝利はあるのか? 戦国軍略シミュレーション。
  • 逆撃 関ヶ原合戦 上
    -
    目覚めると軍場だった! 関ヶ原合戦間近の西軍陣内に飛ばされた作家・御厨は、副大将宇喜多秀家の軍師となり、西軍必勝の作戦を立案する。なるか、逆転!? 戦国軍略シミュレーション。
  • 核物質護衛艦隊出撃す(上)
    1.0
    フィリピン沖を日本へと向かう再処理済核燃料輸送船。護衛にあたる海上保安庁巡視船が突然、対艦ミサイルの攻撃を受け爆発炎上。輸送船はテロリストに占拠される。中東産油国の依頼で、原油価格の上昇とプルトニウム入手を狙った、伝説的傭兵バックィン大佐の作戦だ。アラブ側の核武装を恐れて介入するイスラエル特殊部隊、そして奪還をめざす陸海空自衛隊の精鋭も現場海域へ……
  • ラバウル烈風空戦録 外伝1
    -
    ジェット推進の邀撃機「呂式震電」を駆り、超空の要塞B29を串刺しにした豪傑。開戦初日、パールハーバー空襲の日本軍機を初撃墜したものの、誰にも信じてもらえなかった米海軍の札付きパイロット。単機米本土に進入、サンフランシスコ郊外に日の丸を立てて帰還した零式小型水偵。VT信管に対抗すべく、対空砲射程外からの攻撃を可能にした音響追尾酸素魚雷とその搭載機「連山」。……『ラバウル烈風空戦録』本篇に未だ書かれざる戦いの、大空の物語5篇。
  • フランス料理の学び方 特質と歴史
    4.0
    フランス料理の普及と人材の育成に全身全霊を傾けた著者が、フランス料理の要点を押さえつつ、料理の歴史と技術の継承、さらに自身の経験を踏まえながら、学ぶ者の心構えについて、わかりやすく説いた幻の論考を初文庫化。巻末に天皇の料理番として名高い秋山徳蔵との対談を収録。 第一章 はじめに  第二章 フランス料理とはどういうものか   フランス料理の特質、日本のフランス料理 第三章 実際にフランス料理を勉強する人へ   現地での修行について、言葉の問題 第四章 料理と料理技術の問題 釣  料理技術の継承、技術文化比較論、料理の本質” 第五章 フランス料理史序論   料理の歴史ということ、フランス料理研究書の紹介  料理史研究方法の具体例――ヴアレツトさんの場合 第六章 フランス料理史本論(その一)  ギリシア・ローマ時代、古代ローマとフランス料理、中世とル  ネッサンス、十七世紀、十八世紀、十九世紀から二十世紀 第七章 フランス料理史本論(その二)  ルーの歴史、スープの歴史、アリコ・ドウ・ムトン 第人章 結び  紺談 秋山徳蔵氏とともに  参考書目 あとがき  解説 山内秀文  辻静雄・主要著作紹介  辻静雄・略年譜
  • はじめての仏教 その成立と発展
    4.1
    二千六百年前、釈尊の教えから始まった仏教は、インドから中央アジア、中国、朝鮮、日本へ伝搬するうちに思想を変化させながら発達した。エリートのための仏教から、民衆のための仏教に変貌した過程を豊富な図版により解説する。  301ページ
  • ノラや
    4.5
    ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫の子のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ――愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙塞き敢えず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百間先生の、あわれにもおかしく、情愛と機知とに満ちた愉快な連作14篇。
  • 恋する力
    3.0
    平凡な毎日を過ごす法律事務所勤務の美冬は大手商社常務の瀬木と出会い、その強引さに引きずられるように恋に落ちる。今までの人生を塗り変える甘やかな時間、自分だけが知る相手の素顔、二人の関係を密告する電話。不確かな愛の行方は、そして美冬が手にしたものは…。自分の人生に挑み、しなやかに磨かれていく女性の姿を描く長篇恋愛小説。
  • 離婚美人
    3.0
    夫と理解しあい、本当の家族を作りたい―結婚生活27年目、美緒の夢はついに破綻した。家庭に無関心で自分のしたいことだけをする夫と、このまま暮らすか、二人の娘を抱えて離婚するか。どちらの道も楽ではない。別居、財産分与、再就職…立ち塞がる現実に勇気と希望をもって立ち向かい、美しく磨かれていく姿を描く、快心の長篇小説。
  • 水の旅 日本再発見
    3.0
    日本の文化は水の文化。そして、日本は「木を植える文化」の国である。米、酒、鮭、杉といった身近なものにも、人が自然に働きかけてきた苦心の歴史がある。先人たちが各地に残した歴史の跡を訪ね、そこに息づく知恵と思想を紹介する。自然環境が激変してゆく時期に、水を通して日本の未来を考えた心打つルポルタージュ。姉妹編に『水の文化史』。
  • 時平の桜、菅公の梅
    4.2
    凡庸だが人心の機微を知る貴公子・藤原時平。破格の才力で他を圧倒する菅原道真。親の七光りで出世を重ねる時平は、自力で地位を築いた道真を敬慕し、その背中を追って国政に奮闘する。しかし上皇は時平率いる藤氏を疎んじ、道真を偏愛したため朝廷は二つに分裂。時平はかつて志を分かち合った道真と、互いの政治生命をかけて対立することになる!
  • 寺山修司 その知られざる青春
    4.0
    起こらなかったことも歴史の裡――とうそぶき虚構と現実を渾然と生きた寺山修司。人間・寺山を形成した「実際に起こったこと」とは何だったのか。作家への野心、母との葛藤、恋、そして病……短歌をベースに処女歌集成立までの前半生を辿り、若き日の実像に迫る。
  • SRO4 黒い羊
    3.9
    SROに初めての協力要請が届く。自らの家族四人を殺害して医療少年院に収容され、六年後に退院した少年が北海道で行方不明になったというのだが――シリーズ第四弾。
  • 患者力 弱気な患者は、命を縮める
    4.5
    重い病気にかかったり、手術を受けなければならなくなった時、あなたならどうする? すべて医師任せというのは絶対にいけない。患者は自分の意志をしっかりと医師に伝えなければならない。その際に必要な知識・テクニックを、わが国屈指の心臓外科医が、あくまで患者の立場に立って伝授する。
  • 少将滋幹の母
    4.0
    左大臣時平のおもわれ人となった北の方は年老いた夫や幼い子と引き離され、宮中奥深くに囲われてしまう。母を恋い慕う幼い滋幹は母の情人がしたためた恋文を自らの腕にかくし、母の元に通う。平安文学に材をとった谷崎文学の代表作。
  • 幕末入門
    -
    尊王・佐幕、攘夷・開国、攻守所を変え、二転三転する複雑怪奇な動乱の時代。混迷をきわめた幕末の政情をわかりやすく読み解いた恰好の入門書。間口は広く敷居は低く、しかし、幕末諸藩、新選組さらに孝明天皇毒殺説まで、奥深い歴史の醍醐味が堪能できる一冊。
  • 父 岸田劉生
    -
    一連の代表作―麗子像―、そのモデルの回想記。三十八歳で世を去った天才画家岸田劉生を最も身近に見て育った娘が澄んだ眼で記す。
  • 日美子の軽井沢幽霊邸の謎
    -
    津名村画伯夫人に別荘へ遊びにいらっしゃいと招かれた日美子と従姉妹の由佳は、親友を誘って軽井沢に出かける。近くに幽霊が出る邸があると聞き、早速探検に出かけたのだが、そのことが事件の幕をあけてしまう。不気味さ漂う邸の窓辺に浮かぶ、逆さづりの人間の正体とは?〈殺人なき殺人〉に著者が挑む傑作青春ミステリー。
  • 虹の生涯(上)新選組義勇伝
    -
    元公儀御庭番・和多田主膳。武芸に長じながらも、二百数十年つづく泰平の世に、彼の出番はどこにもなかった。隠居し無為の日々を送る主膳だったが、桜田門外の変を目の当たりにし、武士の魂を再び燃え上がらせる。「腐っても幕府直参」。老御庭番はかつての仲間とともに、幕末動乱の渦中に斬り込む。
  • 桃夭記
    3.7
    博陵郡王の屋敷で怪異が頻発する。桃の木のたたりと断じて呪法をほどこそうとする道士の騙りを見破り、眠りから醒めなくなった娘を救うのは、式神を操る青年・光周明。はたして彼の正体は?(表題作)他に、孤独な少年帝に忠誠をつくす虎、竜王の甕が見せる夢幻、墨に命を賭けた名匠の皮肉な運命を描いた、心ゆさぶる幻想的な珠玉の四篇を収録。中国傑作短篇小説集。
  • 女神のための円舞曲
    3.0
    20年前、母が市民ホールに遺したオーケストラの不思議な予約それがすべての始まりだった――。音楽教師の身神音々は、即席のオーケストラを結成し、一夜限りの演奏会を催すことを命じられる。それは、20年以上も前に母が市民ホールに残していた謎の「予約」を実現するものだった。時を超え、母から娘へと託されたハーモニーの意味とは? 大人のための癒しと解放の物語。
  • 向田邦子 恋のすべて
    3.0
    向田邦子のドラマに溶かし込まれた、秘められた「恋」とは? 晩年の恋に関する取材から明らかになった新事実・新証言をもとに、向田ワールドを再構築する。書き下ろし特別エッセイ「久世さんの一周忌に寄せて」を収録。
  • 玄庵検死帖 倒幕連判状
    -
    江戸でのんびり過ごしていた玄庵に、一橋慶喜から密命がくだる。上意討ちにあった清河八郎の手元から消えた倒幕連判状を処分してほしいというのだ。連判状の行方を追って京の都まで足をのばした玄庵を待ち受けていたのは、とてつもない落とし穴だった!
  • 玄庵検死帖
    -
    時は幕末。腑分けを生業とする蘭学医玄庵のところに、風流な文が届いた。約束の場所に出向くと、紅梅の下に血の花びらを散らした、若い女の無惨な死体が。次々起こる切り裂き魔の犯行に憤った玄庵は下手人を捜しに、不穏な空気漂う京の都にまで出向いていく。そして辿り着いた真相とは? 花のお江戸に玄庵の仕込杖が唸りを上げる!
  • 加賀風雲録 前田家の幕末維新
    -
    北陸の雄藩、未だ動かず。幕末維新の風雲の中、加賀百万石はなぜ動かなかったのか。将軍家との繋がり故か、それとも……。巨藩盛衰の真相に鋭く迫る。
  • ルーマニア・マンホール生活者たちの記録
    3.8
    チャウシェスク体制崩壊後のルーマニアでは、ストリートチルドレンの一部がマンホールでの生活を強いられていた。著者はマンホールに単身乗り込み、シンナーを吸ったり、結婚し、子どもまでつくっている生活の様子を取材した。弱者どうしのいがみあい、彼らをさらに追い立てる社会の非情さなどを浮き彫りにした傑作ルポルタージュ。
  • アバウト アインシュタイン 70のミステリー
    4.0
    アインシュタインの脳の隠された秘密とは?相対性理論は妻が発見した? 日本との浅からぬ関わりとは?――20世紀物理学の天才・アインシュタインの人となりから、その奇妙な理論への入口まで。数式を用いずに理論の本質にせまり、豊富なイラストとともに楽しく読みとく、アルバート・アインシュタイン70のミステリー。
  • ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死
    3.7
    僕だって、戦争へ行けば忠義をつくすだろう。僕の心臓は強くないし、神経も細い方だから――映画監督を夢見つつ二十三歳で戦死した竹内浩三が残した詩は、戦後に蘇り、人々の胸を打つ。二十五歳の著者が、戦場で死ぬことの意味を見つめ、みずみずしく描いた記録。第36回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
  • どくろ杯
    4.0
    『こがね蟲』で詩壇に登場した詩人は、その輝きを残し、夫人と中国に渡る。長い放浪の旅が始まった――青春と詩を描く自伝。

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  • おばあちゃんの台所修業
    4.0
    自然の恵みの中で生きることを大切に――。米のおいしい炊き方や、だしの引き方、自然の調味料あれこれ、むだなし料理のすすめといった、料理や生活の基本から、一介の主婦が「北畔」という店を持つようになる話まで。明治生まれの「おばあちゃん」料理研究家による、台所のいろは。
  • うぽっぽ同心十手裁き 蓑虫
    続巻入荷
    4.5
    「十手持ちってな、因果な商売ですぜ」 無残な屍骸をみるたびに、臨時廻り同心の長尾勘兵衛は虚しくなる。 そろそろ隠居しようかとも思うが、この世の中、理不尽で腹の立つことが多すぎる――。 そんな勘兵衛のもとに、二十年余り失踪していた恋女房の静が戻ってきた!  しかし記憶を失っており……。 傑作捕物帳「十手裁き」シリーズ、堂々開幕!
  • まんぷく旅籠 朝日屋 ぴりりと山椒の七夕そうめん
    3.8
    暑い時には甘酒に生姜、鰻に山椒、そうめんにも山椒 大川で土左衛門が上がった――。「朝日屋」の主人・怜治を、火盗改時代の同僚である秋津が訪ねてくる。亡骸となった武士の懐から、抜け荷に関わり捕縛された唐物屋「広田屋」の屋号が入った手拭いが出てきたという。「広田屋」の主は、抜け荷の詮議中に火盗改・柿崎詩門の兄の名を口にしていた。目付の新倉も出張ってくるなど、一挙に「朝日屋」周辺がきな臭くなる中、女料理人ちはるの行く末にも変化が……。 文庫書き下ろし 【目次】 第一話 この先の道 第二話 追 憶 第三話 踊る阿呆鳥 第四話 出立の朝
  • まんぷく旅籠 朝日屋 もちもち蒸しあわびの祝い膳
    4.0
    蒸し煮は吉、抜け荷は凶―― 朝日屋の仲居おふさの祖父が、店を訪れる。「抜け荷(密輸)」の嫌疑がかかる唐物屋の隠居を同行し、怜治と話をして帰っていった。数日後、目付の新倉がやってきて、怜治の元同僚である火盗改・柿崎詩門の最近の様子を、朝日屋の面々に聞いて回る。くだんの「抜け荷」に、詩門の兄が関わっているかもしれないというのだが……。 文庫書き下ろし 第一話 あわびの両思い 第二話 異 変 第三話 新 風 第四話 朝 茶
  • 臨済録
    5.0
    仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ。既成概念に縛られず、あえて斬り捨てて自由を得よ。動乱の河北地方に灰燼の中にぬっくと立ち上った臨済義玄の熱喝が千年の時空を超えて問いかける。威に拠らず、個々の人間主体を無条件に肯定し、その完全な発揮を求める。禅語録の最高峰を読み下し・原文・平易な口語訳・わかりやすい注釈で構成。関係人物在世年表・法系図付 目次 一仏法の相手 すずしい樹蔭 虎のひげ 二山奥に松を植える 三生き埋め 四若もの 五居ねむり 六泥棒の悪知恵 七一日にどのくらい食べる 八北方に持ちがいのある寺がある 九河南でなければ 一〇脱体制の聖者 一一三人の修行僧 一二二人のお客さま 一三施主の食事 一四臨済の小わっぱ 一五本もののロバ 一六普化の鈴 一七普化の別れ 一八何事もなかったと思わねばよいが 一九四つの場合 二〇丸木の柱 二一もち米 二二三つの方法と十二種の経典 二三答えても三十棒、答えんでも三十棒 二四千の手と千の顔 二五黄金の粉 二六世間のおきて 二七ダルマの墓 二八仏法の相手 二九よもぎの枝でなでてもらうように 三〇杏山との対話 三一二はい目のよごれ水 三二禅板と蒲団 三三径山の五百人の僧 三四ひとりもやりすごさぬ 三五維摩と傅大士 三六家と過程 三七渾崙の山 三八弟子を認めず 三九正直な考え 三つの仏身 眼に出ると見るという ヤージュニャダッタ 四〇何事もないのが高貴のお方だ 心の根本真理 四一本ものの出家 四二仏を説き伏せよ 禅宗の考え 四三名目にとらわれてはならない 四つの変わりようのない境地 四四四つの要素を使うもの 五台山に文殊はいない 四五自から信ぜよ 一人前の男 四六三種の明るい眼の浄土 偉大な友人 何を修理するのか 四七悟りは自由の条件にすぎない 六つの神通力 師家と弟子と 戒律も経論も一時の応急手当て 物にたよらないでやって来い すでに起こった事は気にかけるな 菩提樹と無明樹 主と客の四つの出会い まっくらがりでそれ自から光るもの 修行者の三つの型 おらが仏法 衣裳についてまわるな 早口競争は仏法と何のかかわりもない 四八祖師や仏の師となる 四九光をはねかえして逆に相手を照らせ 五〇大通知勝仏という仏 奈落の底におちる五つの罪 五一無明は父である 文殊はゴータマを殺そうとした 正直な考えだけを求めよ 何かを説きたてたらもうすかたんだ 五二竜光をたずねる 五三黄檗を背負う 五四大慈との対話 五五襄州華厳をたずねる 五六ある尼僧との対話 五七翠峯との対話 五八象田との対話 五九明化との対話 六〇どちらへ行かれる 六一鳳林との対話 六二金牛との対話 関係人物在世年表 法系図 解説『臨済録』と『歎異抄』 柳田聖山 索引
  • 古事記巻之二 神武1
    4.7
    1~4巻792円 (税込)
    ツノミが母とともに、父ナムジを追って沖ノ島に移住して十年あまりが過ぎた。だが、邪馬台と於投馬の争いは孤島に暮らす彼らをも見逃さなかった。
  • 50代からしたくなるコト、なくていいモノ
    3.3
    両親を見送り、少しのゆとりを手に入れた一方で、無理はきかないのが五〇代。一人暮らしのマンションをリフォームし、いらない物は減らして身軽に。将来に向けて生活を整えながらも、欲しい服を求め東奔西走、時にはのんびり一人旅も。自分らしく、柔軟に年を重ねるヒントが満載の、シニアへ向かう世代を応援するエッセイ。
  • もぐら 0 影野竜司
    4.6
    「冥途の土産に遺しておくか。俺たちの歴史を。なあ、竜司」楢山は、紗由美と節子、そして警察学校に通う安里真昌を前に、自身の過去を語り始めた。高校時代のある事件をきっかけに、警察学校に入学した楢山は、入学初日に二人の男と出会う。彼らの名は、影野竜司と宇田桐善康――。 影野竜司はいかにして「もぐら」になったか。戦友の楢山や宿敵・宇田桐と出会う警察学校時代を描く、大人気シリーズのエピソード0!
  • 完璧な病室
    3.8
    弟はあの病室のあのベッドの上で、完璧に優しかった―― 病に冒された弟と姉との時間を描く表題作、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「揚羽蝶が壊れる時」、 第二作品集収録の「冷めない紅茶」「ダイヴィング・プール」。 揺らぐことのない美をたたえ、みずみずしい輝きを放つ秀作群。 作家小川洋子の出現を告げる最初期の四篇に、著者あとがきを新たに加え、カバーデザインをリニューアルした新装版。
  • 江戸の雷神 死化粧
    3.5
    深川で娘が惨殺された。もう四人目だ。続いて刺殺された男の死体が吾妻橋近くで見つかる。その頃、「江戸の雷神」と呼ばれ町人に人気があった前火付盗賊改役の伊香雷蔵は、わけありの剣の達人・安斎六右衛門、元盗賊の玄慈、幼馴染みで拳法使いの女医・長飛とともに、「よりよい江戸」をつくらんとしていたが……。 個性的な仲間たちが正義のために奮闘する、痛快時代小説シリーズ!
  • 戦略の不条理 変化の時代を生き抜くために
    4.0
    良質で安い製品をつくるだけでは勝てないのはなぜか。 それは「物理的世界」のみに偏った「戦略の不条理」に陥っているからだ。 本書では、孫子、クラウゼヴィッツなどの軍事戦略と最新の経済学理論を手がかりに、「物理的世界」「心理的世界」「知識的世界」へ働きかける多元的な経営戦略「キュービック・グランド・ストラテジー」を提示する。
  • 命令の不条理 逆らう部下が組織を伸ばす
    4.0
    日本の組織に必要なのは、勇気ある部下の「命令違反」だった! 太平洋戦争中の実例から、「良い命令違反」「悪い命令違反」を経済学理論で分析。 「不条理な命令」を覆す部下と、それを許容するマネージメントが組織の危機を救い、組織を進化させることを証明する。 『組織の不条理』への解答篇。 『「命令違反」が組織を伸ばす』改題。
  • ウナノハテノガタ
    3.7
    〈螺旋プロジェクト〉、ついに文庫化! 「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」 海の民の少年オトガイは、父から代々伝わる役目を引き継ぐ。 山の民の少女マダラコは、生贄の運命から逃れて山を下りる。 死を知らぬ海の民イソベリ、死を弔う山の民ヤマノベ。 二つが出会い、すべてが始まる原始の物語。 〈巻末座談会〉八作家が語る、〈螺旋プロジェクト〉のいままで 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』(本作) 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
  • アスリーツ
    3.5
    陸上では、自分に失望した。もう、負けたくない――。 結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の進学校・大明学園高校へ入学し、射撃部に入る沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。 五輪種目のライフル射撃と格闘する少女たちの喜怒哀楽に心震える、名作『バッテリー』に連なる10代の挫折と再生の物語。 〈解説〉斎藤美奈子
  • 恋ほおずき 完全版
    3.5
    女ゆえに、女たちを苦しみの淵から救いたい―― 時は天保、江戸は浅草田原町。恋の痛みをいやしてくれる若き「女医者」がいた。自身も切ない過去を抱え、この道へ進んだ彼女だが、叶わぬ恋に落ちてしまう。あろうことか、子堕ろしを取り締まる同心と……。女たちの悲哀と恋模様を巧みに織りなした時代長篇。新たに最終章を書き下ろした完全版。
  • いい女、ふだんブッ散らかしており
    3.5
    父を看取り、認知症の母を介護し、対談・執筆と多忙を極める著者。自ら「床族」と称し、何でも床に積んでしまう片付け下手で、捨てられない性格と自己分析。また、連続ドラマ「陸王」に出演、女優としても活躍、さらに還暦過ぎての結婚まで……。じわじわ訪れる小さな老いを蹴散らして、挑戦し続ける激動の日々を、赤裸々に綴る。不肖アガワの『婦人公論』人気連載エッセイ第1弾。
  • つみびと
    3.8
    灼熱の夏、彼女はなぜ幼な子二人をマンションに置き去り にしたのか。 追い詰められた母親、死に行く子供たち。 無力な受難者の心の内は、フィクションでしか描けない。 圧巻の筆致で、虐げられる者の心理に分け入り、痛ましいネグレクト事件の深層を探る。 本当に罪深いのは、誰――。迫真の長編小説。 〈巻末対談〉春日武彦・山田詠美「子どもたちを救う道はどこに」収録
  • 雨上がり月霞む夜
    4.0
    堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は大火によって焼け出され、幼馴染の雨月が結ぶ香具波志庵に転がりこんだ。がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。二人は言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、不可思議な出来事の数々に巻き込まれることに――。掛け軸から飛び出す金鯉、哀しい恋物語に、罪の果てに鬼になった男まで。二人と一匹がたどり着く、優しく切ない真実とは。直木賞作家が江戸怪奇譚の傑作『雨月物語』を大胆に解釈した、切なく幻想的な連作短編集。
  • エリカ
    3.5
    急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と二人で飲んだのをきっかけに、エリカはいつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が……。 高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
  • 御蔵入改事件帳 しくじり蕎麦
    -
    町奉行所や火付盗賊改が取り上げない訴えや未解決事件を探索する御蔵入改。元長崎奉行でサーベルの遣い手・荻生但馬をはじめ、必殺剣を持つ一徹者の元定町廻り同心、六尺棒を振り回す将棋好きの元臨時廻り同心、長い薬指でどんな財布でもすり取る洗い髪が艶やかな女すり、桃色地の小袖と真っ赤な股引姿で愛想を振りまく禿頭の幇間という、個性豊かな五人組だ。 南町奉行所元臨時廻り同心の大門武蔵は、御蔵入改の同僚である幇間・喜多八に唆され、蕎麦の大食い大会に出場することになった。大会は薬種問屋が軒を連ねる日本橋本町の蕎麦屋で開催され、賞金は十両。蕎麦っ食いとして有名な「蕎麦圭」こと薬売りの圭太郎、薬種問屋太田屋の放蕩息子・伊之助、薬種問屋大塚屋の看板娘・お千津らと対決することになった武蔵だったが……(「しくじり蕎麦」)。 表題作を含む痛快&人情時代小説全四篇。文庫書き下ろし 【目次】 第一話 しくじり蕎麦 第二話 しくじり幇間 第三話 しくじり忠臣蔵 第四話 しくじり同心
  • 100歳の100の知恵
    -
    100歳の生活評論家が伝え残したい、古くて新しい暮らしの知恵100。家庭の「暮らし」を見続けて85年、実際の生活のなかから「毎日を楽しく、しあわせに暮らすコツ」を選り抜きした「集大成」となる一冊です。旬の料理のコツから、時短家事、くよくよしない考え方まで、心があたたかくなる暮らしのヒントが詰まっています。
  • 私はたゆたい、私はしずむ
    3.0
    真実が、ふたつある。 成功者たちを襲う連続殺人。 このラストはハッピーエンドか、それとも―― ベストセラー『ため息に溺れる』著者による戦慄のミステリー。 交流人事で八丈島に渡った刑事の薫と赤川は海上で所属不明の客船を発見。中には遭難した上流階級の子女七人が乗り込んでいた。彼ら以外に乗員はおらず、誰かが操舵している形跡もない。だが船はひとりでに航海を続けていた――。謎に包まれた船中で連続殺人が発生。発見された遺体は半身が溶け、床に染み込んでいた。
  • 元禄お犬姫
    4.0
    中野で犬小屋支配を勤める森橋家の娘・知世は、母の療養のため、祖父、弟ともども小石川の剣術稽古場・堀内家の離れに移り住む。彼女は、どんな犬でも手懐けてしまうことから、「お犬姫」と呼ばれている。家族や道場の人々との語らい、仇を追う浪人への恋心、盗賊一味との対決、そして赤穂浪士の討ち入り。知世の周囲で織りなされる、さまざまな人間模様、犬模様を、やわらかに、あたたかく描いた時代小説。〈解説〉安藤優一郞
  • 御蔵入改事件帳 世直し酒
    -
    町奉行所や火付盗賊改が取り上げない訴えや未解決事件を探索する御蔵入改。元長崎奉行でサーベルの遣い手・荻生但馬をはじめ、必殺剣を持つ一徹者の元定町廻り同心、六尺棒を振り回す将棋好きの元臨時廻り同心、長い薬指でどんな財布でもすり取る洗い髪が艶やかな女すり、桃色地の小袖と真っ赤な股引姿で愛想を振りまく禿頭の幇間という、個性豊かな五人組だ。 御蔵入改の紅一点・お紺は、大坂生まれのすり「猿寅のおっちゃん」から相談を受ける。ある武士からすり取った財布に、無礼討ちにした大工の遺族への書状と共に、詫び賃として五十両が入っていたというのだが……(「世直し酒」)。 表題作を含む痛快&人情時代小説全四篇。 【目次】 第一話 悪行合一 第二話 蕎麦の毒 第三話 世直し酒 第四話 もう半分
  • 任侠浴場
    3.9
    1巻792円 (税込)
    日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、小さいながらも人情味溢れる昔ながらのヤクザ。人望の篤い親分・阿岐本雄蔵の元には一風変わった経営再建の相談が次々持ちかけられる。今度の舞台は古びた銭湯!? 乗り気な組員たちの一方、不安でいっぱいの日村。こんな時代にどうやって……。そして阿岐本組は銭湯の勉強と福利厚生(?)を兼ねてなぜか道後温泉へ――。大好評「任侠」シリーズ第四弾!  〈解説〉関口苑生
  • もちじゅわ 中華まんの奇跡 ひぐまのキッチン
    3.9
    学業優秀なリケジョだったが、融通がきかず就活を連敗していた「ひぐま」こと樋口まりあ。そんな彼女が秘書として食品商社「コメヘン」に入社して2年目の冬――。持ち前の生真面目さが愛され、徐々に周囲の協力も得られるようになった。10歳年下のイケメンバーテンダーと結婚していて、妙に鋭い総務部の山本梢や、かわいいのになぜかモテない営業部の野島樹実香と食べる弁当ランチも楽しい。本業の秘書業務に加え、社長の来客にふるまう手料理にも、少しずつだが自信をつけてゆく。そして、「奇跡の小麦粉」と呼ばれるキタノカオリで調理するうちに、初めての恋の予感も!? ほっこりおいしい、だけじゃない。名作『100年たったら』の著者が贈る心癒やすごほうび小説。 【目次】 小松菜の元気なきな粉和え ボルシチは祖母の味 恋と起業のにんじんケーキ 米良し、水良し、出会い良し イケメンシェフの和風ニョッキ もちじゅわ 中華まんの奇跡
  • 捨てきらなくてもいいじゃない?
    3.5
    思い切ってモノ減らし!でも捨てられない?心と体の変化によりモノに向き合い、ポスト・ミニマリズムの立場から持ちつつも小さく暮らせるスタイルを提案。
  • 燃える波
    3.6
    〈ライフ・スタイリスト〉の傍らラジオ番組を持ち、多忙な日々を送る帆奈美。夫と猫との静かな暮らしは、同級生だったカメラマン・澤田炯との再会を機に崩れてゆく。想いを抑える帆奈美を逆にけしかけ、大抜擢する女優の瑤子。輝きを増してゆく妻を、しかし夫は束縛し始めて……。自由と自尊心を賭けた帆奈美の闘いが始まる。〈解説〉中江有里
  • 踊る星座
    3.0
    ダンス用品会社で働くセールスレディのわたしは、ヘンな顧客、重たい家族、痴情の縺れた上司に次々絡まれ、ぶちギレ寸前。今すぐここから逃げ出したい! 泥々に疲れた一日はしかし、幼き日の記憶と結ばれ、生の切なさと可笑しみ溢れる星座を描く――踊り出したら止まらない“笑劇”の連作短編集。〈解説〉小山田浩子
  • スケープゴート 金融担当大臣・三崎皓子
    3.3
    テレビの経済コメンテーターとしても活躍する大学教授の三崎皓子51歳は、「昔の男」矢木沢からの20年ぶりの電話をきっかけに、政界へ入ることになる。民間人として金融担当大臣に就き、地方銀行の取り付け騒動を鮮やかに解決した後、故郷・京都で選挙を戦って参議院議員にトップ当選。そして山城総理から官房長官に抜擢される。しかし、この活躍を快く思わない古老たちが裏で結託し、皓子を陥れようと暗躍する。選挙活動中に死去した父との因縁に思いをはせる皓子に、矢木沢の不可解な行動が影を落とす。そしてある日、山城総理が倒れてしまう。権力、欲望、嫉妬が渦巻く永田町。日本初の女性総理大臣の期待が掛かる皓子は〝生贄〟となってしまうのか、それとも〝ジャンヌ・ダルク〟になれるのか?
  • 出張料亭おりおり堂 ほこほこ芋煮と秋空のすれ違い
    3.0
    ついに山田澄香は、仁にプロポーズされた――はずなのだが、ふたりの関係はその後も深海生物の進化ほど変化がなかった。一方、店には澄香を追い出すため暗躍する孝、記憶喪失の虎太郎、更には仁を狙う(?)謎の美女・エリカが現れ、澄香は置き去りに。ずっと仁を信じ待っていた澄香は、ここである決断をするが……。 シリーズ第六弾は波乱の展開に!?
  • 高座のホームズみたび 昭和稲荷町らくご探偵
    4.0
    真打ち昇進を目前に控えた二つ目・佃家花蔵が、高座で「犬の目」を口演中に、酔客に左眼を殴打され殴打され、廃業の危機に。佃家傳朝と梅蔵は長年の不仲を改め、弟弟子を援助することを誓うが、その直後、夜道で傳朝が命を狙われる。相次ぐ噺家受難の陰には思いもよらぬ真実が……。名探偵・八代目林家正蔵の推理がまたもや冴え渡る、痛快落語ミステリー第三弾! 文庫書き下ろし。
  • 二人の親を見送って
    3.0
    介護がすんで、 看取りも終えて、 気がつけば老いの入口。 これからどう生きていこう。 老いの途上で、親の死は必ず訪れる。介護や看取りの日々を経て、カラダとココロの構えや交友や旅、食事に対する趣も変わる。また、どう見送っても、自分を責める気持ちや後悔を抱えていくのではあるが、親亡き後は、その先の人生に重みと安定を与えるはず。両親を見送った人気エッセイストが、生と死や人と自然のつながりを優しくみつめ直す感動のエッセイ
  • ZI-KILL 真夜中の殴殺魔
    3.5
    1巻792円 (税込)
    多摩地方で起こった連続殺人事件。どの被害者も顔を〈壊された〉状態で発見される。事件を捜査する夢川時勇は、ある朝、自分の身体に妙な傷と痣があるのに気づく。そして殴殺魔による新たな被害者が――。「あいつがやったのか?」実は時勇は、深夜数時間だけ別人格に入れ替わるのだ。犯人は《ハイド》と名付けたこの人格なのか。その目的とは?
  • 虎の道 龍の門 (上) 新装版
    5.0
    1~2巻792円 (税込)
    極限の貧困の中、シベリアに売られた青年・南雲凱は帰国後、些細なことをきっかけに新格闘技団体に入門。自身の強靭さを手段として一攫千金を夢みる。一方、裕福な家庭に育ち、空手道場に通う大学生、麻生英治郎は流派への漠然とした違和感の中で、フルコンタクト空手師範の黒沢と出会い、空手の真の姿を探し始める……。果たして対照的な二人の目指す先には何が待ち受けるのか。そして、「真の強さ」とは何か……。
  • 発想法 改版 創造性開発のために
    3.5
    ここで語られる「発想法」つまりアイディアを創りだす方法は、発想法一般ではなく、著者が長年野外研究をつづけた体験から編みだした独創的なものだ。「データそれ自体に語らしめつつそれをどうして啓発的にまとめたらよいか」という願いから、KJ法が考案された。ブレーン・ストーミング法に似ながら、問題提起→記録→分類→統合にいたる実技とその効用をのべる本書は、会議に調査に勉強に、新しい着想をもたらす。
  • 最後の名裁き 大岡越前ふたたび
    -
    大岡越前、最後のご奉公。老中の面前で下す、評定の裁きの行方は!? 本作は、宝暦年間、実際に起きた三河岡崎藩、藩主押し込め騒動をモデルとしている。藩主押し込めとは、乱行、乱心などで藩政を誤った主君を、家臣たちが座敷牢に押し込め、隠居に追い込むことをいい、幕府に黙認されることが多い。 小説では、藩主派、反藩主派の御家騒動が、幕閣の知るところとなり、裁定が評定所に持ち込まれることになった。現地調査に向かった若き評定所留役・宇津木新五郎は、評定のメンバーである寺社奉行・大岡忠相に奮起を促す。評定の多数派を操る老中・松林備前守は、影で御家騒動の糸を引く。老齢に達したかつての名奉行は、はたして松林の陰謀を打ち砕くことができるのか。評定の場での裁きの行方はいかに……。文庫書き下ろし
  • ただいま家事見習い中 ハウスワーク代行・亜美の日記
    3.4
    大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることになった。初仕事は犬の散歩。当日の朝、時計が止まってしまい遅刻をする亜美だったが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩をさせた犬が近所の子供に噛み付き、近隣トラブルに発展しているとの苦情が寄せられた。噛み付いたりしていないと確信する亜美は、このトラブルを解決できるのか――。他二篇。見た目とは違う鋭い推理力の持ち主・亜美が、今日も派遣先で大活躍!
  • われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る
    3.7
    プロ棋士とコンピュータの対局が世間の注目を集める中、日本将棋連盟会長の米長邦雄は、当時最強と言われたボンクラーズの対戦相手に自らを指名した。元名人とはいえ引退から8年経った棋士に勝機はあるのか。研究を重ねた米長は、ついに「敵」の弱点を突く秘策を見つける――。棋士対AIの先駆けともいえる大一番の全記録。
  • 蓮の数式
    3.9
    35歳の千穂は不妊治療を始めて10年、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫が酒に酔った男・透を轢いてしまう。謝罪のため透を探す千穂は彼が算数障害だと気付き手を差し伸べる。だが、二人の関係を怪しみ千穂を追い詰める夫。一方的に疑われ、これまで抑えてきた感情を爆発させた千穂は、家を飛び出し透の元へ逃げるのだった――。
  • キムラ食堂のメニュー
    3.0
    各地の飲食店主や職人の取材を続けるかたわら、お酒のミニコミ『のんべえ春秋』を発行してきた著者。懐かしの大食堂、小さな台所での工夫、郊外のコーヒーショップ、都会の片隅にある畑……。日常のささやかな変化を感じながら、さまざまな食べもの・飲みものとの出合いを綴る。おいしい話満載の一冊。文庫オリジナル *目次より抜粋 【食堂】 蕎麦屋のカレー/マルカンビル大食堂/福島第一原発大型休憩所内食堂 【コーヒー・おやつ】 東京らしい喫茶店 南千住『カフェ・バッハ』/『ツバメコーヒー』の話 【台所】 海老の尻尾/ひとり暮らしのおでん/「おにぎり」と「おむすび」 【畑】 畑日記三年分 【酒場】 プロ野球中継と晩酌/大衆酒場のチーズ考現学
  • 古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび
    3.5
    古本カフェ、女性店主の活躍、「一箱古本市」……。いま古本がおもしろい。新しい潮流と古きよき世界を橋渡しする著者が、その味わい方を伝授。店主との交流、個人の日記が売られる理由、神保町案内、さらにブックオフ活用法や古本屋開業の鉄則まで、この一冊で神髄をつかもう。
  • 老後マネー戦略家族!
    3.6
    定年が近づく父、専業主婦の母、仕事を辞めた息子に学費のかかる娘……。老後や将来への不安から、山田家は顔を合わせればケンカばかり。しかし勇気を持って踏み出した先には、めくるめく財テクワールドが待っていた! 目標額は三〇〇〇万。崖っぷち中流家族の奮闘がここに始まる!
  • 私の旧約聖書
    4.5
    「旧約聖書を読んで、はじめて、(神でなく)人間の叡智というものに底知れぬ怖れを感じました」。中学もろくすっぽ行かないで、ずっと不良じみた一匹狼でしのいできた著者が若き日偶然に出会った旧約の世界。イェホバは律を求め、人々は生を望む――神と人間との約束事を描く旧約聖書に向き合い、対話し続けた自伝的省察の記。〈解説〉吉本隆明
  • 歌舞伎町ダムド
    4.1
    日本中を震撼させた「歌舞伎町封鎖事件」から7年。伝説となった犯罪者〈ジウ〉に自らを重ねる新たな怪物〈ダムド〉が現れた。吹き荒れる殺戮の嵐、再び動き出す「新世界秩序」の陰謀、新宿署の東警部補に迫る危険……。謎の男と対峙するのは、アナーキーなダークヒーロー「歌舞伎町セブン」! 200万部超の大人気シリーズ〈ジウ〉サーガ第7弾! 『ジウ』『国境事変』『ハング』そして『歌舞伎町セブン』、すべての物語がここに繋がる――。
  • リターン
    3.7
    沼津市議会議員・阿南光利が立案した水産加工センター建設を巡り、反対運動が過熱。背後には暴力団、さらには阿南の高校時代の旧友を殺した男の影が……。静岡県警銃対課の一ノ瀬守は、親友・阿南を助けるために立ちあがるが、そこに待ち受けていたのは13年間隠されていた驚愕の真実だった! アクション&サスペンス長篇の傑作、遂に文庫化。
  • リペア RE*PAIR
    3.7
    川の向こうには、私がするはずだった生活がある――。父が遺したアトリエ兼自宅でリペア職人として生計を立てている透子。大きく狂い、止まっていた歯車が、婚約者だった男との再会によって動き出した。目を背けてきた過去と向き合う時、浮かび上がるのは「あの女」……一人で生きる女の強さと弱さ、覚悟と不安。彼女からすべてを奪った十年前の事件の真相を、アトリエに持ち込まれる品々にひそむ人間ドラマとともに描きだす。「紅雲町珈琲屋こよみ」の吉永南央によるミステリアス・ストーリー。
  • 論説入門
    3.0
    新聞社の社論とはなにか。各社ごとに違いがあるのはなぜか。そして、社論を司る論説の機能とは、構成とは、常日頃行っている仕事とは。長きにわたり論説委員会に身を置き、委員長職をつとめた著者が、一般向けに書き下ろした論説案内の一冊。社説からみた戦後史、朝日新聞の社論転換など、目次は現在と過去を往還しつつ充実。ジャーナリズムの根幹の部門ながら、内実を知られていない論説について、本書は幅広い読者にその実像を伝える。
  • 大学の話をしましょうか 最高学府のデバイスとポテンシャル
    3.7
    「学力低下」はそんなに大変なことでしょうか? 「変な敬語」だって、気持ちが籠もっていない「正しい言葉遣い」よりずっと良いのでは? 大学に二十数年勤めてきて、一番感じていたことは、自分の意見はマイナーなんだな、ということでした――人気作家が語る「僕のいたところ」。学生、教育、研究……問いと答えを重ねるうちに、大学というシステムそのものの問題点が浮き彫りになる、今までになかった「大学論」!
  • 徹底検証 朝日「慰安婦」報道
    4.0
    朝日新聞が誤りを認めた「吉田証言」。その報道は日韓対立をあおり、我が国の国際的イメージを損ねた。正しい歴史認識とは? 報道機関の責任とは? 朝日の2大虚報(伊藤律架空会見事件、サンゴ事件)を振り返り、慰安婦報道の問題点と、それが及ぼす甚大な影響を検証する。
  • 告解者
    3.9
    あなたが殺したのですか――? 強盗殺人で二十三年の刑期を勤め、仮出所した久保島。更生保護施設職員のさくらは、入寮してきた彼の誠実な人柄に強く惹かれる。そんな折、殺人事件が発生し、寮生が疑われる事態に。久保島がまた罪を犯したのだろうか? 犯罪者の更生と償いをめぐる、感動の社会派ミステリー。
  • フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結
    3.3
    1~4巻792~796円 (税込)
    外国人留学生から評判の悪い教授が、大学の研究室で爆殺された。捜査本部が設置され、墨田署刑事課の一柳美結巡査も捜査に加わった。現場近くにいた講師の佐々木忠輔と留学生たちに事情聴取をする美結だが、第二の爆破事件が起きてしまう。一方、捜査本部では、国際的サイバー犯罪者“C”の名前が被疑者として浮上していた。
  • 檻の中の鼓動
    3.3
    スキャンダルで警官を辞めた蘭子は、過去を秘めデリヘル嬢の送迎係をしている。ある日、担当チームのアキナが接客中に出産。すぐ闇医者へ搬送したが、残った指紋から警察が動き出した。七年前の嬰児産み捨て事件で採取されたものと一致したというのだ。かつてアキナを襲った悲劇とは何だったのか? 蘭子は母子を救うため、真相を探り始める。
  • 幸せのコイン
    3.4
    会社を継がせようとする父親と対立し、自分の夢を実現するために、家を出た社長令嬢。父娘喧嘩の際、煤けてしまった五百円玉が、人々のポケットを渡り歩き、それぞれの人生の岐路に立ち会う。そして最後に辿り着いたのは……。一枚のコインが紡ぐ、ハートウォーミングで、ちょっと不思議な七つの物語。
  • 部首のはなし〈2〉もっと漢字を解剖する
    3.8
    「匠」と「区」は同じ部首? 「法」にはなぜサンズイがついている? とても口に出せないある行為を形にした部首とは? 漢字を知るうえで部首の知識は欠かせないが、部首は全部で二百種類以上ある。「サンズイ」や「手偏」など有名なものから「音偏」「鼎」など知られざる部首まで、五二の部首について、その成り立ちやその部に属する漢字のエピソードなどを披露。楽しい部首ワールド第2弾。

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