西洋の食文化を日本に伝え、多くの名料理人を育ててきた稀代の料理研究家「辻静雄」。
生誕80周年・没後20年にあたるメモリアル・イヤーに、復刊された名著全7巻。題して<辻静雄ライブラリー>。
フランス政府から外国人としてただ一人、フランス料理界に貢献した最高の料理人に贈られる「MOF(フランス最優秀職人)名誉賞」を与えられた著者。
日本に本物のフランス料理を紹介し、また世界に日本料理を知らしめた辻静雄がいたからこそ、日本人の「食」は豊かで喜びに満ちたものになったとも言われる。その数多くの著作の中から、選りすぐりの7巻を編む選集です。
第6巻となる『料理人の休日』は、新聞記者から料理人への道程をはじめ、料理探求についての自伝的回想、ヴェルサイユ宮殿の台所事情といった歴史にまつわる料理の話、また自身の交友録から趣味、秘蔵品までを明かした極上のエッセイ集。「料理する知識人」辻静雄が生涯貫いた、人・モノに対する真摯な姿勢が伝わってくる。料理だけにとどまらず、“人生の箴言”がちりばめられた一冊。
▼内容
I 私の勉強法
II 歴史にまつわる話
III 交友録
IV 趣味について
V ワイン
VI 世界を巡る
VII 日本のフランス料理に携わる人々と
VIII 日本料理
IX 料理する心 ほか
解説 八木尚子
西洋の食文化を日本に伝え、多くの名料理人を育ててきた稀代の料理研究家「辻静雄」。
生誕80周年・没後20年にあたるメモリアル・イヤーに、復刊された名著全7巻。題して<辻静雄ライブラリー>。
フランス政府から外国人としてただ一人、フランス料理界に貢献した最高の料理人に贈られる「MOF(フランス最優秀職人)名誉賞」を与えられた著者。
日本に本物のフランス料理を紹介し、また世界に日本料理を知らしめた辻静雄がいたからこそ、日本人の「食」は豊かで喜びに満ちたものになったとも言われる。その数多くの著作の中から、選りすぐりの7巻を編む選集です。
辻静雄が若き料理人に向けて、芸術と料理を比較しながら、「料理人とは、料理を作ることとは」を問いかける。自身のフランス料理との出会いに遡り、衝撃を受けた研究家、文献を紹介。さらに歴史に名を遺した料理人や「料亭(レストラン)」のあるべき姿を探る、料理の原点に迫った名著。
▼内容
1 はじめに
2 フランス料理との出会い
3 現代の国宝的料理人のことなどⅣ
IV アントナン・キャレーム
V 変貌するフランス料理
ⅦVI エスコフィエ・セ・フィニ
VII 料理人の技術
VIII 料理人の仕事の範疇
IX 流転する料亭
X フランス料理を縦の歴史で
XI フランス料理の流れ
注解・索引ほか
解説 西川恵
18世紀フランスの政治家・法律家にして稀代の美食家であったサヴァランが著した『Physiologie du Gout(味覚の生理学)』は、「ガストロノミー」、食というものについての総合学の聖典として、世界中で現在まで読み継がれている。
とりわけ日本においては、『美味礼賛』という邦題と、「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言いあててみせよう」という警句とともによく知られるが、では実際にどのような事が書かれているのか、なぜこの本が、サヴァランという人物が、かくも偉大なものとされているのかについては、詳しく知る者は多くはないだろう。
日本の料理文化を大きく展開させた辻静雄が、食はもとより歴史・地理・美術・文学についての広汎な知見を総動員し、サヴァランの思考を辿り、料理の精髄を縦横無尽に語り尽くす!
【本書より】
「私は豚肉を食べています。それで……」と言ったら、ブリヤ=サヴァランは人となりなど言ってくれるどころか、絶句して卒倒してしまうんじゃないでしょうか。
【本書の内容】
第一講 ブリヤ= サヴァランと『味覚の生理学』
I ブリヤ= サヴァランはどういう人だったか
II 『味覚の生理学』初版その他
III 『味覚の生理学』の構成、その他
第二講 食べ物と新しい歴史学
I 『味覚の生理学』の背景も知っておきたい
II ブリヤ= サヴァランの対極にいた人たち
III パリの食糧、その他
第三講 「おいしさ」とその表現
I 「教授のアフォリスム」を読む
II ブリヤ= サヴァランが好んだ料理
III 「おいしい」という言葉/味の表現
第四講 ワイン事情
I ブリヤ= サヴァランとワインのことなど
II 一九世紀のワイン事情
第五講 ガストロノミーとガストロノームの系譜
I ガストロノミーとグルマンディーズ
II ガストロノームの系譜
あとがき
参考文献
※本書の原本は、1989年に岩波書店より『ブリア-サヴァラン「美味礼讃」を読む』として刊行されました。