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かつての「ワル」は、対等をめざして大人に挑戦してきた。しかし、「新しい子どもたち」は、端から自分と大人は対等だと思っている。彼ら・彼女らは、他者との比較を意に介さない。自分の内面に絶対的な基準を持つ「オレ様」になったのだ。「プロ教師の会」代表の著者は、教職生活40年の過程で、子どもたちの変化と格闘してきた。この体験をもとに、巷に流布する教育論の正否を交通整理しつつ、「オレ様化」の原因を探り、子どもたちの「個性化」と「社会化」の在り方を問う。
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Posted by ブクログ
いわゆる最近の若者論だか、長年教師をやってきた著者ならではの説得力と切迫感で書き上げている。良書です。
筆者は教師という立場から「オレ様化」した子供について、「畏れる」ものを何も持たず、自ら自己を主張して何ら憚るところがないと述べている。 また、子供たちの内面のその自信に比して、その表れの何たる貧弱なことよ、とも。 これについては、親の立場から子供と接する身としても非常に同感する。 筆者が本著でも述べ...続きを読むているように、親は育児をする機会が一度きりであり、この子供の態度が近代化の結果なのかどうかは私にはわからないが、その根拠のない自信に満ちた態度にたじろぐことは度々経験したものである。 ただし、だからといって筆者の述べる従来の教育が子供の教育環境として今日望ましいのかどうかは、これもまた判断できなかった。 分かることは、この子供たちの相手をする教師たちの負荷はこれまでの教師たちのそれに比べて遥かに大きなものになっているであろうことぐらいだ。
初めて諏訪先生の本を読んだ。昭和臭い部分もあるので、諏訪先生は、まあ上司にしたくはないタイプの人かもしれませんね。なるほどって感じ。教育論者の比較・検証をする章は圧巻だった。変わる子ども変わらない教師も面白かったかな。すぐ一般化するから、単語を理解しながら読まないと苦しくなる。
かなり昔に読んだ本であるが、前々から読み直したいと思っていたので読んでみた。 んーむずかしい…。その辺にある教育論とは掘り下げの程度が全然違うと感じる。ところどころ著者が使っている用語の意味がわからない部分がある。 しかし内容としては、説得力がありかなりおもしろい内容やと思う。筆者は、学校が社会にお...続きを読むいて果たすべきことは「のびのび」ではなく「厳しく」だと言う。「個性化」の前に「社会化」を目指すべきであるとも。 第二部の学者の教育論に対するコメントは、ちょっと見方が穿っているかなと思う部分があった。 二三一ページにある「管理はしないよりはしたほうがいい」という記述に安心した。その通りで、教育において管理することの悪影響を考えながらも、やはり管理してしまうし、そうすべきであると思う。 諏訪哲二さんの本は、考えを深める上で参考にしたいものです。
とても分かりやすかった。前に以前読んだ諏訪さんの作品(この本の後に出版された作品)と同じく、学校教育に資本主義が入り込んで、子供が変わってしまった、という主張だった。この主張は以前から変わっていないのだな、と感じた。しかし、今まで社会は子供を神格化し、地域(社会)、もしくは家庭に責任をなすりつけ、子...続きを読む供の中に原因がある、と考える学者の方がほぼいなかったお話や、内田樹さんと同じく、宗教の重要性に言及しているのが面白かった。最後の教育論者に対する批評は納得できない部分もあったが、考え方の違いが見ることができて面白かった。おすすめっす\(^o^)/
内田樹経由で読む。 自分も氏の言う「消費社会期」の世代である。 しかし、幸か不幸か、超田舎であったためか、当時の教育は、とても氏の言う「市民社会的教育」ではなく、むしろ、「農業社会期的教育」であったように思う(中学までは)。 高校は確かに、消費社会期的だったなと、思う。 氏の論ずる「近代」の位置づ...続きを読むけが、文中で若干揺らぐ部分があり、全面的に賛同できる内容ではないが、主旨はとてもよくわかり、大いに頷ける。 共同体意識の欠如による個の自立(という勘違い)。これがオレ様。 言っておくが、このオレ様は「ジャイアン」のオレ様とはまったく異なる。ジャイアンはむしろ、前近代的な姿だ。今の子ども社会にも、ジャイアンが居れば、ここまで無秩序には鳴らなかったのかもしれない。 「社会化が個性化の前に来る」 これを実現するために、自分にできることはあるだろうか、と考えてみることにした。
内田樹の『下流志向』で取り上げられたので読んでみた。 “80年代以降の子供たち”である私にとって(生まれは79年だけどね)身につまされる話ばかり。 自分探しの罠に陥りがちなわが身を振り返り、 自分のためより人のために働かなければと思うこのごろ。
p64『学校は成績評価、人物評価、規律や規範を提示することによって、子ども(生徒)たちに近代的な個人(市民)の「客観値」を示し、自己との距離を測らせようとする。距離が測れるようになるということは、(私そのもの)へのこだわりを少なくして、世の中に通用する大人になることだと表現してもいい。』 p68『勿...続きを読む論、10年前の学園闘争のときにも教師にその意味はわからなかった。しかし、何を主張(要求)しているかはわかった。当時は、まだ、教師と生徒は同じ文化性、コード、時代感覚にある、言葉は通じていたからである。』 p87『頭と身体が「商品交換」(人と人とは対等なやりとりをしなくてははならない)を求めている。いや、そう生きなければならないと「消費社会的」社会の倫理に脅迫されている。自分以外の誰かに判断を委ねたりしてはいけない。全て自分で決めなければいけないのである。だから、「共同体的な子ども」と違い、教師の話を一歩退いて聞こうとしていない。つまり、学ぼうとしていない。』 p98『子ども・若者たちは共同体による保護がなくなり、いつも自立(孤立)し「個」として「等価交換」に脅迫されているように見える。…「新しい学力観」にあるように、子ども(買い手)の望むものを、望むレベルとスピードで与えようとする「等価交換」の発想は、市民社会性に基づいて共同体的な教育を否定しようとしている点では進んでいるように見えるが、子どもの育つリアリティや現実に即していない。教育の必要性はまず子どものほうよりも、子どもを抱え込もうとする社会のほうにある。普通教育の前半において社会が必要とするものを、必要とするやり方で子どもたちに提示することに怯む必要は全くない。勿論、そうすることの痛みは感じなければならないが、そのことによって当座はあまり勉強をしたくない子どもも救っていけるのである。』 p115『太陽系の運行について教えられていながらあえて実感にこだわることや、生命体の死の復元可能性を信じることは、近代の「知」への離反ないしは違和を表していよう。近代社会と近代社会に生きる「個」の確かさが子どもたちに疑われてきている。学校教育を受けた近代的個人(市民、国民)とは、自分の目に見えないもの(こと)や、自分にわからないもの(こと)にも価値があることを知っているもののことである。もちろん、ひとりの「知」や検分で世界の全てを確かめることはとうていできないから、ほかの人たちの意見や認識や見聞を信じるということである。つまり、近代的な個人にとって必要なことは、何より「近代(社会)」というものを信じていることであり、近代社会に生きることが自己の実現につながると確信することであろう。』 p160『いずれにしても近代の世代は、全ての人との相互行為において「等価交換」を求めようとするから、相手に対しティ津用意上に厳しくなってしまう。・・・・・・みんな無限の「贈与」である『愛」から非常に隔たっている。この出来事は、そういう私たちの危機的な事態の一つの現れのように私には思える。』 p184文科省がこの十年ぐらい言ってきた「自分探し」 『私は、自分で自分を探しても自分は見つからなかろうと思う。本当の完璧な自分がどこかにあると設定されているからである。いつでも不満でもの足りない自分を発見して、さらに内部へ内部へと入り込もうとするのではなかろうか(オウムの若者たちのように)。自分は今の自分から「選んで」、自ら「つくり上げよう」とするものであり、自ら選んでつくり挙げたことの責任を取ろうとする営みの中で、ある程度確定されてくるものであろう。ある断念なしに自己とは出会えない。』 p189『幼児的全能感』が『社会(「外部」)』から『叩かれないと、「全能感」や「好奇心」のみが肥大化して成長し、社会性が育たず、「オレ様化」する可能性がある』『子どもが社会性を身に付けるということは、自己の「全能感」を挫折させることにほかならない。』『おとなとしての資格のひとつは、「全能感」を抑制できることであろう。そして、「全能感」がうまく志向性を持ち社会化されたものが「好奇心」であるとも考えられるのである。だから、「全能感」ではなく「好奇心」を持つとは、すでにその「個」がかなり「社会化」された人になっているということである。』
前半中々おもしろかった&興味深かったのですが 後半の色んな人(村上龍とか)の論文&著書等々を引用し、批判していくくだりは 読んでて若干しつこかったです。 でも「子供」自体を批評する本ってあまりないので 教育論的な事を語る本の中では好きです。
かなり間を置いて読んでしまったので、繋がらなくなってしまった。付箋を貼って読めば良かったと後悔。 これは再読の必要有り。
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諏訪哲二
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