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  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う
    3.8
    人は嘘をつこうとしていないのに、体験していない出来事を見たり聞いたりしたと証言してしまうことがある。証言の聴き手が、それと気づかないうちに虚偽の証言や自白を生み出す手助けをしてしまうこともある。人間の記憶は脆く、他者の記憶とのネットワークによって成立している。これを法廷という非日常の「現場」に生かすことは果たしてできるのか。興味深い実例を交え、心理学研究の最前線をわかりやすく説明する。

ユーザーレビュー

  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う

    Posted by ブクログ

    人の記憶の脆さと、その脆さに頼らざるを得ない裁判。
    記憶は体験を発酵させ、少しずつ変化させていく熟成庫のようなもの、蓄積されて動かない倉庫ではなく、いろいろな情報を複雑にリンクさせていく開かれたシステムだといいます。
    ウォーターゲート事件でのジョン・ディーンの事例。自民党本部放火事件で「電磁弁」を購入した人物について販売店員の「善意で生まれた」記憶。甲山事件の園児証言に関するフィールド実験。
    いかに、人の記憶が、無意識に悪気なく「変化」して、生まれて、定着してしまうかがわかりました。
    事件からしばらくたって、日常的な出来事について思い出すよう求めて話された「記憶」は、あやしい。
    「じゃあ物証な

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    2021年05月06日
  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う

    Posted by ブクログ

    「記憶は過去の正確な記録ではなく、常に他者との相互作用を通じて作り上げられていくもの」。筆者はこの視座に立って、「証言」という行為を心理学的に分析する。法と心理学の関係について関心がある人はもちろん、実験法を用いない心理学研究のあり方についての示唆にも富んだ本。良書だと思います。

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    2009年10月04日
  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う

    Posted by ブクログ

    会社の飲み会(年配のおじさん多い)は面白い。毎回毎回必ず「例」の話が出てくる。例えば皆んなが受けた地獄の様な研修の思い出話、皆んなが尊敬していた同僚が突然亡くなった後の故人との思い出話。毎回ほぼ同じストーリーで語られ、同じ所で笑いや懐かしさに襲われる。考えてみたら、それ程同じ話を変わらず繰り返せる話者も凄いが、いかにも初耳であるかの様に笑える聞き手も凄い。双方の記憶力の対比を数ヶ月間隔で定期体験している。
    私も同じ研修話をするが、最早何度も話をしてるうちに、自分が体験した事なのか、他人の経験を自分事として話してるのか怪しくなっている。
    それ程に日常的にも周囲とのネットワークで記憶は作られていく

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    2023年03月30日
  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う

    Posted by ブクログ

    記憶という心理学の基礎的な分野が実際にどのように扱われているのか、証言という場面を用いて論じられていた。記憶そのものよりは供述分析の手法にシフトしていた気もしたがなかなか面白かった。心理学という若い学問がこの先どうやって立場を獲得していくかについても考えられるかもしれない。

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    2018年03月31日
  • 証言の心理学 記憶を信じる、記憶を疑う

    Posted by ブクログ

    過去は再現も説明もできない。それが出来る立場の人間は地上にはいない。だからそれ以外のところから、遺跡を掘るように慎重に進めなければならない。正解も時間もない世界であると痛感する。

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    2015年12月23日

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