ノラや

ノラや

796円 (税込)

3pt

ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫の子のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ――愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙塞き敢えず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百間先生の、あわれにもおかしく、情愛と機知とに満ちた愉快な連作14篇。

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ノラや のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月20日

    内田百閒が、愛猫ノラが行方不明になってずっと泣いている一連の作品集。
    昭和32年3月27日昼過ぎ、百閒の愛猫ノラは行方が分からなくなりました。翌日から内田は「ノラの事が非常に気に掛かり、もう帰らぬのではないかと思つて、可哀相で一日ぢゆう涙止まらず。やりかけた仕事の事も気に掛かるが、丸で手につかない。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年11月21日

    文豪内田百閒先生がいなくなったネコを探してオロオロ、メソメソ。
    わかりますとも、その気持ち。
    でもちょっと、度を越してはいませんか?
    奥さまや周りの方々はたいへんだったことでせう。

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    Posted by ブクログ 2021年02月17日

    猫好き必読の本か何かで取り上げられているのを見て手にした一冊。裏表紙の説明に「消えてしまった」、「病死した」という単語を見て、ちょっと萎えて、しばらく積読。
    やっぱり、猫飼いとしては、胸が痛かったですね。飼い猫が出かけた切り帰って来ない。看病むなしく病死する。いやぁ、耐えられない。
    最初はノラと比較...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月30日

    「先生」の家に現れた野良猫。内田百間の師、夏目漱石の『吾輩は猫である』を思わせる微笑ましい猫との出会いが、2章目から急展開する。犬猫を飼ったことのある人なら涙なくして読めないだろう。

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    Posted by ブクログ 2020年07月11日

    猫を飼おうかなと思っている人に、是非読んでほしい一冊。
    猫のノラとクルツに対する、著者の愛が半端じゃない。
    いなくなった猫を可哀想に思って、70代のじいさんが連日声を上げて泣いているのである。このままではおかしくなってしまう、と言いながら。
    厳格だと言われた作家をここまでメロメロにした猫を、いつか先...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月01日

    百鬼園先生の情の深さに失礼ながら笑いを禁じ得ず。こんなにも涙もろいなんて、阿房列車を読んでいる時には微塵も感じなかった。先生は漱石の弟子であり、リアルタイムで『吾輩は猫である』を見知っていることから、百鬼園版猫エッセイだと思ったが、ノラが失踪した辺りから先生の涙話が累々と続き、決して不快ではないのだ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年08月20日

    いつの間にか家族となった猫への愛情が痛いほど伝わってきて、涙なしには読めない本です。
    私も猫という家族がいますので、共感しっぱなしでした。
    猫はこんなにも人を魅了してしまうのかというところは猫好きでない方にも読んでいただきたい点です。

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    Posted by ブクログ 2017年08月17日

    誰ですか猫好きにオススメとか言ったの!
    文庫の裏に愉快な連作とかあるけど、愉快じゃないですよ!!

    1本目の「彼ハ猫デアル」以降、(所々でかわいい猫の所作の描写が含まれるものの)胸が苦しくなる話ばかりじゃないですか……

    百閒先生、ネコは特別好きではなかったとか言いながらノラとクルのために東奔西走す...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年03月14日

    百閒先生は、ペットブログの創始者なんじゃないかと思う。
    失踪した「ノラ」に思いを馳せ、傷心している明治男を垣間見た。

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    Posted by ブクログ 2016年12月20日

    百聞先生の代表作「のらや」。学生のときに手にしたことはあるのだけど全く面白さが分からず途中でやめたけど、この年になると面白い。
    謹厳かつ気難しいと表された百聞先生が、ひたすらネコの行方を気にして毎日泣く。ひたすら嘆く。ただ、それだけのことが、屈指の名文家の手にかかると、散文のお手本となる。素晴らしい...続きを読む

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