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古事記は、八世紀に編纂された日本最古の書物のひとつである。しかし古事記は突然出現したのではない。縄文・弥生期から連綿と続く、無文字時代の神話がその源にあった。著者は、無文字文化の「生きている神話」「生きている歌垣」が今なお残る中国長江流域の少数民族文化を調査し、神話の成立過程のモデルを大胆に構築。イザナミやヤマトタケルの死、スサノオ伝承、黄泉の国神話、糞尿譚などを古事記の深層から読み直す。
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Posted by ブクログ
古事記と言えば日本古来の神話というのが通り相場だが(そしてそのとおりなのだが)、実はポリネシアなど南方の神話との共通点が多いこと、その記述は「編集」されたものであり、本来の姿である「謡」の要素を復元する上で中国少数民族の無文字文化の分析が参考になりうること、等々興味深い論考が続く。 恐らくハイライ...続きを読むトはこうした外来文化との共通性の例外として日本だけが人糞を肥料に用いる特徴があることの指摘と、その理由にかかわる推論部分。 専門家の間でどのように評価されているのかは分からないが、大変刺激的な内容だった。
古代史について。 日本最古の書物のひとつである古事記に、律令国家としての正統性だけでなく、無文字時代の縄文弥生時代から連なる呪術的等の文化の影響力を重点においている本。 古事記について詳しくないので、分からない点も多いが、古事記に書かれている不可解な記述等も、縄文弥生時期(著者は「古代の古代」と呼ん...続きを読むでいる)の文化の影響力のせいという点は、非常にロマンを感じた。 中国少数民族や沖縄の歌の文化を古代の古代の源流のひとつと考えている。 結は非常に共感できる内容だった。古代の古代の文化と国家段階に求められるリアリズムは反する方向性のものだが、日本は古来その矛盾した状況が連なってきた。明治の近代化や大戦等で限界に達しつつも、現在までなんとか連なってきた。近代国家としてのリアリズムから考えると、古来の文化である天皇制は非常に矛盾した存在になってしまうが、古来からその矛盾した状況を柔軟に対処してきた文化を残していくべきという点は同感。
神話の本来の形は「歌」であったとし、 文字で伝えられる時点で古事記は「死んだ神話」という考えを元に、 現代に残る「生きた神話」である中国の少数民族に伝わる「歌垣」を参考に、 神話の成立背景、当時の死生観などを考えるもの。 古事記についてそんなに詳しくないので鵜呑みにしていいものなのか分かりません...続きを読むが、興味をそそられます。 ただ、著者がどこから「歌垣」に行き着いたのか書いてなかったような。見落とし?
古事記研究に、アジアの少数民族の神話・歌垣との比較により、さらに原始的な古代とのつながりを探ろうとする意欲的な議論。 古事記は既に国家化・文字文化が芽生えていた成立当時の日本の姿を反映して、口伝であった原始的な神話の姿を失いかけているが、そこにはまだ原始の形跡が残されているとする。そうした原始的な...続きを読む神話、一種のアニミズムを中央集権国家の精神的基盤にそのまま取り込めたのがヤマト民族の特徴であり、しかもそれを現代まで引きずっているのは珍しいと(なるほど皇位継承問題で父系がどうとかの議論になる由来もそのあたり?)。中国と海で隔てられていたためだ。そのため一神教的文化にはない柔軟性を長所として持つわけでもある。 正統な漢文ではない和文表現的な漢字使いを見て、古事記が当時既に、流入する中国文化への対抗意識、独自のヤマト文化の称揚をしようとした懐古主義的な書物であった、そのためにアニミズム的世界観を強く残している、と指摘する。 著者の研究は、実証的な説得力がまだ十分ではないかもしれないが、ヤマトタケルへの挽歌を死者に対する別れの口実の歌をベースと読み直したりするのは、腹に落ちる感があった。 全くの余談)雲南省ペー族の歌垣の歌い手の女の子は、日本人みたいな顔だ。かわいい。
[ 内容 ] 古事記は、八世紀に編纂された日本最古の書物のひとつである。 しかし古事記は突然出現したのではない。 縄文・弥生期から連綿と続く、無文字時代の神話がその源にあった。 著者は、無文字文化の「生きている神話」「生きている歌垣」が今なお残る中国長江流域の少数民族文化を調査し、神話の成立過程のモ...続きを読むデルを大胆に構築。 イザナミやヤマトタケルの死、スサノオ伝承、黄泉の国神話、糞尿譚などを古事記の深層から読み直す。 [ 目次 ] 序論 古事記研究の現在(古事記の四つの顔;生きている神話;古事記神話の古層・新層・中間層;昔話と原型的な神話の違い;リアリティーある「古代」像を目指して) 第1部 古事記をどう読むか(古事記はどのように研究されてきたか;原型生存型民族の口誦表現モデルで読む) 第2部 古事記を読み解く(臣安万侶言す(「記序」)―激変の時代が突出させた復古精神 天地初めて発けし時―無文字の古層と文字の新層の交錯 イザナミの死 ―排泄物利用の技術革新 黄泉の国神話―死と折り合いをつける スサノオ神話―分析を拒絶する混沌 ヤマトタケルの死―古層の死生観で読み直す サホヒコ・サホヒメ―民族サバイバルから恋愛へ 志毘臣と袁祁命の歌垣―歌垣と政治の交錯 古事記と日本) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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