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終章にて著者曰く(241p.)、
「江戸時代に始まった国学は、『古事記』『日本書紀』や『万葉集』などのうち、とくに『古事記』を読めば(徹底的に読み込めば)、中国の思想や文化の影響をこうむる以前の日本の真の姿が明らかにできるのだと考えた。だが、本書において『日本書紀』の前半部分の叙述を取り上げ、いろいろと検討を加えた結果、国学者には残念ながら、ことに『日本書紀』は、それをいくら読み込んでも、歴史的な事実のかけらや、中国の思想・文化の日本固有の姿を拾い上げることはほとんど不可能であることが明らかになった。むしろ、『日本書紀』という歴史書は、中国の文化・思想の受容と摂取なしには、その骨格すら成り立ちえなかったといわねばならない。」
松岡正剛が、千夜千冊でこの本を採りあげている(第1071夜。2005.10.31)。
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[ 内容 ]
神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。
戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。
本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。
律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。
[ 目次 ]
序章 万世一系と王朝交替と
1 律令制国家と天皇―その誕生の物語(イワレヒコの東征―神武天皇;神々のむすめとの蜜月―綏靖天皇~開化天皇(欠史八代)
ハツクニシラス天皇―崇神天皇・垂仁天皇
疾風、ヤマトタケル―景行天皇・成務天皇
皇后、海をわたる―仲哀天皇・神功皇后
胎中天皇の栄え―応神天皇)
2 中国的王朝―その興亡の物語(恋する聖天子―仁徳天皇;反乱、また反乱―履中・反正・允恭・安康天皇;大いに悪しき天皇―雄略天皇;繰り返される断絶と再生―清寧・顕宗・仁賢・武烈天皇)
終章 再び、万世一系と王朝交替と
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
結論は終章
終章から読むことをお勧めします。結論がそこにあり、それ以外は結論を強化する部分です。
古代天皇が実在したか?という質問に、それに答えることの意味を見出せないという点に共感しました。ときの国家が国書を編纂し、そこには当事者にとって一見不都合とも思える記述を記す?否、不都合だと感じることが現代の価値観に縛られている証拠だと本書は論じていると思う。国書=自国の正統性の主張に他ならない、との観念に従えば、その含意を読み解ける。本書の主張が証明される日が来るといい。
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