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持統天皇はなぜ夫・天武天皇よりも亡父・天智天皇を称揚したのか? 『日本書紀』は大化の改新、壬申の乱をどう描いたのか? 蘇我親子を滅ぼした英雄。律令制の創設者。武と文の二つの天智天皇像はなぜ生まれたか? 激動する七世紀、古代律令制国家誕生までの道を検証し、従来の古代史像を塗り替える一冊。
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Posted by ブクログ
いわゆる大化の改新の時代は、学校で習ったことから変更された史実も少なくない。本書は、さらに丁寧な検証によって新たな歴史認識を提示している。謎も多い時代だけに読んでいて大変おもしろい。そして、何よりも丁寧なルビふりなど、我々のよな素人でも読みやすくつくられている。
「武の人」であるとともに「文の人」でもあるという、われわれによく知られている天智天皇像が、持統天皇によってつくられたという著者の主張が語られている本です。 本書の前半では、『日本書紀』と『鎌足伝』にえがかれた天智天皇像について、批判的な検討がおこなわれており、あらためてわれわれの知っている天智天皇...続きを読むのイメージに対する疑問を提示するとともに、そうしたイメージがだれによってつくられたのかということを明らかにする必要があると主張します。 後半では、持統天皇の生涯をたどるかたちで、天智天皇の事跡がどのようなしかたで継承されていったのかということが論じられます。持統天皇は、夫である天武天皇から政治の手法を学びつつ、永遠の生命力をもつ「天皇」のありかたが代々継承されていくものとして規定することを目的として、天智天皇のイメージをつくりあげたとされています。 とくに前半は、従来の天智天皇にかんするイメージの根拠が薄弱であることを主張しようとする著者のもくろみが先行していて、やや性急な議論になってしまっている印象があります。
なかなか興味深い本だった。著者は「天武と持統」でないのは意外なのでは、と「序」で書いているが、私はやはり、持統はあくまで「天智の娘」だったと思うので意外性はなかった。ただ、従来描かれてきた天智像の矛盾などを解き明かすプロセスは面白い。
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天智と持統
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遠山美都男
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