作品一覧 2011/03/18更新 味覚三昧 試し読み フォロー 料理心得帳 試し読み フォロー 料理のお手本 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 辻嘉一の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 味覚三昧 辻嘉一 日本の豊かな四季がもたらす食の恵みを、おくゆかしい文体でつづる。料理や食材にとどまらない料理人の高い文化的レベルと知性を感じる一冊。読んでいて心が洗われます。 Posted by ブクログ 味覚三昧 辻嘉一 持っているのは中公文庫の30年くらい前の古い版。 著名な料亭辻留を始めた辻嘉一の料理エッセイ集。 一連の本はほぼ持っている。 分量などはまったく書かれていないが、味付けは大変参考になります。読めば料理がうまくなること請け合い。 料理は結婚するまで家で一度もしたことがなかったが、辻嘉一と湯木貞一(吉兆...続きを読む)と立原正秋に習った。 ので、私の料理は微妙に家庭料理から外れている、らしい。 Posted by ブクログ 味覚三昧 辻嘉一 存命ならば103歳、1907年1月2日京都生まれの至高の料理人。1988年に81歳で昇天。 包丁一筋、日本全国に古今東西にと真実の味を追求して六十余年、200種類あまりの食文化と美味を語りつくす名人芸に、何度でも耳を傾けます、不肖わたくし押しかけ女房ならぬ弟子ですから。 もしかなうなら、いわゆる...続きを読む懐石料理というか和食の王道を行く師匠に、ひとつ無理難題を押し付けたいのですが、多分めちゃめちゃ見事にやってのけられると思うのですが、それは私がいま実践していることで、浅学未熟の私ですが、和洋中韓とさまざま学んできて行き着いた今、何かを作るために材料を買い集めレシピを参照するのではなくて、安価な材料を買い集めた中で何が作れるか、自分の引き出しの中にあるレシピを引っ張り出して来て、時には変形、時にはアレンジして、和洋中韓の中の一品を、あるいは、従来の和洋中韓とは異なるまったく新しい逸品を作る、そういう料理のアドリブみたいなのをやってみ・・、あっ、いや、今なんか稲光みたいなものが走りましたね、ひょっとして怒ってらっしゃる? やっぱりね、よく口癖のように言ってらしたものですものね、ちゃんとした何度も作って納得したものでなければ人様にお出ししてはならない、と。 はい、その戒めをすっかり忘れて慢心していました。 改心してこれからは、試作したものは自分だけで食べて、ええ、人一倍誰よりもブクブクと太っていきますとも。 Posted by ブクログ 料理心得帳 辻嘉一 茶懐石「辻留」二代目主人である著者が、料理にかんするさまざまな所感をつづったエッセイです。 とくに前半には、俳句を織り込みながら「食」の歓びを語り、道元の「典座教訓」に言及しながら「道」としての料理のありかたを述べるなど、エッセイとしてすぐれた内容の文章が多く収録されています。著者の日本語の美しさ...続きを読むも印象的です。 ただ、わたくしにとって本書に書かれているような「食」との付き合い方は、やや高尚にすぎると感じてしまったのも事実です。有元葉子の料理にかんするエッセイを読んだときのように、そこで提唱されているライフ・スタイルにあこがれるというスタンスで読むことはできなかったのですが、あくまでエッセイとして文章の妙味をあじわうことのたのしみは十分に得られたように思います。 Posted by ブクログ 料理心得帳 辻嘉一 食べることと食べてもらうこと。この決定的な違いのはざまで、両者に通じているのは、技巧に心奪われることなく心を込めて、1年心待ちにした味わいを大切にすること。そんな精神的な空間から、食を通じて、季節感や、作り手と食べ手の心のありよう、様々な気づきが共有される歓び。 心を力説する中身は、目利き、下ごし...続きを読むらえ、味加減、器の選択など、こまかな手順の積み上げに心が表れることの意味であり、決して精神論ではない。むしろ、旬を、お茶濁しの常套句とせず、人工的な食を徹底的に拒絶しつつ、“1年心待ちにした”その季節のその瞬間にしかない食材から生み出す、という意思こそが、強い精神性として感受される。 それは、これが著された60年代から70年代、もう半世紀も昔の時代にあって、すでに旬が脅かされる危機が準備されていたことを物語るのだと思う。今に至る大きな変化を、著者は痛切に感じ取っていたからに他ならないのだと思う。 1年心待ちにした味わいという言葉は、痛切だ。良い加減という字義がいいかげんに代わり、旬は、心待たずして作り手とマスコミが、オオカミ少年よろしく365日騒ぎ立てる現代。僕らが想像力を駆使して、改めて緊張しなければと思うことは、明治生まれの氏が訴えた危機は、その当時までの具体的な記憶に基づいているということだ。現代において、その記憶にある食材や調理技術のおおかたが、すでに再現不能な可能性が高いということだ。 そんな現状であきらめ、弛緩していくか、与えられる限りの緊張を呼び戻そうとするかも、僕らの想像力にかかっているということだ。 Posted by ブクログ 辻嘉一のレビューをもっと見る