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2018年秋、韓国最高裁は「徴用工」訴訟で韓国人被害者への賠償を日本企業に命じた。日本の最高裁でも、韓国の高裁でも原告敗訴だったが、なぜそれが一転したか――。本書は、日本統治下の朝鮮人労務者の実態から、今なぜ問題が浮上したかまでを描く。この問題は、歴史的事実、総動員体制、戦後処理、植民地主義、歴史認識、国際法理解、司法の性格など多岐にわたる。それらを腑分けして解説、日韓和解の糸口を探る。
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Posted by ブクログ
要点がよく整理されており分かりやすい。また日本、韓国どちらかに寄りすぎることもなく理性的に解説してくれている。この問題の入門書としては最適。
「徴用工」について、かなり客観的に交渉経緯や法的根拠などを著述する。 ほぼほぼ世間に出ている論と変わりない。が、その同意に至る交渉を、薄い本ながらコンパクトに説明していただいている。 そうは言っても、歴史的、国民感情的な問題があって、経済力もついてきたんだが、そこも含めて新しい解決を図らないとい...続きを読むけないんじゃないかも、的な提言は、不要と思う。 日本側の、歴史的国民感情的な問題が軽視されてきたこと、軽視すべきという姿勢が問題と思う。 だから、法的解決があるんでしょ。 したんでしょ。
日韓の国交正常化への議論の流れを丁寧に追う叙述は大変勉強になった。双方のギリギリの妥協と言わばごまかしの産物だと思うと、両国の当時の交渉担当者に頭の下がる思いである。 本書はしきりに、日本の植民地支配は韓国の近代化を助けた側面がある、徴用工の労務環境はさして劣悪だったとは言えない、強制的なものも少...続きを読むなかった、植民地化自体は当時合法であり、世界中でそのような補償を行なった例はない。などという記述が目立つ。 客観的に捉えて、全て事実の要素は含み、著者の言う通り、この問題は白黒で塗り潰せるようなものではないとは思う。 しかし。仮にただ一人でも強制的に劣悪な環境で働かされた人がいたならば、制度自体を美化することはできない。これは、技能実習生問題でも同じことが言える。 さらに、「歴史認識とは何か」で指摘されているように、諸外国もやってたからーなどという主張は、「恥ずべき」行為だと僕は思う。 その点で、これらの主張は少なくとも日本側がすべきものでなく、韓国側の歴史研究の果てにこのような意見が出てくるのであればそれを受け止める、というのが筋であろうと思う。 特に初めの二章の記述に気になるところが多く、喉に骨がつかえたような形になってしまったが、改めて問題の複雑さを認識できた点で、本書は優れていると思う。特に、韓国側の司法判断の意味をこれほどわかりやすく示されたのは初めてで、それだけで本書を読んで良かったとは思う
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「徴用工」問題とは何か 朝鮮人労務動員の実態と日韓対立
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波多野澄雄
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