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Posted by ブクログ
日韓の国交正常化への議論の流れを丁寧に追う叙述は大変勉強になった。双方のギリギリの妥協と言わばごまかしの産物だと思うと、両国の当時の交渉担当者に頭の下がる思いである。
本書はしきりに、日本の植民地支配は韓国の近代化を助けた側面がある、徴用工の労務環境はさして劣悪だったとは言えない、強制的なものも少なかった、植民地化自体は当時合法であり、世界中でそのような補償を行なった例はない。などという記述が目立つ。
客観的に捉えて、全て事実の要素は含み、著者の言う通り、この問題は白黒で塗り潰せるようなものではないとは思う。
しかし。仮にただ一人でも強制的に劣悪な環境で働かされた人がいたならば、制度自体を美化することはできない。これは、技能実習生問題でも同じことが言える。
さらに、「歴史認識とは何か」で指摘されているように、諸外国もやってたからーなどという主張は、「恥ずべき」行為だと僕は思う。
その点で、これらの主張は少なくとも日本側がすべきものでなく、韓国側の歴史研究の果てにこのような意見が出てくるのであればそれを受け止める、というのが筋であろうと思う。
特に初めの二章の記述に気になるところが多く、喉に骨がつかえたような形になってしまったが、改めて問題の複雑さを認識できた点で、本書は優れていると思う。特に、韓国側の司法判断の意味をこれほどわかりやすく示されたのは初めてで、それだけで本書を読んで良かったとは思う
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