不倫という下世話な世界を社会調査の目線で分析した本。「何となく」の世界に説明に一定の説明をつけてくれている。
自分の思いとしては「不倫」というもの自体が定まっていないし、月経を「生理」というようなぼやかした表現が世間にまかり通っているのが何だか解せずにいるし、いわゆる不倫をした人が、特に女性側が世間
...続きを読むから過剰にたたかれてる気がしてならないし、結婚したからというだけで、通じ合わない人と冷めた結婚生活を続けるほうが何だか倫理に反している気がしている。
この本では、不倫的な行為の表現の変遷に冒頭で触れていてくれて、かつてはよろめきと言われたりしていたのが、「不倫」が台頭してきたという流れがつかめた。
そして、上述したように実質は純愛が「不倫」とされてしまうことがあるのではないかと思っていたけど、多数派の男性は肉体関係を求めてのことだったのかというちょっとがっかりな調査結果だった。一方で、女性は精神性とかを相手に求めているんだけど、それだって相手が肉体を求めているのなら、満たされる不倫って少ないってことになるだろうな。
書中では不倫の定義を「結婚後に配偶者以外とセックスをすること」(p.35)としていて、調査の結果、既婚男性の51.9%、既婚女性の24.7%が不倫をしたことがあるということなんだけど、上記の定義を用いると、セックスしないかぎり不倫にはならないわけだから、精神的な結びつきの場合は不倫にあたらないってことか。