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ペリー来航などの「西洋の衝撃」を受け、1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、勝海舟らによる咸臨丸の太平洋横断航海、幕長戦争などを経て近代海軍として成長してゆく。鳥羽・伏見の戦いにより徳川政権は瓦解し、五稜郭で抵抗を続けた榎本武揚らも敗れて歴史的役割を終えるが、人材や構想などの遺産は明治海軍へと引き継がれた。歴史研究者・現役海上自衛官の二つの顔を持つ筆者が、歴史と軍事の両面から描く。
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Posted by ブクログ
おもしろかった。日本海軍の成り立ち、海軍から観た幕末といった別の名前で出しても遜色ないほど多岐にわたりかつテーマは外していない。最近、題名と中身が違う本ばっかりだったから本当に良かった。
修士課程の先輩に当たる著者、前著がおそらく博士論文ベースの学術書で、本書は新書で個人的なエピソードや感想、推測なんかも含まれているので読み物として面白いし、幕府海軍のことはあまり知らなかったので学びも大きかった。 気になった話がいろいろあって。アメリカへ咸臨丸が渡って修理を受けた時、マクドゥーガル中...続きを読む佐が修理箇所の一つ一つを勝に説明して了解を得ており、それに勝が貴官が適切と考えるなら貴官の判断でと言ったときに「指揮官たる者、平素から索の一本、板の一枚に至るまで自分の艦を把握していなければ、嵐に遭ったときなどに艦を守れない。だから私はどんなに小さなことでも貴官に説明し、了解を求めているのだ」と回答したとか。幕府の近世的軍隊の論理で生まれ育ち、咸臨丸の当直割を能力に基づいて変更するよう提案したブルック大尉を拒んだ木村喜毅が渡米後は能力に基づく人事制度が不可欠と気づいたり。第二次幕長戦争では大島口の戦いの幕府軍の作戦行動は日本の近代軍事史上はじめて統合作戦が試みられたが、統合指揮官がおらずちぐはぐな行動で劣勢な長州勢に敗北した。富士山が彦島砲台を攻撃したが、激流のためそれ以上の接近を断念した望月の好判断について、軍事の世界においてファインプレーとは危機を未然に防ぐことでありら、それゆえ成功例であるほど目立たない、それに該当。薩摩海軍の翔凰丸が幕府海軍と戦い浸水した時に破孔に布団を詰めたのが今と同じ。徳川慶喜が大坂城から逃げる時に間違えてアメリカのイロコイに乗ってしまったが、その時副長を勤めていたのがマハン。慶喜の脱出を知った日の日記は判読不能だが翌日には冷静さを取り戻し指揮した小野広胖。日本の近代海軍史上、3隻を一つの戦術単位として有機的に用いて戦闘を試みた初めてが宮古湾海戦。
現役の防大准教授 (2等海佐) による幕府海軍成立以前から成立、そして崩壊に到るまでの研究。 単に歴史を時系列で追うだけでなく、海軍とは何かにはじまり、幕府海軍が遺したもの、そして今日の海軍 (海上自衛隊) の役割までがまとめられている。 幕府海軍については、戊辰戦争等の戦記的なものは目にする機会が...続きを読むあるが、その成立、組織、装備等についてコンパクトにまとめられたものは少ない気がするので、面白く読めた。
幕末を扱った時代劇だと負けてばかりの残念な幕府海軍。でもゼロから近代海軍創設を目指して苦闘した歴史として読み直すと敬服してしまう。
日本海軍は幕府海軍からスタート。海軍士官養成のための長崎海軍伝習所が設立され、オランダ留学組も加わり、榎本脱走海軍へ繋がる。日本初の太平洋横断した咸臨丸であるが実質はアメリカ人の操船によるところが大きい。オランダで造船された開陽丸は当時日本最大の船(2590トン)であったが、江差沖での座礁沈没は榎本...続きを読むにとって痛恨の極み。とにかく、榎本軍にとっては天候による影響が大きかった。今と違って天気予報もわからないし、1000トンにも満たない船ばかり。
幕府海軍が、13年かかり、単なる船の集合体から艦隊行動の始まりまで成長し、明治の海軍に引き継がれた。
幕末から明治にかけて、13年だけ存在した「幕府海軍」。 徳川の私設水軍から、近代的な海軍への編成、さらに明治になって日本国海軍を経て、海上自衛隊につながる遺伝子。 歴史や、水軍、海軍とは何か、海外との関わり、明治期の内戦など、通り一遍を新書でまとめてあるので、とても深いものではないが、いつの間にか素...続きを読む直に読み切ってしまう入門書。
幕府海軍っていうけど、実は13年しか存在していない。 さらに言えば、当時アジア最強の海軍とか言われていたけど、さしたる戦功もない。 でも人材(特に現場の人間)を輩出したことは確かで、その観点では明治海軍の礎となったんだね。
幕府海軍がテーマという事で物珍しさに購入。明治海軍の土台として幕府海軍が大きな役割を果たした事を理解した。日本海防の近代化に大きく寄与した幕府海軍の知名度が低い事は残念である。 ぜひ一度本書を手に取ってほしい。
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幕府海軍 ペリー来航から五稜郭まで
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金澤裕之
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