作品一覧

  • 王将・坂田三吉
    -
    1巻902円 (税込)
    映画「王将」で知られる反骨の棋士・坂田三吉(一八七〇~一九四六)。その明治・大正・昭和三代にわたる破天荒な人生を村松梢風「二人の王将」、織田作之助「聴雨」「勝負師」、藤沢桓夫「阪田三吉覚え書」の名篇でたどる。巻末に北條秀司、内藤國雄らの随筆を併録。文庫オリジナル。    〈解説〉西上心太 【目次】 二人の王将         村松梢風 聴雨/勝負師        織田作之助 阪田三吉覚え書       藤沢桓夫 坂田三吉をめぐって            坂田三吉氏のこと      菊池 寛 坂田三吉          吉屋信子 坂田翁への手紙       北條秀司 一芸に秀でた風格を示す   吉田美代 名人・その世界 坂田三吉  内藤國雄 解 説           西上心太
  • 風は緑に
    5.0
    1巻660円 (税込)
    外国映画会社宣伝部の一雄とTV局報道部勤務の圭助をめぐってる、ファッション・モデルの彩子、アナウンサーの三千代、幼稚園の先生の牧子たちとの恋模様。だが、牧子はアメリカ文学者と不倫し、彩子を狙うスポンサーが現れて……。華やかな都会の第一線で活躍する男女の、恋愛の苦悩と情熱を描いた、青春の感動的ロマン!
  • 誰も知らない
    4.0
    1巻660円 (税込)
    女たらしで有名な大会社の御曹司・英太郎と、その親友の清司。そして、英太郎の妹、清司との結婚に踏み切れない幾代、清純な娘・麻子、英太郎との肉体関係で結ばれた柳子たちの、それぞれの愛の行方は……。そして、脳溢血で倒れた父親のロボットとして会社運営に携わる英太郎は麻子と結ばれ、清司は幾代と、柳子は知らぬ顔して別の男と結婚して……。

ユーザーレビュー

  • 風は緑に

    購入済み

    新しい価値観

    梅田新道、中之島、心斎橋、御堂筋から大阪近郊まで職業を持った男女の恋愛模様を描きながら、旧弊な倫理観と新たな価値観を模索して爽やかに生きたいと願う人々の姿を活写しており、物語の展開にスピード感がある。中年男達の卑俗に誘惑されかける若さを「緑の風」というタイトルに象徴させた藤澤桓夫らしいモダンでストレートなメッセージに熱いものを感じ、いつの時代も自分らしく生き抜くことは困難を伴うのだと考えさせられた。

    0
    2022年01月16日
  • 誰も知らない

    購入済み

    舞台は東京

    藤澤作品には珍しく大阪は、主人公が出張で訪れるのみで、主要舞台は東京である。そのせいなのか、筋運びが冗漫であるように感じられた。どこかこなれていないものが随所に見受けられ、最後まで読み通すのを何度か諦めそうになった。とはいえ、発表年代が昭和33年であることを思うと、男女の恋愛事情は革命的な変化が生じたのだと、一種の証言記録でも読むつもりで、ページをめくった。結婚にまつわる貞操問題が、ここまで小説の題材になりうる時代があったのだと、それも一種の歴史的な記録であるように思えた。つくづく、時代に応じて読者が求める作家というのは多彩であり、小説は進化しているし、文体も変化していると実感できるテキストで

    0
    2022年08月16日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!