ちくま新書の検索結果
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手話の学校と難聴のディレクター ――ETV特集「静かで、にぎやかな世界」制作日誌
東京都港区には、日本でただ一つの、「日本手話」を第一言語とした教育を行うろう学校がある。その名は「明晴学園」。2017年の春、この学校の子どもたちを主人公にしたドキュメンタリーを撮影するために、一人のTVディレクターがこの学校を訪れた。実は彼女も難聴者だ。聞こえる人と共に仕事をするなかで、様々な葛藤を抱えていた。「「共に生きる」はきれいごと?」「私は社会のお荷物?」。難聴のディレクターが手話で学ぶ子どもたちの姿を通して日本社会の現実と未来を見つめた、一年間の記録。 -
食品表示の罠
スーパー、コンビニなどで売られている食品には、品名や値段だけではなく、メーカー名、原材料名、賞味期限といったさまざまな情報が記載されている。その表示方法は法律や業界の自主的ルールによって事細かに定められている。しかし本来、食の安全を確保するための食品表示が、製造者本位の、消費者にとって非常にわかりにくいものになっている。本書は、料理研究家の著者が、一消費者として、一人の料理家としての視点に立って、食品表示の裏側に隠された本当の意味や問題点を鋭く指摘。知られざる食品業界の慣習などトリビアも満載。賢い消費者になるためのヒントが得られて、簡単につくれておいしく食べられる厳選料理レシピも付いたおトクな一冊。 -
シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち
待ったなしの少子化、激変する結婚・住宅事情、未来を担う若者の奮闘と苦悩などニュースの裏側の中国の「ガチの素顔」をレポートする。画一化された競争人生を強いられメンタルが繊細化し焦慮する若者(「内巻」)、手塩にかけて育てた一人っ子に「優良」な結婚と孫の誕生を切に望む親世代。男女人口の崩れも影響し婿家族が嫁家族に渡す結納金が高騰、加えて、住宅私有化とともに不動産も高騰、そこに出現した「結婚道徳」……。圧縮された国際化と市場化の激流の中で、市井の人々、特に若者は何を思い、人生を歩むのか。 -
神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む
日本の神道とは何なのか。それは、いくつもの信仰が、繰り返し「上書き保存されたもの」と捉えることができる。古代天皇の神祇祭祀に、仏教や儒教・陰陽道等が流入、さらに幽界霊界の存在への信仰が加わって、混沌としたまま全てを含みこむ形で展開。そのため、日本の神道は複雑に見えるのだ。本書では、その後、さらに天皇崇拝を中心とする近代の国家神道を経て、現代の宗教法人神社本庁が統括する神社神道へと至る変遷全体を追う。伝承分析の手法によって上書き保存の履歴を解明しつつ、変わることなく伝承されてきた神道の中核部分をあらわにする。 -
自衛隊史 ――防衛政策の七〇年
戦後長い間、自衛隊や防衛政策についての論議はタブーであった。冷戦終焉後、自衛隊の果たす役割が拡大してからも、その実態はあまり直視されてこなかった。自衛隊という世界にも類を見ない組織がなぜ成立したか。国民はそれをどう受容してきたのか。安全保障に関する議論、日本社会における防衛問題・軍事の位置づけ、現実の自衛隊の活動、という三層から、我が国の防衛政策の七〇年間の転変を描き出す。防衛をめぐる議論に不可欠な基礎知識を網羅した、初めての自衛隊全史。 -
ジッドの秘められた愛と性
20世紀前半の世界文学を代表する文豪アンドレ・ジッド。のちにノーベル賞を受賞する彼には、新しい文学的地平の開拓者としてはもちろんのこと、植民地解放、反ファシズム闘争、スターリン批判の先駆者としての三つの顔がある。だが、同時に性解放の先覚者であったことはあまりよく知られていない。社会の通念が勝手に決めた異性愛、同性愛という狭苦しい枠組をのりこえ、性の境界を侵犯するジッド。しかも、女性と美少年を愛しながら、同時にその両方を恐怖するという例はきわめて稀だ。文豪の知られざる愛と性の生涯を通して探究する摩訶不思議なセクシュアリティの人類学。 -
情報デザイン入門
情報デザインとは、情報を目に見える形にし、よりわかりやすく伝達するためのデザインである。公共施設や交通機関の標示、Webページなど生活のあらゆる場面で情報デザインが用いられている。膨大な情報を整理し、正確に効率的に伝える方法がわかる、コミュニケーションとデザインの関わりを示した、情報デザイン入門。 -
女子・結婚・男選び ――あるいは〈選ばれ男子〉
女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを読み直し、悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子も男子も必読! -
鈴木大拙 ――世界の禅を生んだ男
西洋と東洋を繫ぎ 禅ブームを巻き起こした 異色すぎる宗教者── 重層的な思想、屈折した生涯 仏教は こうして世界を 魅了した! 世界的「禅」ブームを巻き起こした鈴木大拙は、近代仏教においてひときわ異彩を放つ存在だった。大学を中退して単身渡米。既存の宗派を疑い、西洋と東洋、神秘と伝統を大胆に往還しながら自らの思想を形成した。ハイデガー、ユング、フロムら世界的知識人と交流し、日本人の生き方とは何かを問い続けながら、アメリカで仏教を講じ時代の寵児となる。「禅」はいかにして世界を魅了したのか? 型破りな仏教者の重層的な思想と屈折した生涯を、最新の研究成果と共に描く決定版。 === 【目次】 序章 近代仏教と大拙 1 世界宗教としての仏教 2 俗人たちの仏教 第一章 悟りと進化論 1 貞太郎の成長 2 大拙の悟り 3 『新宗教論』 第二章 世界宗教としての大乗 1 ケーラスと科学の宗教 2 西洋人の仏教観 3 『大乗仏教概論』 第三章 神秘から伝統へ 1 学習院、ビアトリス、神智学 2 『スエデンボルグ』 3 「伝統」の再発見 第四章 戦時下の日本的霊性 1 日本仏教のマイノリティ 2 『日本的霊性』 3 戦争、敗戦、復興 第五章 禅とアメリカ文化 1 アメリカとの再会 2 『禅と日本文化』 3 禅ブームの実相 第六章 未完の東西対話 1 キリスト教と仏教 2 『禅と精神分析』 3 東洋的「自由」を求めて 終章 大拙の逆説 1 大拙批判は何を語るか 2 人に固有の霊性 あとがき 鈴木大拙略年譜 参考文献 === -
素晴らしき洞窟探検の世界
狭い、暗い、死ぬほど危ない! なぜ、そんなに苦しい思いをしてまで、探検家・吉田勝次は洞窟に潜るのか。それは、どこかにあるはずの「誰も見たことのない」未踏の世界を見たいから! 発見以来16年間調査している大洞窟「霧穴」の紙上探検をはじめ、沖永良部島の絶景洞窟「銀水洞」、オーストリアの「氷の洞窟群」、世界最大の洞窟「ソンドン洞窟」、そして現在調査中の未踏洞窟の紹介まで、世界中の洞窟と洞窟探検の魅力を語りつくす。美麗な写真口絵、ラスコーなどの洞窟壁画をめぐる五十嵐ジャンヌ氏との対談も収録。 -
すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション・ツールとなったのである。そこにおいてシンボル的な存在となったのが、タモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」だった。先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、M―1グランプリから生まれた新潮流、そして2010年代に入って頭角を現した「お笑い第7世代」……。今なお中心的存在であり続ける「ビッグ3」を軸に、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出す! -
スポーツを考える ――身体・資本・ナショナリズム
イギリスで誕生し、アメリカで変容・拡大した近代スポーツは、いま大きな転換期を迎えている。現実には個々のネーションのなかでの「非暴力モデル」でしかなかったスポーツは、いまや国境を跳び越え、あたかも高度資本主義のモデルであるかのごとき様相を呈している。スポーツと現代社会の謎を解く異色の思想書。 -
正義の暴走 ――凡庸な悪についての心理学
この世には「自分は正しい」が多すぎる! 人の心の癒したい/クマを駆除するのはかわいそうだ/この動画、拡散しないと/「われわれ」以外はすべて敵/被害者だろうと許さない/エビデンスなんてしったことか/もうこの手段しか残されていない こうなってしまうのは、全部「こころ」のせいだ。 === 【目次】 第1章 「正しさ」が衝突するとき――クマの駆除は悪か 相次ぐクマ被害/クマ被害の背景/二つの「正義」の衝突/不幸を「自己責任」に変換する心理/基本的帰属の誤り/後からなら何とでも言える/なぜ人は単純な説明を求めるのか/「クマがかわいそう」という正義/不可視化される自己関与/「正義」が暴走するとき 第2章 制裁という快楽――いじめ動画の拡散とネットリンチ 相次いだいじめ動画の拡散/動画拡散は「正義」の行為か/いじめとは何か/傍観者効果/道徳的免罪と道徳的不活性化/匿名性が攻撃のハードルを下げる/集団極性化/告発と私刑は同じではない/制裁の快楽 第3章 分断か共生か――外国人を排斥する心理 増える外国人、強まる「違和感」/外国人犯罪増加という噓/ゼノフォビアの心理構造/内集団バイアスと「われわれ」意識の肥大化/確証バイアス/島国的「同質性神話」という前提/スケープゴート化される外国人と政治/日本人ファースト/共生は可能か ―― エビデンスが示す事実/排外か共生か ―― 「正義」を問い直す 第4章 被害者バッシングはなぜ起こる――スターを育てるという「正義」 公然の秘密が前代未聞の世界的スキャンダルになるまで/BBCによるドキュメンタリー/性暴力とは何か/世界に広がる子どもへの性暴力/性暴力への対応/「才能を見出し、育てる」という「正義の仮面」/組織文化が「共犯」となるとき/被害者が受けたトラウマ/男性性被害者特有の問題/文化としてのジャニーズ/被害者バッシングという二次加害 第5章 世間にはびこる自称カウンセラー――「人の心を癒したい」という思い上がり 「人を助けたい」という動機の正しさと危うさ/心理支援という非対称な関係「誰でも名乗れる」制度が生む問題/海外のカウンセラー制度/善意が専門性の/錯覚に変わるとき/「自分も苦しかった」という経験の一般化/ケース・フォーミュレーション不在の危険性/倫理なき支援がもたらす二次的被害/診断ラベルが「支援」から「管理」に変わるとき/自己成就予言という呪い/自称カウンセラーが不用意に与える予言/専門家を名乗る「正義」が暴走したとき 第6章 パンデミックの恐怖心の果てに――「敵」は心の中にいる コロナ禍という異常事態/緊急事態宣言が明けたとき/曖昧さ耐性とリスク認知/「コロナ警察」の出現/斉一性への圧力/コロナ警察の「正義」/コロナでの分断/都会の人お断り/分断と排斥/心と体のソーシャルディスタンス/ある保健所の話/「敵」はわれわれの外にあるのではなく、心のなかにいる/隠喩としての病/コロナと隠喩/人々の恐怖心/隠喩の生まれる理由 第7章 エビデンスと物語の相克――人は事実より信じたいものを信じる マスクや感染対策を拒否する人々/矛盾する二つの意見/エビデンスに基づく医療/エビデンス・ピラミッド/医師Aと医師Bのどちらを信じるか/エビデンスと人間の心理/エビデンスを活用するために/専門家への誹謗中傷という構造的問題/複雑な因果推論の誤り/オンライン脱抑制と転移性攻撃/曖昧さ耐性と極端化/敵意帰属バイアスと脅威認知/ゆがんだ「正義」と道徳的不活性化/誹謗中傷の強化学習モデル/ダーク・テトラッド・パーソナリティ/誹謗中傷の代償/オンラインでの誹謗中傷を減らすために 第8章 人はなぜ陰謀論にハマるのか――デマこそ広がりやすい 陰謀論とデマ/陰謀論とは/陰謀論という生き方/陰謀論の害/陰謀論を語る自由はあるのか/陰謀論への対策/具体的な誤情報対策/1 常に誤情報のモニタリングをする/2 人々の声を聴く/3 正確な情報を提供する/誤情報を放置しないこと 第9章 人生をかけた正義の暴走――安倍元首相暗殺の心理 元首相の暗殺/事件をエンターテインメントとして消費する人々/「専門家」による加害者の心理分析/山上徹也被告と「私的正義」の形成/生い立ちと家族崩壊 ―― 喪失が日常化する家庭/怒りの方向転換/標的の転換/人生の意味/偶然か必然か/ほとんど語られてこなかった「孤立」の問題/セントラルエイト/なぜ「止められなかった」のか/個人の凶行で終わらせないため === -
性風俗サバイバル ――夜の世界の緊急事態
2020年、夜の世界はかつてない危機に直面した。新型コロナの感染拡大により性風俗店への客足が途絶え、働く女性たちは瞬く間に収入と居場所を失った。窮状を誰にも話せず、公的支援からも排除されたまま、孤立と貧困に苦しむ彼女たちを助けるために、これまで声を上げなかった人たちが声を上げ、動いた。コロナ禍を生き延びるため、夜の世界と昼の世界との間に橋を架けるための苦闘に内側から迫ったドキュメント。 -
性風俗のいびつな現場
わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにするホテヘル、40から50代の熟女をそろえたデリヘルなど、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしています。一方、参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態です。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのでしょうか? 様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊です。