ちくま新書作品一覧

  • 新幹線100系物語
    4.0
    東海道新幹線開業以来二〇年ぶりとなるモデルチェンジ車100系は、国鉄最後の名車として知られ、2012年の引退後も根強い人気を誇っている。しかし100系の輝かしい来歴には、その実現に向けて奔走し、立ちはだかった幾多の難関をブレークスルーした鉄道マンの苦労が隠されていた。当時の関係者への綿密な取材をベースに、民営化前後の激動の時代に設計開発・計画・運転・保守に打ち込んだ鉄道マンたちの熱い思いと鉄道魂を記録し、記憶に残る新幹線車両100系の足跡を後世に伝える。
  • 神国日本
    4.1
    日本は神国である。―誰もが耳にしたことのあるこの言説。しかし、われわれは、「神国日本」がいったい何を意味するのか、本当に知っているのだろうか?その展開を実証的にたどってみると意外な事実が見えてくる。たとえば、「ナショナリズム」を高揚させるイデオロギーと思われがちなこの思想も、中世においては、必ずしも、他国に対する日本の優越を説くものではなかったのだ。その他、天皇・仏教的世界観など、さまざまな観点より、古代から中世、そして近世・近代に至る神国言説を読み解く。一千年の精神史。
  • 震災学入門 ――死生観からの社会構想
    4.3
    東日本大震災によって、災害への対応の常識は完全に覆された。これまでの科学的・客観的な災害対策は、すべて被災者の視点から見直されなければならない。リスク対策、心のケア、コミュニティ再建、巨大防潮堤計画、死者をどう弔うかなど、従来の災害学・災害対策では解決できない諸問題を、弱さの論理に根差す、新たな「震災学」の視点から考え抜く。東北の被災地に密着しつつ、多彩な調査・研究活動を展開してきた気鋭の社会学者が、3・11以後の社会のあり方を構想する。
  • 新作らくごの舞台裏
    4.5
    大学在学中は古典芸能研究部に所属し、能・狂言・歌舞伎・文楽・浪曲・落語に親しんだ筆者。会社勤めのかたわら落語を聞きに通ううち、ひょんなことから落語を書きはじめ、いつのまにやらプロの道へ。本書では40年を超えるキャリアを振り返り、落語作家という稀有な職業の秘密を語る。新作のアイディアはどこから生まれる? 東京落語を上方に輸入するとき気をつけることは? 演者にあててどう書き分ける? 落語と漫才、落語と演劇の台本はどこが違う? 落語作家ならではの密かな楽しみとは? 落語ファンも落語作家志望者も必読!
  • 新左翼と天皇 ――炎と爆弾の時代
    3.5
    六〇年安保闘争、六〇年代末の全共闘運動、七〇年安保、七〇年代から八〇年代の成田空港反対の三里塚闘争では、反天皇制が主要なテーマになることはなかった。ところが昭和から平成の天皇代替わりに、新左翼の各セクトは封印を解き、反天皇制を最大のテーマに掲げて、炎と爆弾によるゲリラ闘争を展開した。内ゲバと市民を巻き込むテロに突き進んだ彼らの無謀な作戦、それに対する警備・公安警察。本書は暴力闘争の徒花を、現代史の一側面としてまとめる試みである。
  • 新宗教を問う ──近代日本人と救いの信仰
    4.5
    創価学会、霊友会、大本、立正佼成会、PL教団、天理教――。日本ほど新宗教が大きな力をもつ国は世界に類例がないといわれるが、どうして日本で新宗教はこれほどの影響力をもつのか。近代に大発展した新宗教はなぜ現代において衰退しつつあるのか。救いの信仰に向けられた人々の心はどこへ向かっているのか。この三つの問いはそのまま日本の近代とは何かを問うことでもある。「宗教からスピリチュアリティへ」の転換期にある現代において、人間を救済できるのか。「新宗教」が明らかにする、時代の相貌と日本人の精神の根源に迫る。
  • 進駐軍向け特殊慰安所RAA
    3.5
    終戦からわずか3日後の1945年8月18日、内務省警保局から全国の知事に秘密の指示が発せられた。それは、進駐軍向けの性的な慰安所を速やかに設けよという指令だった。副総理が要請し、のちに総理大臣となる池田勇人主税局長が口利きして資金を調達したと伝えられる特殊慰安所RAA。日本人客は入れないその場所で働いていたのは誰だったか。RAAが閉鎖され、街に出た女性たちが国民から疎まれることになったわけとは。占領下にあった敗戦国、その裏側史を活写する。
  • シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち
    4.0
    待ったなしの少子化、激変する結婚・住宅事情、未来を担う若者の奮闘と苦悩などニュースの裏側の中国の「ガチの素顔」をレポートする。画一化された競争人生を強いられメンタルが繊細化し焦慮する若者(「内巻」)、手塩にかけて育てた一人っ子に「優良」な結婚と孫の誕生を切に望む親世代。男女人口の崩れも影響し婿家族が嫁家族に渡す結納金が高騰、加えて、住宅私有化とともに不動産も高騰、そこに出現した「結婚道徳」……。圧縮された国際化と市場化の激流の中で、市井の人々、特に若者は何を思い、人生を歩むのか。
  • 神道・儒教・仏教 ──江戸思想史のなかの三教
    4.0
    現代日本人の意識の深層は江戸時代と地続きであることが明らかにされつつある。したがって江戸の思想を支配していた三教――神道・儒教・仏教――にこそ、我々の内面の問題を解く鍵がある。幕藩体制に組み込まれた仏教。近世の思想界において主導的立場に立った儒教。国学の勃興と明治維新のイデオロギーとして機能した復古神道。これらはいかに交錯し、豊かな思想の世界をかたちづくっていたか。我々の基盤になっている思想の原風景を探訪し、その再構成を試みる野心作。
  • 神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む
    3.6
    日本の神道とは何なのか。それは、いくつもの信仰が、繰り返し「上書き保存されたもの」と捉えることができる。古代天皇の神祇祭祀に、仏教や儒教・陰陽道等が流入、さらに幽界霊界の存在への信仰が加わって、混沌としたまま全てを含みこむ形で展開。そのため、日本の神道は複雑に見えるのだ。本書では、その後、さらに天皇崇拝を中心とする近代の国家神道を経て、現代の宗教法人神社本庁が統括する神社神道へと至る変遷全体を追う。伝承分析の手法によって上書き保存の履歴を解明しつつ、変わることなく伝承されてきた神道の中核部分をあらわにする。
  • シンプルで伝わる英語表現
    4.2
    日本人に特有の「言えそうで言えない」英語表現があるようだが、なぜだろうか? ビジネスを中心に日常的な場面やSNSで使われそうな会話の中で、より適切な英語表現はどれになるかを、クイズ形式で学んでいく。文法的な誤りや単語の使い方、さらに文化的背景や物事の捉え方の違いを解説で読みながら、日本語と英語の発想の違いに気付くことで、よりシンプルで伝わる英語表現を身につけていきたい。
  • 『新約聖書』の「たとえ」を解く
    4.0
    『新約聖書』の中で、イエスはさまざまな「たとえ」を通して、人々に働きかける。しかし、なぜ「たとえ」を使うのか?それらの「たとえ」にはどのようなメッセージが込められているのか?「隣人愛」や「善行」、そして「人間の平等」などの問題について、「福音書書記者」たちの立場や思惑も考えあわせながら、史的イエスの真意をさぐり、『聖書』の複雑で豊かな世界を案内する。
  • 親鸞
    3.7
    人はだれしも存在の不条理や不安を抱えながら生きざるをえない。だからこそ、その人生を心底納得して死んでゆくための物語=宗教が必要とされる。親鸞とは、何よりも、「末法」という大転換期にあって、その時代に生きる人々が切に必要とする新しい「物語」を、仏教の中から引き出した人であった。ひたすらに念仏することを説いた法然の教えを伝承し、なぜ念仏すれば仏になることができるのか、人間の真実に照らし、その根拠を明らかにしようと努めたのである。親鸞の手にした「信心」の全貌を、現代に生き生きとよみがえらせる一冊。
  • 親鸞入門
    3.0
    比叡山で修行の後、法然門下の若き念仏者として出発した親鸞。その長い生涯は「真にして実なる」絶対知の探求に向けて、絶えず内なる存在である自己を追求しつづけた「信」の軌跡であったといえよう。その波乱の生涯を背景に、一人の念仏者として自らを問いつづけた独自の思想の核心を読み解き、新たな親鸞の全体像に迫る。
  • 心理学で何がわかるか
    3.3
    「性格はどこまで遺伝で決まるか」「自由意志は存在するか」「記憶力は鍛えられるか」「暴力的映像は暴力を引き起こすか」―これらの問題に意味のある答えを出すには、哲学や日常的実感では力不足。科学としてのアプローチが必要なのだ。インチキ、俗説、疑似科学を退けて本物の心理学のあり方を提示しつつ、今、心理学がどこまで到達しているのかを平易に紹介。心理学、最初の一冊。
  • 心理学の名著30
    3.7
    人間の心への興味はつきることはない。それらに答える心理学はジャンルも多岐にわたるため、なにを読んで学べばよいか、迷う人も多い。そこで本書では、「生物としてのヒト」「個人的な人生を展望する存在としてのひと」「社会的な存在としての人」という三つの側面に着目して、それぞれの名著を一気に紹介する。加えて、それぞれの研究者の関わりが描いているため、心理学の展開も理解できる。古典から最新の理論までを網羅する入門書!
  • 心理学をつくった実験30
    4.0
    パヴロフの犬、ミルグラムの服従実験、マシュマロテスト、セリグマンの学習性無力感……。心理学の魅力は、精緻に練り上げられた実験手法と、それがあぶり出す人間の知られざる一面にある。「心」とそれにまつわる人間の活動を科学的に解明することをめざした近代心理学は、その当初から実験研究を重視してきた。本書では、そのなかから広く知られ、大きな影響力を持った30の実験をセレクト。それぞれの実験を心理学の流れのなかに位置づけ、その内容と影響を紹介していくことで、心理学という学問の歴史とその広がりを一望する。
  • 真理の哲学
    3.5
    なぜわれわれは一面的な見方を絶対的なものと思いこんでしまうのか? この病いを癒すためにもっとも有効なのが、ニーチェにはじまる二〇世紀の哲学にほかならない。ニーチェ、フッサール、メルロ=ポンティ、そしてフーコーを軸に、さらに分析哲学の真理観までを紹介。現代哲学の、そして、われわれが生きることの入門書。
  • 侵略戦争 ――歴史事実と歴史認識
    3.5
    日清戦争から十五年戦争にいたるまで、日本を貫いてきた侵略思想とは何だったのか。明治期、西欧に対抗するべく強大国家=覇権国家を建設する過程で形成された帝国主義は、なぜ南京大虐殺や慰安所設置に代表される暴虐を生み出したのか。歴史事実の実証を通じて、自己本位の侵略思想が再生産される構造と体質を明らかにするとともに、歴史認識の共有による「平和的共存関係」への道を探る。
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記
    4.0
    『古事記』『日本書紀』は、ただの神話ではない。新しい国家の実現を目指し、大和王権が各地で口承されていた神話の力を利用して創作した、極めて政治的な〈神話〉である。本書では、この二つの〈建国神話〉をどのように読めばよいのかを説き、また「風土記」を読みとくことで、国家・地方間のダイナミックなテキストの攻防を明らかにする。地方が〈建国神話〉を受け入れたとき、「日本人」の自覚と、精神史上の「日本」が誕生した。その過程を目撃せよ。
  • JFK ――大統領の神話と実像
    -
    勇気にあふれ、理想主義をつらぬいた偉大な大統領なのか、スキャンダルにまみれた、救い難い愚劣な人間なのか―暗殺後30年を経た今もなお、アメリカ第三五代大統領ジョン・F・ケネディをめぐる論議は尽きることがない。JFKにまつわる神話と伝説をつきぬけて、光と影に彩られた人間ケネディの実像に迫り、彼が生き、また彼が生みだしたメディアの時代を検証する。
  • 自衛隊海外派遣
    3.0
    敗戦後の日本は憲法九条の規定により、軍隊の海外活動を禁じることとなる。一方、日本が飛躍的な経済復興を遂げ経済大国の仲間入りを果たす中、国際社会への経済援助だけでなく、人的な貢献が必要だとする議論が起こった。緊迫する国際情勢に対し、日本の自衛隊は何ができ、何ができないのか。転機となった湾岸危機後のペルシャ湾、イラク戦争、南スーダン、ソマリア沖、そしてウクライナ戦争に至るまで。自衛隊海外派遣の全貌を網羅し、日本のとるべき道を考える、必読の通史。
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年
    4.5
    戦後長い間、自衛隊や防衛政策についての論議はタブーであった。冷戦終焉後、自衛隊の果たす役割が拡大してからも、その実態はあまり直視されてこなかった。自衛隊という世界にも類を見ない組織がなぜ成立したか。国民はそれをどう受容してきたのか。安全保障に関する議論、日本社会における防衛問題・軍事の位置づけ、現実の自衛隊の活動、という三層から、我が国の防衛政策の七〇年間の転変を描き出す。防衛をめぐる議論に不可欠な基礎知識を網羅した、初めての自衛隊全史。
  • 時間の言語学 ──メタファーから読みとく
    4.0
    時間は抽象なので、私たちが時間を認識するとき、なにかに「見立て」るしかない。この「見立て」つまりメタファーを分析することで、“時間”を具体的に意識化することができる。近代において最も強固な「見立て」は〈時は金なり〉のメタファー。コーパスや、具体的なテキスト(「吾輩は猫である」「モモ」等)を探り、私たちが縛られているさまざまな時間のメタファーを明らかにした上で、新しい時間概念(「時間は命」)を模索したい。
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体
    4.4
    自民党「一強」と言われて久しい。だが、実際には公明党との連立政権である。この政権には、政治学の理論では説明し難い謎がある。例えば両党の重点政策を比較すると、違いが少なくない。平和と福祉を重視する公明党は、民主党およびその後継政党の立場に近い。2016年の参院選以降、衆参両院で過半数を占める自民党は、単独政権を作ろうと思えば作れるのに、そうしない。なぜか? 本書は自公政権を中心に多角的な分析を行い、強さの理由を解き明かす。日本政治の“今”を深く理解し、今後を展望するための必読の書!
  • 自己プレゼンの文章術
    4.0
    文章を綴る目的は、人の心をどうつかむかということに尽きる。最も切実に、作文力を要求されるのは就職準備のときだ。その後のキャリアにおいても、そこで培われた作文力は応用できる。企画のプレゼンテーション、学校や職場での小論文テスト。挨拶や自己紹介の場合にも、作文で身につけた構成力と文章力は強い武器になる。著者は広告マンとして、また管理職として、そして大学や企業での講座の形で様々な作文の現場に立ち会ってきた。そこで得た豊富な実例(成功と失敗の体験)をもとに、テーマに応じた作文術のノウハウを解き明かす。
  • 持続可能な医療 ──超高齢化時代の科学・公共性・死生観【シリーズ】ケアを考える
    4.0
    高齢化の急速な進展の中で、日本の医療費はすでに年間四十数兆円を超え、さらに着実に増加している。一方、私たちは医療や社会保障に必要な負担を忌避し、一千兆円に及ぶ借金を将来世代にツケ回ししつつある――。そもそも医療とは、科学、社会システム、ケア、死生観、コミュニティといった多様なテーマが交差する領域だ。これらの全体を俯瞰したうえで、医療のありようや社会の中での位置づけが、いまこそ公共的に問いなおされねばならない。持続可能な医療そして社会を構想するための思想と道筋を明快かつトータルに示す。
  • 持続可能な交通まちづくり ――欧州の実践に学ぶ
    4.7
    欧州では、大都市も地方都市も、街の空間を再編し、多様な移動の選択肢を提示することで豊かな生活を実現しつつある。これはEUが提示した「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)」に基づく交通まちづくりの成果といえる。欧州の事例をそのまま日本には適用できなくとも、良いところを学ぶことで活力を取り戻せるはずだ。欧州における最新の取り組みと背後にある考え方、日本の交通政策の歴史的経緯を踏まえつつ、これからの日本に求められる具体的な戦略を提言する。
  • 自治体と大学 ――少子化時代の生き残り策
    4.0
    大学が近くにあることは、自治体にとって地域活性の起爆剤になり得る。高校生が地元で文系・理系だけでなく、看護、芸術といった特色ある教育を受けたり、病院など大学付属機関も誘致できるかもしれない。……とはいえ、地方大学の開学には、国公私立いずれの場合も、財政的な負担が大きい。卒業生が地域に残るかも不透明。これまでに撤退した大学も全国では少なくない。人口減少によってどちらも縮小が予測される自治体と大学。その関係史を紐解き、両者の望ましい協働、今後のゆくえをさぐる。
  • ジッドの秘められた愛と性
    -
    20世紀前半の世界文学を代表する文豪アンドレ・ジッド。のちにノーベル賞を受賞する彼には、新しい文学的地平の開拓者としてはもちろんのこと、植民地解放、反ファシズム闘争、スターリン批判の先駆者としての三つの顔がある。だが、同時に性解放の先覚者であったことはあまりよく知られていない。社会の通念が勝手に決めた異性愛、同性愛という狭苦しい枠組をのりこえ、性の境界を侵犯するジッド。しかも、女性と美少年を愛しながら、同時にその両方を恐怖するという例はきわめて稀だ。文豪の知られざる愛と性の生涯を通して探究する摩訶不思議なセクシュアリティの人類学。
  • 持統天皇と男系継承の起源 ――古代王朝の謎を解く
    -
    古代の大王・天皇には男性と女性、男系と女系が入りまじっていた。それが男系ばかりになったのは、なぜか? そして、いつ、誰が、どのように? 本書がまず注目するのは、天孫降臨神話とともに成立した持統「双系」王朝である。始祖となった女性天皇は代替りをタテの血脈でおこなう天皇制システムを創出し、皇祖神を祭る伊勢神宮に永遠の更新システムを埋め込んだ。しかし持統没後、双系継承は覆る。男系継承は藤原不比等が主導した平城京遷都に仕組まれていたのだ。神話、大嘗祭、王宮や王都、終末期天皇陵から古代王朝の謎を解き明かす。
  • 自分づくりの文章術
    4.0
    文章を書くのは正直しんどい。さまざまな約束ごとがうるさいし、自分の内面や教養までがもろに評価されかねないのは相当の重圧だ。……それでも、迷ったり悩んだりしながら、結果的に書けたときの歓びは格別である。なぜか? それは、文章を書くことが、とりもなおさず「自分」をつくることだから。旧来の窮屈な文章観を駆逐し、自分にしか書けないことを楽しみながら書くコツを手ほどきする革命的な文章読本。
  • 自分の頭で考える倫理 ――カント・ヘーゲル・ニーチェ
    4.0
    迷惑をかけなければ援助交際はしていい?―YESかNOか、あなたの答えはどっち。自分がよければ何やっても勝手じゃないかと考えるのか、いや、そんな自由は許されないと考えるのか。さらに、自由が一つだけでないとしたら、ホントの自由とは何か?カント、ヘーゲル、ニーチェの思考のエッセンスを手がかりに、不倫や援助交際から民主主義信仰や正義論・国家論まで、困難な時代の生き方を考えるための新しい倫理学入門。
  • 自分「プレゼン」術
    3.6
    印象に残る人と残らない人の違いはどこにあるのでしょう。1度でキメる自己紹介の方法や捨てられない名刺や挨拶状の作り方、必ず通る企画書の書き方に成功する接待・失敗する接待、外国人との交渉法などが、著者自身の20年にわたる実践経験をもとに整理されています。「いかに自分を表現して他人と交わり、社会の中に居場所を作っていくか」を目的とした本書は“社会的な技術”としてのプレゼンテーションのスタイルを提案します。
  • 自分をつくるための読書術
    4.0
    生まれついての一部の幸福者をべつとして、ほとんどの人にとって「自分」とは理不尽で納得のいかない存在である。が、嘆いてもしかたがない。むしろ「自分」を発見したときから、「自分」をつくりあげていく長い道程がはじまる。それはたとえば、「弱さ」を否定して「強さ」につくりかえようとするのではなく、「弱さ」の意味を問い、それをハガネのような「弱さ」にさらにつくりあげること。読書という、とびっきり地味で静的な方法によって「自分」をつくるという意味はまさにここにある。自分を揺さぶり、鍛えていくための実践的読書術。
  • 自民党幹事長 ――歴史に見る権力と人間力
    3.0
    自民党幹事長は、いつも政治の中心にいる。党内対立・抗争で調停役を務め、国会では野党との対立の矢面に立ち、また時に妥協の道を探り、国政選挙では陣頭指揮に立つ。幹事長ポストでは政治家としての総合的な力量が試される。政策能力、組織運営力、そして人望――まさに人間力の勝負である。長く政治を取材し、テレビのキャスター、コメンテーターとしても活躍してきたベテラン政治記者が、自民党の五五代・四三人の歴代幹事長の業績を振り返り、幹事長の強さの秘密を探る。
  • 12歳からの現代思想
    3.5
    「現代思想」と聞くと、どうしても「ムズカシそう」というイメージを浮かべがちだ。けれども、差し出されているメッセージ自体はけっして難解なものではない。性、環境、心、コミュニケーション、民主主義…、その問題群は私たちのすぐそばにあることばかり。著者はその一つ一つをやさしく解きほぐしながら、新たなものの見方や発想へのきっかけをつくろうとする。この時代を生きるすべての人に届けたい入門書。
  • 18分集中法 ──時間の「質」を高める
    3.6
    いろんな方法を試してみたけど、全然仕事がはかどらない。締切を守れたためしがない、そもそもやる気が起こらない。誰もがそんな経験はあるでしょう。やらなければいけないことはあるけれど、ついテレビをみたり、PCで遊んだりしてしまうそんなあなたでも、18分集中法を使えば、たちどころに仕事が処理できるようになります。面倒なメールの返信、膨大な書類に目を通す、時間のかかるレポートの作成など、この方法は様々なインプット・アウトプットに有効です。
  • 情報公開が社会を変える ――調査報道記者の公文書道
    4.0
    行政が押し進める理不尽な政策。そこに共通するのは、意思決定過程が不透明で結論や負担だけを市民に押しつける点だ。真実を知り、民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが行政を監視し、政策をチェックすることが求められる。役所の不正に立ち向かうとき、強力な武器となるのが情報公開制度だ。これまでに千件もの情報公開請求を行い、数々のスクープを伝えてきた調査報道記者が、長年の経験をもとに、そのしくみとテクニックをわかりやすく伝授する。
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ
    4.4
    1993年から2011年にかけて開かれていた、東大文学部「上野ゼミ」。あまりの厳しさゆえに一時は志望者がゼロだったこともあるが、多くの同ゼミ出身者が、今や研究者やジャーナリスト、あるいは社会起業家として、たくましく情報生産者の道を歩んでいる。上野ゼミで、彼らは何を学び、どう応用したのか。どこに行ってもアウトプットができる力は、どのように育まれたのか。かつての教え子たちによる、『情報生産者になる』の必携副読本。
  • 情報生産者になる
    4.3
    情報があふれかえる時代、しかし、それを消費するだけではタダの情報グルメや情報ディレッタント。価値のある情報を生産し、発信する側にまわる方がずっとおもしろい。オリジナルな問いを立て、過去の研究に学び、一次データを収集し、それに分析を加え、アウトプットするまでの一連の過程を、具体例を交えながら解説。あまたの人材を育ててきた教育者として、新たな知を生み出す技法を惜しみなく公開する。この一冊で、あなたも情報生産者になれる!
  • 情報デザイン入門
    -
    情報デザインとは、情報を目に見える形にし、よりわかりやすく伝達するためのデザインである。公共施設や交通機関の標示、Webページなど生活のあらゆる場面で情報デザインが用いられている。膨大な情報を整理し、正確に効率的に伝える方法がわかる、コミュニケーションとデザインの関わりを示した、情報デザイン入門。
  • 縄文と世界遺産 ──人類史における普遍的価値を問う
    -
    2021年7月「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に加わった。日本列島に存在した「縄文文化」のうち、なぜ限られた地域の遺跡群が世界遺産に選ばれたのか。東北地方を研究対象とし、今回の世界遺産登録にも携わった考古学者が、海外にある同時代の世界遺産との比較などを通して「縄文」を新たな視点から読み解く。さらに、世界遺産というプロジェクトが体現する文化多様性の視点から、「縄文」の人類史における普遍的価値について考える。
  • 縄文vs.弥生 ――先史時代を九つの視点で比較する
    3.0
    採集狩猟を中心とした縄文時代から、農耕を営み文明化や国家の形成が進む弥生時代へ。一般に日本の歴史の大きな分水嶺がここにあるとされてきた。では、この対照的な二つの時代は実際にはどのようなものだったのか。縄文と弥生の文化を専門とする第一人者が、最新の研究成果に基づき、農耕、漁撈、狩猟、通過儀礼、祖先祭祀、格差、ジェンダー、動物表現、土器という九つの視点から当時の生活を描き出す。さらに現代社会が抱える問題の起源を検証する。
  • 女子・結婚・男選び ――あるいは〈選ばれ男子〉
    4.0
    女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを読み直し、悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子も男子も必読!
  • 女帝の古代王権史
    4.4
    卑弥呼、推古、持統……、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的なものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版。
  • 人口減少時代の農業と食
    3.7
    日本農業にとって人口減少は諸刃の剣といえる。これまでのあり方を一部で壊してしまう一方で、変革の推進力にもなる。農産物の生産や流通は、総じて人手不足で、生産者と流通、販売、消費の間の溝やズレも明らかになっている。ピンチをチャンスに変えるべく、こうした課題に立ち向かう現場がある。生産から出荷までの合理化、消費者と直接つながる商品の開発、物流のルール変更への対応……。世間で思われているほど暗くない、日本農業の未来を報告しよう。
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本
    4.0
    古代日本において、国家を運営するうえで律令官人制という仕組みがつくられ、緻密な評価システムに基いて天皇を中心とする官人統治がなされた。そして政治が動き出し、官人の差配も変化し、報復左遷や飼い殺しのようにみえる人事もまかりとおるようになったのだ。では、その実態はどのようなものだったのか? 人が人を管理する上で起きる様々な問題を取り上げ、古代日本の新たな一面に光をあてる。
  • 「人望」の研究
    3.8
    「人望」―この不思議に魅力的な言葉。これはいったい何だろうか?単なるリーダーシップでもなく、人気やカリスマとも違うようだ。また、わが国特有のものなのか、いつの時代にも要請されるものなのか?これまで、どの組織でも漠然と話題にされてきた「人望」について、日本史のなかから、あらゆる切り口によって、その本質を探ろうと試みるビジネスマン待望の一冊。
  • 人類5000年史I ──紀元前の世界
    4.1
    1~6巻825~990円 (税込)
    文明の誕生から現代まで、5000年の人類の歩みをまとめる著者のライフワークの第一巻。文字の誕生と最初の文明(BC3000‐BC2001)から、チャリオットによる軍事革命と紀元前1200年のカタストロフ(BC2000‐BC1001)、世界帝国の時代(BC1000‐BC501)、知の爆発の時代(BC500‐BC1)まで、紀元前およそ3000年の歴史をダイナミックに展開する。
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    4.0
    川、海、濠、湧水、池、用水。東京は下町から郊外まで、豊かな水辺をもっている。この都市の象徴=隅田川、文明開化のモダンな建築群が水辺を飾った日本橋川、世界にも類を見ない豊かな自然環境を保有する皇居・外濠、凸凹地形と湧水が目白押しの山の手、水辺をたどれば古代の記憶に触れることができる武蔵野……本書は東京各地をめぐりながら、この魅力的な水都の姿を描き出す。『東京の空間人類学』から35年、著者の東京研究の集大成がついに刊行!
  • 数学入門
    4.0
    数学はむずかしい。中学で最初に習う内容まではついていけたけれど、その先となるとチンプンカンプンだ……。でも、そんなことはありません。「ピタゴラスの定理」や「1次関数」「連立方程式」「面積の計算」など基礎の基礎から始まり、「ベクトル」や「微積分」をへて、「集合」「位相空間」といった現代数学の入り口まで、一気に突き進む道筋があるのです! そんなスピード感あふれる学び方を、斬新な切り口と明快な組み立てで説く、ホンモノを知りたい人のための本格派入門書。
  • スキャンダルの明治 ――国民を創るためのレッスン
    3.0
    明治十年代―高橋お伝や花井お梅の毒婦物語。明治二、三十年代―まむしの周六こと黒岩涙香の「万朝報」が報じた明治三大スキャンダル。すなわち、「相馬家毒殺騒動」「淫祠蓮門教会」「蓄妾の実例」。しかしそのセンセーショナルな記事の奥に、実は隠された「意図」を読みとることができないだろうか?明治国家という「想像の共同体」を創る制度として、その共通の関心を担う国民を創る制度として、スキャンダル報道は機能していたのではなかったか?「赤新聞」の報道にもうひとつの国民文化の形成を読みとる、スリリングな明治文化史。
  • ストレスに負けない生活 ――心・身体・脳のセルフケア
    3.7
    現代人は子どもから老人まで、ストレスを抱えて生きている。心と身体がクラッシュする前に、自分を解放してあげよう。カギは「力まず、避けず、妄想せず」。ストレスとリラクゼーションのメカニズムを知り、行動医学や脳科学の知見をもとに、自分でできるストレス・マネジメントの方法を伝授する。
  • 素晴らしき洞窟探検の世界
    3.9
    狭い、暗い、死ぬほど危ない! なぜ、そんなに苦しい思いをしてまで、探検家・吉田勝次は洞窟に潜るのか。それは、どこかにあるはずの「誰も見たことのない」未踏の世界を見たいから! 発見以来16年間調査している大洞窟「霧穴」の紙上探検をはじめ、沖永良部島の絶景洞窟「銀水洞」、オーストリアの「氷の洞窟群」、世界最大の洞窟「ソンドン洞窟」、そして現在調査中の未踏洞窟の紹介まで、世界中の洞窟と洞窟探検の魅力を語りつくす。美麗な写真口絵、ラスコーなどの洞窟壁画をめぐる五十嵐ジャンヌ氏との対談も収録。
  • すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
    4.8
    1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション・ツールとなったのである。そこにおいてシンボル的な存在となったのが、タモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」だった。先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、M―1グランプリから生まれた新潮流、そして2010年代に入って頭角を現した「お笑い第7世代」……。今なお中心的存在であり続ける「ビッグ3」を軸に、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出す!
  • スポーツを考える ――身体・資本・ナショナリズム
    4.0
    イギリスで誕生し、アメリカで変容・拡大した近代スポーツは、いま大きな転換期を迎えている。現実には個々のネーションのなかでの「非暴力モデル」でしかなかったスポーツは、いまや国境を跳び越え、あたかも高度資本主義のモデルであるかのごとき様相を呈している。スポーツと現代社会の謎を解く異色の思想書。
  • スーパーリッチ ──世界を支配する新勢力
    -
    現代では、上位1%が世界の富の半分近くを支配している。特に、ビリオネアと言われる超富裕層が急拡大する傾向にある。彼らが政治、経済、社会に及ぼす影響が強まっており、その動向抜きには社会の行く末は語れない。そこで、衣食住、教育、趣味の世界など、知られざる富裕層の素顔を明らかにする。コロナ禍の影響もあり、ますます格差が広がっていると言われるが、あまりに進めば、抗議活動、反発も大きくなり、社会不安は高まる。行き過ぎた分断社会の行方は?
  • 図解でわかる会社の数字 ──株価を動かす財務データの見方
    4.0
    この会社は儲かっているの? 将来性はあるの? 会社の実力を知りたくなったら、財務データを見てみましょう。損益分岐表、貸借対照表、キャッシュフロー計算書……聞くだけで頭が痛くなる会社の数字の読み方を、図解つきで解説。さらに、会社の業績を左右する様々な経済指標の意味も、丁寧にひも解いていきます。株式投資に挑戦する方にはもちろん、就職する会社の実力を知りたい方にも、日々の経済ニュースをより深く理解したい方にも読んでいただきたい一冊です
  • 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学
    3.3
    ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。「悪い」性格が社会に残っていることには理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く
    3.5
    「ひとりの人間の、人生の語り」が生活史です。この本は、生活史を聞いて原稿を書き、冊子にまとめて作品とするための手引きとして書かれています。沖縄で二五年にわたって聞き取り調査をしてきた著者が、生活史の美しさ・おもしろさから、そのむずかしさ・暴力性まで、これまでの考えをまとめた一冊です。
  • 正義論の名著
    4.0
    「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも論じられる「正義」について、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれる。プラトン、アリストテレスから、ホッブズ、ロック、ベンサム、ニーチェ、さらにはロールズ、デリダ、サンデル…。主要な思想のエッセンスがわかる一冊。
  • 正義を疑え!
    4.2
    「正義」とはいったいなんだろう?「秤」と「剣」に象徴される正義概念は、今日、都合の良い解釈によって混乱をきわめている。「均等性」の一義的解釈から生じる「悪しき平等主義」や、あるいは「力」で相手をねじ伏せようとする「他者批判の正義」など、巷に溢れる正義概念に対する誤解や曲解を一刀両断し、己の不完全性に目を向ける「まっとうな正義」を説く。目からウロコの「正義論」入門。
  • 生権力の思想 ──事件から読み解く現代社会の転換
    3.6
    死を迫る権力から、生かすための権力へ──これこそ近代への転換であった。そして規格化された従順な身体を規律と訓練によって創り出してきた近代の権力は今や「管理型権力」という新たな形式へと転換しつつある。身体の扱いはどのように移り変わってきたのか。そして現代の我々の生を取り巻く不可視の権力のメカニズムはいかなるものなのか。ユダヤ人虐殺やオウム、宮崎勤事件などの様々な事例と、フーコーらの権力分析を交差させ、社会を根底で動かすものの正体を暴き出す。
  • 政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法
    4.6
    「政策起業家」とは、民の立場で社会のルールや制度を変え、時には新たな法律まで作ることができる人だ。人口減少の日本社会は既存のルールを変える必要があるが、官僚や政治家にはできていない。著者は「フローレンスの病児保育」「おうち保育園」「障害児保育園ヘレン」などを次々に立ち上げ社会を変えてきた。その悪戦苦闘ぶりをオープンにし、これまで政官に閉じていたルールメイキングを、「普通の人」ができるようになる社会にしていきたい。
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす
    4.2
    バブル崩壊後、日本経済が停滞を脱することができないのは、生産性向上をなおざりにしたからである。アベノミクスでも成長戦略は後回しにされ、日本は世界から取り残された。誤解されがちな「生産性」概念を経済学の観点から捉えなおし、その上で、市場の新陳代謝、既存企業による開発や多角化、経営能力の向上など、生産性向上策について最新のデータをもとに論じる。日本経済が活力を取り戻すための新たな方策を提言する一冊。
  • 精神科医が教える聴く技術
    4.4
    人の話を聴くことは難しいが、本当に聴けた時には相手の人生を変えるほどの効果がある。「聴く技術」を〈黙って聴く〉〈賛成して聴く〉〈感情を聴く〉〈葛藤を聴く〉の四つのステップに分けて、事例と共にわかりやすく解説する。最後に「自分の心を聴く」ことで、自分を受け入れる技術を解き明かす。精神科医として、またカウンセラーのスーパーバイザーとして、長年にわたり人の話を聴き続けてきた著者が教える「聴く技術」。「聴く」ことの驚くべき深い世界を知ってほしい。
  • 政治学の名著30
    3.9
    人間が集団の中で生活することのあり方や異なる集団同士のもつれ合いと闘争……。そこには一定の解はなく、その都度の考察を必要とする。現実がますます混迷を深めているいまだからこそ、それらを繙くことは千鈞の重みを持つにちがいない。厳選された30冊の世界へ、政治学の第一人者が案内する。
  • 政治の哲学 ──自由と幸福のための11講
    3.8
    日本の政治がうまく行っていない。政治が失敗すれば、私たちの自由も幸福も、壊れてしまいかねない。大きな政府vs.小さな政府、高負担・高福祉vs.自由放任……。対立軸の根本には、哲学の違いがある。だが、政治の基本となる考え方は難しくない。その原則を踏まえて行動すれば、社会は確実によくなっていく。政府、議会、安全保障から、年金、教育、医療保険まで、重要ポイントがみるみる分かる、画期的入門書!
  • 成熟日本への進路 ――「成長論」から「分配論」へ
    4.1
    日本はこれからどの方向に進んでいくのか。政治は迷走し、国民は困惑している。既に成熟フェーズに入った日本は必然的に国家ヴィジョンを差し替えなければならない。そして、経済政策や政治の仕組みを再構築しなければ、社会は一層暗く沈滞していくだけである。国民が「自分は幸せだ」と思える社会の姿と、そうした社会を目指す政策、およびその政策を実行するための戦略と新しい社会のしくみを明快に示す。
  • 性と愛の日本語講座
    3.0
    「恋愛」という言葉が近代になってつくられたことはよく知られている。では「恋人」はどうか。徳川時代には「情夫・情婦」というのがあったが、それはどういう意味で使われたのか? 「情欲」や「不倫」はいつ頃生まれたのか? また「逢い引き」は? 本書では、『太陽の季節』『チャタレイ夫人の恋人』等の文学作品、各時代に流行った歌謡曲やマンガ等を材料に、時に外国語との比較を交えながら、性と愛にまつわる日本語の意味の由来や変遷をたどり、日本語の面白さを発見していく。
  • 生と権力の哲学
    4.3
    権力とは「見えない」かたちで動き、われわれを「殺す」よりも「生かす」ものとして働く不気味なシステムなのだ。知の巨人・フーコーの思想を中心に、ドゥルーズ、アガンベン、ネグリらの問題意識とその論理を読み解きながら、グローバル化し、収容所化する現代世界の中で、「ポジティヴ」に戦い続ける希望を提示する。
  • 性風俗サバイバル ――夜の世界の緊急事態
    3.3
    2020年、夜の世界はかつてない危機に直面した。新型コロナの感染拡大により性風俗店への客足が途絶え、働く女性たちは瞬く間に収入と居場所を失った。窮状を誰にも話せず、公的支援からも排除されたまま、孤立と貧困に苦しむ彼女たちを助けるために、これまで声を上げなかった人たちが声を上げ、動いた。コロナ禍を生き延びるため、夜の世界と昼の世界との間に橋を架けるための苦闘に内側から迫ったドキュメント。
  • 性風俗のいびつな現場
    3.7
    わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにするホテヘル、40から50代の熟女をそろえたデリヘルなど、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしています。一方、参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態です。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのでしょうか? 様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊です。
  • 生物多様性を問いなおす ──世界・自然・未来との共生とSDGs
    5.0
    本書では生物多様性を、「生物資源」と、人類の「生存基盤」という二つのの価値と、さらにその両方を統合したアプローチである「地球公共財」と位置づけて考察していく。大航海時代以降の植民地・帝国主義時代からグローバル企業などによる現代のバイオテクノロジーの時代までの生物資源をめぐる先進国・途上国という構図、自然保護を目的とした国立公園で生じる軋轢や地域社会との関係。人類と自然との相利共生関係。そして近年世界的な標語となったSDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」を提起する一書である。
  • 聖母の美術全史 ――信仰を育んだイメージ
    -
    2020年4月、一枚の聖母像の前でフランシスコ教皇は、新型コロナと戦う連帯を全世界に呼びかけるミサを行った。今も昔も、悩み苦しむ人びとが求めるのは、「母なるもの」のイメージなのだろう。イコンをその源に持つ聖母は「受胎告知」「ピエタ」「無原罪の御宿り」など様々な主題を生み、祈りの対象としてのみならず、西洋美術史を強く牽引した。聖母像の起源から、ルネサンス、バロック、日本の南蛮美術やお掛け絵、現代美術に至るまで、その大潮流を追いかける比類なき美術史。
  • 生命観を問いなおす ――エコロジーから脳死まで
    3.9
    環境破壊から脳死問題まで、現代社会は深刻な事態に直面している。このような現代の危機を生み出したのは、近代テクロジーと高度資本主義のシステムである。生命と自然にかかわる諸問題に鋭いメスを入れ、欲望の充足を追求する現代に生きる私たちの生命観を問いなおす。生命と現代文明を考えるためのやさしいガイドブック。
  • 生命をつなぐ進化のふしぎ ――生物人類学への招待
    3.8
    私たちは、現世に生を受けながら、浮世に明け暮らす生身である。永遠に若くはなく、終には老いとなる。個体としての命はかほど儚い。それはヒトもサルもトカゲも同じだ。他方、生命の誕生以来、生物は無限的な時間のなかで進化を遂げてきた。生命現象の多様性は進化の積畳なのである。生の永遠と命の儚さ、そのジレンマの狭間で、生命はまばゆい輝きを放つのだ―。本書では、様々な動物の生きかたを紹介し、進化的な視点から生命サイクルの意味と仕組みを見つめる。最新の研究を渉猟し、人間とは何かを考えた快著。
  • 世界遺産の日本史
    3.5
    「(日本の)世界遺産からみた日本史」に焦点を当てて、最新の研究成果に基づく日本の歴史・文化についての知見を、世界史の中に位置づける。縄文遺跡群から産業革命遺産、原爆ドームに至るまで、日本の世界文化遺産を正確に紹介した上で、世界遺産と照らし合わせる形で、世界的まなざしから日本史を見据えて各世界遺産の普遍的意義・価値を再検証する。選考の動向や、文化財保護と地域社会との連携の問題も考察する。日本文化史を学びなおすためにも最適な、世界遺産入門の決定版。
  • 世界がわかる地理学入門 ──気候・地形・動植物と人間生活
    4.1
    世界には、さまざまな場所があり、多様な人々が暮らしている。そして、そんな各地の人間の暮らしは気候、地形、植生など色々なものの影響を受けている。ふだんは気づかなくとも、私たちの生活は自然と密接に結びついているのだ。「世界一美しい」ナミブ砂漠はなぜ赤いのか? ヨーロッパでオープンカフェが好まれるのはなぜなのか? 本書では、気候区分ごとに世界各地の自然環境と人々の暮らしを解説。50か国以上を訪問した著者による楽しいエピソードや写真も満載で、世界を知る楽しさが沸き起こる一冊。電子書籍版では、写真をカラーで収録。
  • 世界がわかる比較思想史入門
    4.0
    これまで人類が育んできた多種多様な思想文化。それらについての知識は、グローバル化した社会を生きる私たちにとって欠かせない基礎教養であり、同時に自分や他者の物の見方や考え方を理解するための土台でもある。本書では、そうした古今東西の思想を、その成り立ちや相互作用を複眼的にとらえる比較思想史という視点から紹介。ギリシア・ローマから、日本、インド、中国の思想、さらにはポストモダンや現代正義論まで、知っておきたいそのエッセンスをやさしく説き明かす。
  • 世界経済史講義
    4.0
    世界における経済の歴史は、どうなっているのか。経済はいつ誕生したのか、資本とは資本主義とは何か。利子、帝国、法人の誕生、バブルの発生、世界恐慌、戦争と経済成長など、さまざまな観点から見ていく。宗教と資本主義が密接に関係していることも明らかにする。グローバル資本主義は終焉を迎えつつあるが、今後は何が経済を動かしていくのか。経済学者の水野和夫が宗教学者の島田裕巳を聞き手に、わかりやすく説く。
  • 世界最強組織のつくり方 ──感染症と闘うグローバルファンドの挑戦
    4.5
    1990年代に猛威を振るったHIV、結核、マラリア。それら三大感染症と戦うために生まれ、コフィ・アナン、ビル・ゲイツ、ボノ等から絶大な支援を受けてきた国際基金グローバルファンド。その官民共同の新たなビジネスモデルは「21世紀のグローバルヘルスの大いなる革新」と呼ばれ、「世界最強の国際機関」とも称される。戦略局長としてジュネーブを拠点に日々グローバルに活動する著者が、世界最強の組織の条件を、自らの体験をもとに解き明かす。
  • 世界史序説 ──アジア史から一望する
    4.4
    遊牧・農耕・交易。この三つの要素が交叉する場所で世界史は誕生した。遊牧と農耕の境界で交易が興り、シルクロードが現れる。やがて軍事力が機動性を高め、遠隔地を結ぶ商業金融が発達し、技術革新が生じ、生産力を拡大して、ついにモンゴル帝国の出現にいたった。そして、大航海時代が幕を開け、西欧とインドが表舞台に登場すると……。こうした視座から歴史を俯瞰するとき、「ギリシア・ローマ文明」「ヨーロッパの奇跡」「大分岐」「日本の近代化」はどのように位置づけられるのか? ユーラシア全域と海洋世界を視野にいれ、古代から現代までを一望。西洋中心的な歴史観を覆し、「世界史の構造」を大胆かつ明快に語るあらたな通史、ここに誕生!
  • 世界史をつくった海賊
    4.1
    スパイス、コーヒー、紅茶、砂糖、奴隷……これら世界史キーワードの陰には、常に暴力装置としての海賊がいた。彼らは私的な略奪にとどまらず、国家へ利益を還流し、スパイとして各国情報を収集・報告し、海軍の中心となって戦争に参加するなど、覇権国家誕生の原動力になった。さらに、国際貿易・金融、多国籍企業といった現代に通じるシステムの成り立ちに深く関与していた。厄介な、ならず者集団であるいっぽう、冒険に漕ぎ出す英雄だった海賊たちの真実から、世界の歴史をとらえ直す。
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    4.3
    古代から現代まで世界哲学史を一望に収める八巻シリーズ。第一巻では、哲学が成立した古代の最初期を扱い「知恵から愛知へ」という副題のもと、人類が文明の始まりにおいて世界と魂をどう考えたのかを探究する。文明が発生した古代オリエントに始まり、旧約聖書とユダヤ教の世界、ヤスパースが「枢軸の時代」と呼んだ古代の中国とインドとギリシアで思想が展開された紀元前二世紀までに見ていき、最後にギリシアとインドの接点を探る。新しい哲学の可能性を広げる旅へと読者を誘う。
  • 世界哲学のすすめ
    5.0
    世界哲学とは、西洋中心の「哲学」を根本から組み替え、より普遍的で多元的な哲学の営みを創出する運動である。それは、私たちの生活世界を対象とし、多様な文化や伝統や言語の基盤に立ちつつ、自然環境や生命や宇宙から人類を反省する哲学であり、世界に生きる私たちすべてに共有されるべき普遍性をもった、本来の哲学を再生させる試みでもある。『世界哲学史(全9巻)』の成果を踏まえつつ、より広い視野で世界哲学を本格的に論じ、開かれた知の世界へと読者をいざなう。
  • 世界同時不況
    3.3
    2008年秋、米国を震源に発生した金融危機は、瞬く間に世界同時不況へと拡大した。100年に1度の未曾有の事態といわれる今回の不況は、1930年代の世界大恐慌から何を学べるのか? 現在、起こりつつある事象と当時の推移を緻密に分析し、さらに昭和恐慌や平成の「失われた10年」とも比較しながら、世界および日本がこの危機から脱出するための方策を緊急提言する。
  • 世界に広がる日本の職人 ──アジアでうけるサービス
    3.5
    流行に敏感な中間層が急速に形成されつつあるアジアのグローバル都市。日本で技術を身につけ腕を磨いた人々が、そうした都市をめざし移住を始めている。彼らが提供する高度な技術とサービスは、現地の消費欲求に応え、徐々に都市のライフスタイルを変化させている。彼らはなぜ移住を決意したのか? どのような日本のサービスがアジアでうけるのか? 彼らを鍛えた日本の仕事現場こそが、グローバルな価値を生み出しているのではないか? 香港の寿司店、バンコクの美容室、シンガポールのバー、台北の日本語学校など、日本人海外移住者が働く現場を分析し、日本の仕事が創る価値を見つめ直す。
  • 世界の神々100
    4.0
    世界の神話には個性豊かな神々が登場し、残酷さ、暴力性、美醜、エロスなど我々の想像を軽々と超えていく。世界を統べる王者、戦闘を司る戦神、地上に豊穣をもたらす生産の神、ときに慈しみときに闘う女神たち、いたずらもののトリックスター神、技術や医術を操る神、死つまり冥界に君臨する死神。本書では、インド、ギリシア、北欧、ケルト、エジプト、日本、中国など各地の神話から100神を、神話学者の視点で解説する。天地創造、命の起源、農耕の誕生……原初の世界のエッセンスと面白さを縦横に味わう“神様ハンドブック”!
  • 世界マネーの内幕 ──国際政治経済学の冒険
    4.2
    リーマンショック後、莫大な資金がタックス・ヘイブンに流入した結果、「1% vs 99%」といわれる貧富の格差が世界中で進み、それは国境を越えて二極化している。グローバリズムの浸潤とともに、経済の軸はモノ作りから金融・情報が激しく行き交う「市場」に移っているにもかかわらず、日本は立ちすくんでいるように見える。しかし、一方で、それが深い闇に包まれていることもまた事実である。金融は世界をどう動かしているのか。マネー興亡の歴史を通観し、現代の深層に迫る。
  • 世界を動かした名演説
    3.8
    名演説とは時代や歴史、社会問題や政治運動を色濃く記録したサムネール(縮図)だ! 武器にもなり癒しにもなる言葉の力とは。チャーチルの第2次世界大戦の戦況を逆転させた演説から、ドイツ発史上最強の謝罪演説、ゼレンスキーの戦時下演説まで。冷戦、戦争責任、グローバルサウス、人種差別、宗教戦争、コロナ禍そしてウクライナ戦争。現代史と世界情勢の要点を、話術のコツと合わせて総覧し、歴史に残る名言を味わい尽くす。
  • 世界を動かす海賊
    4.0
    海賊事件は遠いアフリカだけの出来事ではない。アフリカ大陸はいま資源開発で活況を呈している。資源のほとんどすべてを海外に頼る日本にとって死活問題である。海賊の出没ポイントはソマリアに限らず、重要な航路や地政学でいうチョークポイントに集中する。公海だけでなく国境をまたぐ彼らの取り締まりは一国では対処できないため、国際連携が進められている。海賊問題は、資源開発や援助、国際犯罪の取り締まりと複雑に絡み合って進行している。
  • 世界をよくする現代思想入門
    4.0
    難解で役に立たないと思われがちな「現代思想」。しかし、それらの思想が、どんな「目的」を持って、どういう「道筋」や「思考の技術」を使って展開されているのか、を見ることによって、「難解さ」は解消し、「役に立たない」という批判は誤解にすぎないことがわかるでしょう。本書では、「現代思想」によって、「幸福」や「よさ」を追求するための技術を解説し、それが日々の生活の中で使えるようになることを目指します。繰り返して参照するのにも便利な「ブックガイド」「キーワード解説」付き。
  • 世俗宗教としてのナチズム
    4.0
    ナチズムの新しい帝国創造のヴィジョンと世界破壊の欲望は、今日の私たちの社会にも繰り返し甦って来る。ナチの黙示録的な鉤十字運動は、どのように人々の心を魅了したのだろうか。神話と象徴に彩られ、無意識の想像力を緻密に体系化した“血の結合”の幻想と実践の分析を通して、普通の人々をも狂気に駆り立てた政治的世俗宗教の実態を抉り出す。「祭司」ヒトラーと「伝道師」ゲッペルスが紡いだ破壊と終末の幻想を切開する現代史のプロファイリング!
  • 世代間格差 ──人口減少社会を問いなおす
    4.0
    年金破綻、かさむ高齢者医療費、就職できない若者。少子高齢化の進む今、生まれた年によって受益と負担の格差が出てしまう「世代間格差」は、日本の現状と先行きを考えるうえでは避けて通れない問題である。なぜ世代間格差が生まれてしまうのか。格差はいかに解消すべきか。本書は経済学的見地から世代間格差を考察し、実行可能な処方箋を提示する。社会保障・日本型雇用・少子化対策などの問題点を多角的に検証し、新たな経済社会システムの構想を鮮やかに描き出す。
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち
    3.9
    風俗、エロ本、アダルトサイト、出会い系サイト、大人のオモチャ──現代日本は多種多様なセックスメディアで溢れている。人々の欲望と想像力を刺激しながら、セックスメディアはこれからも発展し続けるだろう。本書は、八〇年代から一〇年代までのセックスメディアを総合的に捉え、その変化の実像を解き明かしていく。第一人者たちの証言と、性と快楽に賭けるドラマを紹介しながら、欲望の秘密に鋭く迫る。
  • セックスレスの精神医学
    4.1
    セックスレス・カップルが増えている。特に三〇代、四〇代が目立つ。とりわけ気になるのは、かつて例を見なかった男性の「性嫌悪症」が増加していることだ。日本の男たちになにが起きているのか?ストレスによる生命力の減退、人間関係の希薄化、自己愛人間の増加、肉体のリアリティ喪失…様々な仮説はあるが、決定的な要因はわかっていない。本書では、「セックスレス」という言葉を初めて使い定義化した第一人者である精神科医が、豊富な症例をもとに日本人の心とからだを取り巻く病理を探り、処方箋を提示する。
  • 1995年
    3.6
    1995年とは地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災という二大事件の起きた年だ。またウィンドウズ95の発売などでインターネット元年と呼ばれ、“失われた20年”と呼ばれる経済停滞が始まり、戦後初の社会党政権の時代でもある。戦後50年にあたる1995年は、ここから現代が始まった「戦後史の転機」といわれている。この1995年に、何が終わり、何が始まったのか。その全貌を解く衝撃の現代史!
  • 1968年
    3.8
    先進国に同時多発的に起こった多様な社会運動は、日本社会を混乱の渦に巻き込んだ。その結果生まれたウーマン・リブ(→フェミニズム→男女共同参画)、核家族化(=儒教道徳の残滓の一掃)、若者のモラトリアム化(→「自分さがし」という迷路)、地方の喪失(=郊外の出現)、市民の誕生と崩壊、「在日」との遭遇などの現象は相互に関連しながら、現代社会の大きな流れを形作っている。前史としての“60年安保”から、ベ平連や全共闘運動を経て三島事件と連合赤軍事件に終わるまでの“激しい時代”を、新たに発掘した事実を交えて描く現代史の試み。

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