作品一覧

  • 多様な子どもの近代 稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち
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    1巻1,760円 (税込)
    現在、多様性の尊重が価値あるものと称揚されている一方で、格差や差別などの文脈でも多様な子どものあり方に注目が集まっている。保護と教育の網の目が子どもを絡め取っていることへの批判が繰り返されているが、同時に子ども時代の生存と教育の保障が重要視されてもいる。 かつてフィリップ・アリエス『〈子供〉の誕生』が、子どもを保護し教育すべきと見なす感覚が歴史的なものだと明らかにし、社会的なインパクトを与えた。だが、近代になって「誕生」した子ども観が現代では隅々まで行き渡り、子どもを苦しめているという単線的な歴史像では、多様な子どもをめぐる排除と包摂が交錯する現代を考える力とはなりえない。 工場や曲芸で稼ぐ年少者、虐待された貰い子、孤児・棄児・浮浪児、金銭を積極的に消費する年少者――日本の戦前期の多様な年少者の生とそれを取り巻く社会的な言説や制度を丁寧に掘り起こし、素朴な誕生論とは異なった多様なまなざしと実践の交錯を明らかにすることで、子どもと子ども観の近代を描き直す。
  • 消費社会を問いなおす
    4.0
    1巻880円 (税込)
    平成のデフレ不況を乗り越えてもなお、消費社会は私たちの生活全体を覆い尽くしている。消費社会がもたらしたのは「豊かさ」ばかりでなく、深刻な格差や環境問題でもあった。一方で、消費社会はその根本において個人の自由かつ多様な生き方を実現し、今も多くの人々を魅了してやまない。大量消費の限界に向き合いつつ、消費社会が私たちにもたらした「自由」の意味をあらためて問いなおし、その可能性について、ベーシックインカムをはじめとする政策提言も視野に検討する。

ユーザーレビュー

  • 消費社会を問いなおす

    Posted by ブクログ

    昨年、出会った本で脳みそ直撃だった「サブカルチャーを消費する:20世紀日本における漫画・アニメの歴史社会学」「消費は誘惑する 遊廓・白米・変化朝顔 一八、一九世紀日本の消費の歴史社会学」の著者、貞包英之の新書。本屋さんで見つけてすぐ購入。ちくま新書ならではの特典が顔写真がカバーに入っていること。まあ、顔知ってどうのこうの、ということもないのですが、自分的にはどんな人の論考に揺さぶられたのか、興味あった訳です。前著二冊から今回は時代が引き寄せられていて100円ショップに代表されるデフレ社会の消費、サブスクリプションという新しい消費、さらにはコンマリ現象、ゲーム、住居、さらにはスポーツ、ドラッグ

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    2023年04月05日
  • 消費社会を問いなおす

    Posted by ブクログ

    「消費」と「労働」のデカップリングという発想が斬新だった。そして環境破壊など消費の限界から私たちはどうしても「脱成長」の方向に進まざるをえなくなるのではないかと考えてしまうが、「消費する自由」とは「尊厳」であるといい、国家や労働への依存することなく消費の自由を保つにはどうすれぱよいかという問いかけに、思考停止してなるものかという心意気を感じた。
    きっと、道はあるはずである。

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    2023年03月11日
  • 消費社会を問いなおす

    Posted by ブクログ

    学術的な話をベースにしているので読むのにやや難しいものの、今話題のベーシックインカムにも触れられていて、それでいて地に足の付いた理論を構築されているような気がしました。

    自分は就職氷河期世代の未婚中年男性で、給料も少ないので消費は少ないほうだと思います。欲しいものがないわけではないのですが、現行の製品として流通しているもの・新製品に欲しいと思えるものがほとんどありません。
    子どもの頃は、こんな高級なステレオが欲しいとか、寝台列車に乗りたいとか、この楽器が欲しいとかたくさんありましたが、大人になったらそれらは皆販売が終わっていました。給料も贅沢できるほどはもらえていない(ステレオはもう必要なく

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    2023年02月14日
  • 消費社会を問いなおす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    消費社会の外側には出られない、だからベーシックインカム。という論法なんだが。説得力あるんだがどうも騙されているような気になる。こういうのをもやもやするというのだろう。ゆっくり何回か読んだらもうちょっとはっきりしそうなんだが、でもそこまで関わりたいかというとそう思っていない。さて困った。

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    2023年02月15日

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