検索結果

  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実
    3.0
    女帝・称徳天皇に取り立てられ重用された奈良時代の僧侶、道鏡(?~772年)。女帝に取り入って皇位さえうかがった野心家として、長く悪名が根付いているが、本当にそのような人物だったのだろうか。さまざまな伝説を検証し、最新資料を検討すると、道鏡は実際には政治に関与することなく、天皇への仏教指導に終始した人物としての意外な実像が見えてくる。史料の綿密な検討によって、謎が多く、悪評にまみれた時代の寵児の実像に迫るとともに、古代政治の実態を描き出す。
  • 現代語訳 学問のすすめ
    4.5
    近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉の大ベストセラー『学問のすすめ』を、原書のリズムをいかしつつ、文語を口語に移した現代語訳。国家と個人の関係を見つめ、世のために働くことで自分自身も充実する生き方を示した彼の言葉は色あせない。時代情勢を的確に見極め、今すべきことを客観的に判断する力を身につけよう。
  • 平安王朝と源平武士 ――力と血統でつかみ取る適者生存
    -
    清少納言や和泉式部が仮名文学で雅な貴族の世界を描いていた裏には、暴力が支配する武士の世界があった。それは地方だけでなく、都のすぐ近くでも人が殺されるような状態だった。そして、その雅な世界は武士による収奪によって成り立っていたのだ。この凄惨な時代、拡大・縮小を繰り返しながら、源氏と平氏が武士の代表格として確立してゆく。その背景にある、血の入れ替えと相剋の過程を克明に綴る。
  • 英語の思考法 ──話すための文法・文化レッスン
    4.4
    学校、ビジネス、英会話――こんなに勉強しているのに、いつまでたっても自然な英語がしゃべれないのはなぜ? それは日本語にはない英語コミュニケーション独特の「考え方」を理解していないから! 「独立」「つながり」「対等」という三つの核心をキーワードに、様々なシチュエーションでの会話やマナーを豊富な具体例とともに徹底解説。英語をマスターするにはまずは思考から! テレビ・ラジオなどで人気の著者が上達への道を伝授する。
  • はじめて行く公営ギャンブル ――地方競馬、競輪、競艇、オートレース入門
    4.0
    インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。
  • 現代語訳 論語と算盤
    4.1
    日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。
  • 隠された聖徳太子 ――近現代日本の偽史とオカルト文化
    NEW
    -
    日本史上、最も神秘に満ちた「聖人」――聖徳太子。近代において「人間太子」も登場するが、それは無論ただの人間ではない。日本が「西洋化」する中、彼と西洋との繫がりが語られる。そして「オカルトブーム」では、前近代と異なる形で「超能力者」として新たな命を吹き込まれる。様々な姿の太子を描く人々は、何を求めてきたのか。太子の「謎」は、人間の「隠されたもの」への強い関心を搔き立てる。本書では「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩みつつ、その真相を読み解く。
  • 経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ
    NEW
    -
    経済学は、資源や財源など与えられた制約の中でどうやりくりするかという問題に絶えず直面し、解決策をひねり出そうとします。「拡大する格差を何とかするには」「全世代型社会保障は可能なのか」「市場メカニズムのカギを握る情報というファクター」「人口減少下におけるトレードオフの大命題」……難題の数々に、経済学の“ものの考え方”を駆使して、効率と公平という2本の評価軸をもとに、その発想と思考を交通整理します。「経世済民」をとことん突き詰め、社会全体の「幸せ」について追究する一冊。
  • 世界の神々100
    -
    世界の神話には個性豊かな神々が登場し、残酷さ、暴力性、美醜、エロスなど我々の想像を軽々と超えていく。世界を統べる王者、戦闘を司る戦神、地上に豊穣をもたらす生産の神、ときに慈しみときに闘う女神たち、いたずらもののトリックスター神、技術や医術を操る神、死つまり冥界に君臨する死神。本書では、インド、ギリシア、北欧、ケルト、エジプト、日本、中国など各地の神話から100神を、神話学者の視点で解説する。天地創造、命の起源、農耕の誕生……原初の世界のエッセンスと面白さを縦横に味わう“神様ハンドブック”!
  • 中学受験で大好きな学校に入ろう
    4.0
    都市部では常識の中学受験。どんな学校を目指すのがいいのでしょうか。伝統校か、保護者にとって理想的な実績を誇る難関か、大学附属か、国際性を謳う中高か、科学や医学系の進路に特化する学校か、最寄駅から近い利便性を重視するのか……。でも、大学入試の方法も社会が求める人材も、大きく変化している現代。保護者世代が考える「いい学校」は大切な我が子の大事な六年間を託すのに、本当にふさわしい学び舎でしょうか。学校のなにを評価して志望するといいのでしょう? 大人が見るべき視点を指南します。
  • 労働法はフリーランスを守れるか ――これからの雇用社会を考える
    5.0
    アプリで仕事を請け負い、ウーバーやアマゾンの配達員として働くギグワーカーたち。時間にとらわれず、働きたいときに働くのは、自由に見える。しかし労働法によって保護されない個人事業主には、労災保険が適用されないばかりか、最低賃金や長時間労働の規制も、失業時の補償もない。その勤務実態はときに苛酷で、危険も伴う。労働法は誰のための法なのか。欧米各国の動向も視野に、フリーランスの「労働者性」を問いなおし、多様な働き方を包摂するこれからの雇用社会を考える。
  • 近代美学入門
    4.4
    近代美学は、17~19世紀のヨーロッパで成立しました。美学と言っても、難しく考えることはありません。「風に舞う桜の花びらに思わず足を止め、この感情はなんだろうと考えたなら、そのときはもう美学を始めている」ことになるからです。本書は、芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクといった概念の変遷をたどり、その成立過程を明らかにしていきます。
  • 古代中国王朝史の誕生 ――歴史はどう記述されてきたか
    -
    現代にも通じる歴史書と評価される司馬遷『史記』だが、執筆には、それより前に記録され、 伝えられたものの蓄積がある。 当然のことながら、 文字がなくてはならないし、 竹簡などの記録メディアが必要。さらに、それがいつの出来事かを記述するためには、 国王の治世や暦等を根拠にした年号もあるほうがいい。 正史は権力者の歴史認識と思想を汲むため編者は命懸けだが、すでに古代中国においても過去の事象からいまの問題を見出す態度の萌芽が見られる。 出土史料を繙きながら、『史記』に結実する記録への執念や歴史観の興りをたどる。
  • 親は選べないが人生は選べる
    4.0
    親から虐待を受けた子は、計り知れない心の傷を負う。多くの場合死ぬまで苦しみ続け、最悪の場合、自殺してしまうこともある。どのように「親」と決別し、自分の人生を歩んでいったらよいのか。運命を変えて自由になるには、それまでの思考を変えることだ。発達段階と親との関係を読み解くことで、育った環境、親からの影響を自覚し、必然性から抜け出す。精神科医が指南する「親との別れ方」。
  • 聞く技術 聞いてもらう技術
    3.7
    「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること――。「聴く」のほうがむずかしそうに見えて、実は「聞く」ほうがむずかしい。「聞く」の不全が社会を覆ういまこそ「聞く」を再起動しなければならない。そのためには、それを支える「聞いてもらう」との循環が必要だ。小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。
  • 世界哲学のすすめ
    -
    世界哲学とは、西洋中心の「哲学」を根本から組み替え、より普遍的で多元的な哲学の営みを創出する運動である。それは、私たちの生活世界を対象とし、多様な文化や伝統や言語の基盤に立ちつつ、自然環境や生命や宇宙から人類を反省する哲学であり、世界に生きる私たちすべてに共有されるべき普遍性をもった、本来の哲学を再生させる試みでもある。『世界哲学史(全9巻)』の成果を踏まえつつ、より広い視野で世界哲学を本格的に論じ、開かれた知の世界へと読者をいざなう。
  • 「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える
    3.5
    「頭がいい」とは、IQや記憶力だけでなく、感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力なども含まれる。どんな仕組みで良くなるのかを脳科学の観点から解説する。そのような能力を発揮し続けるための力を「脳の持久力」と名付け、そこに深く関係する脳細胞、アストロサイトの働きを紹介し、人間の脳とAIの比較、今求められる知性について著者の考えをまとめる。
  • 大人のADHD ――もっとも身近な発達障害
    3.7
    今まで「ADHD(注意欠如多動性障害)」は、一般的に子供の「病気」とみなされてきた。しかし近年、ADHDと診断される大人が急増している。その数は成人の約3%(クラスに1人!)にも及ぶ。本書は、最近とみに注目されるようになってきた「大人のADHD」について、専門医が解説する一冊である。ADHDとは何か、特有の症状はどんなものか、ASD(自閉症スペクトラム障害)との相違点は何か、どんな治療法があるのか。この不思議な「疾患」について知るための、決定版といえる一冊である。
  • 「母と子」という病
    4.4
    人間に大きな心理的影響を与える存在は、「母」である。人は、人生で一番大切な「安心」「甘え方」を母親に教えてもらうのだ。ここでは、母親を三つのタイプに分け、それぞれで子がどんな心の病になるのかを分析し、そして回復に至る道のりの違いを分析する。長年、診療現場で様々な「母子関係」を見てきた精神科医だからこそわかる、「母と子」という関係に潜む病と、その回復のヒントを示す。
  • パワハラ上司を科学する
    4.5
    「パワハラとは何か? どうしたら防げるのか?」―― 実は、多くの人がわかっていない。著者は、パワハラ測定の尺度を開発し、誰が行為者になり、どのような性格特性の上司がパワハラしやすいかを10年以上にわたり研究。科学的データを基に、対策を実施してきた。「仲がよければいい」「関わらなければいい」など、多くの人がやってしまっている誤った対応を明らかにし、本当に防ぐにはどうすればいいのかに迫る。
  • 武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世
    4.0
    武士はいつ、どこで、生まれたのか? 七世紀ものあいだ日本を統治してきた彼らのはじまりについては、実ははっきりとした答えが出ていない。かつて教科書で教えられた「地方の富裕な農民が成長し、土地を自衛するために一族で武装し、武士となった」という説はでたらめで、都の武官から生まれたという説は確証がなく、学界は「諸説ある」とお茶を濁す。この日本史における長年の疑問を解消するために、古代と中世をまたにかけ、血統・都鄙・思想に着目し、武士の誕生の秘密を明らかにする。
  • ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために
    4.4
    人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に必要だ。それは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方であり、その重要性と効果的な運用の方法を、豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する。『明日のプランニング』に続く、さとなおの最新マーケティングの必読書。
  • 頭がよくなる! 要約力
    4.1
    人の話を聞いても、本を読んでも、映画を見ても、人に話をする時にも、もちろん仕事をするにも、絶対必要な力は「要約力」だ。的確に相手の言いたいことを理解し、要点を押さえる力をつければ、仕事はスムーズに進み、人の心をつかむことができる。現代に必要な要約力を身につけるにはどうすればいいか、基本技からそのためのトレーニング、さらに高い自分なりのコメントをつける「要約力」を鍛える方法を開示する。
  • 意識とはなにか ――〈私〉を生成する脳
    3.7
    太陽の輝き、朝のコーヒーの香り、小鳥のさえずり……私たちの意識は鮮やかな質感(クオリア)に満ち満ちている。物質である脳が、心の中に、そうしたユニークな感覚を生み出すのはなぜか? そして、すべてを感じる存在としての<私>とは何者なのか? 人類に残されたこの究極の謎を解きほぐす鍵は、他者との関係性の中でダイナミックに変化する脳の働きにある。気鋭の学者が、脳科学、認知科学、哲学の領域を横断する新しいアプローチにより難問に新境地を展開した画期的論考!
  • ザ・ディベート ――自己責任時代の思考・表現技術
    4.7
    ディベートと言えば、「ああ言えばこう言う」という詭弁術とか、言葉で相手をとっちめる技術と思いがち。和を乱す「非日本的」なものとして排除されてきたのも事実だ。だが「朝まで生テレビ」はディベートではない。実は誰でも既に、会議や交渉というビジネスの場で、「テーマを設定し、データを集め、問題枠を作り、複数の議論パターンを考え、自説を主張し、相手に反駁する」という経験をしている。これをより方法的に相互の信頼のなかで実現していく技術こそがディベートなのだ。よいコミュニケーターはよいディベーター。自分の頭で考え、自分の言葉で述べ、相手の言葉を聞くための方法。
  • 人類5000年史I ──紀元前の世界
    4.1
    1~5巻770~935円 (税込)
    文明の誕生から現代まで、5000年の人類の歩みをまとめる著者のライフワークの第一巻。文字の誕生と最初の文明(BC3000‐BC2001)から、チャリオットによる軍事革命と紀元前1200年のカタストロフ(BC2000‐BC1001)、世界帝国の時代(BC1000‐BC501)、知の爆発の時代(BC500‐BC1)まで、紀元前およそ3000年の歴史をダイナミックに展開する。
  • 「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学
    3.9
    人は、どんなときに「あ、わかった」「わけがわからない」「腑に落ちた!」などと感じるのだろうか。また「わかった」途端に快感が生じたりする。そのとき、脳ではなにが起こっているのか―脳の高次機能障害の臨床医である著者が、自身の経験(心像・知識・記憶)を総動員して、ヒトの認識のメカニズムを解き明かす。
  • はじめてのアメリカ音楽史
    4.0
    ブルーズ、ジャズ、ゴスペル、ソウル、カントリー、ロックンロール、ヒップホップ……アメリカの様々な音楽はいつどのように生まれたのか。どんな人たちにより演奏されてきたのか。200年以上の歴史を誇るアメリカ音楽について、その始まりから現在のアーティストまで、アメリカ南部からやってきた研究者とポップカルチャーに通じる評論家が徹底的に語りつくす。この一冊でアメリカン・ルーツ・ミュージックがバッチリわかる。全ジャンルのアルバム紹介つき。
  • プロフェッショナル原論
    3.9
    「プロフェッショナル」とは、高度な知識と技術によってクライアントの依頼を適えるインディペンデントな職業だ。業態はさまざまであっても、求められるのはたゆまぬ研鑽によって培われる技量であり、最高の結果を追求するこだわりである。ますます複雑化・高度化するビジネス分野において、その仕事はさらに重要性を増している。今こそプロフェッショナルのあるべき姿のとらえなおしが必要だ。
  • 現代語訳 般若心経
    4.0
    人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。
  • 集中講義! ギリシア・ローマ
    3.0
    古代地中海を中心に歴史をつくりあげたギリシアとローマ。同じような時期に政治・経済・文化が発展していったが、ギリシアではポリスがまとまり大国とならなかった一方、ローマは超大国へと、その覇権を広げていった。また思想・哲学などの華々しい文化が生みだされたギリシアに比べて、ローマでは目立ったものは出てきていない。なぜ、そのような違いはうまれたのか? ギリシアからローマへ受け継がれ、その後ヨーロッパまで影響をあたえたものはなにか? それぞれの専門家が通史からはこぼれおちた側面に光をあてる。
  • 問いの立て方
    3.2
    質問、テーマ、問題といった小さなものから、人生の課題、目標、テーマといった大きなものまで「問い」は様々な形があるが、問いという点ではすべて共通している。では、「いい問い」とはなんだろうか。私たちが解くべきほんとうの問いにたどり着くため、「問い」それ自体を問うことからはじめ、磨くための考え方を深めていく。
  • 廃仏毀釈 ――寺院・仏像破壊の真実
    4.0
    明治政府の神道国教化により起こった廃仏毀釈。それは、日本で長らく共存していた神道と仏教を分離し、仏教を排斥する運動だった。この出来事は寺院や仏像の破壊など民衆の熱狂による蛮行というイメージが流布しているが、実際にはどんなものだったのか? 信仰の対象であったものを破壊するのに、人々にためらいはなかったのか? 神仏が共存していた時代から説き起こし、各地の記録から丁寧にこの出来事の実際を読みとく。
  • 骨が語る日本人の歴史
    3.5
    発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」。その進展によって、日本列島の歴史は大きく書き換えられねばならないことがわかってきた。実は縄文人は南方からやってきたのではない。大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない―旧来の歴史学に根強く残る誤謬を科学的視点から検証。人々の生身の姿を復原し歴史をひもとく「身体史観」を提唱する。骨考古学の第一人者が、日本人の実像に迫る。
  • レヴィ=ストロース入門
    3.5
    若きレヴィ=ストロースに哲学の道を放棄させ、ブラジルの奥地へと駆り立てたものは何だったのか? 彼の構造主義を中心とする思考は、現代思想にも深い影響を与え、西洋の自文化中心主義への反省と主体の解体をうながす大きな役割を果たした。本書は、レヴィ=ストロースの代表作『親族の基本構造』『野生の思考』『神話論理』をとりあげ、彼が未開社会の親族構造や神話研究から汲みあげた豊かな思考の可能性の核心を読み解く。しばしば誤解されがちな「構造主義」を本当に理解し、ポストコロニアル論にも活かすための新しい入門の書。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    4.1
    いまや日本人は自分たちを「無宗教」と規定して、なんら怪しむことがない。しかし、本当に無宗教なのだろうか? 日本人には神仏とともに生きた長い伝統がある。それなのになぜ「無宗教」を標榜し、特定宗派を怖れるのか? 「……私は、宗教とは、人間がその有限性に目覚めたときに活動を開始する、人間にとって最も基本的な営みだと理解している……」。著者は民族の心性の歴史にその由来を尋ね、また近代化の過程にその理由を探る。そして、現代の日本人に改めて宗教の意味を問いかける。
  • 現代語訳 武士道
    4.0
    日本人は、宗教なしに道徳をどう学ぶのか―こうした外国人の疑問を受け英文で書かれた本書は、世界的ベストセラーとなった。私たちの道徳観を支えている「武士道」の源泉を、神道、仏教、儒教のなかに探り、普遍性をもつ思想であることを鮮やかに示す。日本文化論の嚆矢たる一冊を清新かつ平明な現代語訳と解説で甦らせる。
  • ウィーン ――「よそもの」がつくった都市
    3.8
    皇帝ハプスブルク家の都、楽聖の都ウィーン。今もなお優雅で華やかな香気を放っている。だが、この都市の神話はいったいどのようにつくられたのだろうか。激動の都市形成の歴史をたどりつつ、「よそもの」を魅きつける魔力とオペレッタ的いかがわしさにみちた、ウィーン神話のもうひとつの顔に光をあてる都市の社会史。
  • サバイバル! ――人はズルなしで生きられるのか
    3.8
    日本海から上高地へ。200kmの山塊を、たった独りで縦断する。持参する食糧は米と調味料だけ。岩魚を釣り、山菜を採り、蛇やカエルを喰らう。焚き火で調理し、月の下で眠り、死を隣りに感じながら、山や溪谷を越えてゆく―。生きることを命がけで考えるクライマーは、極限で何を思うのか?その洞察に、読者は現代が失った直接性を発見するだろう。“私”の、“私”による、“私”のための悦びを取り戻す、回復の書。驚異の山岳ノンフィクション。
  • 高校生のための古文キーワード100
    3.0
    古文では、人の気持ちを表現する心情語が読解のキーワードである。本書は、その心情語を中心に、古語を100語ほど厳選して収録し、『源氏物語』『枕草子』など有名作品の例文を訳つきで紹介しながら、わかりやすく解説する。根本の語義・語感を重視し、関連語・慣用的用法などにも触れてあり、豊かな古典の世界への格好の案内者となるだろう。コラム「読解の知恵」は重要な構文・語法を説き、これも必読。
  • 良妻賢母の誕生
    3.0
    「良妻賢母」が女性の理想像とされたのは大正デモクラシーからだった。近代化へ向けてそれがいかにつくられ、受けとめられたのか、豊富な資料から明らかにする。
  • 下流喰い ――消費者金融の実態
    3.4
    格差社会の暗部で弱者が借金漬けにされている。デフレ経済下、大手消費者金融会社は低所得者層を貪り、肥大化してきた。その甘い蜜を求めて大手銀行と外資企業が争奪戦を演じている。その一方で、多重債務に陥った利用者はヤミ金に全てを奪われ深い闇に沈められる…。現代社会の地殻変動を活写した渾身のノンフィクション。
  • 地形で見る江戸・東京発展史
    4.3
    等高線と赤色立体地図を通じて江戸・東京を見ると、地形を変える都市改造もあったが、基本は自然地形を活かしたまちづくりがなされてきたことがわかる。明治以降の東京は、その時々の経済や社会などの環境変化を反映しながら大きく姿を変え続けてきたが、東京の市街の主な骨格は、江戸時代から引き継がれ、現代に至っているのだ。古今の地図で確認できる土地利用の変化から、河川・水道・道路・鉄道などインフラ発展の歴史を叙述しつつ、江戸・東京の発展プロセスを図解する。
  • 汗はすごい ──体温、ストレス、生体のバランス戦略
    4.0
    もっとも身近な生理現象なのに、誤解される汗。風邪の高熱は汗をかけば解熱する、汗っかきは持久力がひくい、わきの下や喉元や頭皮は汗をかきやすい……。どれもこれも科学的には真逆である。いい汗とは何か。暑さになれると上手に汗をかくことができ、暑い夏もへっちゃらに乗り切れる! 最新の脳科学の成果からさまざまな疾患による影響まで、汗のすべてを発汗生理学の権威が解き明かす。
  • プラグマティズム入門
    3.9
    十九世紀後半にパースが提唱し、ジェイムズが定義づけたプラグマティズムは、従来の西洋哲学の流れを大きく変えた。二〇世紀半ばにはクワインによって再生されたことで、今やアメリカ哲学の中心的存在となったその思想運動は、いかなる意味で革命的だったのか。プラグマティズム研究の日本における第一人者が、その本当の狙いと可能性を明らかにし、アメリカでの最新研究動向と「これからのプラグマティズム」を日本で初めて紹介。いま最も注目される哲学の全貌を明らかにする。
  • 愛国の起源 ――パトリオティズムはなぜ保守思想となったのか
    -
    「愛国」思想は現在、右派や保守の政治的立場と結びつけて語られる。しかしその起源は、かつて古代ローマの哲学者キケロが提唱したパトリオティズムにあった。フランス革命では反体制側が奉じたこの思想は、いかにして伝統を重んじ国を愛する現在の形となったのか。西洋思想史における紆余曲折の議論を振り返り、尊王思想と結びついた明治日本の愛国受容を分析、さらに現代のグローバルな視点からパトリオティズムの新しい可能性を模索する。
  • 愛読の方法
    4.0
    本が読まれなくなり、基本的な教養すら欠いた人間が世に溢れるようになった――こう嘆かれるようになって久しい。でも、本を読めば人は賢くなれるものだろうか。もちろん、否である。見栄でするやたらな読書は、人をどこまでも愚かにする。私たちには、文字に書かれたものを軽信してしまう致命的な傾向があるからだ。どうすれば、このような陥穽から逃れられるのか? ショーペンハウエル、アラン、仁斎、宣長など古今にわたる愛読の達人の営みに範をとり、現代人が本によって救われる唯一の道を示す。
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史
    4.4
    アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと。その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
  • 悪魔の証明 ――なかったことを「なかった」と説明できるか
    3.3
    事実ではないことを「そんなことはなかった」と説明するのは、実際にあったことを立証するよりも困難だ。しかし人は往々にして、そんな「悪魔の証明」を他人に強要する。思い込みが先行した追及は、ともすると自らの挙証責任をないがしろにするので、相手に説明の「無限ループ」を迫ることになる。敵を混乱させたり、イメージ悪化を図るには有効だが、もはや建設的な議論や問題点の抽出は望めない。本書では、犯罪学や統計学、そして宗教学も参照しながら、悪魔の証明の正体に迫ろう。
  • 明智光秀と本能寺の変
    3.8
    なぜ明智光秀は本能寺で織田信長を討ったのか。下克上の時代とはいえ、戦国の覇王であり主君への謀叛の背景には謎が多い。光秀の経歴も秘密めいている。そのためさまざまな憶測がされ、信長への私怨説、朝廷か足利義昭か、はては徳川家康による陰謀説などが語られてきた。名門・土岐明智氏を自称しながら足軽衆としてキャリアをスタート。主君を変えながら武功を重ねて頭角を現わした「知将」の人生をたどりながら、明智光秀という戦国ミステリーの主人公を読み解く!
  • 朝から晩までつぶやく英語表現200
    4.3
    朝から晩まで、とにかく思ったことを英語で口に出すことが、英語上達への近道。家、会社、食事、ショッピング、天気……日常のさまざまな場面で使うけど、意外と知らない必須フレーズを200個紹介。10万部超のロングセラー『日本人の9割が間違える英語表現100』の著者が、シンプルだけど、とっておきの表現を紹介します。
  • 朝ドラには働く女子の本音が詰まってる
    3.8
    1961年放送が始まり、66年に「おはなはん」でブレイクした連続テレビ小説、通称「朝ドラ」のテーマは、なんだかんだいっても女の一代記、女の生き方。社会状況が劇的に変化しても、50周年を機に放送開始時間が8時15分から8時に変わっても、それは変わらない。そして今も、女子は朝ドラに励まされたり慰められたりしている。それはなぜか。ヒロインの人生の戦いは、すべての働く女子の戦いに重ねられるからだ。本書は朝ドラ論であるとともに働く女子論でもあり、働く女子を身近にもつ男子の必読書でもある。
  • 「新しさ」の日本思想史 ――進歩志向の系譜を探る
    4.0
    「新しい」が現在のような「進歩的だ」「新鮮である」という意味になったのは近世になってからであり、古代や中世では単に「現在」を示すものだった。「新しさ」が江戸時代に評価を高め、いかにして幕末維新期に大衆をリードするキャッチフレーズになったのか。「本」に立ち返ろうという復古思想とのせめぎ合いの中、明治以降の高度な外来の文化を受け入れる下地となる学術や思想がどう育ってきたかを、「新」や「本」の字義の変化をたどって検証。この国の進歩への志向の系譜を探る。
  • アナキズム入門
    4.0
    国家なんて要らない。資本主義も、社会主義や共産主義だって要らない。いまある社会を、ひたすら自由に生きよう──そうしたアナキズムの思考は誰が考え、発展させてきたのか。生みの親プルードンに始まり、奇人バクーニン、聖人クロポトキンといった思想家、そして歩く人ルクリュ、暴れん坊マフノといった活動家の姿を、生き生きとしたアナーキーな文体で、しかし確かな知性で描き出す。気鋭の思想史家が、流動する瞬間の思考と、自由と協働の思想をとらえる異色の入門書。
  • あなたは自由か
    -
    「奴隷」哲学者エピクテトスからルターとエラスムスの「自由意志」論争にまで説き及ぶ本書は、「自由」をめぐる歴史上のピークをなす白熱の瞬間をとらえる一方、相異なる多様な考察をあえて並列するにとどめてもいる。今や人工知能が本格化し、監視社会化が進む時代を迎えて、自由の実態はますます不透明になりつつある。原理的な考察とともに、日本の近代を世界史の中で再検証し、自由の動的で、かつ多面的な姿を展望する。
  • アナーキズム ――名著でたどる日本思想入門
    3.7
    大正ロマン香る革命家の伝説。破滅と頽廃に縁どられたテロリスト列伝。祝祭としての群集蜂起……。あまりの純粋さと単純さゆえに、多くの若者たちを魅了してきた思想史上の異色、アナーキズム。そこにかいま見える近代の臨界とは何か。十冊のテキストをステップとして大胆に講釈される、根源的に考え生きるためのレッスン。
  • アニメ文化外交
    3.6
    世界はこんなに日本が好きだ! ミャンマー、サウジアラビア、イタリア、スペイン…。日本のアニメは、想像を超えて世界に広がっている。本書では、日本のアニメが世界でどう愛され、憧れの的になっているかを、現地の声で再現。このアニメ文化を外交ツールとして積極的に活用する意義を論じ、そのための戦略をも提示する。
  • アフリカ経済の真実 ──資源開発と紛争の論理
    3.8
    豊富な資源があっても、国民のほとんどが貧しい。外資が開発をしても、豊かになれない。そして、終わりなき紛争と大量の難民……。アフリカは、これから発展する「希望の大陸」ともいわれるが現実は違っており、その貧困には日本を含めた先進国の人々も大きく関わっている。アルジェリア、コンゴ、マダガスカル、マリ、エチオピア、モザンビーク……日本ではあまり知られていない各国の問題点や世界的な搾取の構造を、マクロな視点とフィールドワークで得た経験により明らかにする。
  • アフリカを見る アフリカから見る
    3.9
    「平成」の三十年間で、日本とアフリカを取り巻く状況は激変した。経済成長が止まり、国力が低下する日本。一方、かつて日本人が時に哀れみの視線を注ぎながら援助していたアフリカでは、多くの国で経済成長が持続し、平和と民主主義の定着が進む。2050年に世界人口の四人に一人を占める「豊穣の大陸」と、少子高齢化に喘ぐ日本はどう向き合えばよいのか。アフリカとの関係構築に、日本再生の手がかりはあるか? 篠田英朗氏との対談「アフリカに潜む日本の国益とチャンス」も収録。
  • あぶない脳
    4.0
    羞恥心がない、すぐキレる等近頃あぶない人が増えている。しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないものである。脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を成功と幸福に導いてくれるものとなる。身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。
  • 安倍晴明伝説
    3.0
    「陰陽師」安倍晴明にはいくつもの顔がある。「宮廷に仕える高級官僚」「超能力者」「中性的な魅力を持つ美青年」…。だがそのいずれも真の晴明像を正確に伝えてはいない。天皇の運命まで左右した数々のエピソードを持つ「高級官僚」としての晴明像と、「狐から生まれた子」という超人伝説は、どのように結びついていくのか。晴明を祖とあおぐ二つの系統の陰陽師たちがつくりあげた虚像の形成過程を丹念に読み解いていくと、新しい「もうひとつの晴明伝説」が浮かび上がってくる。
  • アベノミクスが変えた日本経済
    4.5
    「経済最優先」そして「デフレ脱却」をスローガンに掲げた第二次安倍晋三政権発足から約五年。「三本の矢」からなるアベノミクスは、1990年代以来の長期デフレによって縮小均衡に陥っていた日本経済を、本来あるべき成長軌道に引き戻すことに成功しつつある。世論調査等ではいまだ評価の低いアベノミクスだが、経済学的に検証を行えば、十分「日本経済を変えた」と言って差し支えない。本書は、その真実を論理とデータによって示しつつ、さらに、デフレ脱却が完遂されたあかつきには必要となるアベノミクスからの「出口戦略」をどう考えるべきかを提示する。
  • アメリカ黒人史 ――奴隷制からBLMまで
    3.0
    奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。400年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。
  • アメリカの社会変革 ──人種・移民・ジェンダー・LGBT
    -
    2009年、オバマが「チェンジ」を合言葉に登場。医療保険、同性婚支持、移民政策において、平等化への歴史に新たな一ページを刻んだ。八年後、トランプも「チェンジ」を訴えて登板した。「チェンジ」の価値化こそは、アメリカ文化の柱だ。しかし、どのような「チェンジ」か。本書は、アメリカの社会変革の原動力として、人種、移民、女性、LGBTの平等化運動を取り上げ、政治、経済、社会、文化の歴史的変化を見る。そして、トランプ政権による揺り戻しと、反動への抵抗勢力の激突を描き出す。
  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門
    3.0
    漫画史に傑出する長編作品『ジョジョの奇妙な冒険』。抒情的かつ異風的であるこの芸術作品を、四半世紀にわたって描きつづける創造力の源泉はどこにあるのか? 技法を精緻に分析し、作品を漫画の歴史のなかに位置づけ、理論にもとづいて荒木飛呂彦の作風と物語の独創性を読み解く。ファン待望の漫画評論!
  • アリストテレス入門
    3.9
    プラトンとならぶ古代ギリシア哲学の巨人アリストテレス。彼はのちのヨーロッパ哲学に影響を与えただけではない。いわゆる三段論法を中心とする形式論理学の基礎を築き、具体・抽象、普遍・個別、可能・現実といった概念を創始して、近代自然科学の発展をささえる知の総合的な枠組をつくりあげた。われわれがさまざまな事柄を考える際の思考法そのものに関わる問題を、彼はどのように追求していったのか。本書は、そのねばりづよい知の探求の軌跡をたどるアリストテレス再発見の試みである。
  • アレント入門
    4.1
    ユダヤ人として生まれ、生涯を賭してナチス体制に代表される全体主義と対峙した思想家ハンナ・アレント。その思考の源泉を、ナショナリズムや公共性の問題から検証し、『全体主義の起原』、『人間の条件』、『イェルサレムのアイヒマン』などの代表作に跡づける。その思考は、今なお全体主義的な体制を経験している私たち自身の経験と現在を考えるための重要な手掛かりになるに違いない。
  • 医学全史 ――西洋から東洋・日本まで
    4.5
    現代医学はどのようにしてできあがったのか? 古代より、伝統医学は経験から治療法を、推論から理論を創り出すと同時に、西洋では解剖学という人体の科学的探究を続けてきた。それが19世紀に、病理解剖学や実験生理学の発展に伴い実践的な治療と結びつき、劇的な変貌を遂げることになる。医史学研究の第一人者が古今東西の書物を繙き、萌芽期から現代までの歴史を丁寧に辿りつつ、その飛躍的発展の背景に迫る決定版通史。
  • イギリス英語の裏表
    3.7
    ビジネスであれ映画や音楽であれインターネットであれ、我々の周囲に充ち溢れる英語のほとんどはアメリカ英語である。今では、英語は元来イギリスの言葉である、などと言えばかえって奇異に思われるほどに、イギリス英語は実用の舞台から消え去ってしまった。とはいえ、いくたの歳月をへて他のヨーロッパ諸国のみならず世界のあらゆる言語と接触するなかで、イギリス英語は諸言語の語彙を貪欲に取りこみつつ実りゆたかな発展をとげてきた。独得の風土と歴史を通して育まれたイギリス英語の面白さを軽妙な筆致で描く快著。
  • 意思決定トレーニング
    3.3
    あなたが「決められない」のは、決して性格のせいではない! むろん、経験を積めば決断力がつくと思ったら大間違い。本当に必要なのは、決め方のルールを学ぶことだ。消去法など、一見合理的な方法を使っていると思っても、それらの決め方には意外と落とし穴が潜んでいる。誰もが経験する例をもとに決定のプロセスを明らかにして、最適なルールの良さを実感する。就活時の会社の選択、ちょっと大きな買い物、はたまた結婚相手まで選び方が変われるはず。
  • 医者は患者の何をみているか ──プロ診断医の思考
    3.7
    病名よりも診断よりも大切なのが治療です。症状の原因が分からず、診断名も与えられない……ということでいろいろな病院や科へ回る患者さんがいます。それは間違っています。症状が起きている仕組みやメカニズムが推定できれば治療はできるのです。では医者はそのために患者の何をみているのか? プロ診断医が行う病態把握のための四次元思考をお見せします!
  • イスラーム思想を読みとく
    3.7
    現代イスラームの「過激派」と「穏健派」の争点はどこにあるのか? なぜ、同じスンナ派同士で争うのか? 「穏健派」のムスリムは、なぜ「過激派」を「破門」しないのか? イスラーム神学、古典イスラーム法学、現代イスラーム思想を横断し、問題の背景と核心に迫る。「イスラームのテロ」に警鐘を鳴らすのでも、「平和な宗教」としてイスラームを擁護するのでもなく、対立の思想的争点を浮き彫りにする一冊。
  • イスラームと世界史
    4.5
    世界は新たな対立と緊張に直面している。中東和平や中央アジアの動向は今後どのような展開をみせるのだろうか? 世界史への登場以来、先進的な文化を誇ってきたイスラームは、けっして異質で非寛容な文明などではない。世界史と日本史をつなぐ歴史的な視点を軸に、21世紀の国際政治を世界史的視点から問う。
  • 伊勢神宮の謎を解く ──アマテラスと天皇の「発明」
    4.1
    日本全国の神社の筆頭に君臨する伊勢神宮。しかし、その成立の背景には、さまざまの「謎」がつきまとう。伊勢神宮の誕生は、はたしていつだったのか。大和の王権がなぜ伊勢に最高神をまつるのか。当初そこにまつられた国家神とは何か。皇祖アマテラスはなぜ「発明」される必要があったのか。そして、心の御柱と神鏡という二つの御神体が共存するわけとは……本書では、こうした難問を、列島における神話と神社誕生の根源にまでさかのぼり、あざやかに解き明かす。
  • イソップ寓話の世界
    -
    イソップの動物寓話は、子ども向けの人生訓話としてなじみ深いものである。けれども、ほぼ同時代のソクラテスやアリストパネス、ヘロドトスなどによってすでに真剣な考察の対象とされたように、そこには読み手の立場によって多様な解釈を許容する、奥行きをもった世界が展開されている。では、イソップとは誰なのか。それはいかなる経緯によって成立し、流布されていったのだろうか。先行文明としてのメソポタミアやエジプトをも視野に入れながら、イソップ寓話をとりまく謎に迫る。
  • いちばんやさしい美術鑑賞
    3.9
    「何を見たらいいのかわかりません!」──そんな美術鑑賞にさようなら! これからはもう一歩作品に踏み込みましょう。しかも超簡単! 「上手さを知るには手を観る」「プレートは必ず読む」「誰かと一緒に観に行く」「評価のチェックリストを作る」……。1年に300以上の展覧会に足を運ぶカリスマ・アートブロガーが、美術の本質を見極めながら、広くて深くてしなやかな美術鑑賞法を教えます。
  • 遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか
    4.5
    近年、世界中の人類集団の遺伝子のバリエーションについて大規模な研究が数多くなされている。そうした中、中央アジアから東アジアにかけてチンギス・ハンの持っていたY染色体のタイプが爆発的に拡散しているという仮説が提起された。本書ではこの仮説を追うことを糸口として、遺伝子の研究方法から、人類の祖先の辿り方、進化と遺伝の捉え方まで、ゲノム時代にわれわれのルーツを追究する意義について、縦横無尽に解説する。
  • イノベーションはなぜ途絶えたか ──科学立国日本の危機
    4.3
    かつて「科学立国」として世界を牽引した日本の科学とハイテク産業の凋落が著しい。経済の停滞にとどまらず、原発事故のような社会への大打撃を招きかねないイノベーションの喪失。その原因は企業の基礎研究軽視にとどまらず、政策的失敗にあったことをベンチャー支援策に成功した米国との比較から解明する。さらに科学の発見からイノベーションが誕生する原理を明らかにし、日本の科学復興に向けた具体的な処方箋を示す。科学と社会を有機的に結びつける“国家再生の設計図”。
  • 癒しの旅 ギリシア・エーゲ海
    -
    遺跡と神話の国、ギリシア。はるか昔から変わらぬ山河とそれをとりまく人々の生活、そしてとびきり美味な海や山の幸…。自然の恵みを受け継ぐ「古い国」の豊かさを、遺跡や廃墟を訪ね歩く合間に感じてきた著者ならではの、エーゲ海での「ギリシア風」過ごし方、アテネの街歩き、博物館の愉しみ方など。極上の旅案内。
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す
    3.9
    日本医療の実態とは、どのようなものなのか?「点滴は血液を薄めるだけ」「消毒は傷の治りを遅くする」「抗がん剤ではがんは治らない」「健康診断に熱心な人ほど早死にする」……。本書は、こうした驚くべき実態に迫り、医者と患者の間にある壁の正体を明るみにする。医師会・厚労省・マスメディアなどの生み出す幻想の実態を晒すことから、これからの日本医療のあり方を問いなおす。ベストセラー作家でもある医師による、渾身の日本医療論。
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学
    3.9
    私たちは病院に、答えを得るために足を運ぶ。心身の不調の原因が明らかになり、それを取り去るすべが見つかることを期待する。しかし実際の医療現場は、私たちが思う以上のあいまいさに満ちており、期待した答えが得られない場合も多い。そんな時私たちは、医療者に失望するが、それは医療者も同様に悩み、考えるときでもある。本書は、医療者のそんな側面を、本人たちへのインタビューをもとに紹介する。病気になったとき、私たちは医療者とともにいかに歩むことができるのか。かれらの語りを通じて考えてほしい。
  • 医療大転換 ──日本のプライマリ・ケア革命
    4.0
    無駄な投薬や検査がない。患者のたらい回しもない。24時間体制でいつでも相談できる。日本に渦巻く医療への不信と不満、不安を一掃するプライマリ・ケアとは何か? 日本の問題点や先進国の実践例を検討し、患者中心の医療への大転換の道筋を示す緊急提言。
  • インディアンとカジノ ──アメリカの光と影
    4.4
    20世紀後半以降、保留地内に建設したカジノによって、インディアンは莫大な収益をあげている。2016年にはラスベガスのカジノ収入を抜き、カジノ産業は実質的にインディアン社会の経済的・社会的・文化的自治の基盤となった。なぜインディアンがカジノを経営するようになったのか? アメリカとの関係からインディアンの歴史を跡づけ、「インディアン・カジノ時代」という新しい時代が到来していることを明らかにする。
  • インド宗教興亡史
    -
    国民の約八割が信仰するヒンドゥー教と、少数派とはいえ有力な宗教が同居するインド。悠久の歴史において多くの宗教が生まれたこの地はまた、何度も外来の宗教勢力から侵略を受けたが、他宗教による攻撃すら飲み込みながらヒンドゥー教は拡大してきた。いく筋もの支流が集まり大河となるように、枝から延びる木根が幹となって大樹になるバニヤンのように……。仏教、ジャイナ教、ゾロアスター教、シク教、キリスト教、イスラム教など、ヒンドゥー教の歴史的ライバルとの対立や融和の関係から、インド文明を読み解く。
  • インドネシア ──世界最大のイスラームの国
    3.0
    世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。
  • イーハトーブ乱入記 ――僕の宮沢賢治体験
    4.0
    宮澤賢治はほんとうに猫が大嫌いだったのだろうか? 銀河鉄道の車窓風景になぜ星がでてこないのだろう? いったい天気輪ってどんな形をしているんだ? 誰もが魅惑にとりつかれる謎だらけのイートハーブ世界。登場人物を猫のキャラクターで描いたコミック版『銀河鉄道の夜』の作家がはじめて書き下ろした賢治体験記。
  • ウィトゲンシュタイン入門
    3.7
    世紀末のウィーンに生まれ、20世紀初頭のケンブリッジを舞台に活躍した天才科学者ウィトゲンシュタイン。裕福なユダヤ系鉄鋼財閥の家庭に育ちながら、数奇な一生と特異な行動や風貌によって、その思想の全貌は今日なお神秘的な色彩を帯びる。彼が生涯を賭けて問いつづけた「語りえないもの」とは何か? 初期の写像理論から中期の文法理論、後期の言語ゲーム理論へと展開する独特のアイディアにみちた思想の核心にわけ入り、読者とともに考える、清新な魅力にあふれた入門書!
  • 失われたアートの謎を解く
    3.8
    名画の悲劇は美術史の知られざる裏の顔だ。修復不可能になったムンク《叫び》、2012年にアパートの一室から発見されたナチス御用画商の隠し絵画1万6000点、8万8000個の破片から再現されたマンテーニャのフレスコ画、フェルメール《合奏》を含む被害総額5億ドルの盗難事件……欲望と不運が綾なす黒歴史に詳細なビジュアルで迫る!
  • 宇宙からみた生命史
    4.0
    「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」。──近年、生命誕生の謎を解き明かす鍵が、「宇宙」にあるのではないか、という考え方が存在感を増している。生命の様々な可能性を考えるのには、もはや地球中心の思考を捨てなければならない。惑星探索や宇宙観測によってわかった新事実と従来の化学進化的プロセスをあわせ論じて描く、最先端にして最も説得力のある生命誕生の様相。
  • 宇宙の地政学
    NEW
    -
    21世紀に入って中国が独力で有人宇宙飛行に成功、著しい躍進を遂げ、米国の宇宙覇権を脅かすほどとなった。同時に米国ではニュースペースと呼ばれる民間宇宙ベンチャー企業等の開発が本格化し、宇宙の地政学は米ソから米中へ、国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、そして平和利用から軍民一体へと大きくシフトした。月探査から月基地建設、さらに将来的には、火星移住も計画されている。世界中で活気づく宇宙開発の最前線をぜんぶレポートする。
  • 海の東南アジア史 ──港市・女性・外来者
    3.5
    近世から現代まで、ヨーロッパ諸国、中国、日本などから外来者が多く訪れ、交易をし、また植民地支配を行った東南アジア。そこでは、人喰いの風聞を広める人、現地人女性、ヨーロッパ人と現地人の間の子孫、華人などさまざまな存在が、外の世界と現地の間に介在していた。その様相を見ると、いかに多様な人々が各地に存在し、複雑な関係を持っていたか、各地の国民国家形成に影響を与えたかがよくわかる。主に東南アジア海域を舞台に、前近代と近現代、西と東をつなげる画期的な一冊。
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡
    3.8
    みなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園……。横浜からはオシャレで、洗練されていて、都会的なイメージが想起されるが、それはほんの一面にしか過ぎない。悪臭で誰が泊まるともしれない船の宿、最後の居場所のストリップ劇場、革命家の隠れ家など、その裏側には猥雑で混沌したものが隠されている。生まれ育った街の歴史を掘り起こし、実体験を織り交ぜながら、横浜の真の姿をさらけ出す。
  • 英語教育幻想
    4.4
    国際化の必要性が叫ばれ始めた1980年代以降、英語教育は常に議論され続けてきたが、特にここ数年「グローバル人材」育成に向けて様々な提言がされてきている。小学校からの早期英語教育、英語による教室指導、外部テストの導入、教員の英語力強化などだ。その裏側には、「英語は全世界の人々をつなぐ」「英語力は経済的成功をもたらす」という、ほとんど信仰のようなものが横たわっている。しかしそれは本当なのだろうか? 海外の大学で25年教鞭をとってきた言語教育学者が、日本人の中に深く根を張る「英語への信仰」と「幻想」を、10のポイントに分けてあぶりだす。
  • 英語教育の危機
    3.6
    子供たちの未来を左右する2020年施行の新学習指導要領からは、この国の英語教育改悪の深刻さが見てとれる。たとえば、中学校・高校では「英語は英語で教えなければならない」という無茶なルールを作り、小学校で「英語」は教科としてスタートするのに、きちんとした教師のあてはない。また学習指導要領以外にも、2020年度からは現在の「センター試験」は廃止されて、どれも入試として問題含みの「民間試験」を導入するという。どうして、ここまで理不尽なことばかりなのか? 第一人者が問題点を検証し、英語教育を問いなおす。
  • 英語と日本人 ――挫折と希望の二〇〇年
    4.3
    英語ができるようになりたい! 幕末に「半文明人」として西洋に蔑視された日本人は、懸命に英語を学び近代化を成し遂げる。そこには挫折と希望が交錯した紆余曲折の物語があった。独学に励む若者、日本人にふさわしい学習法の模索、辞書編纂者の苦闘、教科書の中の戦争と平和、名・珍英語参考書の数々、英会話ブーム、小学校英語への賛否、グローバル人材育成や入試改革の是非――英語教育史研究の第一人者が、日本人と英語の悪戦苦闘の歴史をたどり、未来を展望する決定版。
  • 英語に強くなる多義語二〇〇
    4.0
    多義語とは文字どおり「定義が多い語」である。ひとつの単語に、隔たりのある定義が同居しているのはなぜか? 一般的な英和辞典にその答えを求めることはできない。約二〇〇語におよぶ多義語を取り上げ、語意の変遷を丹念になどり、多義語の謎を解き明かす。
  • 英語脳スイッチ! ──見方が変わる・わかる英文法26講
    4.0
    本書で解説する「英語脳」とは、英語という言語(そして英文法)の中に現れる、「世界の捉え方」や「人間関係の捉え方」のこと。英文法を「ルール」ではなく「意味を表すもの」と考えると、「なぜこの言い方(文法)を使うのか」が腑に落ち、英語学習の核をつかむことができるのです。他動詞の英語らしい使い方、助動詞の「思っているだけ」という意味、過去形と「人間関係の距離」、数えられる名詞の見分け方……など「目からウロコ」が連続の、英語話者による世界の見方(=英語脳)のポイントを凝縮し、英語学習の必携書としてお贈りします。
  • 英語の処方箋 ──「日本人英語」を変える100のコツ
    4.0
    教科書で習った“Long time no see.”は、実は使うと相手を不快にさせる場合がある!? “will”と“be going to~”って、どう使い分けるの? 会話をふくらませるコツは何? 日本人が英語を学ぶ上でつまずくポイントを熟知した著者が、改善するために必要な知識をわかりやすく解説。日本人がしやすいミス、会話・文法のポイント、マナー、英語の特徴などを知的に、愉快に講義する。英語表現の面白さが存分に味わえる一冊。
  • 英語は格闘技だ ――武蔵が英語に挑戦すれば
    -
    実用会話では相手と場合に応じて重い英語、軽い英語を使い分けなくてはならない。それは武道における技の使い分けや刀の使い分けに通じる。英語をコミュニケーション・ツールとして使いこなすには、英単語だけでなくTPOに応じた戦術・戦略を身につけなければならない。当代きってのビジネス英語の使い手が、『五輪書』の流れに沿って様々な場面での英語の使い方を示す。
  • 英単語のあぶない常識 ――翻訳名人は訳語をこう決める
    3.5
    英和辞書の訳語は役にたつ。先人の知恵がつまっているからだ。しかし過信は禁物。英語と日本語の意味の重なりとずれを知らなければ誤訳・迷訳が生まれることに。本書は、当代きっての翻訳家が基本英単語の意味を英英辞書で調べ、代表的な英和辞書の訳語を探し、国語辞典で日本語の意味を確定し、インターネット上の英文でその訳語が使えるかを判断し、使えるケースはどのくらいの比率かをはじき出すという方法で、だれもが覚えている訳語の常識を洗い直した画期的な翻訳術入門である。

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