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Posted by ブクログ
すごーく面白かった。
日本には建前と本音がある、そういうものだと子どものころから思っていたけど、英語圏にもそれはあるというお話。
P14「「タテマエ」というと日本の専売特許と思っている人もいるかもしれないが、それは違う。どのコミュニケーション文化にも「タテマエ」はある。ただ、みんなそれぞれ違うだけだ。」
P23「英語の核心は、「個/独立」と「つながり」という二つの欲求が、英語特有のバランスで成り立っているということが肝要である。英語は独特な、少なくとも日本人とは違ったかたちで、二つの「タテマエ」を形成している。」
一方で、日本の「タテマエ」に特徴的なのは「エンパシー(empathy)」だという。
P28「小学校の教室や校庭などに掲げられている学校の標語で昔からよく見かけるのは「おもいやり」だ。「おもいやり」に相当する英語はconsideration、thoughtfulnessなどいくつかあるが、「相手(他者)の立場で考える」というところまでは普通は意味しない。なぜなら、相手の立場に立つこと自体が、「個」=「独立」の原理に反することになりかねないからである。ズカズカと相手の立場に乗り込んではいけないのだ。「エンパシー」と「独立」のタテマエは原理的に衝突するが、英米文化では「独立」のほうが勝っているのである。」
なんと!そういうことか。おもしろい…!
そして、そうしたコミュニケーションの文化は英語という言語そのものに組み込まれているのだと。
P11「英語の文法や慣用表現は「英会話」と核心においてつながっている。むしろ、この英語の核心を理解しなければ、やみくもに「英会話」修行の旅で放浪することになる。なにごとにもコツというものがある。それを体得することが上達への最短ルートだ。本書はその英語の「わかりかた」の道案内である。もう一度言おう。文法や慣用表現はコミュニケーションとつながっている。」
ということで、そうした英語のコミュニケーション(文化)が日本語とどう違っているかを説明するために、英語のいろいろな言い回しを紹介してくれているのが本書。
英語学習を続けるなかで、英語と日本語は何かが根本的に違うぞ、「英語(を話す人)の心が知りたい」という気持ちがむくむくわいてきていたわたしにとって、本当に興味深い1冊。
Posted by ブクログ
— 英語を「翻訳」ではなく、「価値観」として学ぶ本 —
英語学習というと、多くの人は単語や文法、発音を思い浮かべる。
しかし『英語の思考法』は、そのさらに奥にある「英語圏の人が何を大切にしているか」に踏み込んだ一冊だった。
この本の面白さは、単なるフレーズ集ではなく、
「なぜ英語ではそう言うのか?」
を、“個人の独立”と“人との繋がり”という文化的背景から説明している点にある。
特に印象的だったのは、英語では相手を「独立した個人」として扱う感覚が徹底されていることだ。
例えば、
I know your feeling. ではなく、
I know the feeling.
を使う。
“your”を入れることで、相手の内面に踏み込みすぎるニュアンスになるという説明は、とても興味深かった。
同様に、
What's your problem?
が攻撃的に聞こえる理由も、「あなた自身」を問題視しているように響くからだという。
英語はストレートと言われがちだが、実際にはむしろ“相手の領域を尊重する繊細さ”があるのだと感じた。
また、本書では「英語は繋がりを好む」という視点も繰り返し登場する。
たとえば、
you より we
share を使う
company を「仲間」として使う
など、会話の中に「一緒にいる感覚」を自然に織り込んでいく。
また、
Let's go
Let us go
に関して、日本人感覚ではほぼ同じに見えるが、英語では「あなたも含めて一緒に行く」のか、「私たちだけ行かせてほしい」のかが明確に分かれる。
英語は論理的な言語と言われるが、実際には“人間関係の距離感”を丁寧に扱っている。
個人的に特に学びが大きかったのは、「否定」や「反論」の考え方だった。
例えば、
You're wrong.
ではなく、
I see things differently.
を使う。
これは、「あなた自身」を否定するのではなく、「見え方が違う」と表現することで、相手との繋がりを壊さない英語的配慮だ。
また、
You can't smoke.
ではなく、
Smoking is prohibited.
を使う例も非常に実践的だった。
相手個人を直接制限するのではなく、「ルールとして禁止されている」と表現することで、対立を避けている。
このあたりは、仕事やマネジメントでもそのまま使える感覚だと思う。
さらに面白かったのは、「英語にも建前がある」という章。
日本人は「英語圏は本音文化」と思いがちだが、実際には、
I'm still learning English.
のように、自分を過度に下げず、対等さを保つ“英語圏の礼儀”が存在する。
これは単なる表現テクニックではなく、
「個人同士は対等である」
という価値観の表れなのだと感じた。
だからこそ、
My English is poor.
のように、自分を必要以上に低く置く言い方は、英語では少し不自然になる。
日本語と英語では、「謙遜」の文化そのものが違うのだ。
この本を読んで強く感じたのは、
英語学習とは、“別の人格、思考、文化”を理解することでもある
ということだった。
単語を覚えるだけでは、英語は話せるようにならない。
相手との距離感、 個人の尊重、 繋がりの作り方、 否定の仕方、 励まし方。
そうした「人との関わり方」そのものが、日本語と英語では大きく異なる。
だからこそ、この本は英会話の本でありながら、異文化理解やコミュニケーション論としても非常に面白かった。
英語を勉強しているのに会話がぎこちない人
直訳英語から抜け出したい人
ビジネス英語で自然な距離感を身につけたい人
には、学びのある一冊だと思う。
英語を「言語」ではなく、「思考法」として学べます。
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