最近観た映画「ウィンドリバー」で、インディアンが今もなお貧困の中で生きざるを得ないことを知って衝撃を受けた。
小さい頃アリゾナでインディアンが昔住んでいたという石造りの家の遺跡を見たけど、なんとなくもうインディアンは非インディアンと格差なく暮らしているものと思っていた。
そんな中でたまたまこの本の存
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不利な条件で土地を奪われ、差別と貧困の中を生きなければならなくなったインディアンによる、自立を手に入れるための連邦との戦いを取り上げたもの。連邦から自立するために連邦と戦わなければならなかったインディアンの長い道のりと諦めなかった心を思うと尊敬の念を感じた。そして全てのインディアンがカジノで収益を上げられているわけではない(必ずしも経済的に自立していない)こと、収益を上げているとしてもそれが永遠に約束されたわけではないことを踏まえると、インディアンが進まなければならない道のりはまだ長いのだと感じた。
そして、カジノによる売り上げをもとに経済的に自立し、ようやく自らによる自治を手に入れたインディアンではあるけれど、カジノ収益の分配をめぐり非成員化という部族成員の選抜が進むなど、経済的に自立するだけで全てが好転するわけではないことに現実の難しさを痛感させられる。
この本の中では、インディアンとヨーロッパからの移民の出会いから書かれているので、インディアンがなぜ貧困の中に暮らさなければならなくなったかの背景も知ることができる。