野口久美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近観た映画「ウィンドリバー」で、インディアンが今もなお貧困の中で生きざるを得ないことを知って衝撃を受けた。
小さい頃アリゾナでインディアンが昔住んでいたという石造りの家の遺跡を見たけど、なんとなくもうインディアンは非インディアンと格差なく暮らしているものと思っていた。
そんな中でたまたまこの本の存在を知って、いまの仕事とも関連があったので手に取った。
不利な条件で土地を奪われ、差別と貧困の中を生きなければならなくなったインディアンによる、自立を手に入れるための連邦との戦いを取り上げたもの。連邦から自立するために連邦と戦わなければならなかったインディアンの長い道のりと諦めなかった心を思うと尊 -
Posted by ブクログ
【インディアン・カジノ時代は、インディアンが異なる価値観や世界観を具体的な形で実践することを可能にする時代でもある。それはまた、アメリカ人が、あるいはそれを見つめる我々が、アメリカで展開される「異なる価値観、社会、自由」の実践を、より鮮明に目撃する時代でもある】(文中より引用)
アメリカの連邦政府とインディアンとの間の「契約」などを振り返りながら、その歴史的歩みの現在地として「インディアン・カジノ時代」を描き出す作品。著者は、アメリカ先住民研究で博士号を取得した野口久美子。
タイトルを見たときに「なんでこの2つの単語が並び立つの?」と感じて思わず手にとってしまったのですが、両者の結びつきを -
Posted by ブクログ
コロンブスが新大陸に到達し、ヨーロッパから移動した人々とネイティブ・アメリカンが接触を始めてからの歴史を繙いていく好著だ.当初は信託管理という形で、「インディアンの各部族は、土地をアメリカから取り戻すことはできないが、自治権はアメリカが土地を返却しない限り永久に消滅することはない.」という原則ができた.アメリカには移民が増えたことから、インディアン強制移住法が成立し、インディアンにとって苦渋に満ちた状況が続く.ただ、インディアンの側も法廷闘争で得るものは獲得してきている.そこで彼らが考え出したのがカジノ産業への進出だ.特にカリフォルニアの場合、車で数時間で行ける場所にある保留地が最高の立地条件