武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世

武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世

935円 (税込)

4pt

4.0

武士はいつ、どこで、生まれたのか? 七世紀ものあいだ日本を統治してきた彼らのはじまりについては、実ははっきりとした答えが出ていない。かつて教科書で教えられた「地方の富裕な農民が成長し、土地を自衛するために一族で武装し、武士となった」という説はでたらめで、都の武官から生まれたという説は確証がなく、学界は「諸説ある」とお茶を濁す。この日本史における長年の疑問を解消するために、古代と中世をまたにかけ、血統・都鄙・思想に着目し、武士の誕生の秘密を明らかにする。

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武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年12月22日

    武士の起源は何だろう?そんな疑問に正面からぶつかっている意欲作です。僕が学生の頃「生産力の向上で富の余剰が蓄積されると、その奪い合いの争いが起こる。その中で地方の富裕な農民、中でも年貢の納入を請け負う名主が荘園の中で成長し、土地や財産を自衛するために一族で武装し、武士になった。彼らは律令国家の諸矛盾...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年10月06日

    9世紀には坂上とか伴といった軍事氏族が活躍するのに、10世紀以降の戦争シーンに登場するのは源平藤原とその一族ばかり。古代日本は軍事国家だったが全て武装解除されて平和な平安時代がやってきました、と考えるのはやはり不自然で、古代と中世の軍事力は繋がっていると見るべきだろう。筆者はその2つを、有閑弓騎、蝦...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年07月12日

    序章では巧みな導入だったが、第1章から11章まではやや詳細過ぎて斜め読みになった.終章でのヨーグルト(納豆)の例えが面白かった.武士の存在の背景に中央と地方の合体があることは、我が国の文化的神髄に通じるものがあるように感じた.

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    Posted by ブクログ 2020年06月15日

    風呂読書。おもしろい。王臣家も群盗も武士も悪いやつらだ。歴史ものは政治史みたいなのよりこういうモノとか技術とかに注目してくれるやつの方が興味もちやすい。

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    Posted by ブクログ 2023年08月06日

    武士の誕生プロセスについて書かれているが、古代郡領輩出集団の歴史の表舞台からの「消え方」について関心がある人も興味深く読めると思う

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    Posted by ブクログ 2019年10月13日

    タイトルも文章も挑戦的で、さぞ突拍子もない仮説が飛び出すのではと変な意味で期待して読み始めたのだが、実際のところそこまで極論には落ち着かず、これまで研究者がざっくり述べていた論をむしろ補強するような丹念な史料研究という感じだった。好意的な意味で、タイトル倒れかもしれない。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年02月25日

    日本固有の武士の成立過程をわかりやすく描いている。日本には武士が力を持っていた故に、元寇、大航海時代、幕末と、海外から征服される可能性があった危機を乗り越えることができた。その武士は、本書にあるように、王臣子孫と地方の郡司豪族層の統合から生まれた。必然ではなく、様々な条件がもたらした結果であった。で...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年02月08日

    <目次>
    序章   武士の素性がわからない
    第1章  武士成立論の手詰まり
    第2章  武士と古代日本の弓馬の使い手
    第3章  墾田永年私財法と地方の収奪競争
    第4章  王臣家の爆発的増加と収奪競争の加速
    第5章  群盗問題と天皇権威の転落
    第6章  国司と郡司の下剋上
    第7章  極大点を迎える地方社...続きを読む

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