国内小説 - 講談社文庫作品一覧

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  • どうで死ぬ身の一踊り
    3.6
    大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。
  • 夏の吐息
    値引きあり
    3.6
    永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。――6年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。著者自ら「この六編を超える作品はもう書けないかもしれない」と語る傑作短編集。
  • かわいい結婚
    3.6
    「かわいい結婚」…「結婚ってなんなんだ?」という疑問から生まれた作品。結婚して仕事をやめ、専業主婦になった29歳のひかり。しかし、家事能力はゼロ。当然、部屋は散らかり放題。もちろん食事も作れない。夫とは仲良しだけど、こんなに家事が延々と続くなんて……。 騙された!わたし騙された!騙されてた! 結婚生活のリアルをコミカル&ブラックに描く。ほか「悪夢じゃなかった?」「お嬢さんたち気をつけて」二篇収録。
  • チマチマ記
    値引きあり
    3.6
    宝来家で飼われることになった迷いネコ兄弟のチマキ、ノリマキ。大きな洋館に住むこの大家族は、ちょっと複雑な関係ながら皆個性的で仲が良い。そしてこの家にはいつもいい匂いが漂っている。それは、専業料理人である息子のカガミさんが作る毎日の料理。春野菜のドライカレー、豆乳チキンスープ、里芋あんの桃まんじゅう……家族の健康を考え、美味しくて体にいい食事を作り続ける。そんな彼が気になるのは、居候の桜川くんだが。
  • 毒身
    3.6
    「お互い不惑になっても独り身だったら共同生活しようって約束したよね」特殊な立地条件ゆえに中庭にはメキシコから移植したマンゴーが実り、ブーゲンビリアが咲き乱れる古アパートを独身者たちのコミュニティにしようと目論むシキシマ。ハンモックの微睡(まどろ)みは現実を溶かし、毒身のための楽園が誕生するか?
  • 人生ベストテン
    値引きあり
    3.6
    40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手に――どこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。
  • 街角の犬
    3.6
    ガソリンに溶ける新種の覚醒剤0822。その密売ルートを追う愛崎署の宇崎の周囲で、情報漏洩の疑いや容疑者の死など不可解な出来事が次々と起こり出す。一方で家庭より仕事を優先する毎日から彼と妻の関係はいつしか冷え切っていた。正義感と墜ちる快楽との狭間で男が行き着く先は……警察小説の衝撃作。
  • 蝶花嬉遊図
    3.6
    売れっ子脚本家という立場を捨て、おしゃれを捨て、50代の妻子ある男、レオとの恋愛を選んだ33歳のモリ。ただレオがいて、楽しくおしゃべりして、美味しくご飯を食べる。3年続いているそんな生活が「幸福の極限」だった。幸せの絶頂は、永遠に続くのか。人生の本質を教えてくれる、恋愛小説。
  • 満月ケチャップライス
    3.6
    兄妹と母さんが暮らす家に料理上手のモヒカン男がやってきた。繰り出すメニューは、男同士のムニエルにブロッコリーのウソピザ、満月ケチャップライス。家族の仲間入りのお礼にとスプーン曲げの超能力まで授けてくれた。その超能力を狙う怪しい宗教団体が周囲をうろつき出し……。忘れられない「家族」の物語がいま始まる。
  • 長い終わりが始まる
    3.6
    大学4年生になっても就職活動もせずマンドリンサークルで練習に打ち込む小笠原。彼女が演奏する音楽というものには常に終わりの予感が漂うけれど、大学のサークルという小さな輪の中では絶えず人間関係が堂々めぐりを繰り返し、合奏は永遠に終わらない。そんな青春の切ない痛みを描き出した傑作小説。(講談社文庫)
  • すべて真夜中の恋人たち
    3.6
    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
  • 傷口にはウオッカ
    3.6
    40歳の永遠子は、もう晩年期じゃないかと思いつつ、生への執着はなまじっかじゃない。恋人の寿一郎を手放せばあとがないけれど、恋愛が終わるとわかっていればそれでいい。しかし恋愛は思いがけずしてしまうもの――。自らの体で感じる痛みを確かめながら生きる永遠子の愛のかたち。ドゥマゴ文学賞受賞作。(講談社文庫)
  • 主題歌
    3.6
    職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。(講談社文庫)
  • カナスピカ
    3.6
    少女は“地上に落ちてきた星”に恋をした――。そのとき中学生の加奈は空を見上げていた。はるか上空から落下した球体は目の前でみるみる少年に姿を変えた。異星人の地球観測衛星、それって!? 少年をかくまった加奈は、当然のごとくあやしい連中に追われる身に! ライトノベル界の雄が描くピュアな青春小説! (講談社文庫)
  • なぞの転校生
    3.6
    岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫はギリシャ彫刻を思わせる美男子であるのに加え、成績優秀でスポーツも万能だったが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは? 1970年代のNHK少年ドラマシリーズシリーズとして映像化され人気を博した眉村卓がおくるSFジュブナイルの傑作。(講談社文庫)
  • 惜春
    3.6
    琵琶湖のほとり、田圃の真ん中で派手なネオンを輝かせる雄琴(おごと)のソープランド街。そのひとつ、〈城〉のオーナーに騙され、佐山豊は東京から連れてこられた。二十歳の童貞青年は理不尽な労働環境に悲嘆し、姐さんたちの身辺の世話に悶々とする――。彼女たちは汚れているのか。童貞青年が苦悩する感動青春小説。(講談社文庫)
  • 不発弾
    3.6
    今度はあなたが、爆発させてみる? 退屈な日常から逃れられるきっかけなんて、どこにでも転がってる。デパート勤務の的場智明は、地味な売り場での仕事に耐える日々を過ごしていた。そんな折、息子や娘の、“秘密”を妻までが一緒になって隠していたことに気づく。たまりにたまった憂さをはらすために彼がとった行動とは……。表題作など、現代人の爆発寸前の心境を的確に捉え、見事な筆致で描く、秀逸短編集。(講談社文庫)
  • 永遠。
    3.6
    生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。(講談社文庫)
  • 嫁の遺言
    3.6
    満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。(講談社文庫)
  • 僕は秋子に借りがある I’m in Debt to Akiko 森博嗣自選短編集
    3.6
    初めて秋子に会ったのは、大学生協の食堂だった。ちょっと壊れている彼女と授業をサボって出かけ、死んだ兄貴の話を聞かされた。彼女が僕にどうしても伝えたかった思いとは? 胸が詰まるラストの表題作ほか、「小鳥の恩返し」「卒業文集」など、文学的な香りが立ちのぼる、緻密で美しい13の傑作短編集。(講談社文庫)
  • ラジ&ピース
    3.6
    自分は醜いというコンプレックスを抱く野枝(のえ)は、実家を出て群馬県のローカルFM局で人気番組を担当するようになる。誰からも干渉されない自由に閉じ籠もる野枝だが、その心の隙に気さくな方言で話す女医の沢音(さわね)が入り込み……。横浜と会津出身の二人の女性の呼び合う心を描く「うつくすま ふぐすま」を併録。(講談社文庫)
  • 逃亡くそたわけ
    値引きあり
    3.6
    「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に悩まされ、なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ疾走する。(講談社文庫)
  • 深く深く、砂に埋めて
    3.6
    聖女の謀略? 悪女の純真? これぞ究極の魔性の女!かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。彼女に魅せられたエリートサラリーマンが、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。やがて明らかになる男の転落と女の性(さが)。奔放に生きる有利子は悪女か、それとも聖女なのか? 悪女文学の傑作『マノン・レスコー』を下敷きに、女のあくなき愛と欲望を描く長編ロマンス。
  • グッドラックららばい
    3.6
    「この作品が私の代表作になる予感がします」――平 安寿子   プチ家出から戻らない母、いいじゃないか、と言う“文鎮”こと父、ダメ男に貢いで飄々と生きる姉、そんな家族にいらだち、上昇志向を実現しようと邁進する妹……。他人の迷惑顧みず、「自分の気持ち」に素直に生きるタフな4人がここにいる! けちなモラルや常識なんて笑い飛ばす、新しい家族の物語。おすすめ文庫王国〈2005年度版〉第一位!(講談社文庫)
  • 山ん中の獅見朋成雄
    3.6
    中学生の獅見朋成雄(しみともなるお)はオリンピックを目指せるほどの駿足だった。だが、肩から背中にかけて鬣(たてがみ)のような毛が生えていた成雄は世間の注目を嫌い、より人間的であることを目指して一人の書家に弟子入りをする。人里離れた山奥で連日墨を磨り続けるうちに、次第に日常を逸脱していく、成雄の青春、ライドオン! (講談社文庫)
  • sex
    3.6
    好きな人とたくさん――。夜の街灯の下で。学校の図書館で。入院中の病室で。異国の地で。最後のデートで。まぶたの裏で、なにものかに祈りながら。性がゆたかに満ちるとき、生は燦然とかがやく。だからセックスは素晴らしい。頭と心と身体が感じる最高の到達点を瑞々しく描いた、すべての男女に贈る感動の十二編。(講談社文庫)
  • 藁の楯
    値引きあり
    3.6
    2人の少女を惨殺した殺人鬼の命に10億の値がついた。いつ、どこで、誰が襲ってくるか予測のつかない中、福岡から東京までの移送を命じられた5人の警察官。命を懸けて「人間の屑」の楯となることにどんな意味があるのか? 警察官としての任務、人としての正義。その狭間で男たちは別々の道を歩き出す。 (講談社文庫)
  • ゼロの王国(上)
    3.6
    宛名書きのアルバイトで生計を立てる吉田青年は、滑稽なまでに心が清く純粋だ。ある日彼は、人々から軽蔑されたいと願う美少女・佐藤ユキに出会う。ユキは不幸になるため、美しく穏やかな青年医師・小森谷からのプロポーズを受けるのだと吉田青年に話す。ひとつの恋のすれ違いが生む、めくるめく会話劇。芥川賞・三島賞・野間文芸新人賞受賞作家の最高傑作。(講談社文庫)
  • 新装版 大逆転! 小説 三菱・第一銀行合併事件
    3.6
    三菱、第一銀行が合併――1969年元日、歴史的スクープが読売新聞の一面を飾った。金融国際化を見越した両行頭取による合併工作に、非財閥系の第一マインドを消滅させてはならじと一人反対の姿勢を貫いた常務の島村。いきなりの左遷にも怖じることなく闘う姿に、組織と人間のあり方を問う記念碑的企業小説。
  • みんなの秘密
    3.6
    倉田涼子、34歳。キスに対して少女よりもおぼこな人妻は、不倫という甘い蜜を手に入れた。キスだけの淡い恋に酔いしれ、その先の関係におそれおののくが……「爪を塗る女」。何かを隠して生きている妻、夫、娘、愛人たち、人間の密やかな喜びと切なさを描く連作小説集。第32回吉川英治文学賞受賞作。
  • ミスキャスト
    3.6
    「今日も奥さん、仕事っていって出かけたでしょう。でも違いますよ。男の方がどうしても会いたいって言ってきたからですよ」突然かかってきた電話から、妻・典子に不倫の疑いを抱く原岡。が、そんな彼は会社の同僚、元妻の姪という二人の女性と逢瀬を重ねていた。深みにはまってゆく男と女たちの行方は――。
  • 御社のチャラ男
    3.5
    コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化! いませんか? こんなひと。 どこにでもいる、軽くて世渡り上手なチャラ男。 わかっていますか、本当の彼のこと。 組織に属する「私たち」の実態にせまる“会社員”小説の傑作!     ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。 社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。 自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人々が彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。 すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。 「どこか滑稽な書名に騙されてはいけない。ここに描かれるのは、組織なるものの実態であり、現代社会の問題や病理であり、働いて生きていくという営みの本質である。ジョルジュ食品という、地方の小さな会社を舞台にして。よりによって、チャラ男を軸に据えて。(略)頁を閉じたとき、きっと誰もが、濃密な塊を受け取ることになる。言葉で容易に説明できないその塊は、読者個々の体内を長い時間掛けてさまよう。本作で得たものと、私たちは共に生きていく」(木内昇「解説」より)
  • 地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    3.5
    「気軽で便利で、安定の美味しさ」を味わえる外食チェーン店の魅力を愛情とユーモアをまじえて綴った 人気エッセイシリーズ 第1弾『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』 第2弾『それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』 第3弾の最新作は、『地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』! 全国津々浦々の各地では、それぞれの土地で独自の進化をしてきた 「地方チェーン」があり、生活する人たちに密着している。 何を食べて育ってきたかを知れば、その土地に住む人のことが分かるなどというように 日本人に馴染み深い、寿司やカレー、餃子などの人気メニューが、それぞれの地方によって、 どんな道筋を経てきたのかを知ると「地方チェーン」は、もはや身近な異国と思えるほどに奧が深い。 たとえば、「551」という数字の並びを見聞きした時に、 関東と関西にそれぞれに住む人が「ある時とない時」の顔ほどに分かれてしまうほどだったり 回転寿司と言えば、北海道のあのチェーン店でしょ! いや北陸だろう、 それならば石川県か富山県、どのお店?などなど・・・。 日本列島47都道府県の各地で愛され続けている「地方チェーン」の醍醐味をご堪能あれ。
  • 金庫番の娘
    3.5
    わたしがあなたを総理にしてあげる! 国のため、社会のため、企業のため、個人が人知れず犠牲を強いられるなんて絶対に許せない! 永田町のドン、総裁選、司法取引―― 私物化された権力の横暴を前に、新米女性政治家秘書が風穴を開ける! 一気読み必至! 元新聞記者がこの「どうしようもない」現実に全力で投げ込む、骨太政治エンターテインメント! ベテラン衆議院議員・久富隆一の秘書を父に持つ藤木花織は、十年近く働いた一流商社を辞め、久富事務所に転職。慣れない業務に慌ただしい毎日を送る中、突然久富から呼び出され、父と一緒に財務秘書――<金庫番>になるよう打診される。 実は政治が好きでもなければ、興味もなかった花織。なぜ彼女がこの世界に飛び込んだのか。そこには誰にも明かせぬ「秘密」があった――。
  • 堤清二とセゾングループ
    3.5
    時代をリードした詩人・経営者の指導力とは 世俗をにくむ詩人であり、バランスシートを読む経営者――相反する二つの顔をもつ堤清二は、100社を超えるセゾングループ企業に君臨する総帥として、何を考え、どう行動してきたのか。時代をリードした「文化産業」の盛衰を克明にレポートして、その実像に迫る力作ノンフィクション。『漂流する経営』を改題。
  • 異動辞令は音楽隊!
    3.5
    三十年間犯罪捜査ひと筋、「足を使え」が口癖のゴリゴリ昭和気質の刑事・成瀬司は、世が令和になってもかまわず「刑事の勘」を頼りに法律スレスレの捜査を行い、コンプライアンスを無視した行動を続けた結果、パワハラの告発を受け捜査の最前線から、これまで存在すら知らなかった広報課警察音楽隊への異動を命ぜられる。 社会のため組織のため家族のためと一心不乱に働いてきたのに、気づけば組織からは時代遅れとはみ出してしまい、家族はバラバラ。異動先にも当然なじめず、人間関係にも、音楽隊の演奏にも、不協和音が鳴り響いてーー。 ロングヒットを記録した映画「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が、ミドルエイジの葛藤、生き様、そして音楽が繋ぐ絆を描く爽快なヒューマンドラマ。 内田英治監督最新作・映画『異動辞令は音楽隊!』、2022年8月全国公開予定。
  • いつか、ふたりは二匹
    3.5
    猫になって事件を解決! 猫になったぼく。はじめての謎と冒険。 本格ミステリの名手が贈る、可愛いだけじゃないファンタジック・ミステリ! 眠りに就(つ)くと猫の身体に乗り移れるという、不思議な能力を持つ小学六年生のぼく。町で起きた女児襲撃事件の謎に、猫のジェニイの身体を借りて挑むことに。スリル満点、はじめての冒険の結末は――。 子どもが大人になるために大切なことを教えてくれる、あったかくて、少し切ないファンタジック・ミステリ。 ●執筆中、これまで出会い、そしてお別れしてきたひとたちや犬、そして猫のことを憶(おも)い出しました。作品の出来、不出来は別として、この『いつか、ふたりは二匹』は、わたしにとって生涯の宝物のような作品になりました。――西澤保彦(あとがき「わたしが子どもだったころ」より)
  • この道
    値引きあり
    3.5
    祖先、肉親、自らの死の翳を見つめながら、綴られる日々の思索と想念。死を生の内に、いにしえを現在に呼び戻す、幻視と想像力の結晶。晩年まで勁健な筆を奮い、文学の可能性を極限まで拡げつづけた古井文学の極点。
  • 恋人たち LOVERS
    3.5
    「女と男」の様々な生き方。いまを生きる素敵な女性のおしゃれな恋の結末。自分の考えで生きる13人の心模様を描いた傑作! ーーやっぱり実物を見ないと、だめなときってあるんだ……。心の中で描いたラブレターだけでは納得がいかないのが、女心。でも、それがわからないのが男心。そんな「女と男」の微妙でおかしな関係を、13編の恋愛小説に。いまを生きる女性たちの心模様を軽快なテンポで巧みに描いた、落合恵子ワールドへようこそ!
  • 瓦斯灯
    3.5
    歳月が露わにする秘め事の真相は? 愛憎反転する男と女の心の襞をミステリアスに描く、鬼才の愛の推理ーー歳月は、人を恋う心の炎(ほむら)を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。17年前、相思相愛だった男と女が、いま再会して露わになる数奇な離別の真相とは……という表題作など、愛が憎しみに、悦びが哀しみに、一瞬にして反転しうる心の襞をミステリアスに描く、会心の恋愛推理小説5編。男と女の哀しく数奇な物語。
  • ギリシアの神々
    3.5
    ギリシア神話を知りたいあなたへ! ーー愛の物語・ギリシア神話を生き生きとやさしく書下ろす。絵画・彫刻・オペラなどの西洋芸術に接したり、外国人と会話を交わしたりする時に必要とされる「常識としてのギリシア神話」。若い世代のために、さまざまな愛の物語の宝庫としてその面白さをストレートに伝える必携の1冊。
  • 梅の花咲く 決断の人・高杉晋作
    3.5
    命を投げうった若き英雄に刮目せよ! ーー幕末維新の群像の中で、ひときわ激しく光芒を放った男・高杉晋作。この若き天才指導者は忽然と現れ、わずか2年半、見事に咲き誇り、そして爽やかに散った……。命を懸けて幕府の息の根を止め、新しい国家への道を切り拓いたリーダーの生き方は、今の日本人に何を問いかけるのか? 元経済企画庁長官、初の小説。
  • 危機を活かす
    3.5
    政治・経済・日本式経営・家計の危機に対処! ――日本は、いまや政治、経済、日本式経営、家計の4つの危機に陥っている。新時代の新しい創業に向かって、どのように対処したらよいのか……。まず第1に、国民の一人ひとりが、気質を変えなければならない。未来の不安よりも現在の豊かさを、変化を恐れるよりも可能性を喜ぶ気質こそ、危機を活かす条件である。
  • 聖アウスラ修道院の惨劇
    3.5
    「黙示録」連続殺人事件。暴かれる禁断の真実! 密室、不可解な暗号文、そして首なし死体――野尻湖畔にある修道院の塔で起こった、2つの密室殺人。満開の桜の枝に、裸で逆さに吊るされた神父の首なし死体。ヨハネ黙示録に見たてた連続殺人。そして、不可解な暗号文も発見されたのだ。神秘の領域で惨劇が繰り返される。名探偵・二階堂蘭子の推理がついに暴き出した、地下文書庫に隠された驚愕の真実!
  • 楊貴妃伝
    3.5
    「在天願作比翼鳥 在地願為連理枝」――白居易の傑作「長恨歌」に歌われた玄宗皇帝と愛妃・楊貴妃。寵愛をほしいままにし、権力さえも手中にした貴妃の、波瀾に満ちた短い生涯。時が移っても、変わらぬ人間の業を、絢爛な絵巻のごとく流麗に描き出す。唐代の壮大な叙事詩にして、今なお熱く胸を打つ傑作長編小説。
  • 中国詩人伝
    3.5
    日本人にも親しまれている中国詩の巨星たち。最初の詩人・屈原から、中国革命の星・魯迅まで、明快に面白く描く詩人伝の決定版。熱気と自省、真情溢れる詩魂を語る――中国最初の詩人・屈原(くつげん)から、中国革命の星・魯迅(ろじん)まで、日本でも親しまれている中国詩の巨星たちの、詩と人生を語る名著。深い考察を、平明に面白く伝える著者の筆から、鮮やかに立ち現れる詩人たちの姿と心。激動の中国史に燦然と輝く詩魂が、現代の日本人の胸にひびく、詩人伝の決定版。李庚(りこう)が描く肖像画入り。
  • インド三国志
    3.5
    インド帝国はなぜ滅亡したのか? インドは「我が青春の一部」と語る著者が、東インド会社に屈した謎を描く――生き残る王子はたった一人。流血が王位継承の伝統であったムガル帝国に、東インド会社を尖兵としたイギリスの魔手が迫る。アヘン戦争、明治維新へと続く歴史の前哨戦として、300年を越えるムガル王朝滅亡のひき金をひいたのは誰か……。インドは「我が青春の一部」と語る著者が、熱き思いをこめて描く長編歴史小説。
  • アラミスと呼ばれた女
    3.5
    安政3年、坂の町、長崎。「これからの世の中、おなごが通詞になったって、罰(バチ)はあたらねェ」攘夷運動、大政奉還、戊辰戦争……一人、この時代を駆け抜けた女性がいた。男装の通詞、その生涯――安政3年、肥前・長崎。出島で働く父から、英語や仏語を習う10歳のお柳。「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に消えた一人の「男装」の通詞。
  • 東京を弄んだ男 「空疎な小皇帝」石原慎太郎
    3.5
    石原都政が残した「爪痕」。12年に及ぶ石原都政を徹底検証。私物化された都政――3期12年という長期に及んだ石原都政。表現の自由を脅かす青少年育成条例、巨額赤字を抱え破綻した新銀行東京、莫大な費用をどぶに捨てた五輪招致。さらには、執拗に繰り返される外国人や障がい者に対する差別発言。彼は東京に何を残したのか……。<『空疎な小皇帝「石原慎太郎」という問題』加筆改題作品>
  • 破産執行人
    3.5
    無用の良心は捨てた。商社、メガバンク……不良債権に群がる男たちの野望が交錯する、迫真の経済小説。会社が崩壊する時! ――高い技術の蓄積とブランド力を持ちながら、経営能力のない二代目が跡を継いでしまい、破綻状態にある老舗製菓会社。腐臭を放つ標的を安く買い叩き、上場益を稼ぎ出せ! そんな自分を、世間は破産仕掛け人と呼ぶ。不良債権ビジネスに群がる、商社やメガバンクの暗闘を描いた迫真の経済小説。
  • 白い屋根の家
    3.5
    その屋根の色は私の心の色……。喜久子、33歳、独身、持ち家あり。淋しさに埋まる闇に愛が溶け出す――その色は、すべてを覆い尽くしてくれる。心の奥に秘めたせつなさもすべて……。33歳の独身OL・喜久子が持った家は、札幌の澄んだ空に映える白い屋根の一軒家。ひとりで暮らす彼女をめぐり、3編の愛のドラマが展開する。恋愛の歩幅(スタンス)を手探りするうちに現れる、彼女の本当の想い……。珠玉の連作恋愛小説。
  • アリバイの唄
    3.5
    元刑事の夜明日出夫が車を駆って犯人を推理――孫悟空タクシーのドライバー・夜明日出夫は、38歳。3年前まで、警視庁捜査一課の警部補だった。ある晩、夜明が乗せたカップル客の女の方が、3週間後に殺された。容疑の濃い美貌の女は、夜明の幼なじみで、逗子の豪邸にいたという鉄壁のアリバイがある。最後に夜明が解く、前代未聞の大トリックとは、いったい何か?
  • 昭和天皇ご自身による「天皇論」
    3.5
    昭和天皇は苦悩し、どんな決断を下したのか? 8月15日、いま考えなければいけないこと――昭和天皇には、昭和8年の国際連盟脱退は納得できない国策決定であった。国際的な孤立を恐れたのだ。天皇機関説に対し「少しも不都合がない」と、もっとも明確な意見をもっていたのが、国民の意思を重要に思っていた昭和天皇というのは、歴史の皮肉である。その陛下は、いかに現人神として神格化されたのか! 神格化に抵抗した昭和天皇の真実。
  • 「超」英語法
    3.5
    英語が苦手なのは学び方のせいだった! 目からウロコの学習法――多くの時間と労力を費やしていながら、なぜ日本人は英語が苦手なのか? それは、勉強の仕方が間違っているからだ。英会話学校の無駄、話すことに力点を置く間違いなど、「方法の誤り」を指摘しつつ、著者の経験に基づく効果的な学習法を開陳。学生からビジネスマン、シニア世代まで、英語に自信をつけたい人必読。
  • 壁画修復師
    3.5
    直すのは人の心、自らの過去――フランスの田舎町を渡り歩きながら、中世フレスコ画の修復に打ち込む、孤独で風変わりな日本人男性・アベ。名も無き人々が胸に秘めた想いに接し、さながら神父(アベ)のように彼らを受け止めるうちに、アベは町に溶け込んでいく。人生の哀歓と男の手仕事の魅力を絡めて描かれた、著者独自の世界が広がる、5つの連作短編集。
  • 小説 ライアー×ライアー
    3.5
    ★★★★★2月19日公開映画「ライアー×ライアー」ノベライズ★★★★★ 義理の弟が恋したのは、JKのフリした!? 松村北斗(SixTONES)×森七菜 W主演で贈るラブストーリー! 2021年2月19日(金)公開映画『ライアー×ライアー』のノベライズ。 恋愛経験ゼロの地味女子大生の湊は、友人の真樹の誘いで、なんと派手なJK姿で渋谷に行くことに! だが偶然、仲の悪い義理の弟・透と遭遇してしまう! なんとか別人と誤魔化す湊だが、どうやら透はJK姿の湊が気になるようで!? 湊の嘘はバレる? バレない?そしてラストで明かされるもう一つの嘘とは――。 ウソから始まる、ありえない恋――。 二人なのに三角関係な新感覚ラブストーリー! ※豪華口絵つき! 巻頭2ページに松村北斗(SixTONES)×森七菜の口絵3点がついています。
  • 南紀殺人ルート
    3.5
    奇妙な連続殺人に挑んだ十津川警部の執念! ――和歌山駅前のホテルで弁護士が、そして串本の海中展望塔で仲間の会社社長が、続いて殺された。彼らは、グループで悪徳詐欺をはたらいていたらしい。次の殺人を予期する捜査当局をあざ笑うかのように、第3の殺人現場は、伊勢線の無人駅だった。容疑者の鉄壁のアリバイに挑む十津川警部らの執念は? 著者会心の長編トラベル・ミステリー。
  • テネシーワルツ
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    大スター歌手と異父姉との人生の光と影。時代を鮮やかにとらえた力作。人の幸せとは何かを問うモデル小説――戦後間もないころ、いつも街角に流れていた、甘美なメロディー。その大ヒット曲「テネシーワルツ」を歌ったスター歌手・葉山サチと異父姉・向井とき江。この二人の交錯する人生を織りなす、光と闇のドラマを追いながら、人間にとって、また女にとって幸せとは何かを問いつめる、衝撃の長編モデル小説。
  • 「優」をあげたくなる答案・レポートの作成術
    3.5
    大学は最小限の努力で卒業できる!! ――大学の授業は、最小限の努力で最大限の効果をあげる! 「可」を狙っても、「不可」になるだけ。教授が「優」をつけるポイントを知り、そこをおさえた答案を書いてこそ、楽勝で「優」がもらえるのだ。名前を書いただけで*点という噂や、「鬼仏表」を信じると泣きを見る。採点ポイントは何か?
  • 13人目の探偵士
    3.5
    ミステリのすべてがこの1冊にある! ――奇妙な童謡を模して、探偵ばかり狙う殺人鬼・猫(キャット)。残忍かつ狡猾な見立て殺人は、13人目の犠牲者に向け研ぎ澄まされていった。密室で発見された探偵皇(たんていこう)の死体、血文字の伝言(ダイイング・メッセージ)と記憶喪失の男、そして消えた凶器。探偵が支配する探偵だらけのパラレル世界で、様々な謎が煌(きらめ)き、可能性が揺らめく。ミステリの真髄!
  • 京のほたる火 京都犯科帳
    3.5
    京の町、名も無き人々、懸命に生きる。「咎」を犯してしまう人々の、悲しさ苦しさを語りながら、読む者の心に、ほんのりとしたあたたかさが残っていく……。『なまくら』の著者が描く、珠玉の時代小説短編集。「京都水無月大賞2010」受賞作品――京の町に帰ってきた親方と、初めての音吉。辻で人を集めて芸をみせ、商いをする、けん玉売りの二人には、人には言えない、もうひとつの仕事があった。危ない橋を渡ろうとする、その先には……(「けん玉売り」)ほおか、短編8編を収録。貧しくとも毎日を懸命に生きる庶民と、揺れる心を見事に綴った、時代小説短編集。
  • 小説 離婚裁判 モラル・ハラスメントからの脱出
    3.5
    カリスマ弁護士が、日本でも急増中の精神的虐待「モラル・ハラスメント」の実態を描いた、ドキュメント・ノベル! ――モラル・ハラスメントとは、今、日本でも深刻な問題となりつつある、精神的虐待のこと。加害者も被害者も、認識の無いまま、恒常的に繰り返された結果、被害者は精神的に支配され、最終的に人格が崩壊していく。男女関係の案件については日本一の経験を持つ著者が、「モラハラ」の実態と、その法廷闘争を描く!
  • 東京23区動物探検
    3.5
    高島平にイワツバメの巣造りを見に行ったり、カラスの生態を観察するために早朝の銀座にくり出したり、トレンドウォッチャーが追いかけるユニ-クな動物観察日記――僕たちのメガロポリス東京から、いつのまにか消えてしまった、昆虫や鳥や小動物たち。わずかな水辺や木陰、あるいはビルの谷間で、彼らはしたたかに雄々しく生きていた。そんな動物たちのユニークな都会生活観察記(シテイライフウオツチング)。セミやトンボ、カラスも、同志に見えてくる?
  • ストーカー・夏美
    3.5
    女の性(さが)を描く、ドキュメント・ノベル――小さなスナックに、美人の夏美が現われた。彼女は、雇われ店長のシュウに一目惚れ。あげくに同棲し、子まで生む。月日が経つにつれ、夏美の怖るべき実像が浮かびあがる……。繰り返す奇異な行動に、音(ね)をあげたシュウは、失踪する。だが夏美は、執拗に追いかける。何が彼女をそうさせるのか? 傑作ドキュメント・ノベル。
  • 氷海からの生還
    3.5
    カモメを食い、死の恐怖と闘った16日間。極限状況の中でどう戦い抜いたのか? ――北洋漁業船「第71日東丸」は、サハリン東海域で操業中に突然沈没し、船長以下16人の乗組員全員の死亡が伝えられた。しかし、絶望的な死の漂流を続けた、3人の生還者がいた。苛酷な自然の中で闘い抜いた男たちの、強靱な精神力と驚嘆すべき生命力を感動的に描く。
  • 在日魂
    3.5
    元祖いてまえ男のガムシャラ野球人生。他人の3倍がんばった! ーーエースで四番。甲子園優勝投手としてプロ野球入りし、18年間活躍した金村義明。その負けん気の源は、在日三世の生い立ちにあった。優等生だがやんちゃもした学校時代、挫折と栄光の現役時代、そして家ではゲンコツ教育を実践する正しき親父となる。出身球団、近鉄消滅に、球界再編を熱く斬る新章を追加!
  • ダブル・ハート
    3.5
    そこのいるのは、もうひとりのわたし? ――「わたしなんか、しあわせになれない」そう14歳の由宇がそう思うようになったころ、自分の姿と瓜二つの由芽が突然現れた。自分とは正反対で奔放な性格の由芽に、振り回されてばかりの由宇。由宇は以前父親から聞かされた、由宇と一緒に生まれるはずだった、双子の姉妹のことを思い出す。切なくも心温まる物語。思春期の揺れる思い!
  • いいわけ劇場
    3.5
    言い訳しながら様々な方法で心のスキ間をうめようとする世間の人たち……。もう「コレ」なしじゃ、生きていけない! ――いいわけしながらやめられない、「だって、コレがないと生きていけないんだもん」。生きていれば、誰にでもあるよね、つらいこと、悲しいこと。だから、わかるよ、その気持ち。何かに依存するあまり、どこか本末転倒なおかしな人たちが次々登場。著者ならではの筆が冴えわたる、哀しくもおもしろい短編小説集。
  • 翼竜館の宝石商人
    3.5
    疫病と洪水の恐怖が迫る街。 死んだはずの宝石商が 二重密室に蘇る。 レンブラント vs. 謎のペスト医師。 2018 Apple ベストミステリー 「さっきお前は男は内科医だと言ったな?  顔を見せようとしなかった、とも」 「はい。鍔広の帽子と顔にかかるくらい襟の高い服をお召しで、 その方は仕事柄あまり人に顔を見せたがらないと いうようなことをおっしゃっていました」 「ペスト医師だ」 画家レンブラントのもとにやってきた、ある宝石商からの急ぎの使い。父の代理でその館を訪れたティトゥスは、憔悴しきった宝石商と会うが、宝石商はその夜ペストで命を落とす。そこに現れた瓜二つの男――。蘇った死者。二重密室。疫病と洪水の恐怖が迫る十七世紀アムステルダムで謎が謎を呼ぶ傑作ミステリー。
  • 静かに、ねぇ、静かに
    3.5
    海外旅行でインスタにアップする写真で“本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの“印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNS短編3部作。
  • 精神鑑定 脳から心を読む
    3.5
    凄惨な殺人犯人の心理状態はわかるのか? 何をどう調べるのか? ――精神鑑定というと、鑑定人によって結果が異なる「密室の作業」「怪しく信用できないもの」と思われがちだ。しかし、実際の精神鑑定は、脳の検査をはじめとする最新の医学的な手法が活用されており、従来の心理テストにおける面接や問診も複雑で多層的なものである。精神鑑定人が自分の鑑定方法を明らかにする。
  • 京都嵯峨野 京料理の殺意
    3.5
    イタリアの権威あるグルメガイド『アンジェロガイド』の上陸に沸く京料理界。格付け評価の舞台裏を取材するため京都・嵯峨の三ツ星割烹を訪れた際、カメラマンの星井裕がすれ違った真っ赤なスーツ姿の女性は、直後に京阪電車に撥ねられる。そして星井は、このグルメガイドの調査員が殺された事件の犯人扱いを受けてしまう。死に際に遺された「す、ぐ、に」という言葉が意味するものとは? TBSドラマ「美食カメラマン星井裕の事件簿」原作、グルメ探偵が活躍する「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • テンダーワールド
    3.5
    人類は再び「神」に遭遇する!? ネオ創世神話の降臨!! ――近未来のアメリカで続発する怪事件。去勢された男女の変死体、封印された危険なゲームソフト『ゴスペル』、不気味なカルト集団「ハイネスト・ゴッド」。謎を追うFBI捜査官のカトラーとオカザキ、レポーター・鳴海たちが、巨大ネットシティ「OROZ」で遭遇する、人智を超えた真実とは!? 新世紀のハイパー・バイブル!
  • ミッドナイト・コール
    3.5
    ひとりの夜、女は男からの電話を、ただひたすら待つ。真夜中の電話=ミッドナイト・コール。そこでは男からの誘い、嫉妬、裏切り、女の見栄と欲望……、ひそやかな声が交され、男と女の愛と憎しみの叫びがからみ合う――。という表題作のほか、男と女の愛の行くえと葛藤を描く、珠玉の11編。
  • ユーモア小説集
    3.5
    1~3巻660~671円 (税込)
    1990年。人体の1000分の1に縮小されたK大学の若い医師山里凡太郎は、3人の医師と、同じく縮小された潜水艇にのり込み、癌におかされた凡太郎の恋人の体内にもぐり込む。患部の手術を無事に終えた時、思わぬ出来事が彼らに襲いかかる……「初春夢の宝船」ほか11編を収めた抱腹絶倒の作品集。(講談社文庫)
  • スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
    3.5
    昨年公開された「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」のノベライズ。 映画にはないシーンやキャラクターが盛り込まれ、また綿密な心理描写があるので、映画の世界がより一層深く味わえる。まさにファン必携の一冊! ファースト・オーダーの最高指導者となったカイロ・レンは、恐怖による銀河の支配を続ける中、未知の惑星エクセゴルにたどり着き、パルパティーンの存命を知る。パルパティーンはレンに、レイの殺害とひきかえに大艦隊「ファイナル・オーダー」の指揮権を与えることを提案する。 一方レジスタンスの指導者レイアの下で修業を積んでいたレイは、パルパティーンが生きているという知らせに震撼するが、シスのウェイファインダーが惑星エクセゴルへの道を示すことを知る。そのウェイファインダーの手がかりを得るため、レイはポー、フィン、チューバッカらとともに惑星パサーナへと向かうが……。 スカイウォーカー家の物語が、ついに完結する――!
  • トイレのない旅
    3.5
    砂漠のデコボコ道をゆくロケバスの中でも、隙間だらけの安宿でだって、ぐっすり眠れる。それに食べることが大好きな私は、どこへ行っても現地のもので大丈夫! でもトイレは……。ブータンのお寺で見た巨大トイレ、中国の奥地で体験した草原トイレ、哀愁のペルー・アンデス、シベリアの大湿原など、世界の辺境をかけめぐる女優がつづる、笑いと涙がいっぱいの、ときめきの旅本。
  • 夢を見ずにおやすみ
    3.5
    失くしかけた愛を、やっと見つけた。どうしようもない心の隙間を、そっと包んで埋める、3つの愛の物語――自分より年下の愛人の世話を、父親から頼まれた息子。夫の元愛人に、結婚相談を持ちかけられた妻。共働きの多忙な日々に、ささくれ立つ心を危ういバランスで保つ若夫婦。3つの愛のかたちを描いて、どこかに忘れかけていた愛を、ふたたび見つけだしてくれる、珠玉の恋愛短編集。渇きを癒す優しさを探しているあなたに。
  • 単位物語
    3.5
    今回は単位の常識を切り刻む! 温度、圧力、エネルギー……日頃なにげなく使っている常識=単位の奥底に潜む、ムイミな意味のかずかず。『お金物語』につづき、知ってるつもりで毒されている「単位」に着目。素朴な疑いから日常生活をふり返り、「科学」に隠された笑いをあばき出す、清水ワールドを存分にお楽しみ下さい。何気なく使うその記号にワナがある!
  • サージウスの死神
    3.5
    徹夜明けの仕事帰り、俺はビルの屋上から飛び降りてきた男となぜか目が合った。男はすぐに目の前のアスファルトの上でぐちゃぐちゃになった。警察の取り調べを受け、男の側頭部に3センチくらいの穴が開いていたと聞かされる。警察から解放された俺は、着替えを持ってきてくれた会社の同僚と地下カジノ「freeze」に繰り出すことにした。早速ルーレットへ。初日は負けたが俺はルーレットが気に入り、しばしばfreezeを訪れるようになる。300万円近く負けて俺は勝負に出た。そして預金のすべてを失った。会社にも行かず、俺は借金をしてルーレットに賭け続けた。ルーレット台にかじりつきホイールを凝視していると、突然影が落ちてきて数字の形になった。頭蓋骨から焔がこぼれ「26」という数字が見えた。一数字賭けに勝った。その後俺は家に戻らなくなった。カネは狩るものだと理解し、勝つことに徹底した。俺は賭けて、生きのびることができる。なぜなら、頭蓋骨のなかに「数」を飼っているからだ。あの男と目が合ってから……。
  • 改訂完全版 火刑都市
    3.5
    東京、四谷の雑居ビルの放火事件で若いガードマンが焼死する。不審な死に警察の捜査が始まった。若者の日常生活に、かすかに存在した女の影……。女の行方を追ううちに次は赤坂で放火が。そして現場に“東京”と謎の文字が書かれた張り紙が! 索漠たる都市の内奥と現代人の心を見据えて本格推理の天才が描く、印象深い長編ミステリー。
  • 紙の城
    3.5
    新聞、本当になくなってもいいですか? 躍進著しいIT企業インアクティブによる、東洋新聞買収宣告。マスコミの寵児となった会長の驫木は、世論を味方に、役員会を切り崩しにかかる。“ウェブファースト“を掲げ、新聞の価値を根底から揺ぶる彼らが、本当に買おうとしているものは何か? 社会部デスク安芸と部下たちの、記者魂を賭けた死闘が始まる。 『傍流の記者』で直木賞候補となった著者だから描けた、メディアの裏側の熱き攻防! 情報化社会? 何を言ってやがんだ。本当の情報は クリックすれば出てくるもんじゃないんだ。 本城の作品には、「情報」というものの深みを教えられる。 本作は「新聞社は生き残れるか」を人間ドラマに広げた秀作だ。                       ――佐高 信 「朝日新聞」「産経新聞」「日経ビジネスオンライン」「サンデー毎日」「週刊朝日」「アサヒ芸能」「J-novel」ほか新聞25紙で紹介された話題沸騰の話題作!!
  • 写楽の謎の「一解決」
    3.5
    役者絵で名高い浮世絵師・写楽は、その生涯がまったく謎につつまれ、今日まで多種多様の人物像が描かれてきたが、その決着はついていない。本書は、美術に造詣の深い、日本文学界の巨匠である著者が、その鋭い分析と大胆な推理に基づいて、日本美術の点と線を明かす、興味深いひとつの試論である。
  • アイスクリン強し
    3.5
    西洋菓子は開化の夢――。 明治の築地居留地近く、甘い香り漂う風琴屋(ふうきんや)。今日もまた、お菓子目当ての若様たちが集って嵐が巻き起こる! お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど西洋菓子が次々お目見え。築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。今日もまた、甘いお菓子目当てに元幕臣の警官たち「若様組」がやってきて、あれやこれやの騒動が……。キュートな文明開化(スイーツ)物語。
  • カイジ ファイナルゲーム 小説版
    3.5
    シリーズ累計2100万部を誇るギャンブル漫画の金字塔『カイジ』藤原竜也主演映画化第3弾は、原作者福本伸行自ら脚本に携わり、オリジナルストーリーを考案。全く新しい4つのゲーム【バベルの塔】【最後の審判】【ドリームジャンプ】【ゴールドジャンケン】が登場し、ファン垂涎の手に汗握る展開が繰り広げられる。
  • 花や今宵の
    3.5
    ぐぅーん、ぐぅーん、ぐぅーん。不思議な音で鳴る山「しんの」では、松がぐねぐねとねじ曲がり、季節外れの桜が咲き乱れる。小学四年生の河守亜菜はこの山で突然姿を消した。彼女にいったい何があったのか。大人になって東京で暮らす元同級生のぼくは、しんのがまた鳴っているということを知り、集落に帰ってくる。明日から今までとは全然違う人生が始まってしまうかもしれない、という思いを胸に。昨日と今日と明日がつながっているなんて、誰にも言えない。多様なジャンルを横断しつつ、そのすべてに印象深い物語を刻み込み続ける著者が放つ、少年小説であり、恋愛小説であり、奇妙な味のクロスオーバー。
  • 寂寥郊野
    3.5
    朝鮮戦争で来日したリチャードと結婚して、幸恵がルイジアナ州バトンルージュに暮らしはじめて30年。その幸恵の言動崩壊が始まり、症状は目に見えて進んでいく。夫は妻の鬱病に心あたりがないでもない。国際結婚と老いと孤立を描く、現代文学の秀作。芥川賞受賞作。1997年、「ユキエ」として、脚本・新藤兼人、監督・松井久子で映画化された、名作。
  • クエーサーと13番目の柱
    3.5
    アイドルのあらゆる情報を入手せよ。ネット空間で過熱するパパラッチ競争の中で、元写真週刊誌記者のタカツキリクオは若き資産家カキオカによって選ばれたターゲットEDのミカをモニターするチームの一員として能力を発揮。しかし新メンバーの加入が緻密なチームプレイを徐々に狂わせていく。
  • IP/NN 阿部和重傑作集
    3.5
    時代を小気味良く射抜いた峻烈なマスターピース、『インディヴィジュアル・プロジェクション』と『ニッポニアニッポン』。過激で真摯な言葉が吼えるように奏でるストーリーは、今なお新しく、その奇妙で暗示的な読後感は、当代無二のものがある。代表作2編を同時収録した贅沢な一冊。<解説・古泉智浩><収録作品>●『インディヴィジュアル・プロジェクション』最後の一文字に驚愕する、知的スリルに満ちた現代文学の金字塔渋谷で映写技師として働くオヌマは、かつてスパイ養成塾に在籍していた。オヌマの日記から伝えられる、プルトニウム爆弾を巡るヤクザとの攻防や、その撮影フィルムの存在……次第に気味悪く変調する日記は、一体何を明かすのか?●『ニッポニアニッポン』滑稽にすら映る少年の孤独が、テロルの可能性に変わるとき――引きこもりの童貞・鴇谷春生(とうやはるお)は、世間に対する嫌悪と怨念を一身に漲らせた17歳。「俺を一人にしたことを、この国の連中すべてに後悔させてやる……」そう誓った春生はネットを渉猟し、情報で武装。そして、ある復讐計画を企てる。文句なしに面白い! ストーリー至上主義のマンガ家であるオレが言うから間違いない!――古泉智浩氏(漫画家)なにもしないでいられない。けどなにしたいかわかんない。それならこれ読むっきゃない!――やついいちろう氏(エレキコミック)※本書は、2000年6月に新潮文庫より刊行された『インディヴィジュアル・プロジェクション』と2004年7月に新潮文庫より刊行された『ニッポニアニッポン』の合本です。
  • 私が失敗した理由は
    3.5
    成功の秘訣、それは失敗しないこと!? 順風満帆な人生が続くと思ったら大間違い。道を大きく踏み外してしまった男女が織りなす、疾風怒濤のミステリー! ある日、パート先の同僚イチハラが大量殺人事件を起こしたと聞いた落合美緒。美緒は事件の夜、コンビニで偶然イチハラに会っていた。それを思い出した美緒は、あることを思いつき――。イヤミス女王、真梨幸子が放つ壮絶な群像劇。
  • 冬の旅人(上)
    3.5
    1~2巻880円 (税込)
    裕福な骨董商の家に育った少女・環は、幼いころに見た1枚の西洋画に心を奪われる。その運命の導くまま、聖像画を学ぶために、17歳で革命前夜の帝政露西亜へと留学するが、尼僧たちのいる窮屈な名門女学院を脱走、市中の貧民窟、そしてシベリアへと北の大地を彷徨(さまよ)い、絵筆をとりつづける。大河歴史ロマン。
  • 45° ここだけの話
    3.5
    カフェで、ファストフードで、教室で、ケアホームで、一見普通の人物が語りはじめる不可思議な物語。一卵性双生児、夢の暗示、記憶の改竄、自殺志願者など、ちりばめられた不穏なモチーフが導く衝撃の結末。読んでいるうちに物語に取り込まれ、世界は曖昧で確かなことなど何もないと気づかされる戦慄の9篇。
  • 小説 アルキメデスの大戦
    3.5
    一九三三年。次なる旗艦の建造計画をめぐり、海軍上層部は対立していた。巨大戦艦建造を標榜する戦艦派の計画案に、数字上の虚偽を疑う空母派は、ある数学の天才に不正を見破らせようとする。数学の真理は、巨大戦艦―大和―の建造を阻止できるのか? 大日本帝国海軍が歩んだ激動の時代を、美しき若き天才数学者・櫂正の生き様を通して描く感動作。★★★★★★★★★★★★★★映画「アルキメデスの大戦」主演・菅田将暉 監督・脚本・VFX 山崎貴(「永遠のゼロ」「海賊と呼ばれた男」)原作・三田紀房2019年7月26日公開!★★★★★★★★★★★★★★
  • ヨハネの剣
    3.5
    世界最前衛赤軍の組織者の一人で、自らを「天草四郎の再来」と信じる男が組織の金を奪い、情熱の闘牛の国スペインへと逃走した。やっとのことで彼を見つけた追跡者の私に、彼は、「ぼくは救世主の到来を告げる預言者ヨハネの役にすぎなかった」と言う……。神に肉迫する研ぎ澄まされた超常能力に挑戦する表題作ほか、8編を収録。冒険、悪夢、スーパーヒーローなどなど、鬼才の「神の眼」が見た様々な世界!
  • 新装版 銀行支店長
    3.5
    大手銀行支店長の片岡史郎は、合併した信金の本店だった飯田橋支店の立て直しを副頭取から命じられる。信金の猛者たちが巣くう牙城に腹心の部下二人と乗り込んだ片岡は、古参組の抵抗に遭いながらも、垂範率先して徐々に三友イズムの浸透させていく。だが勝手の違う融資先には手を焼き、部下をやる気にさせ融資を決めたビューティーサロンのスキャンダルに巻き込まれる。そして娘の不登校の問題も抱えた片岡に、さらなる難題が!?
  • 冥途あり
    3.5
    川辺の下町、東京・三河島。そこに生まれた父の生涯は、ゆるやかな川の流れのようにつつましくおだやかだった──と信じていた。亡くなってから父の意外な横顔に触れた娘の家族のルーツを巡る旅が始まる。遠ざかる昭和の原風景とともに描き出すある家族の物語。第43回泉鏡花賞、第68回野間文芸賞受賞作。
  • 九年前の祈り
    3.5
    三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった──。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語。 表題作他四作を収録。芥川賞受賞作。
  • 美神
    3.5
    阿佐子は、背中に薄いピンク色の羽を隠し持っているような子供だった。少女から女へ。儚いほど完璧な美、存在自体が放つ官能の気配、そのすべてが周りの人々を狂わせる。男たちは、峰蜜色にきらめく肌に惑い、阿佐子の表現する愛情はなんであれ、彼らの猜疑心を刺激した。あまりにも美しき破滅の愛の物語。
  • ウォーク・イン・クローゼット
    3.5
    対男用のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣裳部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。危うい秘密を抱えてマスコミに狙われるだりあを、早希は守れるのか? わちゃわちゃ掻き回されっ放しの、ままならなくも愛しい日々を描く恋と人生の物語。表題作他「いなか、の、すとーかー」収録。【解説入り】
  • プラネタリウムのあとで
    3.5
    友人の眞姫に誘われて、美香萌(みかも)は同級生の川田歩と眞姫の兄の4人で鉱物採集にいく。心の中で小石を作ってしまう秘密の体質を持っている美香萌は、石に詳しい川田のことが少しずつ気になっていく。ある時、眞姫から川田が好きだと聞かされて――(「笑う石姫」)。他にも別世界へ誘う3作品を収録した、美しくも切ない珠玉の短編集。

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