プロフィール

  • 作者名:眉村卓(マユムラタク)
  • 生年月日:1934年10月20日
  • 出身地:日本 / 大阪府
  • 職業:作家

大阪大学経済学部卒。1961年『下級アイディアマン』でデビュー。『夕焼けの回転木馬』で第7回日本文芸大賞を受賞。『なぞの転校生』、『ねらわれた学園』など数多くの作品も手がける。

配信予定・最新刊

作品一覧

  • P+D BOOKS C席の客
    NEW
    -
    1巻825円 (税込)
    現代社会の矛盾を鋭く衝く傑作SF超短篇集。 「ぼくが書きたかったのは、ショートショートという形式のなかに、“組織化された社会の一員としての個人”というものを、どう浮かび上がらせるかということだった」(あとがきより)  万博会場のある国のブースで、うまい話に乗せられてしまう「特訓」、時代に乗っていた男が、時代の変化を読み切れず没落してしまう「有望な職業」、ほとんどの人間が、ものごとの判断をコンピュータにゆだねてしまった時代を揶揄する「ヘルメット」、倹約のため昼食には毎日カレーを食べていた実直なサラリーマンが、昇進したがために味わった悲劇を描く「ミスター・カレー」、そして、この世のものとは思えない妙な客が乗車してきたのに、誰も関心を払わない表題作「C席の客」――。  著者があとがきで記したように、SFという形式に仮託して、現代人の思考力低下、都会の冷たさ、管理社会の恐ろしさなどをあぶりだした名篇。
  • P+D BOOKS 幻影の構成
    5.0
    1巻880円 (税込)
    スマホに支配された現代に通じる近未来物語。   娯楽も、ニュースも、労働も、そして食事までもコンピュータシステム「イミジェックス」よって提供されている第八都市。イミジェックスから絶えずもたらされる情報に身を任せていれば、人々は幸せに人生を送ることができる――と思わされていた。  イミジェックスによる洗脳は非常に効果的で、そこに存在しないものを“ある”と思わせたり、不都合な存在は見えないようにすることさえ可能にしていた。しかし、偶然にもイミジェックスのしがらみから逃れたラグ・サートは、コンピュータに支配される暮らしからの脱却を目指す革命団の一員と出会い、仲間に加わる決心をする。  打倒するべきはイミジェックスだけではなく、じつはその背後に“虫”の存在があった。ラグたちは限られたリソースのなかで、“虫”とイミジェックスを倒すすべを探っていく――。  あたかもスマホに支配されてしまったかのような現代とオーバーラップする、眉村卓、渾身の長篇。
  • P+D BOOKS 傾いた地平線
    5.0
    1巻770円 (税込)
    自身の体験も織り交ぜながら描く並行世界。   SF作家の〈ぼく〉が、収録のため放送局のエレベーターに乗り込むと、降りた先にあったのは、スタジオではなく、かつて〈ぼく〉が一般社員として勤めていた会社だった。しかもいつの間にか〈ぼく〉が資材部次長になっており、亡くなったはずの同級生が生きていて――。  その後も2ヵ月ごとに、第一工場総務課長、フリーライター、大地震で焼け出された人間と〈ぼく〉の肩書や状況は目まぐるしく変わっていき、「ぼくはひょっとするとこの世界では、自分のおさまるべき場を、発見出来ないで終るかも知れない」と思うようになる。  眉村卓が、自身の体験も織り交ぜながら描くパラレルワールドの世界。「もしあのとき違う選択をしていたら……」という誰もが思い描く空想世界を見事にまとめた名作。
  • P+D BOOKS EXPO’87
    4.0
    1巻935円 (税込)
    EXPO’70の前に書かれた“予言の書”。 ――たしかに万国博は政府や大企業のいうとおり景気を刺激し、新技術を生みだすことだろう。 しかし、それが何だというのだ?それが本当の人間のためなのか?――  1970年の大阪万博に引き続き、1987年3月15日、愛知県で東海道万国博が開かれようとしていた。科学技術の粋を集めたエキスポは、莫大な資金が動くだけに企業間の争いも激しい。財閥系大企業はもちろん、非財閥系やプランニング会社などをが、しのぎを削っていた。  そんななか、財閥系の企業が密かに養成した産業将校たちが暗躍を始める。彼らの真の目的は何か。果たして東海道万国博は成功するのか……。 70年の大阪万博開催前に書かれた“予言の書”ともいえる長編SF経済小説。
  • P+D BOOKS 燃える傾斜
    -
    1巻770円 (税込)
    現代社会に警鐘を鳴らす著者初の長編SF。 「当社は現代科学の及ぶ範囲の事なら何でも致します。契約が成立しさえすれば、その日からあなたはやり直しの権利を持つのです。今すぐドリーム保険に入りましょう!」  合理主義一辺倒の会社に嫌気がさし、恋人も失ったシロタは、その胡散臭い広告の文句に全財産を賭けることにした。だが、それはエリダヌ人が仕掛けた罠で、彼は人体実験の対象にされてしまう。高度な科学力に圧倒されるシロタだが、やがてエリダヌ星も地球も滅亡の瀬戸際にいることを知り……。  豊かな精神性よりも、合理性や効率、利益を求める現代社会に疑問符を突き付ける、著者初の長編SF。
  • その果てを知らず
    5.0
    1巻880円 (税込)
    日本SF第一世代として活躍した眉村卓が晩年の病床で書き継いでいた遺作。SF黎明期に起こったこと、そして未来はどうなるのか―― 今から60年以上前、大学を卒業して会社員となった浦上映生は文芸の道を志し、SF同人誌「原始惑星」や創刊されたばかりの「月刊SF」に作品を投稿し始めた。サラリーマン生活を続け、大阪と東京を行き来しての執筆生活はどのように続いていったのか。 晩年の彼が闘病しつつ創作に向き合う日常や、病床で見る幻想や作中作を縦横無尽に交えながら、最期に至った“この世界の真実”とは。 これぞ最後の「眉村ワールド」!
  • 仕事ください
    3.3
    1巻1,430円 (税込)
    あれ、なんか変だな……。 気づいたとき、あなたはすでに別世界。 奴隷を求めた男の前に現れた“奴”、哀切なる猫SFなど、現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。 仕事仕事仕事ください……。意のままになる奴隷を求めた男の前に現れた“やつ”は仕事を求め続ける……。表題作ほか、不思議で哀切なる猫SF「ピーや」、恋人との会話がどんどん食い違ってゆく「信じていたい」、戦争の傷痕を異様な迫力で描く「酔えば戦場」などに加え、第一長篇『燃える傾斜』の原型となった「文明考」などの初期未収録作3篇を収録。 読めば世界がずれてくる、ぶれてくる。気づいたとき、あなたはすでに別世界。現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。まずは一篇、踏み出してみませんか?
  • 静かな終末
    3.5
    1巻1,430円 (税込)
    やさしい口当たりと驚きの後味 最後に一篇、いかがですか? 初収録作品多数、日本SFの巨匠の知られざる傑作集 大きな戦争が起きて、どうやら世界は終わるらしい。 しかし、そんなニュースは流れない。戦争の噂はデマだったのだろうか……。 不気味な“日常”を描いた表題作ほか、 ムダをはぶき効率化を突きつめた企業の行く末「ムダを消せ!」、 クイズ番組に人生を賭けるクイズのプロたちの熱き戦い「テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)」など、未収録作品と未文庫化作品を多数収録。 いまなお突き刺さるアイデアと警鐘。 SF第一世代の巨匠による、やわらかな口当たりと驚きのコクが味わえる全五十篇。 お目覚めに、あるいは最後に一篇いかが? 作家活動最初期の十年間に眉村卓が発表したショートショートのうち、これまで著者の単行本または文庫本に一度も入ったことのない作品を中心に五十篇をまとめたのが、本書ということになる。未知のジャンル「SF」に賭けて若き日の作者が傾けた情熱の一端を、この一冊から感じていただけたなら、これに勝る喜びはない。 ――日下三蔵「編者解説」より 【収録作品一覧】 いやな話 名優たち われら人間家族 廃墟を見ました 大当り 誰か来て 行かないでくれ 応待マナー ムダを消せ! 委託訓練 面接テスト 忠実な社員 特権 夜中の仕事 のんびりしたい 土星のドライブ 家庭管理士頑張る 自動車強盗 ミス新年コンテスト 物質複製機 獲物 はねられた男 落武者 安物買い よくある話 動機 酔っちゃいなかった 晩秋 怨霊(おんりょう)地帯 敵は地球だ 虚空の花 最初の戦闘 最後の火星基地 防衛戦闘員 最終作戦 敵と味方と すれ違い 古都で 雑種 墓地 傾斜の中で あなたはまだ? 静かな終末 錆びた温室 タイミング テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典) 100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者) 電話 店 EXPO2000 『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす)
  • かれらの中の海
    -
    1巻660円 (税込)
    あらゆる生命の源である海。人間の暴力で死に絶えんとしている海。……苛酷な生存競争に疲れ、死を決意して沖へ向った一人の青年を救い、訓練の後、再び地上へ送り返したのが。銀河連邦から派遣された宇宙よりの使者……。人間には、海を甦らせる事が、はたして可能なのか? SFの手法を駆使し、物質文明を断罪する、警告の書。
  • 魔性の町(駅と、その町)
    -
    1巻660円 (税込)
    駅とその町の名前は、立身という。JR側の駅前にある昔ながらの商店街と、私鉄側の急速に発展する新興地を抱える、ありふれた郊外の町だが、この土地には<魔性>が棲むという伝説があった。実際、そこでは奇妙な出来事が次々と起きていた。鬼才が放つ、ほろ苦くて、ちょっぴり怖い異次元オムニバス・ミステリー! 不思議な味わいの異次元ワールド。
  • 不器用な戦士たち
    -
    1巻660円 (税込)
    うだつの上がらぬ宮仕えの男が、ある日突然、退職覚悟で、言いたいことを言うようになった。その結末は、意外や意外! ……という「鶏口太郎」など、誰でもいつかはきっと味わう、奇妙な体験、悲哀、現状不満、異能力へのあこがれ等々に潜む、人生の真実、秘密を、心にくい筆致で描く、新サラリーマン・ノベルの傑作・快作集。現状に不満のビジネスマン必読! サラリーマンの意識下の喜びを引き出し元気づける作品集。
  • 二次会のあと
    2.5
    1巻660円 (税込)
    何かが、違う、奇妙な感覚。職場で、家庭で。現実なのか、白昼夢の錯覚か。サラリーマンの日常の中に、ふと忍びよる、さまざまな誘惑、罠、落し穴、倦怠、懐疑、私憤、公憤、義憤、憎悪、怨念、狂気、本性……。二次会のあとの倦怠を吹き飛ばすべく挑戦した風変わりなゲームの戦慄すべき結末を描く表題作など、異才が想像力豊かに描く、不思議な魅力にあふれた新感覚のサラリーマン・フィクション14編。サラリーマン生活の裏に潜む悪夢、誰でも一度は経験したことがありそうな日常の中の驚愕の真実!
  • ぬばたまの…
    -
    1巻660円 (税込)
    ハードSFの旗手・眉村卓が、新分野に挑戦し、見事に書きあげた、異色の長編力作。晩秋の遊園地で、ふと迷いこんだ不気味な「ぬばたま」の世界……ドラマが展開するこの薄明の世界は、何を意味するのか? 突如あらわれる主人公の分身は、いったい何者なのだろうか? 不思議な魅力で読者に迫る力作。
  • ショートショート ぼくの砂時計
    3.0
    1巻660円 (税込)
    世の中すべてが白か黒か、というわけにはいかない。ふたつの色のあいだに茫漠と拡がり、時が奇妙にたゆとう灰色の世界を、砂時計のなかで落ちつづける砂を見つめるような眼差しで、さりげなく、しかし残酷に描く、ハイブロウなショートショート66篇。現代人の孤独と倦怠。そのエッセンスをいま、あなたに……。
  • 六枚の切符
    3.3
    1巻660円 (税込)
    サラリーマンの様々な願望を実現する6枚の切符……。歴史の変更に挑戦するための切符、大富豪になる方法をもたらす切符、変身願望を実現する切符、超能力訓練所行きの切符、異次元世界へ脱出するための時刻表と切符、型破りの発想で転職するための切符――を手にした男たち6人の冒険の意外な結末! 非日常世界の諸相を想像力豊かに描く、野心的連作集。
  • なぞの転校生 (新装版)
    -
    1巻783円 (税込)
    中学2年の広一が住む団地に、ふしぎな一家が越してきた。一家の息子の典夫は、広一が通う中学に転校してくる。勉強もスポーツもよくできて、いきなりクラスの人気者になった典夫。しかし、科学を異様に嫌悪する典夫には信じがたい秘密があった。本気のけんかを通して、固い友情を結ぶ広一と典夫だが、あらたな危険が迫りくる。戦争、環境破壊、集団心理で暴走する社会―。このままでは人類は滅びてしまうのか!? 科学を疑え! 未来を選べ!!<小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき>
  • ねらわれた学園 (新装版)
    3.0
    1巻752円 (税込)
    何度も映像化されている日本SFジュブナイルの大傑作が、新装版で登場。3年生をさしおいて生徒会長になった謎の美少女、高見沢みちる。みちるの発案による生徒会のパトロール隊によって、学園は次第に支配されていく――。このまま、やつらの自由にさせていいのか?自由を求めて立ちあがった耕司と和美。美しい顔にかくされた彼女の正体と、真の狙いは?
  • 夕焼けエッセー2017 おかげさまで15年
    -
    1巻1,430円 (税込)
    産経新聞大阪本社 夕刊一面の投稿コーナー「夕焼けエッセー」。 読者が書き手となって、新聞の一面を飾る名物コーナーが今年の4月で15年目を迎えました。 書籍化4作目となる今回は、掲載直後から大きな話題を呼んだ「わたしの願い」を含む2009年4月から2016年3月までの7年分、254作品を収録。
  • 「妻に捧げた1778話」が私を救った【文春e-Books】
    -
    作家・眉村卓氏は、1997年から2002年まで、がんで闘病中の夫人のために1日1本、400字詰め原稿用紙3枚以上の物語を書くことを日課としていた。 夫人が67歳で他界したとき、その物語は1778話に達していた。愛する人を喪って16年、稀代のストーリーテラーが、妻への思いと自らのいまを語る。 ※「文藝春秋4月号」掲載記事を再編集した電子書籍オリジナル。
  • 夕焼けのかなた
    -
    1巻594円 (税込)
    外との接触を拒むかのように、町の入り口に位置する「峠」。就職し赴任したひなびた町で、閉塞感に包まれながら、若き日々を過ごした男は、久方ぶりに町を訪れた際に、「峠」で不思議な感覚にとらわれる――長年活躍し、齢八十を超えた現在も健筆を振るう著者の自伝的要素を含む「峠」ほか、人生の夕焼けを生きる者たちの存念や悲哀を物語に綴った、渾身の書き下ろし短編集。
  • 日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空
    4.7
    1巻1,650円 (税込)
    現代日本SF誕生から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第3弾は眉村卓。収録作は「下級アイデアマン」「悪夢と移民」「正接曲線」「使節」ほか。
  • 終幕のゆくえ
    -
    1巻583円 (税込)
    六七歳の柴田一郎は、独り暮らしの無聊を慰めるべく、自分史を書きはじめるのだが(「自分史」)。病院帰りに立ち寄ったビルの名店街で渡された腕時計のようなものは、自分がどのくらい嫌われているかわかるというアイテムだった(「嫌われ度メーター」)など、人生の黄昏時を迎えた者たちに訪れる奇妙であやしい出来事。全編書き下ろしで贈る、珠玉の二十の物語。
  • ねらわれた学園
    3.6
    1巻682円 (税込)
    突如、阿倍野第六中学の生徒会長に立候補し、鮮やかに当選してみせた高見沢みちる。それまで目立たない存在だった彼女は、魅力的な微笑と不思議な力で学園を支配していく。美しい顔に覆い隠された彼女の正体と真の狙いとは? 1970~1980年代に大ブームを巻き起こし、幾度も映像化されてきた日本ジュブナイルSFの金字塔。
  • 短話ガチャンポン
    -
    1巻528円 (税込)
    2015年1月から執筆を開始した、完全書き下ろしのショートショート集。81歳のSF作家が日常浮かんでくるさまざまなアイディアをもとに日々綴った。マイナンバー制度など、今のアイテムをブラックユーモアで扱っている作品もある。
  • 駅と、その町
    5.0
    1巻528円 (税込)
    これは、あなたの住む町の話でもあるかもしれない。国鉄と私鉄が乗り入れている駅「立身」と、その周辺で起こる不可思議な出来事の数々。急行が去った後ホームに倒れていた男の謎、駅の売店に勤める女の謎。身近な町に、魔物が住む?
  • なぞの転校生
    3.6
    1巻539円 (税込)
    岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫はギリシャ彫刻を思わせる美男子であるのに加え、成績優秀でスポーツも万能だったが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは? 1970年代のNHK少年ドラマシリーズシリーズとして映像化され人気を博した眉村卓がおくるSFジュブナイルの傑作。(講談社文庫)
  • 出張の帰途
    3.0
    1巻605円 (税込)
    出張の帰途、男はふと思い立ってローカル線に乗った。明日は休みなので、のんびり帰ればよかったのだ。しばらくして男は手帳を忘れたことに気づき、うろたえた。あわてて列車を降りたとたん、手帳を拾った若い女が近づいて来た。それが恐怖の始まりだった…。いつも通りの平穏な一日が、些細なきっかけからおぞましい恐怖の一日に変わるサスペンス傑作集! 誰にも覚えがある、非日常への恐れと憧れ。ふとしたことで異空間に入り込む瞬間を、達意の文章で描いた9編収録。

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  • 妻に捧げた1778話
    3.9
    1巻968円 (税込)
    余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をした。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。五年間頑張った妻が亡くなった日の最後の原稿、最後の行に夫は書いた──「また一緒に暮らしましょう」。妻のために書かれた1778篇から19篇を選び、妻の闘病生活と夫婦の長かった結婚生活を振り返るエッセイを合わせたちょっと変わった愛妻物語。

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  • 司政官 全短編 上 《司政官》シリーズ
    -
    1~2巻660円 (税込)
    地球人類が星々に進出した時代。だが、それまでの連邦軍による植民惑星の統治が軋轢を生じさせるに及び、連邦経営機構は新たな制度を発足させた――それが司政官制度である。官僚ロボットSQ1を従えて、人類の理解を超えた植民星種族(ロボット、植物、角の生えたヒト型生命など)に単身挑む、若き司政官たちの群像。かつて『司政官』『長い暁』の2短編集に収録されていた全7作を作品内の年代順に編纂し、初の一巻本とした決定版。《司政官》シリーズは、大長編『消滅の光輪』『引き潮のとき』とともに、円熟期の眉村SFを代表する、遠大な本格宇宙未来史である。「長い暁」「照り返しの丘」「炎と花びら」収録。

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  • 消滅の光輪 上 《司政官》シリーズ
    4.5
    1~2巻1,100円 (税込)
    植民星ラクザーンでは、人類と瓜二つの穏和な先住民と、地球人入植者とが平和裡に共存し発展を謳歌していた。だがその恒星系の太陽が、遠からず新星化する兆しを見せている。数年内に惑星のすべての住民を待避させよ――。連邦経営機構に任ぜられた新任司政官マセ・PPKA4・ユキオはロボット官僚を率い、この空前ともいえる任務に着手するが。緻密な設定のもと周到なオペレーションを描きあげ、《司政官》シリーズの最高作にして眉村本格SFの代表作と謳われる傑作巨編。泉鏡花文学賞、星雲賞受賞作!

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  • 司政官 全短編 【完全版】 《司政官》シリーズ
    4.3
    1巻1,799円 (税込)
    地球人類が星々に進出した時代。だが、それまでの連邦軍による植民惑星の統治が軋轢を生じさせるに及び、連邦経営機構は新たな制度を発足させた――それが司政官制度である。官僚ロボットSQ1を従えて、人類の理解を超えた植民星種族(ロボット、植物、角の生えたヒト型生命など)に単身挑む、若き司政官たちの群像。かつて『司政官』『長い暁』の2短編集に収録されていた全7作を作品内の年代順に編纂し、初の一巻本とした決定版。《司政官》シリーズは、大長編『消滅の光輪』『引き潮のとき』とともに、円熟期の眉村SFを代表する、遠大な本格宇宙未来史である。

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ユーザーレビュー

  • P+D BOOKS 幻影の構成

    Posted by ブクログ

    著者の作品は時折読みたくなる。長編第2作という初期作品(1966年作品)だけあってもう若々しい熱量がすごい。大好きな司政管シリーズに通じる体制の内側から見た苦悩と変革だったり、市井の人々の生活感を取りこんでいたりと著者の特徴が全て盛り込まれています。それどころかその後の作品では消え去ったネットワークによる情報操作される世界も描かれています。傑作。P+D booksで再刊されたのは喜ばしい(紙質安っぽいけど)。
    現在のスマートフォンが当たり前の生活を予言したようなイミジェックスという小さな箱によって子供の頃から感情、教育、思想を方向づけされた平和な世界。しかし、その裏側には思想統制や階級格差、経

    0
    2025年10月08日
  • 妻に捧げた1778話

    Posted by ブクログ

    長年連れ添った伴侶を
    見送った後の心境たる
    や。

    喩えるなら最終列車が
    行ってしまったホーム
    でしょうか。

    静かで、すこし寒くて
    だれもいないベンチに
    ぽつんと座るような…。

    立ち尽くす人もいれば
    淋しく微笑む人もいる
    でしょう。

    笑い声の余韻、喧嘩の
    後の湯呑みのぬくもり


    時折、風が吹いて記憶
    をそっと撫でていく。

    愛した分だけ空っぽに
    なると言うけれど、

    それはね、満たされて
    いた証なの。

    ほら、夜空を見上げて
    みれば星が瞬いている。

    もう一度ただただ君の
    名を呼びたいと、

    だれしもいつかきっと
    そう思う日がくるから
    ──

    静かに涙が溢れてくる。

    最終章に溢れる

    0
    2025年08月07日
  • P+D BOOKS 傾いた地平線

    Posted by ブクログ

     日常を歩いていたはずの男がさまよいこんでしまったのは、ありえたかもしれない自分の別の人生だった。ということで本作は無数に分岐された世界の様相を描いたいわゆるパラレルワールドものの一作です。

     SF作家の上村徳治がある日、A新聞社のビルのエレベーターを出ると、異変に気付く。十七年前に辞めた会社の前に来ているのだ。その会社はA新聞社のビルにはないはずなのに。上村が踏み入れてしまったのは会社を辞めずに、その会社で次長になっているもうひとつの自分がいる世界だった。

     何より印象的だったのが、元の世界に戻りたい、という思いはありながらも、踏み入れる世界にも日常の営みがあることを感じて、淡々と静かに

    0
    2025年05月13日
  • 妻に捧げた1778話

    Posted by ブクログ

    読む前から分かっていたけれども切ない。お話やエッセイ自体はいつもの眉村ワールドだけれども、最終章は生の作者の気持ちが強くあらわれていて、やはり強く心を動かされてしまいました。

    0
    2025年02月10日
  • その果てを知らず

    Posted by ブクログ

    〈いいのだ、いいのだ、それでいいのだ。
     というより、何だっていいのだ。
     どうせ近々この世からおさらばするのである。となれば、おさらばしない現実の存在を認めたっていいだろう〉

     リアルタイムで読んできたひとならば、あるいはその当時を知るひとならば、まったく違った感慨を覚えるのかもしれませんが、私は詳しくないので、読んだ素直な気持ちを綴ることしかできません。
     著者自身を思わせる作家、浦上映生がたゆたう現実と幻想、生と死の境。ただの回顧ではなく、小説への、フィクションへの強烈な愛と意志を感じました。SFのひとつの時代を支え、そして長い年月、書き続けた小説家が、小説家としての軌跡を、小説として

    0
    2024年10月17日

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