眉村卓の作品一覧
「眉村卓」の「終幕のゆくえ」「駅と、その町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「眉村卓」の「終幕のゆくえ」「駅と、その町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
大阪大学経済学部卒。1961年『下級アイディアマン』でデビュー。『夕焼けの回転木馬』で第7回日本文芸大賞を受賞。『なぞの転校生』、『ねらわれた学園』など数多くの作品も手がける。
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
これはすごい。涙なしには読めない一冊だった。どうか最後まで読んでほしい。言葉を超えたものが確かにあった。同じ経験をどこかでしたと思い返したら、さだまさしさんの小説『眉山』だった。
内容は作家・眉村卓さんが妻のために書いたショートショートと、それにまつわるエッセイ集。
余命一年と宣告をされた妻のために僕には何ができるのか———そう考えた眉村卓さんは、毎日ショートショートを書いて妻に聞かせることにした。自分にできること、続けられそうなことを探した結果、そう落ち着いたのだ。それからたった一人の読者のために、毎日物語を拵え、妻の反応を楽しみに毎日を過ごす。初めて三ヶ月が経った頃「しんどかったら、辞めてもええよ」と言われるが、辞めたら病気が悪化してしまうような気がして毎日書き続ける。時には作品が自分の生活に寄り過ぎて、イマイチと言われることもある。なるべく笑えるものを書こうと心がけているつもりだったが、反応が微妙だったり、思わぬ作品に喜ばれたり。この年齢の方の言う、長年寄り添ってもわからないこともあるという言葉の重みと、それをひっくるめた愛と、二人のやりとりに心打たれる。
書き続けることで、余命一年と宣告されていた奥さんはなんと五年も生き続ける。その間に書かれた1778話のうち、19編が収録されている。特に最後の一編は、亡くなった日に書かれたものだが、凄まじかった。
Posted by ブクログ
著者の作品は時折読みたくなる。長編第2作という初期作品(1966年作品)だけあってもう若々しい熱量がすごい。大好きな司政管シリーズに通じる体制の内側から見た苦悩と変革だったり、市井の人々の生活感を取りこんでいたりと著者の特徴が全て盛り込まれています。それどころかその後の作品では消え去ったネットワークによる情報操作される世界も描かれています。傑作。P+D booksで再刊されたのは喜ばしい(紙質安っぽいけど)。
現在のスマートフォンが当たり前の生活を予言したようなイミジェックスという小さな箱によって子供の頃から感情、教育、思想を方向づけされた平和な世界。しかし、その裏側には思想統制や階級格差、経済搾取といった現代の問題が全て描写されていて驚きます。そこに唐突に絡んでくる立ち位置不明な宇宙人?や反体制による革命への情熱、国家を上回る企業による統治など1周回ってもはや先端か。チャイナ・ミエヴィルの「都市と都市」の世界は40年前に描かれていた!
早川書房版で読んだけど解説の石川氏によれば、その辺の設定に説得力が不足しているとあるけれど発表から60年後の現在はそうなりつつあるからなぁ。説得力にかける未来が実現されつつある不条理な現在。一時期SFの発想力が企業には必要とかあったけど、その発想力も企業トップからすれば説得力に欠けると評価されて潰されるんだろうな。発想した人が自分で実現しなければ達成し得ないということもこんな作品を読めばわかります。それほどまでに組織化は恐ろしいけれど、力を発揮するためには必要だという矛盾を孕んでいるしくみだということを著者はすでに描いています。バイアスがかかったマスコミやあふれる偽情報に踊らされることなく自分で思考する力、実行する力が年をとってもますます必要な世界になったなと感じます。長編第1作「燃える傾斜」も読んでみようかな。
Posted by ブクログ
長年連れ添った伴侶を
見送った後の心境たる
や。
喩えるなら最終列車が
行ってしまったホーム
でしょうか。
静かで、すこし寒くて
だれもいないベンチに
ぽつんと座るような…。
立ち尽くす人もいれば
淋しく微笑む人もいる
でしょう。
笑い声の余韻、喧嘩の
後の湯呑みのぬくもり
…
時折、風が吹いて記憶
をそっと撫でていく。
愛した分だけ空っぽに
なると言うけれど、
それはね、満たされて
いた証なの。
ほら、夜空を見上げて
みれば星が瞬いている。
もう一度ただただ君の
名を呼びたいと、
だれしもいつかきっと
そう思う日がくるから
──
静かに涙が溢れてくる。
最終章に溢れる想いは
言葉にしようとすると
喉の奥で崩れてしまう。
だから、もうこの表現
方法しかなかったのね
と、何度も頷きました。
喪失とは、終わりでは
なく静かに続いていく
愛のかたち。
声は届かないかもしれ
ないけど、ぬくもりを
間近に感じる。
その人はもういないの
ではなく、ここにいる
のだと。
Posted by ブクログ
日常を歩いていたはずの男がさまよいこんでしまったのは、ありえたかもしれない自分の別の人生だった。ということで本作は無数に分岐された世界の様相を描いたいわゆるパラレルワールドものの一作です。
SF作家の上村徳治がある日、A新聞社のビルのエレベーターを出ると、異変に気付く。十七年前に辞めた会社の前に来ているのだ。その会社はA新聞社のビルにはないはずなのに。上村が踏み入れてしまったのは会社を辞めずに、その会社で次長になっているもうひとつの自分がいる世界だった。
何より印象的だったのが、元の世界に戻りたい、という思いはありながらも、踏み入れる世界にも日常の営みがあることを感じて、淡々と静かに受け入れていく語り手の姿でした。あくまで日常の地続きに非日常が存在する。後半はディストピア的な世界観が広がっていき、意外な展開も見せるのですが、派手なインパクトで胸を鷲掴みしてくるというよりは、全体的にはしみじみと胸に染み入ってくるような作品でした。